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動物用CTはものづくり補助金の対象になるか|「医療法人は対象外」の誤解を解く

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動物用CTはものづくり補助金の対象になるか|「医療法人は対象外」の誤解を解く

動物用CTの導入を検討する動物病院から、「ものづくり補助金は対象になるのか」という相談をいただきます。歯科医院向けの記事などで「新事業進出・ものづくり商業サービス補助金は医療法人が対象外」という注意書きを見て、自院にも当てはまるのか不安に感じる方も少なくありません。結論から言うと、動物病院にはこの「医療法人」除外規定がそのまま当てはまらないケースがほとんどです。この記事では、その理由と、動物用CT導入で補助金を検討する際の実務上のポイントを整理します。なお補助金の制度内容・上限額は年度ごとに見直されるため、以下は執筆時点の情報として、最新の公募要領もあわせてご確認ください。

まず結論:動物病院に「医療法人」という法人形態は存在しない

歯科医院や病院・診療所が設立できる「医療法人」は、人の医療を対象とする医療法にもとづく制度です。獣医療を規定する獣医療法には、これに相当する「獣医師法人」のような制度がありません。そのため、動物病院を法人化する場合は株式会社・合同会社などの一般的な会社形態が基本になり、「医療法人」という法人格自体を選ぶことができません。歯科医院向けの記事にある「医療法人は対象外」という注意書きは、動物病院にはそもそも当てはまらない前提の話であり、混同する必要はありません。

では、動物用CTは新事業進出・ものづくり商業サービス補助金の対象になるか

「医療法人」の除外規定を気にする必要がない一方で、対象になるかどうかを分けるのは、あくまで投資の中身です。新事業進出・ものづくり商業サービス補助金(革新的新製品・サービス枠)は、新しい製品・サービスの開発に必要な機械装置・システム投資を支援する制度です。動物用CTの導入によって、これまで提供できなかった高度な画像診断サービスを新たに立ち上げる、他院への紹介症例を院内で完結できるようにする、といった「新規性」を事業計画で具体的に説明できる場合に、対象として検討できます。単に老朽化した既存機器を同等品に置き換えるだけの更新投資では、新規性を説明しづらく、対象になりにくい点は歯科医院向けの制度と共通です。

省力化を主目的にするなら中小企業省力化投資補助金という選択肢も

CT導入の目的が「新しい診療サービスの立ち上げ」というより「検査業務の効率化・人手不足の解消」に近い場合は、中小企業省力化投資補助金(一般型)も検討できます。補助上限は1億円で、単価50万円(税抜)以上の機械装置等を最低1つ導入することが必須要件です。この制度は法人形態を問わず、株式会社・合同会社・個人事業主のいずれも対象になり得ます。「新規性を打ち出したい」のか「今の検査体制を少ない人手で回したい」のかで、どちらの制度を軸にするかが変わってきます。

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補助上限額の目安(新事業進出・ものづくり商業サービス補助金)

革新的新製品・サービス枠の補助上限は従業員規模によって異なり、5人以下で750万円、6〜20人で1,000万円、21〜50人で1,500万円、51人以上で2,500万円が目安です。大幅な賃上げ特例を満たす場合は最大3,500万円まで広がりますが、これは最も大きな従業員規模で特例を適用した場合の最大値であり、無条件に受け取れる金額ではありません。動物用CTのような数千万円規模の投資では、この上限額と自院の従業員規模を照らし合わせ、自己資金・融資との組み合わせも含めた資金計画を立てておく必要があります。

申請でつまずきやすい注意点

  • 交付決定前の発注は対象外:交付決定を受ける前に発注・契約・支払をすると、原則として対象外になります。数千万円規模の設備は納期・据付調整に時間がかかるため、スケジュールを前倒しで組んでおく必要があります。
  • 単なる更新は新規性を説明しにくい:老朽化更新のみを理由にすると、事業計画の説得力が弱くなりがちです。新しい診療領域・サービスとの結びつきを描くことが重要です。
  • 賃上げ要件の確認:上限を引き上げる特例には賃上げの取り組みが前提になります。満たせない見込みなら、無理に上限最大値を前提にした計画にしないことが大切です。

まとめ

動物用CTが新事業進出・ものづくり商業サービス補助金の対象になるかは、「医療法人かどうか」ではなく、「新しい診療サービスの立ち上げにつながる投資か」で判断されます。動物病院にはそもそも医療法人という法人形態がないため、歯科医院向けの記事にある除外規定を心配する必要はありません。一方で、検査業務の省力化が主目的であれば中小企業省力化投資補助金(一般型)も選択肢になります。投資の目的を整理したうえで、どちらの制度が自院の計画に合うか、早めに専門家へ相談しながら準備を進めることをおすすめします。

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三浦高

この記事を書いた人

三浦高/Takashi Miura

元創業補助金(経済産業省系補助金)審査員・事務局員
中小企業診断士、起業コンサルタント®、
1級販売士、宅地建物取引主任者、
融資・資金調達コンサルタント
行政書士法人V-Spirits 補助者

産業能率大学 兼任教員
2024年現在、各種補助金の累計支援件数は300件を超える。

融資申請のノウハウも蓄積し、さらに磨きを掛けるべく日々事業計画書に向き合っている。

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この記事を監修した人


中野裕哲

中野裕哲/Nakano Hiroaki

税理士法人V-Spiritsグループ代表/税理士/行政書士/特定社会保険労務士/採用定着士/ファイナンシャルプランナー/起業コンサルタント/経営コンサルタント/大正大学招聘教授

税理士法人V-Spiritsグループ代表の中野裕哲は、中小企業経営者のために、税務・会計だけでなく、採用、人事、資金繰り、融資、補助金、助成金、営業、Webマーケティング、売上導線設計まで横断的に支援する実戦型経営税理士です。

経営の悩みは、突き詰めると「人・金・売上」に集約されます。中野裕哲は、大企業人事部、人材紹介会社の採用エージェント、中小企業の財務責任者、大手不動産会社での営業、出版・Web制作による集客導線構築など、幅広い実務経験をもとに、経営者の意思決定を支援します。

【対応領域】
税理士顧問、社労士顧問、補助金支援、助成金支援、資金調達支援、採用力診断、売上導線診断、経営参謀顧問。税務・会計・決算・節税に加えて、経営分析、労務管理、社会保険、助成金、採用体制づくり、融資、補助金、事業計画、営業戦略、Webマーケティング、出版、メディア活用まで一体的に相談できます。

中野裕哲は、家業の倒産危機からの壮絶な貧乏体験を原点に、お金で苦しむ経営者をひとりにしないことを掲げています。資金繰り、採用、売上づくりの壁に対して、経営者目線で伴走します。

【主な実績】

  • 起業支援・経営支援の豊富な実績
  • 起業相談件数3,000件以上
  • 資金調達支援1000件以上
  • 大企業Webサイト多数監修
  • 商業出版著書監修約32冊(累計30万部超)

V-Spiritsグループでは、融資・補助金・金融機関対応に詳しい社内役員チームも伴走します。元経済産業省系補助金審査員・事務局員、元日本政策金融公庫支店長、元信用金庫融資担当営業などの専門家が、補助金申請、事業計画、資金繰り、金融機関対応を実務面から支援します。

税理士顧問、社労士顧問、融資、補助金、助成金、採用、営業、マーケティングまで、経営者が本当に悩む領域をワンストップで相談できます。V-Spiritsグループは、起業支援・会社設立・創業融資・補助金助成金・税務会計・人事労務・許認可・経営顧問をワンストップで支援する、起業家・中小企業向けの専門家グループです。

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