
銀行の融資審査とは?起業前に必ず知っておくべき現実と対策
こんにちは。起業コンサルタント(R)、税理士・行政書士・社労士・FPの中野裕哲です。
「銀行の融資審査って、正直どんなこと見られるんですか?」
これも、起業準備中の会社員の方からよく聞かれる質問のひとつです。
ズバリ言いますね。銀行は「お金を貸して返ってくるか」を冷静に見ています。
では、どんなポイントで判断しているのか?今回は、起業準備段階で押さえておきたい「銀行融資審査の基礎と対策」について、やさしく丁寧に解説していきます。
まず知っておきたい、銀行と信用金庫の違い
起業直後の融資を考える場合、「銀行」といっても種類があります。
銀行(メガバンク、地方銀行など)
- 基本的に実績がある企業向け
- 審査が厳しめ
- 担保や保証を重視
信用金庫・信用組合
- 地域密着型で中小企業に親身
- 起業初期でも相談に乗ってくれることがある
結論を言うと、起業初期であれば「信用金庫・日本政策金融公庫との併用」が鉄板ルートです。
銀行の審査はこう見ている!7つのチェックポイント
銀行の融資審査では、以下のような観点で「貸せるかどうか」を見極めています。
1. 経営者の人物像(人柄・信用)
- 真面目さ、誠実さ、熱意など
- 信用情報(クレジットカード事故歴など)もチェック
2. 自己資金の額と貯め方
- 「自分のお金でどれだけ準備しているか」
- 親からの借入や突然の振込はNG扱いになることも
3. 事業計画書の具体性と実現可能性
- 誰に、何を、どうやって売るのか
- 売上・利益の見込みに無理はないか
4. 業種・ビジネスモデル
- 市場性や成長性はあるか
- 競合との違いや強みはあるか
5. 経験とスキル
- その業界での勤務経験や実績はあるか
- 起業後すぐに売上を立てられる見込みがあるか
6. 借入希望額の妥当性
- 自己資金とのバランス
- 資金使途が明確か
7. 返済可能性(キャッシュフロー)
- 「ちゃんと返していけそうか」を数字で示せるか
よくあるNGパターン
では、どんな場合に融資がNGになりやすいのか。代表的な例をいくつか紹介します。
- 事業計画書がふんわりしている(根拠がない)
- 自己資金が極端に少ない(ゼロなど)
- 信用情報に傷がある(携帯料金滞納、カード事故など)
- 実務経験ゼロの業界にチャレンジ
- 収支計画に甘さ(1ヶ月目から黒字計画など)
通る人はここが違う!成功のコツ3選
- 数ヶ月かけて自己資金をコツコツ貯めている
- 事業計画書に自分の言葉と熱意がこもっている
- その業種において十分な経験や準備がある
銀行は、現実的に「この人はちゃんと返してくれそうか?」を見ています。だからこそ、地に足の着いた準備が大切なのです。
FAQ:銀行融資審査に関するよくある質問
Q. 個人信用情報ってどこでチェックされるの?
A. CICやJICCなどの信用情報機関で審査されます。携帯代滞納でも「事故情報」になることがあります。
Q. 自己資金はどのくらい必要?
A. 借入希望額の1/3〜1/2が目安。最低でも100万円は用意したいところです。
Q. 連帯保証人や担保は必要?
A. 公庫融資では原則不要。民間銀行では、信用や実績が不十分な場合は求められることがあります。
Q. 面談では何を見られる?
A. 人柄、熱意、計画内容の理解度など。型通りの説明より、自分の言葉で語ることが大事です。
最後に:銀行融資は「信頼構築」の場でもある
起業時の銀行融資は、「資金調達」という意味合いに加えて、「金融機関との信頼関係の構築」の始まりでもあります。
うまく付き合えば、2回目以降の融資や、補助金情報の紹介、ネットワークの広がりなど、事業を加速させる強い味方になってくれるのです。
だからこそ、最初の一歩を「信頼される起業家」として踏み出しましょう!
不安があれば、どうぞお気軽にご相談くださいね。起業準備のその一歩一歩に、私たち専門家がお力になります!
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この記事を書いた人
中野裕哲/Nakano Hiroaki
起業コンサルタント(R)、経営コンサルタント、税理士、特定社会保険労務士、行政書士、サーティファイドファイナンシャルプランナー・CFP(R)、1 級FP技能士。大正大学招聘教授(起業論、ゼミ等)
V-Spiritsグループ創業者。税理士法人V-Spiritsグループ代表。東京池袋を本拠に全国の起業家・経営者さんを応援!「ベストセラー起業本」の著者。著書20冊、累計25万部超。経済産業省後援「DREAMGATE」で12年連続相談件数日本一。
【まるごと起業支援(R)・経営支援】
起業コンサル(事業計画+融資+補助金+会社設立支援)+起業後の総合サポート(経理 税務 事業計画書 融資 補助金 助成金 人事 給与計算 社会保険 法務 許認可 公庫連携 認定支援機関)など
【略歴】
経営者である父の元に生まれ、幼き頃より経営者になることを目標として過ごす。バブル崩壊の影響を受け経営が悪化。一家離散に近い貧困状況を経験し、「経営者の支援」をライフワークとしたいと決意。それに役立ちそうな各種資格を学生時代を中心に取得。同じく経営者であるメンターの伯父より、単に書類や手続を追求する専門家としてではなく、視野を広げ「ビジネス」の現場での経験を元に経営者の「経営そのもの」を支援できるような専門家を目指すようアドバイスを受け、社会人生活をスタート。大手、中小、ベンチャー企業、会計事務所等で営業、経理、財務、人事、総務、管理職、経営陣等、ビジネスの「現場」での充実した修行の日々を送ったあと、2007年に独立。ほかにはない支援スタイルが起業家・経営者に受け入れられ、経済産業省「DREAM GATE」にて、面談相談12年連続日本一。補助金・助成金支援実績600件超。ベストセラー含む起業・経営本20冊を出版。累計25万部超。無料相談件数は全国から累計3000件を超す。

この記事を監修した人
多胡藤夫/Fujio Tago
元日本政策金融公庫支店長、社会生産性本部認定経営コンサルタント、ファイナンシャルプランナーCFP(R)、V-Spirits総合研究所株式会社 取締役
同志社大学法学部卒業後、日本政策金融公庫(旧国民金融公庫)に入行。 約63,000社の中小企業や起業家への融資業務に従事し審査に精通する。
支店長時代にはベンチャー企業支援審査会委員長、企業再生協議会委員など数々の要職を歴任したあと、定年退職。
日本の起業家、中小企業を支援すべく独立し、その後、V-Spiritsグループに合流。
長年融資をする側の立場にいた経験、ノウハウをフル活用し、融資を受けるためのコツを本音で伝えている。



























