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コラム

6次産業化事例|設備の経費区分と補助金の枠の選び方、個人農業者の判定

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6次産業化の設備投資で補助金を使うなら、経費と枠の見方から

6次産業化を考えている農家さんや漁業者さんが、加工場や直売の設備を整えるための資金として補助金を調べると、まず気になるのは「他の人は何を買って、どの補助金を使ったのか」だと思います。ただ、事例の設備名や金額だけを追いかけると、自分の計画に置き換えられないことがあります。同じ機械でも、その費用がどの経費区分に入るか、どの枠の計画として書かれているかで扱いが変わるからです。

この記事では、事例を読むときの見方を整理します。個別の事業者の事例や、採択の件数は扱いません。補助金の数字は、2026年10月時点の公募要領で確認できる範囲に絞っています。

事例の見方と、加工・直売の経費の考え方

買ったものを経費区分に当てはめる

事例で何を買ったかを読むときは、まず設備費とそれ以外の費用を分けてみてください。中小企業省力化投資補助金(一般型)でも、新事業進出・ものづくり商業サービス補助金の新事業進出枠でも、機械装置・システム構築費が中心の区分になっています。専用の機械や装置、専用のソフトや情報システムは、ここに入る費用です。

一方で、外注費や専門家経費には上限があります。新事業進出枠では、外注費は対象経費の1/4、専門家経費は1/5が上限です。広告宣伝・販売促進費は、区分としては「その他」に含まれます。事例の総額だけを見るのではなく、経費の内訳が設備費に偏っているのか、販売促進や外注が多いのかを見ると、自分の計画と比べやすくなります。

加工・直売・EC・飲食で分けて見る

加工場の機械や包装の機械は、設備費として整理されることが多い費用です。直売所の設備やECサイトの構築は、システム構築費や販売促進費などに分かれることがあり、どの区分に入るかは個別に確認が必要です。飲食の提供を併設する場合は、料理の提供に必要な経費と、農作物の生産に必要な経費を分けて考えます。個人農業者の扱いは、後ほど改めて説明します。

補助金の枠は、何を実現したいかで選ぶ

同じ6次化の投資でも、今の作業を楽にしたいのか、新しい商品や市場に出たいのかで、候補になる枠が変わります。ここでは、中小企業省力化投資補助金(一般型)、新事業進出・ものづくり商業サービス補助金 新事業進出枠、小規模事業者持続化補助金の3つを例に整理します。

今の作業を省力化するなら一般型で考える

中小企業省力化投資補助金(一般型)は、人手不足や工程のムダを減らすための投資が対象です。補助上限は従業員規模によって変わり、5人以下の事業者は750万円(特例で1,000万円)、101人以上の事業者は8,000万円(特例で1億円)が上限になります。最大の数字だけを見るのではなく、自社の従業員規模でどこに当たるかを確認してください。

対象になるかどうかは、機械の単価だけでは決まりません。汎用的な機械を1台だけ導入する計画は、対象外になりやすいとされています。複数の機器を組み合わせて省力化の効果を出す計画や、導入する環境によって周辺機器や機器の構成が変わる計画であれば、オーダーメイド性のある設備として判断されることがあります。加工機を1台追加するだけの計画なのか、加工から包装、出荷までを機器の組み合わせで見直す計画なのかで、判断は分かれます。

新しい商品や市場に出るなら新事業進出枠で考える

新事業進出枠は、既存の事業とは異なる新しい市場や、高い付加価値をつける事業への進出を支援する枠です。補助上限は従業員規模別で、1〜20人の事業者は2,500万円、101人以上の事業者は7,000万円です。大幅な賃上げを行う特例を使う場合は、それぞれ3,000万円から9,000万円まで上がります。補助下限は750万円で、補助率は中小企業者で1/2です。

この枠では、新しさの考え方で判断が大きく変わります。既存の市場と同じもの、既存製品の増産、単なる製法の変更、単なるメニューの追加、単に商圏が違うだけの計画は、新事業進出には当たらないとされています。直売所を新しく開くことや、ECで販売を始めることが、そのまま新しい市場と認められるわけではありません。どの点が自社にとって新しいのかを、説明できるかどうかが問われます。また、新規設立や創業後1年に満たない事業者は対象外で、最低1期分の決算書が必要とされています。

三浦高

💬 執筆者の三浦から一言

見積もりが取れると、そのまま発注を進めたくなりますよね。ただ、補助金は交付決定より前に行った発注・契約・購入が対象外になります。設備の導入時期と申請の順番を、先に一枚の表にしておくと安心です。審査する側の目線で見ても、この順番のずれは後から修正しにくい部分です。

個人農業者は、加工と料理提供に必要な経費から見る

個人で農業を営んでいる方が小規模事業者持続化補助金を検討する場合、対象になるかどうかは農作物の売り方によって変わります。系統出荷による収入だけの個人農業者は、対象外になり得るとされています。一方で、農作物を加工する事業や、農作物を使った料理を提供する事業であれば、その加工や料理の提供に必要な経費は対象になり得ます。農作物の生産そのものに必要な経費は、対象外です。

6次化の計画では、生産に使う機械と、加工や提供に使う機械を分けて整理しておくと、どこまでが対象になり得るかを確認しやすくなります。また、農事組合法人のような形態は対象外になりやすいとされているため、どの立場で申請するのかを最初に確認しておく必要があります。

💬 無料相談のご案内

補助金専門行政書士法人は、V-Spirits元補助金審査員の三浦を中心とした専門家チームが補助金支援を行っております。「このケースは補助金の対象になるのか?」といった疑問にも、無料でお答えしております。お気軽にご相談ください。

採択で見られやすい点は、計画の書き方に表れる

補助金の審査では、事業計画が申請者自身の言葉で作られていることが前提です。外部に丸ごと任せた計画は、不採択や取消の対象になるとされています。また、3〜5年の事業計画で、付加価値額を年平均で4.0%以上伸ばすことや、一人当たりの給与支給総額を年平均で3.5%以上伸ばすことが求められる枠があります。賃上げの目標が達成されなかった場合は、補助金の返還が発生することがあります。

事例を読むときは、結果としてどんな設備が入ったかだけでなく、その計画が上の要件をどう満たす書き方になっているかを見てください。公募回ごとに採択結果は公表されますので、個別の事例は公表資料で確認するのが確実です。

また、交付決定の前に行った発注・契約・購入は、補助対象になりません。見積もりを取ってから先に機械を発注してしまうと、対象から外れることがあるため、導入の順番は申請の流れと合わせて確認してください。

よくある質問

機械を1台買うだけでも補助金は使えますか

汎用的な機械を1台だけ導入する計画は、対象外になりやすいとされています。複数の機器を組み合わせる計画や、導入する環境によって構成が変わる計画として示せれば、対象になり得ます。どの程度の組み合わせが必要かは、申請する枠の公募要領を確認し、管轄の窓口に相談してください。

個人で農業をしていても、加工の部分だけ補助金を使えますか

系統出荷による収入だけの個人農業者は、対象外になり得るとされています。ただし、農作物の加工や料理の提供に必要な経費は、対象になり得ます。農作物の生産に必要な経費は対象外です。加工と生産の経費をどう分けて計画するかは、専門家や窓口と一緒に確認すると確実です。

まだ開業していなくても申請できますか

小規模事業者持続化補助金では、申請時点で開業していない創業予定者は対象外になり得るとされています。一方で、店舗やECサイトの準備中であっても、補助事業の終了までに事業活動を始めれば対象になり得る場合があります。開業届の日付などの要件もあるため、起業準備の段階であれば、早めに管轄の窓口か専門家に相談してください。

農事組合法人で6次化を始める場合はどうですか

農事組合法人は、小規模事業者持続化補助金の対象外になり得る形態として挙げられています。法人格によって対象になるかどうかが変わるため、まず自分の事業がどの形態に当たるかを確認してください。その上で、使える補助金と使えない補助金を分けて検討することになります。

まとめ

6次化の事例を読むときは、何を買ったかだけでなく、その費用が経費区分のどこに入り、どの枠の計画として書かれているかを見てください。補助上限は従業員規模や特例で大きく変わり、対象になるかどうかは計画の書き方によっても変わります。個人農業者の場合は、加工や料理の提供に必要な経費と、生産に必要な経費を分けて考えることが出発点になります。

制度の内容は改定されることがあるため、申請する前に、最新の公募要領で確認してください。判断に迷う場合は、管轄の窓口や、中小企業診断士・行政書士などの専門家に相談するのが確実です。

【無料相談のご案内】

弊社では、補助金専門行政書士法人V-Spiritsが補助金支援を行っております。元補助金審査員の三浦を中心とした各種専門家チームが全面的にサポートいたします。このケースは補助金の対象になるのか?といった疑問に対して適切なアドバイスを無料にて行っております。無料相談も行っているので、ぜひいちどご相談ください。お問い合わせお待ちしております!

フリーダイヤル 0120-335-523
お問い合わせフォーム https://v-spirits.com/contacts

三浦高

この記事を書いた人

三浦高/Takashi Miura

元創業補助金(経済産業省系補助金)審査員・事務局員
中小企業診断士、起業コンサルタント®、
1級販売士、宅地建物取引主任者、
融資・資金調達コンサルタント
行政書士法人V-Spirits 補助者

産業能率大学 兼任教員
2024年現在、各種補助金の累計支援件数は300件を超える。

融資申請のノウハウも蓄積し、さらに磨きを掛けるべく日々事業計画書に向き合っている。

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中野裕哲

この記事を監修した人

中野裕哲/Nakano Hiroaki

税理士法人V-Spiritsグループ代表/税理士/行政書士/特定社会保険労務士/採用定着士/ファイナンシャルプランナー/起業コンサルタント/経営コンサルタント/大正大学招聘教授

税理士法人V-Spiritsグループ代表の中野裕哲は、中小企業経営者のために、税務・会計だけでなく、採用、人事、資金繰り、融資、補助金、助成金、営業、Webマーケティング、売上導線設計まで横断的に支援する実戦型経営税理士です。

経営の悩みは、突き詰めると「人・金・売上」に集約されます。中野裕哲は、大企業人事部、人材紹介会社の採用エージェント、中小企業の財務責任者、大手不動産会社での営業、出版・Web制作による集客導線構築など、幅広い実務経験をもとに、経営者の意思決定を支援します。

【対応領域】

税理士顧問、社労士顧問、補助金支援、助成金支援、資金調達支援、採用力診断、売上導線診断、経営参謀顧問。税務・会計・決算・節税に加えて、経営分析、労務管理、社会保険、助成金、採用体制づくり、融資、補助金、事業計画、営業戦略、Webマーケティング、出版、メディア活用まで一体的に相談できます。

中野裕哲は、家業の倒産危機からの壮絶な貧乏体験を原点に、お金で苦しむ経営者をひとりにしないことを掲げています。資金繰り、採用、売上づくりの壁に対して、経営者目線で伴走します。

【主な実績】

  • 起業支援・経営支援の豊富な実績
  • 起業相談件数3,000件以上
  • 資金調達支援1,000件以上
  • 大企業Webサイト多数監修
  • 商業出版著書監修約32冊(累計30万部超)

V-Spiritsグループでは、融資・補助金・金融機関対応に詳しい社内役員チームも伴走します。元経済産業省系補助金審査員・事務局員、元日本政策金融公庫支店長、元信用金庫融資担当営業などの専門家が、補助金申請、事業計画、資金繰り、金融機関対応を実務面から支援します。

税理士顧問、社労士顧問、融資、補助金、助成金、採用、営業、マーケティングまで、経営者が本当に悩む領域をワンストップで相談できます。V-Spiritsグループは、起業支援・会社設立・創業融資・補助金助成金・税務会計・人事労務・許認可・経営顧問をワンストップで支援する、起業家・中小企業向けの専門家グループです。

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