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コラム

創業時の規模感を意識する

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創業融資は小さく始めて実績を積む!過大な事業計画が危ない理由とは?

起業時は「これもやりたい」「あれも仕入れたい」と夢がふくらむものです。理想の店舗イメージや取り扱いたい商品ラインナップ、広告戦略など、頭の中に描く構想はどんどん膨らんでいきます。

しかし、金融機関の融資審査の視点で見ると、こうした「身の丈を超えた事業計画」は、むしろリスクとして捉えられます。売上実績がまだない創業時こそ、事業のサイズ感と資金繰りの現実性が重要視されるからです。

特に「仕入れが発生する業種(小売・飲食・ECなど)」は、在庫を持つことでキャッシュフローが悪化しやすく、想定外の資金ショートを招きやすい分野。だからこそ、初期段階では「小さく始めて実績を積む」ことが鉄則です。

この記事では、過大な事業計画がなぜ危険なのか、銀行がどのように融資判断をしているのか、そして現実的かつ堅実な資金調達スタンスについて、専門家の視点からわかりやすく解説します。

目次

創業時の「やりすぎ」リスクとは?

やりたいことが多すぎる起業家の共通点

創業時の相談でよくあるのが、「いろんな商品を取り扱いたい」「最初から複数店舗を展開したい」「一気に広告をかけて知名度を上げたい」といった“欲張りすぎる”計画です。もちろん、夢を描くこと自体は素晴らしいこと。しかし、融資審査では「計画の実現可能性」が問われます。

金融機関は、事業計画書を通して「この人は本当に返済できるのか?」「この計画は現実的なのか?」を見ています。つまり、「やりたいこと」ではなく「できること」を示すことが大切です。過大な計画は、「資金管理が甘い」「リスク認識が不足している」と判断され、融資が通りにくくなる傾向があります。

特に未経験業種であれば、実績が伴わないため、「理想に偏った計画」と見なされやすくなります。金融機関が最も嫌うのは、計画倒れによる返済不能。したがって、最初は「堅実な一歩」から始めることが融資成功の近道なのです。

過大な事業計画の落とし穴

創業計画書に「初年度売上3,000万円」「3カ月以内に黒字化」など、野心的な数字を記載する方もいます。しかし、こうした「数字の根拠が薄い計画」は、審査官からすぐに見抜かれます。

例えば、在庫を多く抱える計画の場合、売れなければ資金が固定化され、運転資金が不足します。さらに、想定した売上が立たないと、返済原資が確保できず、経営が一気に苦しくなるのです。

金融機関は、売上目標よりも「堅実に返済できるかどうか」を重視します。無理なスケールアップを狙うより、小さく始めて着実に黒字を積み重ねる姿勢こそ、信頼される経営者の条件です。

仕入れ型ビジネスの資金繰りポイント

在庫には「先行投資リスク」がある

仕入れ型ビジネスの特徴は、「売上よりも先にお金が出ていく」ことです。つまり、販売前に資金を使う「先行投資」が必要となります。

例えば、アパレル・食品・雑貨などは、仕入れ後に販売するまで一定期間がかかります。その間、在庫として資金が「寝て」しまい、キャッシュフローが悪化するリスクが常に存在します。

売れ残りや季節商品などの在庫ロスが発生すれば、損失がダイレクトに経営を圧迫します。したがって、創業時には「仕入れと販売のバランス」「回転率の見込み」「在庫管理体制」が極めて重要です。

経験者と未経験者で審査基準は異なる

融資審査では、経営者の「経験・実績」が大きな評価ポイントとなります。たとえば、以前から同業で働いていたり、副業として販売実績がある場合、その経験は「事業の成功可能性」としてプラスに働きます。

一方、未経験者が「いきなり大規模な仕入れ」を計画していると、金融機関は「リスクが高い」と判断しがちです。特に、売上予測の根拠が弱い計画は通りません

だからこそ、未経験者はまず「小規模スタート」で実績を積み上げ、次の融資に繋げるステップを意識することが重要です。最初は少額の融資でも、実績を作れば次第に融資枠は拡大していきます。

銀行が重視する「実績と借入バランス」

「小さく始めて、実績を積み重ねて大きく借りる」が鉄則

銀行は基本的に「実績主義」です。たとえ初回の融資が少額でも、しっかり返済を続け、業績を伸ばしていれば、次回以降の融資は格段に通りやすくなります。

このため、創業時は「最初から大きく借りる」のではなく、「まずは少額で信頼を積む」戦略が有効です。銀行は「実際にやってみた実績」を評価します。書面上の計画よりも、数字で示せる信頼が重視されるのです。

一発勝負の創業融資で無理をすると…

仮に創業時に1,000万円超の融資が通ったとしても、その後の業績が伴わなければ、追加融資は極めて難しくなります。しかも、毎月の返済額が重くのしかかり、資金繰りが悪化。黒字でも現金が足りずに倒産する「黒字倒産」に陥るケースもあります。

創業融資は「最初で最後の勝負」ではありません。むしろ、「最初の一歩」を成功させて次の資金調達につなげる「スタート地点」です。身の丈に合った金額を確実に回し、信頼を積み重ねていくことが最も重要なのです。

創業時は「自社のサイズ感」を冷静に見るべし

まず問うべきは、「今、自分の信用・実績・資金力で、無理なく続けられる規模はどこか?」という点です。夢を追う気持ちと同じくらい、冷静な自己分析が必要です。

たとえば、いきなり月商300万円を狙うより、月商50万円の確実な計画を立て、そこから拡張していく方が、実績を積み上げやすく、銀行からも評価されやすいのです。

着実な信頼を得るためのステップは以下の通りです:

  • 小さくスタートし、初期投資を抑える
  • 少額融資から確実に返済して信用を積む
  • 月次で実績を管理し、改善を続ける

このように段階的に進めることで、「この会社は堅実に成長している」と評価され、2回目・3回目の融資もスムーズになります。

よくある質問(FAQ)

Q. どうしても多くの商品を扱いたい場合はどうすれば?

A. 事業計画書に「段階的に拡張する計画」として記載するのが有効です。最初は主力商品1〜2点に絞り、売上・在庫回転率を確認した上で、新商品を順次追加していく形を示せば、金融機関も「現実的」と判断します。

Q. 未経験業種でも創業融資は受けられますか?

A. 可能です。ただし、業界知識の習得や競合分析、収支計画の緻密さが求められます。過去の職歴や関連資格、副業経験なども積極的にアピールしましょう。「やったことがない」ではなく、「やるための準備をしている」が重要です。

Q. 自己資金が少ない場合はどうすれば?

A. 「見せ金(借入金を一時的に通帳へ入れる)」は避けましょう。金融機関は通帳履歴をチェックしています。小額でもコツコツ貯めた実績は高く評価されます。3カ月〜半年の積立履歴を作ることで、真剣さが伝わります。

まとめ:事業の背伸びは禁物!創業期は「等身大の規模」で着実に

創業時の資金調達で最も大切なのは、「無理なく回せる計画」を立てることです。やりたいことが多くても、まずは主力事業に集中し、少額融資で着実に実績を積むことが、長期的な成長の鍵となります。

銀行は「実績を作る経営者」を応援します。最初の一歩を小さく踏み出すことで、将来大きく飛躍できる道が開けます。夢を実現するためには、現実を見据えた計画が必要です。焦らず、着実に、信頼を積み上げていきましょう。

あなたの創業が、堅実な成功へとつながることを心より応援しています!

 

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弊社では、中野裕哲を中心とした所属専門家チーム(起業コンサルタント(R)、経営コンサルタント、税理士、社会保険労務士、行政書士、司法書士、中小企業診断士、FP、元日本政策金融公庫支店長、元経済産業省系補助金審査員など)が一丸となって、幅広い起業支援・経営支援を行っております。 起業の手続きって何から始めればいいの?といった疑問に対して適切なアドバイスを無料にて行っております。 無料相談も行っているので、ぜひ一度、ご相談ください。お問い合わせお待ちしております!
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この記事を書いた人

中野裕哲/Nakano Hiroaki 起業コンサルタント(R)、経営コンサルタント、税理士、特定社会保険労務士、行政書士、サーティファイドファイナンシャルプランナー・CFP(R)、1 級FP技能士。大正大学招聘教授(起業論、ゼミ等) V-Spiritsグループ創業者。税理士法人V-Spiritsグループ代表。東京池袋を本拠に全国の起業家・経営者さんを応援!「ベストセラー起業本」の著者。著書20冊、累計25万部超。経済産業省後援「DREAMGATE」で12年連続相談件数日本一。 【まるごと起業支援(R)・経営支援】 起業コンサル(事業計画+融資+補助金+会社設立支援)+起業後の総合サポート(経理 税務 事業計画書 融資 補助金 助成金 人事 給与計算 社会保険 法務 許認可 公庫連携 認定支援機関)など 【略歴】 経営者である父の元に生まれ、幼き頃より経営者になることを目標として過ごす。バブル崩壊の影響を受け経営が悪化。一家離散に近い貧困状況を経験し、「経営者の支援」をライフワークとしたいと決意。それに役立ちそうな各種資格を学生時代を中心に取得。同じく経営者であるメンターの伯父より、単に書類や手続を追求する専門家としてではなく、視野を広げ「ビジネス」の現場での経験を元に経営者の「経営そのもの」を支援できるような専門家を目指すようアドバイスを受け、社会人生活をスタート。大手、中小、ベンチャー企業、会計事務所等で営業、経理、財務、人事、総務、管理職、経営陣等、ビジネスの「現場」での充実した修行の日々を送ったあと、2007年に独立。ほかにはない支援スタイルが起業家・経営者に受け入れられ、経済産業省「DREAM GATE」にて、面談相談12年連続日本一。補助金・助成金支援実績600件超。ベストセラー含む起業・経営本20冊を出版。累計25万部超。無料相談件数は全国から累計3000件を超す。

この記事を監修した人

多胡藤夫/Fujio Tago 元日本政策金融公庫支店長、社会生産性本部認定経営コンサルタント、ファイナンシャルプランナーCFP(R)、V-Spirits総合研究所株式会社 取締役 同志社大学法学部卒業後、日本政策金融公庫(旧国民金融公庫)に入行。 約63,000社の中小企業や起業家への融資業務に従事し審査に精通する。 支店長時代にはベンチャー企業支援審査会委員長、企業再生協議会委員など数々の要職を歴任したあと、定年退職。 日本の起業家、中小企業を支援すべく独立し、その後、V-Spiritsグループに合流。 長年融資をする側の立場にいた経験、ノウハウをフル活用し、融資を受けるためのコツを本音で伝えている。

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