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コラム

中小企業の離職率の平均は?定着率が低い会社に共通する3つの問題

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中小企業の離職率は平均で15〜19%。問題の根っこは3つに集約される

「うちは離職率が高いのか、それとも平均並みなのか」――中小企業の経営者・人事担当が定着率改善を考えるとき、まず気になるのが業界・規模ごとの相場感です。厚生労働省「令和5年雇用動向調査」によると、2023年度の企業規模別平均離職率は、従業員30〜99人で16.0%、100〜299人で19.0%、5〜29人で15.6%と、中小規模ほど高めの傾向が出ています。さらに大卒新卒の3年以内離職率を見ると、従業員5人未満の企業で56.3%、5〜29人の企業で49.4%と、約半数が3年以内に辞めていく構図です。

この記事では、中小企業の離職率の現状と、定着率が低い会社に共通する3つの問題、そしてそれぞれを解消するための実践アプローチを整理します。本記事は2026年5月時点の情報に基づいて執筆しています。労務関連制度・統計は更新されるため、最新情報は厚生労働省などの公式情報をご確認ください。

中小企業の離職率の平均値(厚生労働省データ)

厚生労働省「令和5年雇用動向調査」による企業規模別の平均離職率は次のとおりです。

  • 従業員1,000人以上:14.2%
  • 従業員300〜999人:16.1%
  • 従業員100〜299人:19.0%
  • 従業員30〜99人:16.0%
  • 従業員5〜29人:15.6%

意外にも、最も離職率が高いのは100〜299人規模の企業です。組織が「中規模化」して制度が整っていない過渡期に、離職が増えやすい傾向があります。「自社の離職率が平均よりやや高いか低いか」を測る目安としては、上記の数字を起点にするのが現実的です。

大企業と中小企業の離職率ギャップ:新卒3年以内

大卒新卒の3年以内離職率を企業規模別に見ると、ギャップはさらに鮮明です。

  • 従業員1,000人以上:24.7%
  • 従業員500〜999人:28.9%
  • 従業員5〜29人:49.4%
  • 従業員5人未満:56.3%

小規模企業ほど新卒3年以内離職率が高く、5人未満では半数以上が辞めていく現実です。採用にかけたコストや教育時間が回収できないまま離職が続くと、経営インパクトは大きくなります。離職率を下げる施策は、採用施策と同じくらい――場合によってはそれ以上に――費用対効果が高い領域です。

定着率が低い会社に共通する3つの問題

問題1:ワークライフバランスの崩壊

少ない人員で多くの業務を回す構造ゆえに、残業の常態化、休日出勤の慣習、有給取得の事実上の困難さといった働き方の問題が定着しやすい領域です。「忙しいから仕方ない」と現場で受け止められていても、新人や中堅社員から見れば「ここに何年もいたら自分の人生が削られる」と判断される要因になります。労働時間と業務量のバランスが崩れた状態が継続すると、優秀な人材から先に辞めていきます。

問題2:処遇とキャリアパスの不透明さ

「どうすれば給与が上がるのか」「将来どんなポジションを目指せるのか」が見えないと、社員は自分の成長や報酬の見通しを立てられません。中小企業では評価制度が整備されていないか、整備されていても運用が形骸化していることが多く、結果として「頑張っても評価が変わらない」「気に入られている人だけ昇給する」という不満につながります。これは定着率を下げる最も根深い要因の1つです。

問題3:マネジメントとコミュニケーションの不足

上司との関係性、相談しやすい雰囲気、業務上の迷いを共有できる場の有無は、定着率に直結します。中小企業では管理職が現場プレイヤーを兼ねるケースが多く、部下と話す時間を確保できないまま日々が流れます。「上司は自分のことを見ていない」「相談しても聞いてもらえない」と感じた社員は、転職活動に流れやすくなります。

採用・定着の戦略と仕組みづくりをまるごとサポート

V-Spiritsの採用定着支援サービスでは、給与・条件の競合リサーチ、求人原稿の改善、応募後24時間以内の初動対応など、採用がうまくいく会社が実践している型を全国2,000社超の支援実績をもとに採用定着士が伴走で組み立てます。「なぜ採れないのか」「なぜ辞めるのか」を現場目線で診断し、5ステップで仕組み化します。

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定着率の問題は、採用・労務・評価・マネジメントが絡み合った領域です。1つの施策だけで解決するのは難しく、現状診断と施策の優先順位付けを伴走型で進めると、改善のスピードが上がります。

3つの問題を解消するための実践アプローチ

ワークライフバランスの再設計

業務量と人員のバランスを取り直すには、まず「業務の棚卸し」が必要です。誰が何にどれだけの時間を使っているかを2週間ほど見える化すると、本当に必要な業務と、慣習で続いている業務が分かれます。後者を削減または自動化(IT・外注)に振ることで、残業の常態化を緩和できます。並行して、有給取得を上司側から声をかける、ノー残業デーを設けるなどの運用面の改善も併用します。

評価とキャリアの「見える化」

完成度の高い評価制度を一気に作る必要はありません。まずは「どの業務を、どのレベルでできるようになると、どう評価されるか」を1ページにまとめるところから始めます。半年ごとに評価面談を設け、給与決定の考え方を経営者・上司が言葉で説明できる状態を目指します。「自分の頑張りが評価されている」と社員が認識できることが、第一段階のゴールです。

1on1とマネジメント時間の確保

月1回・30分の1on1を全管理職に必須化するだけでも、現場の空気は変わります。困っていること、業務の優先順位、キャリア観についての小さな対話を継続することで、離職予兆を早期に拾えます。管理職側にも「1on1の時間は業務時間として正式に確保する」というメッセージを経営者から出し、心理的なハードルを下げる必要があります。

💬 無料相談のご案内

V-Spiritsでは、大企業人事・採用エージェント・中小企業支援の三つの現場を経験した特定社会保険労務士中野裕哲を中心とした採用定着士チームが、採用・定着に悩む中小企業・個人事業主の方を無料でサポートしています。「なぜ採れないのか」「なぜ辞めるのか」を現場目線で診断し、再現性のある仕組みづくりをご支援します。まずはお気軽にご連絡ください。

離職率を「見える化」する3つの指標

定着率改善はPDCAなしには続きません。最低限ウォッチしたい3つの指標は次のとおりです。

  • 離職率(期初従業員数に対する年間離職者数):年次・半期で経年比較する
  • 新卒・中途別の3年以内離職率:採用施策の質を測る指標
  • 退職理由のカテゴリ別集計:退職面談で「人間関係/処遇/業務内容/キャリア/その他」を集計し、改善の優先順位を判断

これらを四半期に1回、経営者と管理職で確認する場を持つだけで、施策の効果と次の打ち手の精度が大きく上がります。離職率が業界平均を上回っている期があれば、その期に何が起きたかを掘り下げることで、再発防止のヒントが見つかります。

まとめ

中小企業の離職率は規模ごとに15〜19%程度、新卒3年以内離職率は5〜29人の企業で約半数という現実があります。定着率が低い会社に共通する問題は、ワークライフバランスの崩壊、処遇・キャリアパスの不透明さ、マネジメント・コミュニケーションの不足の3つに集約されます。完璧な制度を一気に作る必要はなく、業務棚卸し、評価の見える化、1on1の必須化から着手するのが現実的です。

労務制度や評価制度の整備は、専門家と一緒に進めるとスピードが上がります。自社の離職率と平均の差、施策の優先順位を整理したい場合は、採用定着支援の専門家への相談を検討してみてください。

中野裕哲 採用定着関係紹介画像

この記事を監修した人


中野裕哲

中野裕哲/Nakano Hiroaki

起業コンサルタント(R)、経営コンサルタント、税理士、特定社会保険労務士、行政書士、サーティファイドファイナンシャルプランナー・CFP(R)、1 級FP技能士。大正大学招聘教授(起業論、ゼミ等)

V-Spiritsグループ創業者。税理士法人V-Spiritsグループ代表。東京池袋を本拠に全国の起業家・経営者さんを応援!「ベストセラー起業本」の著者。著書20冊、累計25万部超。経済産業省後援「DREAMGATE」で12年連続相談件数日本一。

【まるごと起業支援(R)・経営支援】
起業コンサル(事業計画+融資+補助金+会社設立支援)+起業後の総合サポート(経理 税務 事業計画書 融資 補助金 助成金 人事 給与計算 社会保険 法務 許認可 公庫連携 認定支援機関)など

【略歴】
経営者である父の元に生まれ、幼き頃より経営者になることを目標として過ごす。バブル崩壊の影響を受け経営が悪化。一家離散に近い貧婚状況を経験し、「経営者の支援」をライフワークとしたいと決意。それに役立ちそうな各種資格を学生時代を中心に取得。

同じく経営者であるメンターの伯父より、単に書類や手続を追求する専門家としてではなく、視野を広げ「ビジネス」の現場での経験を元に経営者の「経営そのもの」を支援できるような専門家を目指すようアドバイスを受け、社会人生活をスタート。

大手、中小、ベンチャー企業、会計事務所等で営業、経理、財務、人事、総務、管理職、経営陣等、ビジネスの「現場」での充実した修行の日々を送ったあと、2007年に独立。

ほかにはない支援スタイルが起業家・経営者に受け入れられ、数々の実績を残しています。V-Spiritsグループは、起業支援・会社設立・創業融資・補助金助成金・税務会計・人事労務・許認可・経営顧問をワンストップで支援する、起業家・中小企業向けの専門家グループです。

  • 経済産業省「DREAM GATE」にて、面談相談12年連続日本一
  • 補助金・助成金支援実績600件超
  • ベストセラー含む起業・経営本20冊を出版(累計25万部超)
  • 無料相談件数は全国から累計3,000件超

この記事を書いた人

坂井 優介(Yusuke Sakai)

起業コンサルタント® / 採用定着士 / 行政書士法人V-Spirits 補助者

1988年東京都生まれ。転勤族の父の影響で幼少期を愛知・長野・岩手・埼玉で過ごす。転入するたびに方言や文化の違いをからかわれつつも、1週間もあれば現地に溶け込む適応力を身につける。

大学在学中に公認会計士試験にチャレンジするも挫折し、アルバイト先だった埼玉の大手学習塾に就職。塾業界特有の過酷な労働環境の中でも10年間勤務を続けるが、成果を上げても給与が変わらない状況に限界を感じ、在職中に会計士試験に再挑戦。再び挫折するも、学んだ会計知識を活かせる職場を求めて転職活動を開始。2021年にV-Spiritsグループに参画し、2022年よりV-Spirits総合研究所の常務取締役に就任。

現在は、中小企業の経営者向けに補助金・助成金の支援から採用定着の仕組みづくりまで幅広く担当。「制度を使いこなす中小企業を増やす」をテーマに、現場に寄り添ったサポートを行っている。

役職:V-Spirits総合研究所株式会社 常務取締役 / 税理士法人V-Spirits 業務部長 / 社会保険労務士法人V-Spirits 業務部長
担当業務:経済産業省系補助金支援・厚生労働省系助成金支援・マーケティング・人事労務・採用定着支援

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