
飲食店で開業するとき、なぜ視認性が重要なのか?
飲食店の開業を考えるとき、「視認性(外から見つけやすさ)」は単なるロゴや看板の話ではありません。実は、立地そのものが24時間稼働する“広告・集客装置”とも言える重要ポイント。今回は「なぜ視認性がそんなに大事なのか?」を、実務家視点で整理してまいります。
① 視認性が集客の第一歩
飲食店における「視認性」とは、お店が何の店で、どこにあるのか、一瞬でわかる状態のこと。開業直後から継続的に人を呼び込むには、「まず気づいてもらう」必要があります。
-
通行人や車に認識されることで、偶然来店(フリー来店)のチャンスが増える。
-
WebやSNSよりも、まず視界に入ることが“営業機会”となるからです。
つまり、視認性が低いとそもそも集客のスタートラインに立てないのです。
② 看板+外観は“24時間営業の営業スタッフ”
-
看板は“広告塔”として、通行人に「何屋さんか」「どこにあるか」を瞬時に知らせます。
-
外観の魅力度や雰囲気は「入りやすさ」「安全そう」「おいしそう」の第一印象を左右し、入店を後押しする要素になります。
つまり、視認性が優れていれば、広告費をかけなくても自然に集客しやすくなるというわけです。
③ 視認性のメリットと収益モデルへの影響
-
通行量が多いほど、人目につきやすく、結果として「広告費0円での集客効果」が期待できます。
-
ただし「人通りが多い=すぐ儲かる」と安易に考えるのは危険。家賃も高く競合が多い可能性があり、費用対効果は慎重に見極める必要があります。
④ 目立つ外観は“信頼と記憶”両方に効く
-
外観の印象は安心感や評価に直結し、SNSやGoogleマップにも影響します。
-
体験した感想は一瞬で口コミや評価となり、マイナス印象が広がればそれだけで損益に響くことにもなりかねません。
⑤ 視認性を高める具体策
実際にやれる工夫はたくさんあります:
チェック項目 | 内容 |
---|---|
看板デザイン | 鮮やかな色、読みやすいフォント、シンプルかつ目立つ構成がカギ。ファサードも目を引くものに |
照明・夜間対応 | 夜も目立つLEDや電飾看板で“夜も営業中”とアピール |
入口の工夫 | ガラス張りや写真掲示で「中が見える」「入りやすい」雰囲気を醸成 |
立地分かりやすさ | 袖看板などで2階以上や奥まった店舗も「どこにあるか」が一目でわかる工夫を。A型看板も駆使! |
オンラインとの連携 | Googleマップに階段や入口写真を明記、SNSでアクセス案内を投稿し視認性を補強 |
⑥ 視認性が低い物件でも成功できるパターン
-
隠れ家・コンセプト重視型の場合、わかりやすい案内と写真・内観の紹介で「来てみたい」を生み出す必要があります。
-
逆に「何となく人が来る立地」を選ぶなら、視認性重視でファサード・入口・看板を強めに意識すべきだと言えます。
■まとめ:視認性は“集客の基盤”、投資価値は非常に高い
-
視認性がなければ、存在すら認識されず、集客は始まらない。
-
見た目・看板・入口・照明などはすべて「広告」の一部であり、忠実なスタッフです。
-
家賃とのバランスを取りながら、視認性向上に必要な投資は惜しむべからず。
【無料相談のご案内】
起業の手続きって何から始めればいいの?といった疑問に対して適切なアドバイスを無料にて行っております。
無料相談も行っているので、ぜひ一度、ご相談ください。お問い合わせお待ちしております!
この記事を書いた人
中野裕哲/Nakano Hiroaki
起業コンサルタント(R)、経営コンサルタント、税理士、特定社会保険労務士、行政書士、サーティファイドファイナンシャルプランナー・CFP(R)、1 級FP技能士。大正大学招聘教授(起業論、ゼミ等)
V-Spiritsグループ創業者。税理士法人V-Spiritsグループ代表。東京池袋を本拠に全国の起業家・経営者さんを応援!「ベストセラー起業本」の著者。著書20冊、累計25万部超。経済産業省後援「DREAMGATE」で12年連続相談件数日本一。
【まるごと起業支援(R)・経営支援】
起業コンサル(事業計画+融資+補助金+会社設立支援)+起業後の総合サポート(経理 税務 事業計画書 融資 補助金 助成金 人事 給与計算 社会保険 法務 許認可 公庫連携 認定支援機関)など
【略歴】
経営者である父の元に生まれ、幼き頃より経営者になることを目標として過ごす。バブル崩壊の影響を受け経営が悪化。一家離散に近い貧困状況を経験し、「経営者の支援」をライフワークとしたいと決意。それに役立ちそうな各種資格を学生時代を中心に取得。同じく経営者であるメンターの伯父より、単に書類や手続を追求する専門家としてではなく、視野を広げ「ビジネス」の現場での経験を元に経営者の「経営そのもの」を支援できるような専門家を目指すようアドバイスを受け、社会人生活をスタート。大手、中小、ベンチャー企業、会計事務所等で営業、経理、財務、人事、総務、管理職、経営陣等、ビジネスの「現場」での充実した修行の日々を送ったあと、2007年に独立。ほかにはない支援スタイルが起業家・経営者に受け入れられ、経済産業省「DREAM GATE」にて、面談相談12年連続日本一。補助金・助成金支援実績600件超。ベストセラー含む起業・経営本20冊を出版。累計25万部超。無料相談件数は全国から累計3000件を超す。
この記事を監修した人
多胡藤夫/Fujio Tago
元日本政策金融公庫支店長、社会生産性本部認定経営コンサルタント、ファイナンシャルプランナーCFP(R)、V-Spirits総合研究所株式会社 取締役
同志社大学法学部卒業後、日本政策金融公庫(旧国民金融公庫)に入行。 約63,000社の中小企業や起業家への融資業務に従事し審査に精通する。
支店長時代にはベンチャー企業支援審査会委員長、企業再生協議会委員など数々の要職を歴任したあと、定年退職。
日本の起業家、中小企業を支援すべく独立し、その後、V-Spiritsグループに合流。
長年融資をする側の立場にいた経験、ノウハウをフル活用し、融資を受けるためのコツを本音で伝えている。