
エスニック料理店開業完全ガイド|特徴・市場トレンド・資金・ステップまで徹底解説
ビジネスの特徴
エスニック料理とは、民族料理のことであり特定の民族や国に伝わる料理や食文化を提供します。代表的なものに、タイ、インド、メキシコなどがあり、料理を専門とし独自のスパイスや調味料を使用した料理が特徴です。収益構造は、主に料理の販売収益から成り立ちます。高品質の原材料を使いつつ、低コストで提供することで利益を確保します。また、ドリンクやデザートの販売、イベントやパーティーのケータリングなど、付加価値の高いサービスも収益を支えます。
市場トレンド
1、地域性の尊重と多様性の追求
エスニック料理店は、各国の料理や文化を尊重しながら、独自のアレンジや融合料理を提供することで、多様性を尊重し、新しい食の体験を提供しています。
2、デジタル化とオンラインプレゼンス
オンライン予約やテイクアウト・デリバリーサービスの拡充が進んでいます。特に、パンデミックの影響で需要が増加しており、デジタル化への対応が求められています。
3、地域産品の活用
地元の食材や地域の味を取り入れたエスニック料理店が増えており、地域経済の活性化や地域の食文化の保護・発展に貢献しています。
開業形態
- ●個人事業主
- ●法人の設立
許認可
エスニック料理店を開業する際に必要となる許認可や要件は以下になります。
■飲食店など営業許可申請
エスニック料理店を開業する場合、食品衛生法に基づき保健所の「飲食店営業許可」が必要になります。
また、深夜に酒類の販売を行なう場合は「深夜酒類提供飲食店営業届」も別途必要になります。
■食品衛生責任者の設置
食品衛生法では、各店に1人「食品衛生責任者」を置くことが義務づけられています。
食品衛生責任者は、調理師、栄養士、製菓衛生師のいずれかの資格が必要です。有資格者がいない場合は、所轄の保健所が実施する食品衛生責任者のための講習会をし、テストに合格すれば有資格者になります。
開業ステップ
店舗型で開業する際の一般的なステップは以下になります。
- ➀事業計画書の策定
- ②資金調達
- ③内装工事・設備導入
- ➃メニュー構成の検討
- ➄許認可申請
- ⑥宣伝広告・プロモーション
- ⑦開業
開業資金
エスニック料理店の開業資金は、一般的には約1,000万円前後と言われています。
開業資金として大きくかかつ費用は「設備資金」です。事業に必要な機械・備品の導入費用、店舗の改装費など飲食店の開業には多くの設備資金が必要になります。また、「運転資金」も重要です。開業後すぐにお客様が来店されるとは限りません。そのため、最低1~3か月間の運転資金を準備する必要があります。そして、開業までに準備する備品や事務用品の費用、開業に必要な事務手続きや登記関連費用、保証金などの資金も必要になります。
起業を検討する際は、事業内容を決めるとともに、これらの開業資金を同時に考えることになります。開業するのに「いくら必要になるのか」「自分で用意できる金額はいくらあるのか」などを検討し、計画性をもって開業資金を準備しましょう。
会社設立
エスニック料理店は個人事業でも開業できますが、法人化をすることによるメリットもあります。東京都で会社を設立する場合の具体的なステップをご紹介します。
- ①申請書類の作成
※申請書類は都庁で購入できます。 - ②免許申請
※申請書類を都庁の管轄部署に提出します。 - ③審査
- ④許可
その他にも、事業内容などによって必要な手続きが増える場合があります。会社設立には書類の作成や手続きが多く手間や時間がかかります。
弊社では、会社設立を考える起業家のみなさんの負担を軽減するため、コンサルティング付きの会社設立支援サービスを低価格で行っています。詳しくは以下のリンクをご参照ください。
収益モデル
開業の前に、事業計画の収益性を確かめることは重要です。特に飲食店では立地間環境や営業の時間帯、季節などによって売上の変動が大きくなる可能性があります。そのため、具体的に開業する飲食店の収益計画を策定することをお勧めします。
まずは、弊社の事業計画書フォーマットを参考にして作成してみてください。以下のリンクからダウンロードできます。
最後に
エスニック料理店の開業は、異なる文化や食材に関する知識を深める必要があり、初めは大変かもしれません。
しかし、多様な文化の料理を通じてお客様に新しい味覚の冒険を提供することは、大きなやりがいがあります。
また、独自の料理やサービスでお客様を魅了し、リピーターを増やしていく過程は非常に充実感があります。
ぜひ、あなたのエスニック料理店を開業し、多くの人々に異文化の魅力を伝えてください。
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この記事を書いた人
三浦高/Takashi Miura
元創業補助金(経済産業省系補助金)審査員・事務局員
中小企業診断士、起業コンサルタント®、
1級販売士、宅地建物取引主任者、
補助金コンサルタント、融資・資金調達コンサルタント、
産業能率大学 兼任教員
2024年現在、各種補助金の累計支援件数は300件を超える。
融資申請のノウハウも蓄積し、さらに磨きを掛けるべく日々事業計画書に向き合っている。
この記事を監修した人
多胡藤夫/Fujio Tago
元日本政策金融公庫支店長、社会生産性本部認定経営コンサルタント、ファイナンシャルプランナーCFP(R)、V-Spirits総合研究所株式会社 取締役
同志社大学法学部卒業後、日本政策金融公庫(旧国民金融公庫)に入行。 約63,000社の中小企業や起業家への融資業務に従事し審査に精通する。
支店長時代にはベンチャー企業支援審査会委員長、企業再生協議会委員など数々の要職を歴任したあと、定年退職。
日本の起業家、中小企業を支援すべく独立し、その後、V-Spiritsグループに合流。
長年融資をする側の立場にいた経験、ノウハウをフル活用し、融資を受けるためのコツを本音で伝えている。