
申込前に自分の信用情報を確かめる3ステップ 開示して、見て、整理する
会社員のまま開業の準備を進めていると、過去のスマホの分割払いやクレジットカードの支払い遅れが気になってくることがあります。創業融資の申込前に、自分の信用情報がどうなっているかを知っておきたいという方向けに、この記事では次の順番で進め方をまとめます。
- 開示する(どの機関に、どう申し込むか)
- 確認する(報告書のどこを見るか)
- 整理する(見つかったときの動き方と、申込前のスケジュール)
手数料や方法などの手続き情報は、2026年10月時点で各機関の公式案内にもとづいて書いています。これらは変更されることがあるため、申込前に各機関の公式案内で確認してください。
なぜ申込前に自分の信用情報を見ておくのか
日本政策金融公庫は個人信用情報機関に加盟しています。審査では、同じ業種での勤務経験、自己資金、事業計画の具体性、資金使途と調達額の整合、信用情報などをもとに判断されます。信用情報では、借入状況、返済の遅れ、税金や公共料金の未納といった点が見られます。
心当たりがあるのに中身を確認しないまま申込むと、自分では把握していない状態のまま審査に臨むことになります。先に開示して現状を知っておけば、必要な対応を申込前に始められます。
STEP1 開示する
開示先は3機関。心当たりに合わせて選ぶ
個人の信用情報を扱う機関には、CIC、JICC、全国銀行個人信用情報センターの3つがあります。過去の延滞や債務整理が気になる場合は、3機関で自己開示して現状を確認するのが基本です。ただし機関ごとに登録されている情報は異なります。スマホの分割払いやクレジットカードの支払いに心当たりがあるなら、まずCICから見るのが入口になります。そのうえで、ほかの機関にも契約の心当たりがないかを考えて広げていきます。
各機関の方法・手数料・日数(2026年10月時点)
| 機関 | 方法 | 手数料 | 日数の目安 |
|---|---|---|---|
| CIC | インターネット(スマートフォン)、郵送 | インターネット500円、郵送1,500円 | インターネットは申込後すぐ、郵送は申込から1週間〜10日ほどで発送 |
| JICC | 専用スマホアプリ(郵送の案内もあり) | 700円(税込) | 1〜3日程度(土日祝日・年末年始を除く) |
| 全国銀行個人信用情報センター | インターネット、郵送 | インターネット800円(税込、2026年4月1日以降) | 公式案内では申込が増えており、郵送はインターネットよりさらに日数がかかる見込み |
上の内容は各機関の公式案内による2026年10月時点のものです。手数料や方法は変更されることがあるため、申込前に各機関の公式案内で確認してください。
申込前に用意するもの
JICCのアプリでの開示には、対応するスマホ、マイナンバーカード、署名用電子証明書の暗証番号、支払手段(クレジットカードまたは携帯キャリア決済)、メールアドレスが必要です。CICはスマートフォンで手続きが完結します。全国銀行個人信用情報センターは申込が混み合っているため、インターネットでの手続きを検討するよう案内されています。
STEP2 確認する
CICの開示報告書で見る場所
CICの開示報告書は、次の情報で構成されています。
- クレジット情報:契約内容や支払状況など
- 申込情報:新規申込みの際に照会された記録
- 利用記録:契約後に照会された記録
- 参考情報、クレジット・ガイダンス情報
創業融資の前に確認したいのは、まずクレジット情報です。スマホの分割払いやクレジットカードの契約が一覧に出ているかを見ます。心当たりのある契約について、支払状況に遅れを示す記載がないかを順に確認します。
チェックの手順は次のとおりです。
- 契約の一覧に、記憶にない契約が混ざっていないか
- 心当たりのある契約の支払状況に、遅れを示す記載がないか
- 遅れの記載がある契約は、現在も残っているのか、解消済みなのか
- 申込情報と利用記録に、短期間に複数の記録が並んでいないか
記憶と違う内容を見つけた場合や、報告書の見方が分からない場合は、機関の公式案内で確認してください。JICCと全国銀行個人信用情報センターの報告書の見方も、各機関の公式案内を参照してください。
STEP3 整理する
延滞が残っていた場合
延滞が残っているときは、まず事実を把握したうえで支払いを済ませ、登録がいつまで続くのかを各機関の公式案内で確認します。登録期間は機関や内容によって異なります。自己破産歴についていえば、登録期間は最長でも7年程度とされ、古い情報にある10年という基準は現在とは異なります。
債務整理が絡む場合は、手続きの内容に自分で踏み込まず、弁護士など専門家に相談してください。
ほかに整理しておきたいこと
信用情報は、返済の遅れだけでなく、税金や公共料金の未納も含めて見られる項目です。開示報告書で確認できるのは各機関に登録された情報だけなので、税金や公共料金の支払い状況は別に自分で確認しておきましょう。税金や年金の未納の整理は「創業融資の前に税金や年金の未納を整理するには?」、過去の支払い遅れの影響は「過去の支払い遅れは創業融資に影響する?今からできること」で詳しく扱っています。
💬 執筆者の小峰から一言
審査に落ちると、その事実が信用情報に残ると思われがちです。実際には、落ちたこと自体は信用情報機関には残りません。ただし公庫の内部には審査に落ちた記録が残り、次の審査ではその経緯を踏まえて慎重に扱われる可能性があります。信用金庫で融資を出す側にいた立場からも、申込は一度ずつ準備を整えてから臨むことをお勧めします。
申込前のスケジュールの組み方
申込から融資実行までの目安は、書類提出後おおむね3週間〜1か月です。創業計画書や自己資金を確認できる資料などの準備を含めると、合計で約2か月を見ておくと安全です。
信用情報の開示は、この準備期間のさらに前に済ませておくのがおすすめです。開示で見つかった内容への対応に時間がかかる場合があり、全国銀行個人信用情報センターは日数が読みにくい状況でもあります。次のように逆算して進めてください。
- 開示を申し込む(インターネットで可能な機関から始める)
- 報告書が届いたら、心当たりの契約と支払状況を確認する
- 見つかった内容への対応を済ませる、または専門家に相談する
- 書類の準備を進め、申込日を決める
順番を決めておくと、開示の結果に左右されずに計画を立てられます。
まとめ
創業融資の前に信用情報を確かめる流れは、開示、確認、整理の3段階です。まず、心当たりに合う機関に開示を申し込みます。次に、報告書のクレジット情報で契約と支払状況を見ます。最後に、見つかった内容を整理し、約2か月の準備期間から逆算して申込日を決めます。今日できることは、開示の申込先を決めて、手数料と方法を公式案内で確認することです。
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この記事を書いた人
小峰精公/Kiyotaka Komine
元朝日信用金庫 法人営業
資金繰り解決コンサルタント
V-Spirits総合研究所株式会社 常務取締役
大学卒業後、朝日信用金庫に入庫。朝日信用金庫での経験が原点となり、「銀行融資取引」や「資金繰り」の本質を企業へ伝えていくことがミッションだと確信する。
日本の99%は中小零細企業で成り立っている現状を痛感し、1社でも多くの企業の「資金繰り」の課題を解決していくことに専念する。
クライアント様がより良い商品やサービスを提供することができる環境づくりの一助となれるよう全身全霊を尽くす。

この記事を監修した人
多胡藤夫/Fujio Tago
元日本政策金融公庫支店長、社会生産性本部認定経営コンサルタント、ファイナンシャルプランナーCFP(R)、V-Spirits総合研究所株式会社 取締役
同志社大学法学部卒業後、日本政策金融公庫(旧国民金融公庫)に入行。約63,000社の中小企業や起業家への融資業務に従事し審査に精通する。
支店長時代にはベンチャー企業支援審査会委員長、企業再生協議会委員など数々の要職を歴任したあと、定年退職。
日本の起業家、中小企業を支援すべく独立し、その後、V-Spiritsグループに合流。
長年融資をする側の立場にいた経験、ノウハウをフル活用し、融資を受けるためのコツを本音で伝えている。


この記事を監修した人
中野裕哲/Nakano Hiroaki
税理士法人V-Spiritsグループ代表/税理士/行政書士/特定社会保険労務士/採用定着士/ファイナンシャルプランナー/起業コンサルタント/経営コンサルタント/大正大学招聘教授
税理士法人V-Spiritsグループ代表の中野裕哲は、中小企業経営者のために、税務・会計だけでなく、採用、人事、資金繰り、融資、補助金、助成金、営業、Webマーケティング、売上導線設計まで横断的に支援する実戦型経営税理士です。
経営の悩みは、突き詰めると「人・金・売上」に集約されます。中野裕哲は、大企業人事部、人材紹介会社の採用エージェント、中小企業の財務責任者、大手不動産会社での営業、出版・Web制作による集客導線構築など、幅広い実務経験をもとに、経営者の意思決定を支援します。
【対応領域】
税理士顧問、社労士顧問、補助金支援、助成金支援、資金調達支援、採用力診断、売上導線診断、経営参謀顧問。税務・会計・決算・節税に加えて、経営分析、労務管理、社会保険、助成金、採用体制づくり、融資、補助金、事業計画、営業戦略、Webマーケティング、出版、メディア活用まで一体的に相談できます。
中野裕哲は、家業の倒産危機からの壮絶な貧乏体験を原点に、お金で苦しむ経営者をひとりにしないことを掲げています。資金繰り、採用、売上づくりの壁に対して、経営者目線で伴走します。
【主な実績】
- 起業支援・経営支援の豊富な実績
- 起業相談件数3,000件以上
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- 大企業Webサイト多数監修
- 商業出版著書監修約32冊(累計30万部超)
V-Spiritsグループでは、融資・補助金・金融機関対応に詳しい社内役員チームも伴走します。元経済産業省系補助金審査員・事務局員、元日本政策金融公庫支店長、元信用金庫融資担当営業などの専門家が、補助金申請、事業計画、資金繰り、金融機関対応を実務面から支援します。
税理士顧問、社労士顧問、融資、補助金、助成金、採用、営業、マーケティングまで、経営者が本当に悩む領域をワンストップで相談できます。V-Spiritsグループは、起業支援・会社設立・創業融資・補助金助成金・税務会計・人事労務・許認可・経営顧問をワンストップで支援する、起業家・中小企業向けの専門家グループです。





























