
システム開発に使える補助金まとめ|自社アプリ・業務システム導入の考え方
「業務システムを内製したい」「自社アプリを作りたい」と思ったとき、最初に立ちはだかるのが開発費用です。受託開発に外注すれば数百万〜数千万円。社内に開発者がいなければ、内製も簡単ではありません。
このコストを下げる選択肢のひとつが補助金です。ただし、システム開発はソフトウェア・人件費・サーバー費など対象経費の範囲が制度ごとに違い、「どの補助金で何が対象になるか」を見誤ると採択されてもうまく使えません。本記事では、中小企業・個人事業主がシステム開発で使える主要な補助金と、選び方・落とし穴を整理します。
※本記事は2026年5月時点の情報です。最新の公募要領は必ず各補助金の公式サイトで確認してください。
システム開発で使える主な補助金
システム開発(業務システム・自社アプリ・顧客管理ツールなど)に使いやすい補助金は、大きく4つあります。
新事業進出・ものづくり補助金
2026年度から「ものづくり補助金」と「中小企業新事業進出補助金」が統合される予定の補助金です。設備投資型の制度で、業務効率化や新サービス提供のためのシステム構築費が対象になります。
・補助率:1/2〜2/3
・対象経費:機械装置・システム構築費、専門家経費、外注費 など
・補助上限金額:7,000万円
・特徴:自社用に新規開発するシステムで、生産性向上や新サービス展開につながるものが対象になりやすい
汎用パッケージの単純導入よりも、自社の業務に合わせて作り込むシステム開発と相性のよい制度です。
中小企業省力化投資補助金(一般型)
人手不足に悩む中小企業・小規模事業者向けの制度です。売上拡大や生産性向上を図るため、IoT・ロボット等の人手不足解消に効果があるデジタル技術等を活用した専用設備(オーダーメイド設備)を導入する事業が対象となります
。
・補助率:小規模企業者・小規模事業者および再生事業者は2/3、中小企業は1/2(賃上げ特例等の適用で2/3)
。 ・補助上限:従業員数に応じて750万円〜8,000万円(大幅賃上げの特例適用で1,000万円〜最大1億円)
。 ・向いているケース:自社の業務に合わせて専用設計された機械装置やロボットシステムの導入、単一または複数の生産工程を自動化するオーダーメイド設備の導入など
(※単価50万円以上の機械装置・システム構築費の設備投資が必須です
)。汎用設備であっても、周辺機器との組み合わせなどでより高い省力化効果を生み出す仕組みであれば対象となります
。
自治体・業界団体の独自補助金
東京都・大阪府などの自治体や、業界団体が独自に設けるDX・ICT導入補助金もあります。国の補助金より補助上限は低いことが多い一方、要件がシンプルで採択率が高めの場合があります。地元の商工会議所や産業振興公社のサイトを一度確認しておきましょう。
システム開発で対象になる経費・対象外になる経費
ここを誤解すると、せっかく採択されても満額もらえません。
対象になりやすい経費の例:
・開発外注費(自社のためのシステムを外部に委託する場合)
・サーバー、クラウド利用料(事業実施期間内分)
・専用ソフトウェアのライセンス費用
対象になりにくい経費の例:
・汎用PC、タブレット、スマホなど業務に転用可能な機器
・自社の人件費(社内の開発者人件費は原則対象外、制度により例外あり)
・採択前に契約・発注したものすべて
・恒常的に発生する保守費・運用費(事業終了後の分)
特に「採択前に発注したものは対象外」というルールは見落とされがちです。先に開発を始めてしまうと、後から補助金で精算できません。
【無料相談のご案内】
弊社では、元補助金審査員の三浦を中心とした各種専門家チームが補助金支援を行っております。このケースは補助金の対象になるのか?といった疑問に対して適切なアドバイスを無料にて行っております。無料相談も行っているので、ぜひいちどご相談ください。お問い合わせお待ちしております!
システム開発で補助金を使うときの3つの考え方
1. 「補助金で作る」のではなく「投資の一部を補助金で回収する」
システム開発は要件定義から運用まで時間がかかり、補助金の入金は事業終了後です。資金繰りの主役は自己資金や融資にして、補助金は後で戻ってくる「投資の回収」と位置づけるのが安全です。
2. 開発スコープと公募要領をすり合わせる
「全部の機能を1回の補助金で」と欲張ると、対象外経費が増えて結果として補助額が減ることがあります。コア機能を補助金対象に絞り、周辺機能は自己資金や次回申請に回すなど、スコープを切り分ける発想が有効です。
3. 採択後の運用・保守までセットで設計する
採択時の評価では「導入後の効果」も重視されます。導入したシステムをどのように運用し、業務改善・売上向上につなげるかまでを事業計画に書き込んでおくと、採択後の効果報告でも筋が通った内容になります。
よくある質問
Q. 自社アプリ開発に補助金は使えますか?
A. 業務効率化や新サービス提供を目的とする自社アプリであれば、対象になることがあります。ただし、一般消費者向けの娯楽アプリなどは対象になりにくい傾向です。事業の目的と効果を明確に書ける案件かどうかが分かれ目になります。
Q. 社内エンジニアの人件費は対象になりますか?
A. 多くの補助金で社内人件費は対象外です。外部委託の開発費・専門家経費は対象になる場合があります。社内開発で進めたい場合は、対象外を前提に資金計画を立てるか、人件費が一部対象になる制度を選ぶ必要があります。
Q. 既存システムの保守費用にも使えますか?
A. 補助金は基本的に「新規投資」を対象にした制度です。既存システムの恒常的な保守費・運用費は対象になりません。リプレースや大幅な機能追加など、新規投資と言える内容に切り替える必要があります。
まとめ
システム開発に使える補助金は複数ありますが、それぞれ対象になる経費の範囲が違います。
・新事業進出・ものづくり補助金:規模感のあるシステム開発に
・小規模事業者持続化補助金:小さく始める販路開拓型システムに
・自治体・業界団体の独自補助金:採択率の高い小規模投資に
補助金を「主資金」にせず、自己資金・融資との3本立てで設計するのが基本です。要件定義に入る前の段階で、「どの制度に申請するか」と「どこまでが対象経費か」を専門家と一緒に整理しておくと、開発スタート後の手戻りが少なくなります。
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弊社では、元補助金審査員の三浦を中心とした各種専門家チームが補助金支援を行っております。このケースは補助金の対象になるのか?といった疑問に対して適切なアドバイスを無料にて行っております。無料相談も行っているので、ぜひいちどご相談ください。お問い合わせお待ちしております!

この記事を書いた人
三浦高/Takashi Miura
元創業補助金(経済産業省系補助金)審査員・事務局員
中小企業診断士、起業コンサルタント®、
1級販売士、宅地建物取引主任者、
融資・資金調達コンサルタント
行政書士法人V-Spirits 補助者
産業能率大学 兼任教員
2024年現在、各種補助金の累計支援件数は300件を超える。

この記事を監修した人

中野裕哲/Nakano Hiroaki
税理士法人V-Spiritsグループ代表/税理士/行政書士/特定社会保険労務士/採用定着士/ファイナンシャルプランナー/起業コンサルタント/経営コンサルタント/大正大学招聘教授
税理士法人V-Spiritsグループ代表の中野裕哲は、中小企業経営者のために、税務・会計だけでなく、採用、人事、資金繰り、融資、補助金、助成金、営業、Webマーケティング、売上導線設計まで横断的に支援する実戦型経営税理士です。
V-Spiritsグループでは、融資・補助金・金融機関対応に詳しい社内役員チームも伴走します。元経済産業省系補助金審査員・事務局員、元日本政策金融公庫支店長、元信用金庫融資担当営業などの専門家が、補助金申請、事業計画、資金繰り、金融機関対応を実務面から支援します。
【主な実績】
- 起業相談件数3,000件以上
- 資金調達支援1000件以上
- 商業出版著書監修約32冊(累計30万部超)




























