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コラム

防水工事業の検査機器に使える補助金4制度|単体導入では通らない要件と2026年度の申請時期

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防水工事業の検査機器に補助金は使える?対象になる投資と制度の選び分け

屋上防水や外壁の劣化調査に、赤外線サーモグラフィカメラや含水率計を導入したい。そう考えて「防水工事 補助金」と検索すると、出てくるのは住宅リフォームや省エネ改修の助成金ばかりで、自社が機器を買うときに使える制度が見つからない、という声をよくいただきます。

この記事では、防水工事業を営む中小企業が調査・診断用の検査機器を導入するときに、どの補助金が候補になり、どこで対象・対象外が分かれるのかを、質問形式で整理します。数字と要件は2026年度(令和8年度)の公募要領・公表資料をもとにした執筆時点の情報です。制度は年度や公募回ごとに変わりますので、申請前には必ず最新の公募要領をご確認ください。

前提:探すべきなのは「施主向け」ではなく「自社の設備投資向け」の制度です

防水工事にまつわる補助金・助成金は、大きく2種類に分かれます。ひとつは建物の所有者(施主)が改修工事を発注するときに使う制度で、住宅の省エネ改修や自治体のリフォーム助成がこれにあたります。もうひとつが、工事を請け負う事業者自身が設備やシステムに投資するときに使う制度です。

検査機器の購入は後者です。施主向けの制度をいくら調べても、自社の機器代は出てきません。探す先は、経済産業省・中小企業庁系の事業者向け補助金になります。以下では、防水工事業で候補になりやすい4つの制度を軸に見ていきます。

Q1.赤外線サーモグラフィや含水率計は、そもそも補助金の対象経費になりますか

機械装置として計上できる制度はあります。ただし「対象経費になり得る」ことと「その制度に申請が通る」ことは別物です。

たとえば中小企業省力化投資補助金(一般型)は、機械装置・システム構築費が必須経費で、単価50万円(税抜)以上の機械装置等を最低1つ入れる必要があります。新事業進出・ものづくり商業サービス補助金 革新的新製品・サービス枠では、機械装置・システム構築費の単価要件は10万円(税抜)以上です。赤外線カメラや含水率計、漏水探知機は、単価だけで見ればこれらの枠に乗る価格帯に入ってきます。

一方で、パソコンやタブレットなどの汎用品は基本的に補助金の対象になりません。「検査機器と一緒に測定データを処理するノートパソコンも買う」という計画を立てると、その部分は落ちる前提で見積もりを組む必要があります。

Q2.検査機器を1台買うだけで、中小企業省力化投資補助金(一般型)は使えますか

ここが最初の分かれ目です。単価要件を満たしていても、それだけでは足りません。

中小企業省力化投資補助金(一般型)で対象になるのは、オーダーメイド性のある設備です。具体的には、次のいずれかに該当すれば、汎用設備でもオーダーメイド設備とみなされます。

  • 省力化に資する汎用設備を複数組み合わせることで、より高い省力化効果や付加価値を生み出す場合
  • 事業者の導入環境に応じて周辺機器や構成する機器の数、搭載する機能等が変わる場合

逆に言えば、単に汎用設備を単体で導入する事業は対象外です。カタログに載っている赤外線カメラを1台買って終わり、という計画は、単価50万円(税抜)以上という要件を満たしていても、この制度の考え方には合いません。

防水工事業でこの制度を使うなら、たとえば赤外線カメラ・含水率計・ドローンなどの測定機器と、撮影データを現場から事務所へ自動で送って報告書の形に整えるシステムを組み合わせ、調査から報告までの工程をどう作り替えるかを計画で示す形になります。あわせて、3〜5年の事業計画で労働生産性を年平均4.0%以上伸ばす計画が必要で、賃上げ目標が未達の場合は達成率に応じて返還が発生しうる点も、制度を選ぶ段階で見ておく必要があります。

なお、既製品をそのまま導入するのであれば、中小企業省力化投資補助金(カタログ注文型)のほうが制度設計に合う場合があります。こちらは事務局に登録されたカタログ掲載製品を選ぶ形式で、補助上限は従業員規模や公募回によって異なりますので、対象製品と上限額は公募要領で確認してください。

💬 無料相談のご案内

補助金専門行政書士法人は、V-Spirits元補助金審査員の三浦を中心とした専門家チームが補助金支援を行っております。「このケースは補助金の対象になるのか?」といった疑問にも、無料でお答えしております。お気軽にご相談ください。

Q3.「防水診断サービス」を新しく始めるなら、どの枠が筋になりますか

検査機器を入れる目的が「調査・診断を新しい商品として売る」ことなら、新事業進出・ものづくり商業サービス補助金の各枠が候補に挙がります。2026年度から、従来のものづくり補助金と新事業進出補助金は統合され、この名称の各枠になりました。別々の制度として説明している情報も残っていますので、名称で混乱しないようご注意ください。

ただし、革新的新製品・サービス枠には明確な線引きがあります。公募要領では、単なる設備・システム導入、既存製品・サービスの生産プロセス改善、同業で既に相当程度普及している開発は対象外とされています。赤外線による防水層の調査そのものは同業ですでに広く行われているため、「機器を買って調査を始めます」という組み立てでは、この枠の趣旨から外れやすくなります。自社の技術を活かして顧客に新しい価値を提供する内容にできるかどうかが判断の軸です。

金額面も枠選びに効いてきます。革新的新製品・サービス枠の補助上限は従業員規模別で、1〜5人が750万円、6〜20人が1,000万円、21〜50人が1,500万円、51人以上が2,500万円です(大幅賃上げ特例の適用時は各850万円/1,250万円/2,500万円/3,500万円)。補助下限は100万円、補助率は中小企業者が2分の1、小規模企業・小規模事業者は3分の2です。既存業態とは異なる新市場への進出が主軸であれば新事業進出枠になりますが、こちらは補助下限が750万円と高く、検査機器数台の投資額では届かないケースが出てきます。

Q4.従業員20人以下の会社です。小規模事業者持続化補助金で機器は買えますか

小規模事業者持続化補助金は、機械装置等費という経費区分があるため、検査機器を計上できる余地があります。対象となる従業員数は業種で分かれ、製造業その他は常時使用する従業員20人以下、商業・サービス業(宿泊業・娯楽業を除く)は5人以下です。建設業は一般に「製造業その他」の区分として扱われますが、自社がどの区分になるかは、申請時に相談する商工会・商工会議所の窓口で確認しておくと確実です。

補助率は3分の2(賃金引上げ特例のうち赤字事業者は4分の3)、補助上限は基本50万円です。インボイス特例で50万円、賃金引上げ特例で150万円がそれぞれ上乗せされ、両方の要件を満たす場合は最大250万円になります。

気をつけたいのは、この制度の主題が販路開拓だという点です。単なる設備更新に見える計画は、通常の営業活動扱いになって対象から外れやすくなります。検査機器を入れて診断報告を新しい提案の形にし、それを新規客層の獲得にどうつなげるかまで、経営計画として書き切れるかどうかが分かれ目です。あわせて、単価50万円(税抜)超の機械装置等は2者以上の相見積が必要で、交付決定日前に行った発注・契約・支払は対象外になります。

三浦高

💬 執筆者の三浦から一言

審査する側で申請書を見ていたころ、機器の見積もりを先に取ってから制度を探す、という順番の申請によく出会いました。ただ革新的新製品・サービス枠には補助下限100万円、新事業進出枠には750万円という下限があり、投資額が小さいと枠そのものに乗りません。先に投資の総額と目的を決めてから制度を当てる順番にすると、選べる幅が残ります。

Q5.報告書作成や写真・図面の管理ソフトは、どの制度で見ますか

調査データを整理するソフトやクラウドサービスが投資の中心になるなら、デジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金)が候補です。補助上限は通常枠が450万円、インボイス枠が350万円、複数者連携デジタル化・AI導入枠が3,000万円です。

この制度は、事務局に登録されたIT導入支援事業者の支援を受けて、登録されたITツールを導入することが前提になっています。導入したいソフトが登録ツールに入っているかどうかで、そもそも申請できるかが決まる仕組みです。また対象はソフト・クラウドが中心で、パソコンやタブレットなどのハード単体購入は対象外です。検査機器そのものを買いたい場合は、この制度ではなく設備投資側の制度で考えることになります。

Q6.2026年度はいつまでに、何をすればいいですか

執筆時点で公表されている主なスケジュールは次のとおりです。

  • 新事業進出・ものづくり商業サービス補助金(第1回公募):公募開始2026年6月29日、申請締切2026年9月30日18時、採択発表2026年12月頃
  • 小規模事業者持続化補助金(第20回公募):申請受付開始2026年11月5日、事業支援計画書(様式4)発行の受付締切2026年12月4日、申請受付締切2026年12月15日17時、採択発表2027年3月頃

いずれも電子申請で、GビズIDプライムのアカウントが必要です。アカウント取得には日数がかかりますので、申請を検討する段階で先に手続きを始めておくと、締切前に慌てずに済みます。持続化補助金の様式4は、受付締切以降の発行依頼はいかなる理由でも受け付けられないため、商工会・商工会議所への相談は余裕を持ったほうが安全です。

申請でつまずきやすい3つの境目

1つめは、機器単体か組み合わせかの境目です。省力化投資補助金(一般型)は、汎用設備の単体導入を対象外としています。検査機器を軸にするなら、周辺機器やシステムと組み合わせて工程をどう作り替えるかまでを計画に含める必要があります。

2つめは、省力化なのか新サービス開発なのかの境目です。同じ赤外線カメラでも、既存の調査工程を速くする話なら省力化側、顧客に新しい価値を提供する商品を作る話なら革新的新製品・サービス枠側に寄ります。両方を1つの申請書に詰め込むと、どちらの審査基準から見ても中途半端になります。

3つめは、調査を収益に結びつけられているかどうかです。どの制度も、付加価値額や労働生産性の伸びを事業計画で示すことを求めています。防水工事業では調査を無償のサービスとして扱う商習慣がありますが、無償のままでは投資の効果を数字に落とせません。調査を有償の商品にする、診断報告を受注につなげる導線を作るなど、売上の形を計画に書けるかどうかが問われます。

まとめ

防水工事業が検査機器を導入するときの補助金は、「機器の名前」ではなく「その投資で何をするか」で候補が変わります。既存の調査工程を省力化するのか、診断を新しい商品として立ち上げるのか、販路開拓の一環として小さく始めるのか、ソフト中心なのか。ここを決めてから制度を当てると、選択肢が絞りやすくなります。

本記事の数字・要件は執筆時点の公表情報に基づくものです。公募回ごとに要件や上限額が変わる制度もありますので、実際の申請にあたっては最新の公募要領を確認し、判断に迷う部分は専門家にご相談ください。

【無料相談のご案内】

弊社では、補助金専門行政書士法人V-Spiritsが補助金支援を行っております。元補助金審査員の三浦を中心とした各種専門家チームが全面的にサポートいたします。このケースは補助金の対象になるのか?といった疑問に対して適切なアドバイスを無料にて行っております。無料相談も行っているので、ぜひいちどご相談ください。お問い合わせお待ちしております!

フリーダイヤル 0120-335-523
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三浦高

この記事を書いた人

三浦高/Takashi Miura

元創業補助金(経済産業省系補助金)審査員・事務局員
中小企業診断士、起業コンサルタント®、
1級販売士、宅地建物取引主任者、
融資・資金調達コンサルタント
行政書士法人V-Spirits 補助者

産業能率大学 兼任教員
2024年現在、各種補助金の累計支援件数は300件を超える。

融資申請のノウハウも蓄積し、さらに磨きを掛けるべく日々事業計画書に向き合っている。

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この記事を監修した人


中野裕哲

中野裕哲/Nakano Hiroaki

税理士法人V-Spiritsグループ代表/税理士/行政書士/特定社会保険労務士/採用定着士/ファイナンシャルプランナー/起業コンサルタント/経営コンサルタント/大正大学招聘教授

税理士法人V-Spiritsグループ代表の中野裕哲は、中小企業経営者のために、税務・会計だけでなく、採用、人事、資金繰り、融資、補助金、助成金、営業、Webマーケティング、売上導線設計まで横断的に支援する実戦型経営税理士です。

経営の悩みは、突き詰めると「人・金・売上」に集約されます。中野裕哲は、大企業人事部、人材紹介会社の採用エージェント、中小企業の財務責任者、大手不動産会社での営業、出版・Web制作による集客導線構築など、幅広い実務経験をもとに、経営者の意思決定を支援します。

【対応領域】
税理士顧問、社労士顧問、補助金支援、助成金支援、資金調達支援、採用力診断、売上導線診断、経営参謀顧問。税務・会計・決算・節税に加えて、経営分析、労務管理、社会保険、助成金、採用体制づくり、融資、補助金、事業計画、営業戦略、Webマーケティング、出版、メディア活用まで一体的に相談できます。

中野裕哲は、家業の倒産危機からの壮絶な貧乏体験を原点に、お金で苦しむ経営者をひとりにしないことを掲げています。資金繰り、採用、売上づくりの壁に対して、経営者目線で伴走します。

【主な実績】

  • 起業支援・経営支援の豊富な実績
  • 起業相談件数3,000件以上
  • 資金調達支援1000件以上
  • 大企業Webサイト多数監修
  • 商業出版著書監修約32冊(累計30万部超)

V-Spiritsグループでは、融資・補助金・金融機関対応に詳しい社内役員チームも伴走します。元経済産業省系補助金審査員・事務局員、元日本政策金融公庫支店長、元信用金庫融資担当営業などの専門家が、補助金申請、事業計画、資金繰り、金融機関対応を実務面から支援します。

税理士顧問、社労士顧問、融資、補助金、助成金、採用、営業、マーケティングまで、経営者が本当に悩む領域をワンストップで相談できます。V-Spiritsグループは、起業支援・会社設立・創業融資・補助金助成金・税務会計・人事労務・許認可・経営顧問をワンストップで支援する、起業家・中小企業向けの専門家グループです。

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