税理士/社労士/行政書士/司法書士/中小企業診断士/FP/元補助金審査員/元日本政策金融公庫支店長/各種コンサルタントなどが常駐する他に類を見ないワンストップサービス
オフィスは池袋駅から徒歩3分の日本政策金融公庫池袋支店と同じビルです。起業・経営の無料相談実施中

コラム

飲食店の補助金無料診断で分かること・分からないこと|相談前に確かめる6つの判定

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

飲食店の補助金、無料診断に行く前に自分で確認したい6項目【2026年度】

補助金の「無料診断」を掲げる窓口は増えました。ただ、実際に診断を受けた飲食店の方から届くのは、「結局どれも当てはまらないと言われた」「厨房の工事をもう発注していたので対象外だった」という話です。診断は使えそうな制度を絞る場であって、その場ですべてが決まるわけではありません。

この記事では、無料診断を受ける前に自社で確認しておくと話が早く進む6つの判定ポイントを、質問形式で整理します。制度の数字・要件は2026年8月時点の公募要領等にもとづく執筆時点の情報です。公募回ごとに改定されるため、申請の際は必ず最新の公募要領で確認してください。

無料診断で分かること、分からないこと

最初に線を引いておきます。無料診断で分かるのは、おおむね次の範囲です。

  • いまの事業規模・法人格で、候補になり得る制度がどれか
  • やりたい投資が、その制度の対象経費の考え方に乗りそうか
  • 直近の公募スケジュールに間に合うか
  • 申請までに用意する書類と、社内で決めておくこと

一方で、次のことは診断では決まりません。

  • 採択されるかどうか(診断は採択の可否を判断する場ではありません)
  • 個別の経費が対象になるかの最終判断(公募回ごとの要領・事務局の判断によります)
  • すでに契約・発注してしまった支出の救済

この境界を分かったうえで臨むと、診断の時間を「どの制度が使えるか」ではなく「どう組み立てるか」に使えます。以下の6項目は、その組み立てに直結する判定材料です。

判定1:常時使用する従業員は何人ですか

飲食店が候補にしやすい小規模事業者持続化補助金は、「小規模事業者」に当てはまることが入口の条件です。その判定は、常時使用する従業員の数で行われます。

  • 商業・サービス業(宿泊業・娯楽業を除く):常時使用する従業員 5人以下
  • サービス業のうち宿泊業・娯楽業:常時使用する従業員 20人以下
  • 製造業その他:常時使用する従業員 20人以下

ここで効いてくるのが数え方です。会社役員・個人事業主本人・同居の親族従業員・日雇い等はカウントしません。「従業員8人だから無理だろう」と諦めていた店が、数え直すと5人以下だった、という判定の変わり方をします。

また、自店がどの業種区分で判定されるかによって上限人数が5人と20人で分かれます。宿泊を伴う施設や娯楽施設を併設している場合は、区分の判断を診断の場で確認してください。

判定2:契約・発注をもう済ませていませんか

制度選び以前に効いてくるのが、時間の順序です。小規模事業者持続化補助金では、交付決定日前に行った発注・契約・支払は補助対象外とされています。採択の通知が来ただけでは事業を開始できず、その先の交付決定を待つ必要があります。

厨房機器の入れ替えや内装工事は、業者との段取りが先に走りがちです。「見積もりを取った」までなら問題ありませんが、「発注書を出した」「着工した」「手付を払った」まで進んでいると、その経費は補助の対象から外れます。診断の場では、いま自分がどこまで進んでいるかを正確に伝えてください。

三浦高

💬 執筆者の三浦から一言

事務局で申請書を見ていた立場から言うと、惜しいのは制度選びより順序でした。交付決定の前に契約や発注を済ませると、その経費は外れます。診断の予定を入れる前に、見積もりの取得までで止めておく。それだけで選べる制度の幅が変わります。

判定3:その投資は「販路開拓」「省力化」「新事業」のどれですか

同じ「厨房を良くしたい」でも、目的の置き方で乗る制度が変わります。診断の前に、自分の投資がどの目的に近いかを言葉にしておくと、候補が一気に絞れます。

  • 売り方を変えたい・新しい客層を取りたい(チラシ、看板、ホームページ制作、ネット通販の整備、試作品開発など)→ 小規模事業者持続化補助金
  • いまの現場の人手を減らしたい(設備とシステムを組み合わせた省人化)→ 中小企業省力化投資補助金(一般型)
  • 登録された既製の省力化機器をそのまま入れたい → 中小企業省力化投資補助金(カタログ注文型)
  • システムやクラウドサービスを入れたい → デジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金)
  • 新しい業態・新しい市場に出たい(店内飲食から食品製造・通信販売へ、など)→ 新事業進出・ものづくり商業サービス補助金 新事業進出枠
  • 新しい商品・サービスそのものを開発したい → 新事業進出・ものづくり商業サービス補助金 革新的新製品・サービス枠

紛らわしいのが、中小企業省力化投資補助金の一般型とカタログ注文型の切り分けです。カタログ注文型は登録済みの省力化製品から選んで導入する制度で、販売事業者と共同で申請するのが原則です。一方の一般型は「オーダーメイド性のある設備」が対象で、汎用設備を単体で導入するだけでは対象になりません。複数の汎用設備を組み合わせて高い省力化効果を出す場合や、導入環境に応じて周辺機器・機能の構成が変わる場合に、オーダーメイド設備とみなされます。

三浦高

💬 執筆者の三浦から一言

制度名から入ると迷います。投資の金額と目的から絞るほうが早く進みます。250万円までの販路開拓なら小規模事業者持続化補助金、システム導入ならデジタル化・AI導入補助金、という順で候補は自然に狭まります。診断でもこの2つを先に伝えていただけると、残り時間を組み立ての話に回せます。

判定4:投資額は制度の下限・上限に収まりますか

補助金には上限だけでなく下限があります。投資が小さすぎて枠に乗らない、というつまずき方も起こります。

小規模事業者持続化補助金の補助率は2/3で、補助上限は基本50万円です。インボイス特例で50万円、賃金引上げ特例で150万円が上乗せされ、両方の要件を満たす場合は最大250万円になります。ただし特例は要件を満たす場合のみで、通常枠・特例の要件を1つでも欠くと全体が交付対象外になります。

経費区分ごとの上限もあります。広報費とウェブサイト関連費はそれぞれ補助金交付申請額の上限が30万円(税込)で、しかもそれぞれ単独での申請はできません。「ホームページ制作だけで申請したい」という組み立ては通らないため、他の取組と組み合わせる必要があります。

投資規模が大きい側では、新事業進出・ものづくり商業サービス補助金の補助下限が効きます。革新的新製品・サービス枠は補助下限100万円、新事業進出枠は補助下限750万円です。上限として紹介されることの多い3,500万円・9,000万円は、最大の従業員規模に大幅賃上げ特例を適用した場合の最大値であり、実際の上限は従業員規模により異なります。中小企業省力化投資補助金(一般型)は補助上限1億円、デジタル化・AI導入補助金は補助上限3,000万円です。カタログ注文型の上限額は公募回ごとに見直されているため、最新の公募要領で確認してください。

あわせて、対象になりにくい支出も先に外しておきます。パソコンなどの汎用品は基本的に補助金の対象になりません。小規模事業者持続化補助金では、自動車・フォークリフト・キッチンカー等の車両も原則として対象外です。中小企業省力化投資補助金(一般型)では、単価50万円(税抜)以上の機械装置等を最低1つ入れることが必要です。

💬 無料相談のご案内

補助金専門行政書士法人は、V-Spirits元補助金審査員の三浦を中心とした専門家チームが補助金支援を行っております。「このケースは補助金の対象になるのか?」といった疑問にも、無料でお答えしております。お気軽にご相談ください。

判定5:賃上げ・労働生産性の要件を背負えますか

診断の場では見落とされやすいのですが、補助金の要件は採択された後にも続きます。目標が未達だったときの扱いは制度ごとに違います。

  • 中小企業省力化投資補助金(一般型):3〜5年の事業計画で労働生産性を年平均+4.0%以上伸ばす計画が必要。賃上げ目標が要件で、未達の場合は達成率に応じて返還が発生しうる
  • 中小企業省力化投資補助金(カタログ注文型):労働生産性を年平均+3.0%以上向上させる計画が必要。賃上げ目標を盛り込むと上限枠が拡大するが、未達の場合は減額の対象
  • 新事業進出・ものづくり商業サービス補助金(革新的新製品・サービス枠/新事業進出枠):一人当たり給与支給総額 年平均+3.5%以上が基本要件。未達時は返還あり
  • 小規模事業者持続化補助金:賃金引上げ特例は上乗せの要件であり、要件を満たさない場合は特例分だけでなく全体が交付対象外になる

補助上限の大きい制度ほど、背負う目標も重くなります。「最大額が大きいから」という理由だけで制度を選ぶと、数年先の人件費計画まで含めた判断を後回しにすることになります。診断では、いま出せる賃上げ幅の見通しも一緒に伝えてください。

判定6:スケジュールは間に合いますか

公募には締切があり、その手前に社内・外部の作業が積み上がります。2026年8月時点で公表されている主なスケジュールは次のとおりです。

  • 小規模事業者持続化補助金 第20回:申請受付開始 2026年11月5日/事業支援計画書(様式4)発行の受付締切 2026年12月4日/申請受付締切 2026年12月15日 17:00/採択発表 2027年3月頃(予定)
  • 新事業進出・ものづくり商業サービス補助金 第1回:公募 2026年6月29日〜/申請締切 2026年9月30日 18:00/採択発表 2026年12月頃

小規模事業者持続化補助金で気をつけたいのが、商工会・商工会議所が発行する事業支援計画書(様式4)です。受付締切以降の発行依頼は、いかなる理由でも受け付けられません。申請締切の11日前に別の締切がある、という構造になっています。窓口は混み合うため、逆算した日程を診断の場で決めてしまうのが実務的です。

電子申請にはGビズIDプライムのアカウントが必要で、こちらも取得に日数がかかります。未取得であれば、診断の前後で申請手続きを始めておくと後の工程が詰まりません。

無料診断の当日に持っていくと話が早いもの

ここまでの6項目は、そのまま持ち物リストになります。

  • 直近の決算書または確定申告書
  • 常時使用する従業員の人数(役員・同居の親族従業員・日雇いを除いた数)
  • 法人格(個人事業主/株式会社/合同会社 など)
  • やりたい投資の見積書または概算金額(未発注のもの)
  • 契約・発注の進み具合と、導入したい時期
  • GビズIDプライムの取得状況

この6点が揃っていれば、初回の診断で「どの制度が候補か」だけでなく「どの順番で何を決めるか」まで話が進みます。

よくある質問

無料診断を受ければ補助金は採択されますか

診断は、候補になり得る制度を絞り、申請の準備を組み立てるための場です。採択を保証するものではありません。採択は事務局の審査によって決まります。

すでに厨房機器を発注してしまいました。もう使えませんか

小規模事業者持続化補助金では、交付決定日前に行った発注・契約・支払は補助対象外です。制度によって扱いが異なる場合があるため、発注日・契約日を正確に伝えたうえで、これから行う投資に切り替えられないかを相談してください。

複数の補助金を同時に申請できますか

制度ごとに併用や重複申請のルールが定められています。たとえば小規模事業者持続化補助金は、創業型との重複申請ができません。同じ経費を複数の制度で重ねて受けることも認められないのが原則です。組み合わせを考えている場合は、経費の割り振りごと診断で確認してください。

補助金を受け取った後の経理や税金はどうなりますか

受け取った補助金や取得した資産の会計・税務上の取り扱いは、事業形態や個別の事情によって変わります。判断を要する部分のため、税理士にご相談ください。

まとめ

飲食店の補助金無料診断は、「使える制度を教えてもらう場」と考えると得られるものが少なくなります。従業員の数え方、発注の進み具合、投資の目的と金額、背負える賃上げ幅、締切までの日数。この6つを自分の言葉で持ち込めると、診断はそのまま申請計画の設計になります。

とくに交付決定前の発注は、後から取り返せません。工事や機器の話が動き出す前に、一度状況を整理してから相談に進んでください。本記事の制度内容は2026年8月時点の情報です。要件・金額・日程は公募回ごとに変わるため、申請時は必ず最新の公募要領をご確認ください。

【無料相談のご案内】

弊社では、補助金専門行政書士法人V-Spiritsが補助金支援を行っております。元補助金審査員の三浦を中心とした各種専門家チームが全面的にサポートいたします。このケースは補助金の対象になるのか?といった疑問に対して適切なアドバイスを無料にて行っております。無料相談も行っているので、ぜひいちどご相談ください。お問い合わせお待ちしております!

フリーダイヤル 0120-335-523
お問い合わせフォーム https://v-spirits.com/contacts

三浦高

この記事を書いた人

三浦高/Takashi Miura

元創業補助金(経済産業省系補助金)審査員・事務局員
中小企業診断士、起業コンサルタント®、
1級販売士、宅地建物取引主任者、
融資・資金調達コンサルタント
行政書士法人V-Spirits 補助者

産業能率大学 兼任教員
2024年現在、各種補助金の累計支援件数は300件を超える。

融資申請のノウハウも蓄積し、さらに磨きを掛けるべく日々事業計画書に向き合っている。

中野裕哲紹介画像

中野裕哲

この記事を監修した人

中野裕哲/Nakano Hiroaki

税理士法人V-Spiritsグループ代表/税理士/行政書士/特定社会保険労務士/採用定着士/ファイナンシャルプランナー/起業コンサルタント/経営コンサルタント/大正大学招聘教授

税理士法人V-Spiritsグループ代表の中野裕哲は、中小企業経営者のために、税務・会計だけでなく、採用、人事、資金繰り、融資、補助金、助成金、営業、Webマーケティング、売上導線設計まで横断的に支援する実戦型経営税理士です。

経営の悩みは、突き詰めると「人・金・売上」に集約されます。中野裕哲は、大企業人事部、人材紹介会社の採用エージェント、中小企業の財務責任者、大手不動産会社での営業、出版・Web制作による集客導線構築など、幅広い実務経験をもとに、経営者の意思決定を支援します。

【対応領域】

税理士顧問、社労士顧問、補助金支援、助成金支援、資金調達支援、採用力診断、売上導線診断、経営参謀顧問。税務・会計・決算・節税に加えて、経営分析、労務管理、社会保険、助成金、採用体制づくり、融資、補助金、事業計画、営業戦略、Webマーケティング、出版、メディア活用まで一体的に相談できます。

中野裕哲は、家業の倒産危機からの壮絶な貧乏体験を原点に、お金で苦しむ経営者をひとりにしないことを掲げています。資金繰り、採用、売上づくりの壁に対して、経営者目線で伴走します。

【主な実績】

  • 起業支援・経営支援の豊富な実績
  • 起業相談件数3,000件以上
  • 資金調達支援1,000件以上
  • 大企業Webサイト多数監修
  • 商業出版著書監修約32冊(累計30万部超)

V-Spiritsグループでは、融資・補助金・金融機関対応に詳しい社内役員チームも伴走します。元経済産業省系補助金審査員・事務局員、元日本政策金融公庫支店長、元信用金庫融資担当営業などの専門家が、補助金申請、事業計画、資金繰り、金融機関対応を実務面から支援します。

税理士顧問、社労士顧問、融資、補助金、助成金、採用、営業、マーケティングまで、経営者が本当に悩む領域をワンストップで相談できます。V-Spiritsグループは、起業支援・会社設立・創業融資・補助金助成金・税務会計・人事労務・許認可・経営顧問をワンストップで支援する、起業家・中小企業向けの専門家グループです。

関連記事

無料相談
お客様の声

新着コラム

  1. ...
  2. ...
  3. ...
  4. ...
  5. ...
ダウンロードはこちら
全国対応の補助金申請を専門家がサポート|中野裕哲の無料相談V-Spirits
All Aboutガイドの原点
多胡藤夫ブログ
中野裕哲ブログ
渋田貴正ブログ
三浦高ブログ
小峰精公ブログ
坂井優介ブログ
嶋田大吉ブログ
行政書士法人V-Spirits
充実の福利厚生制度
採用情報
業務提携先募集情報
V-Spirits Group SDGsの取り組み
弊社グループ専門家への取材対応について
爆アゲ税理士の起業経営チャンネル
脳卒中フェスティバル

他社広告欄

クラウドPBX