
業務用冷蔵庫・冷凍庫の入れ替えに使える補助金|省エネ・非化石転換補助金の申請ステップ
老朽化した業務用冷蔵庫・冷凍庫の入れ替えを検討する飲食店は多いはずですが、「省力化補助金」や「ものづくり補助金」の話は見かけても、冷凍冷蔵設備そのものの入れ替えに向いた制度はあまり知られていません。実は、古い冷凍冷蔵設備を省エネ性能の高い設備へ更新する投資には、省エネ・非化石転換補助金(設備単位型)という制度が使えます。この記事では、この補助金を軸に、冷蔵庫・冷凍庫入れ替えの申請ステップを整理します。なお補助金の制度内容・上限額は年度ごとに見直されるため、以下は執筆時点の情報として、最新の公募要領もあわせてご確認ください。
冷凍冷蔵設備の入れ替えに向く「省エネ・非化石転換補助金(設備単位型)」
この補助金は、工場・店舗・ホテル・食品関連事業者などが使う設備を、省エネ性能の高い設備へ更新・改造する投資を支援する制度です。冷凍冷蔵設備は対象設備の代表例として明記されており、古い業務用冷蔵庫・冷凍庫を高効率な設備に入れ替える投資と相性がよい制度です。設備単位型(従来枠)の補助上限は1億円、補助率は1/3以内、下限は30万円です。
ステップ1:更新前後で用途が同じかを確認する
この補助金は原則として「更新」が中心で、新規導入・増設・予備設備・中古品は対象になりにくく、更新前後で用途が同じであることが求められます。「今ある業務用冷蔵庫を、より省エネ性能の高い同用途の設備に入れ替える」という計画であれば対象として検討しやすい一方、店舗拡張にあわせて新たに冷蔵庫を増設するだけの計画では対象になりにくい点に注意してください。
ステップ2:省エネ効果の数値要件を満たせるか確認する
設備単位型では、省エネ率10%以上、省エネ量原油換算1キロリットル以上、または経費当たり省エネ量原油換算1キロリットル/千万円以上のいずれかを満たす必要があります。単なる老朽化更新では弱く、更新前後でどれだけエネルギー消費効率が改善するかを数値で説明できるかがポイントです。設備メーカー・販売店から、更新前後の消費電力・省エネ効果の見込みデータを取得しておく必要があります。
ステップ3:3者以上の見積を取得する
この補助金は原則として3者以上の価格競争・見積取得が必要で、補助対象経費は価格競争等の結果による最低価格が上限になります。特定の1社だけで見積を進めてしまうと要件を満たせないため、早い段階で複数の設備業者から見積を取ることを前提にスケジュールを組んでください。
ステップ4:対象経費の範囲を確認する(設備費が中心)
設備単位型は「設備費のみ」が中心の対象経費で、設計費・運搬費・撤去費・廃棄費・据付費・工事費・配線配管などは対象外になりやすい区分です。冷蔵庫本体の入れ替えにあわせて厨房のレイアウト変更や電気工事が発生する場合、その工事費まで補助対象にできるとは限らないため、設備業者との見積段階で対象・対象外の経費を仕分けしておく必要があります。
ステップ5:交付決定を待ってから発注する
交付決定前の契約・発注は不可で、事業開始日は交付決定日です。「古い冷蔵庫が壊れそうだから早めに交換したい」という事情があっても、交付決定前に発注・契約すると補助対象外になります。故障リスクが高い設備ほど、公募スケジュールと入れ替えのタイミングを慎重に調整する必要があります。
ステップ6:導入後の報告義務を把握しておく
導入後は、最低1週間以上の実測データ等による省エネ効果の報告が必要です。「入れ替えて終わり」ではなく、導入後にエネルギー使用量を計測・報告する事務作業が発生することを、事前に見込んでおきましょう。
省力化・人手不足対策が主目的なら、省力化投資補助金という選択肢も
冷蔵庫・冷凍庫の入れ替え自体が目的ではなく、厨房業務全体の省力化・人手不足対策が主目的の場合は、中小企業省力化投資補助金(カタログ注文型・一般型)も検討できます。省エネ性能の向上が主目的なら省エネ・非化石転換補助金、業務の省力化が主目的なら省力化投資補助金、と投資の主目的で使い分けるのが基本の考え方です。
まとめ
業務用冷蔵庫・冷凍庫の入れ替えは、省エネ・非化石転換補助金(設備単位型)の典型的な活用シーンのひとつです。ただし、更新前後で用途が同じであること、省エネ効果を数値で示せること、3者見積、交付決定前発注NG、実測データによる報告義務など、他の補助金とは異なる独自の要件があります。事務負担は軽くないため、自院の投資計画がこの制度に合うか判断に迷う場合は、早めに補助金に詳しい専門家へ相談しながら準備を進めることをおすすめします。
【無料相談のご案内】
弊社では、補助金専門行政書士法人V-Spiritsが補助金支援を行っております。元補助金審査員の三浦を中心とした各種専門家チームが全面的にサポートいたします。このケースは補助金の対象になるのか?といった疑問に対して適切なアドバイスを無料にて行っております。無料相談も行っているので、ぜひいちどご相談ください。お問い合わせお待ちしております!

この記事を書いた人
三浦高/Takashi Miura
元創業補助金(経済産業省系補助金)審査員・事務局員
中小企業診断士、起業コンサルタント®、
1級販売士、宅地建物取引主任者、
融資・資金調達コンサルタント
行政書士法人V-Spirits 補助者
産業能率大学 兼任教員
2024年現在、各種補助金の累計支援件数は300件を超える。
融資申請のノウハウも蓄積し、さらに磨きを掛けるべく日々事業計画書に向き合っている。

この記事を監修した人

中野裕哲/Nakano Hiroaki
税理士法人V-Spiritsグループ代表/税理士/行政書士/特定社会保険労務士/採用定着士/ファイナンシャルプランナー/起業コンサルタント/経営コンサルタント/大正大学招聘教授
税理士法人V-Spiritsグループ代表の中野裕哲は、中小企業経営者のために、税務・会計だけでなく、採用、人事、資金繰り、融資、補助金、助成金、営業、Webマーケティング、売上導線設計まで横断的に支援する実戦型経営税理士です。
経営の悩みは、突き詰めると「人・金・売上」に集約されます。中野裕哲は、大企業人事部、人材紹介会社の採用エージェント、中小企業の財務責任者、大手不動産会社での営業、出版・Web制作による集客導線構築など、幅広い実務経験をもとに、経営者の意思決定を支援します。
【対応領域】
税理士顧問、社労士顧問、補助金支援、助成金支援、資金調達支援、採用力診断、売上導線診断、経営参謀顧問。税務・会計・決算・節税に加えて、経営分析、労務管理、社会保険、助成金、採用体制づくり、融資、補助金、事業計画、営業戦略、Webマーケティング、出版、メディア活用まで一体的に相談できます。
中野裕哲は、家業の倒産危機からの壮絶な貧乏体験を原点に、お金で苦しむ経営者をひとりにしないことを掲げています。資金繰り、採用、売上づくりの壁に対して、経営者目線で伴走します。
【主な実績】
- 起業支援・経営支援の豊富な実績
- 起業相談件数3,000件以上
- 資金調達支援1000件以上
- 大企業Webサイト多数監修
- 商業出版著書監修約32冊(累計30万部超)
V-Spiritsグループでは、融資・補助金・金融機関対応に詳しい社内役員チームも伴走します。元経済産業省系補助金審査員・事務局員、元日本政策金融公庫支店長、元信用金庫融資担当営業などの専門家が、補助金申請、事業計画、資金繰り、金融機関対応を実務面から支援します。
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