
試用期間中の早期離職が止まらない会社が見直すべき5つのポイント
「採用してもすぐ辞めてしまう」「試用期間の数カ月で人が定着しない」——こうした早期離職は、採用コストが水の泡になるだけでなく、受け入れた現場の士気も下げてしまいます。とくに人手が限られる中小企業では、一人の早期離職が業務全体に響きます。本記事では、試用期間中の離職が多い会社にありがちな原因を整理したうえで、経営者・採用担当者が見直すべき5つのポイントを、現場で実践しやすい形で解説します。なお、労働法・雇用制度は改正されることがあるため、制度面は執筆時点の一般的な考え方として参考にしてください。
なぜ試用期間中に辞めてしまうのか
試用期間は「会社が応募者を見極める期間」と思われがちですが、実際には応募者の側も「この会社で続けられるか」を見極めています。早期離職の多くは、能力不足ではなく次のようなギャップが原因です。
- 求人や面接で聞いていた話と、実際の仕事・職場のギャップ
- 入社後に放置され、何をすればよいか分からない状態が続く
- 相談できる相手がおらず、孤立してしまう
- 労働条件や働き方が、聞いていた内容と微妙に違う
つまり、早期離職は「採用した人の問題」ではなく、「採用の伝え方」と「入社後の受け入れ方」の問題であることがほとんどです。以下、見直すべきポイントを順に見ていきます。
見直しポイント1:採用段階での情報の出し方
応募を集めたいあまり、良い面ばかりを強調していないでしょうか。入社後のギャップを減らすには、仕事の大変な部分や、繁忙期の働き方、求める役割を、採用段階で正直に伝えることが大切です。あえて「向いていない人」を示すことで、納得して入社する人が増え、結果的に早期離職は減ります。
見直しポイント2:入社初日からのオンボーディング
早期離職が多い会社ほど、「入ってから教える」「見て覚えて」で済ませがちです。最初の数週間で何を覚えてもらうか、誰が教えるかを決めておくだけで、新入社員の不安は大きく減ります。初日のスケジュール、1週間の目標、1カ月でできるようになってほしいことを事前に用意しておきましょう。
見直しポイント3:受け入れる現場・教育担当の体制
新入社員の定着は、配属先の現場の状態に大きく左右されます。教育担当が忙しすぎて手が回らない、誰が面倒を見るのか曖昧、といった状況では、どんなに良い人を採っても続きません。教育担当の負担を一時的に軽くする、複数人でフォローする体制をつくるなど、受け入れ側の余白を確保しましょう。
見直しポイント4:試用期間中の面談・フォロー
試用期間中こそ、こまめな声かけと面談が効きます。入社1週間・2週間・1カ月など、短い間隔で「困っていることはないか」「イメージと違うところはないか」を確認します。小さな不満や不安は、早く拾えば対応できますが、放置すると退職の決断につながります。面談は評価のためではなく、定着を支えるための対話と位置づけることがポイントです。
見直しポイント5:労働条件・処遇のすり合わせ
残業の実態、休日の取りやすさ、給与・手当の内訳など、入社前後で認識がずれていると、早期離職の引き金になります。求人票や雇用契約書の内容と実態が一致しているかを改めて確認しましょう。条件面の不信感は、一度生まれると回復が難しいため、最初のすり合わせが何より重要です。
こうした採用の伝え方から入社後の受け入れまでを、自社だけで一気に整えるのは簡単ではありません。求人原稿の改善や応募後の初動対応、定着の仕組みづくりまでを体系的に支援するサービスを活用するのも一つの方法です。
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V-Spiritsの採用定着支援サービスでは、給与・条件の競合リサーチ、求人原稿の改善、応募後24時間以内の初動対応など、採用がうまくいく会社が実践している型を全国2,000社超の支援実績をもとに採用定着士が伴走で組み立てます。「なぜ採れないのか」「なぜ辞めるのか」を現場目線で診断し、5ステップで仕組み化します。
試用期間中の解雇は簡単ではない点に注意
「試用期間中なら自由に辞めてもらえる」と考えるのは誤解です。試用期間中であっても、会社側からの一方的な本採用拒否(解雇)には客観的・合理的な理由が必要とされ、簡単には認められません。早期離職を防ぐ努力と同じくらい、採用・試用期間の運用が適切かどうかも、トラブル防止の観点で確認しておきましょう(具体的な対応は執筆時点の一般的な考え方です。個別の判断は専門家にご相談ください)。
まとめ
試用期間中の早期離職は、採用した人の資質ではなく、「採用の伝え方」と「入社後の受け入れ方」に原因があることがほとんどです。情報の出し方、オンボーディング、現場の受け入れ体制、こまめな面談、条件のすり合わせ——この5つを見直すだけでも、定着は大きく変わります。「何から手をつければいいか分からない」「自社の採用のどこに穴があるのか診断してほしい」という場合は、採用と定着の両面を支援できる専門家に早めに相談することをおすすめします。

この記事を監修した人

中野裕哲/Nakano Hiroaki
起業コンサルタント(R)、経営コンサルタント、税理士、特定社会保険労務士、行政書士、サーティファイドファイナンシャルプランナー・CFP(R)、1 級FP技能士。大正大学招聘教授(起業論、ゼミ等)
V-Spiritsグループ創業者。税理士法人V-Spiritsグループ代表。東京池袋を本拠に全国の起業家・経営者さんを応援!「ベストセラー起業本」の著者。著書20冊、累計25万部超。経済産業省後援「DREAMGATE」で12年連続相談件数日本一。
【まるごと起業支援(R)・経営支援】
起業コンサル(事業計画+融資+補助金+会社設立支援)+起業後の総合サポート(経理 税務 事業計画書 融資 補助金 助成金 人事 給与計算 社会保険 法務 許認可 公庫連携 認定支援機関)など
【略歴】
経営者である父の元に生まれ、幼き頃より経営者になることを目標として過ごす。バブル崩壊の影響を受け経営が悪化。一家離散に近い貧婚状況を経験し、「経営者の支援」をライフワークとしたいと決意。それに役立ちそうな各種資格を学生時代を中心に取得。
同じく経営者であるメンターの伯父より、単に書類や手続を追求する専門家としてではなく、視野を広げ「ビジネス」の現場での経験を元に経営者の「経営そのもの」を支援できるような専門家を目指すようアドバイスを受け、社会人生活をスタート。
大手、中小、ベンチャー企業、会計事務所等で営業、経理、財務、人事、総務、管理職、経営陣等、ビジネスの「現場」での充実した修行の日々を送ったあと、2007年に独立。
ほかにはない支援スタイルが起業家・経営者に受け入れられ、数々の実績を残しています。V-Spiritsグループは、起業支援・会社設立・創業融資・補助金助成金・税務会計・人事労務・許認可・経営顧問をワンストップで支援する、起業家・中小企業向けの専門家グループです。
- 経済産業省「DREAM GATE」にて、面談相談12年連続日本一
- 補助金・助成金支援実績600件超
- ベストセラー含む起業・経営本20冊を出版(累計25万部超)
- 無料相談件数は全国から累計3,000件超
この記事を書いた人
坂井 優介(Yusuke Sakai)
起業コンサルタント® / 採用定着士 / 行政書士法人V-Spirits 補助者
1988年東京都生まれ。転勤族の父の影響で幼少期を愛知・長野・岩手・埼玉で過ごす。転入するたびに方言や文化の違いをからかわれつつも、1週間もあれば現地に溶け込む適応力を身につける。
大学在学中に公認会計士試験にチャレンジするも挫折し、アルバイト先だった埼玉の大手学習塾に就職。塾業界特有の過酷な労働環境の中でも10年間勤務を続けるが、成果を上げても給与が変わらない状況に限界を感じ、在職中に会計士試験に再挑戦。再び挫折するも、学んだ会計知識を活かせる職場を求めて転職活動を開始。2021年にV-Spiritsグループに参画し、2022年よりV-Spirits総合研究所の常務取締役に就任。
現在は、中小企業の経営者向けに補助金・助成金の支援から採用定着の仕組みづくりまで幅広く担当。「制度を使いこなす中小企業を増やす」をテーマに、現場に寄り添ったサポートを行っている。
役職:V-Spirits総合研究所株式会社 常務取締役 / 税理士法人V-Spirits 業務部長 / 社会保険労務士法人V-Spirits 業務部長
担当業務:経済産業省系補助金支援・厚生労働省系助成金支援・マーケティング・人事労務・採用定着支援




























