
信用金庫の出資金とは?起業前に知っておきたい信金との上手な付き合い方
こんにちは!起業コンサルタント(R)・税理士・行政書士・FPの中野裕哲風に、今回も実務に即した役立つ情報をお届けします。
今回は、「信用金庫の出資金ってなに?」というテーマで、起業1年前の準備段階にいる会社員の皆さまに向けて、やさしく丁寧に解説してまいります。
ズバリ言います。信用金庫とのお付き合いは、地域に根差したビジネスを考えている起業家にとっては、とても大切な資金調達ルートです。その第一歩が“出資金”なのです。
1. 信用金庫とは?その特徴をおさらい
信用金庫(しんきん)は、地域の中小企業や個人事業主を支えることを目的とした「地域金融機関」です。
- 地域密着型のサービス
- 営利目的ではなく、会員のための金融活動
- 銀行と違い「会員制度」がある
つまり、信用金庫の「お客様=出資者=会員」としての性質が強いのが特徴です。
2. 出資金とは何か?
出資金とは、信用金庫に対して会員として加入する際に支払うお金のこと。
ポイント:
- 一口500円~1,000円程度(金融機関により異なる)
- 通常は10口~50口などの単位で出資
- 原則、脱退時に払い戻される(元本保証はない)
- 出資配当(年1~3%程度)がつくこともある
出資金を支払うことで、「会員」となり、融資や取引がよりスムーズになることも。
3. 出資金を支払うとどんなメリットがある?
メリット1:信用金庫との信頼関係構築
→ 信用金庫は「会員との長期的な付き合い」を重視しています。出資は“本気度”の証として伝わります。
メリット2:融資審査で好印象になることも
→ 「出資している=協同組織の一員」という立場が、取引のしやすさにつながることがあります。
メリット3:地域ネットワークに入れる
→ 商工会議所や他会員との人脈作りにもつながります。
4. 出資金にまつわる誤解
誤解1:「出資しないと融資を受けられない?」
→出資しないでも融資は受けられます。ただし、一定金額以上の融資には出資が必要になります。
誤解2:「出資金は寄付のようなもの?」
→いいえ。脱退時に払い戻し請求ができ、配当もあります。
誤解3:「銀行と信用金庫はまったく同じ?」
→いいえ。組織形態や目的が異なります。信用金庫は“相互扶助”が基本理念です。
5. 起業準備中にどう活用すべきか?
信用金庫を使った資金戦略:
- 起業前に口座開設&出資 → 顔なじみの関係に
- 地域の金融機関として情報提供を受けやすい
- 日本政策金融公庫と組み合わせた資金調達の選択肢
→起業後すぐの融資申込時に「既に会員です」と言えると、印象が良くなります。
よくある質問(FAQ)
Q1:出資金っていくら出せばいいんですか? →信用金庫によりますが、1万円~5万円が一般的な範囲です。
Q2:出資しても審査には通らないこともある? →はい。出資は信頼構築の一助ですが、審査内容は別です。
Q3:出資金が戻ってこないことはありますか? →信用金庫が破綻しない限り、原則として返還されます。ただし保証はありません。
Q4:複数の信用金庫に出資できますか? →可能です。地域ごとに複数の信金と付き合う方もいます。
まとめ:信用金庫の出資金は“信頼関係の入口”
出資金というと難しそうに聞こえるかもしれませんが、実際は「地域で共に支え合う仲間になる」という意味があります。
起業を控えるあなたにとって、信用金庫との関係構築は、資金調達だけでなく、人脈や情報の面でも大きな武器になります。
「口座開設のついでに出資」——そんな小さな一歩から始めてみましょう。
未来の起業家を、地域ぐるみで支える信用金庫。その力を借りながら、あなたらしい起業をカタチにしていきましょう!応援しています。
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この記事を書いた人
中野裕哲/Nakano Hiroaki
起業コンサルタント(R)、経営コンサルタント、税理士、特定社会保険労務士、行政書士、サーティファイドファイナンシャルプランナー・CFP(R)、1 級FP技能士。大正大学招聘教授(起業論、ゼミ等)
V-Spiritsグループ創業者。税理士法人V-Spiritsグループ代表。東京池袋を本拠に全国の起業家・経営者さんを応援!「ベストセラー起業本」の著者。著書20冊、累計25万部超。経済産業省後援「DREAMGATE」で12年連続相談件数日本一。
【まるごと起業支援(R)・経営支援】
起業コンサル(事業計画+融資+補助金+会社設立支援)+起業後の総合サポート(経理 税務 事業計画書 融資 補助金 助成金 人事 給与計算 社会保険 法務 許認可 公庫連携 認定支援機関)など
【略歴】
経営者である父の元に生まれ、幼き頃より経営者になることを目標として過ごす。バブル崩壊の影響を受け経営が悪化。一家離散に近い貧困状況を経験し、「経営者の支援」をライフワークとしたいと決意。それに役立ちそうな各種資格を学生時代を中心に取得。同じく経営者であるメンターの伯父より、単に書類や手続を追求する専門家としてではなく、視野を広げ「ビジネス」の現場での経験を元に経営者の「経営そのもの」を支援できるような専門家を目指すようアドバイスを受け、社会人生活をスタート。大手、中小、ベンチャー企業、会計事務所等で営業、経理、財務、人事、総務、管理職、経営陣等、ビジネスの「現場」での充実した修行の日々を送ったあと、2007年に独立。ほかにはない支援スタイルが起業家・経営者に受け入れられ、経済産業省「DREAM GATE」にて、面談相談12年連続日本一。補助金・助成金支援実績600件超。ベストセラー含む起業・経営本20冊を出版。累計25万部超。無料相談件数は全国から累計3000件を超す。
この記事を監修した人
多胡藤夫/Fujio Tago
元日本政策金融公庫支店長、社会生産性本部認定経営コンサルタント、ファイナンシャルプランナーCFP(R)、V-Spirits総合研究所株式会社 取締役
同志社大学法学部卒業後、日本政策金融公庫(旧国民金融公庫)に入行。 約63,000社の中小企業や起業家への融資業務に従事し審査に精通する。
支店長時代にはベンチャー企業支援審査会委員長、企業再生協議会委員など数々の要職を歴任したあと、定年退職。
日本の起業家、中小企業を支援すべく独立し、その後、V-Spiritsグループに合流。
長年融資をする側の立場にいた経験、ノウハウをフル活用し、融資を受けるためのコツを本音で伝えている。