
いまさら聞けない「人脈」って起業に必要?──成功するには“知り合い”以上のネットワークが不可欠
「人脈って、単に知り合いが多いこと?」そんなイメージをお持ちの方も多いかもしれません。でも、起業家にとって人脈は、その名の通り“人を脈として価値が流れる道”のようなものです。本記事では、人脈が起業にどう効くのか、どんな人脈が強みになるのかを、実務家目線からやさしく整理します。
① なぜ人脈が起業に必要なのか?
起業は一人では難しく、支援者や協力者なしでは立ち上げが困難になることも多いものです。そのときこそ、人脈が道を照らしてくれます。
A. 助言・メンターが得られる
困ったときに相談できる先輩起業家や専門家がいると、視野が広がり意思決定が早く・正確になります。MITの研究でも「起業家ネットワークは助言・投資・協業を生む」と指摘されています。
B. 資金やパートナーが見つかる
VCやエンジェル出資家、業務提携先などは“信頼”が縁となって紹介されることが多いです。ネットワークが幅広いほど、資金・人・場が得やすくなります。
C. マーケットの“非公開情報”を得られる
人脈を通じて得られる業界の裏話や初期のニーズは、他の方法では掴みにくいかなりの価値を持つ有益な“非公開情報”です。
② どんな人脈が価値を生むのか?
1. コア人脈:強い信頼関係がある人
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弱みも打ち明けられる、長年の付き合いのある人
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クライアント、パートナー、専門家(税理士)などで構成され、困ったときに力を貸してくれる仲間
2. ブリッジ人脈:異なる領域をつなぐ人
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多様な業界をつなぐ紹介役や、中間的な存在
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違った分野同士を橋渡しできる人はイノベーションのきっかけに。
3. 拡散人脈:幅広さと機会を生む人
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イベント運営者、同業者コミュニティのリーダー
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自身のメッセージが広く波及しやすいネットワークを持つ人
③ 人脈を活かした起業家の行動ステップ
ステップ1:どんな支援が欲しいか整理する
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プランを描いて「専門知識」「集客」「資金調達」など優先事項を明確に
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それに対応する人脈ターゲットを意識(各種専門家など)
ステップ2:居場所を決めて継続参加
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異業種交流会、起業イベント、オンラインサロンで顔を出す
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コア+ブリッジ+拡散それぞれの人脈を意図的に育てる
ステップ3:自分も人に価値提供する姿勢
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自分の得意を紹介する、知見や場をシェアする
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「与えるネットワーク」は信頼と相互支援を生みます
ステップ4:関係は丁寧に育てる
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知り合いになったらフォローアップ、定期的な対話を通じて信頼関係を強化
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メンターや協業パートナーに自然と繋がりやすくなります
④ 人脈がもたらす3つの直接的成果
A. チャンスへのアクセス
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人脈経由で得られる案件や紹介で、活動が飛躍することも
B. 助けと支援の見えないセーフティネット
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一人で進むより相談相手がいる安心感と失敗からの立ち直りを早める
C. 信頼と評判が積み上がる
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「○○さんが推薦してくれた」という信頼の連鎖が新たな出会いを生む
⑤ よくある誤解と注意点
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人脈は“量より質”
名刺100枚より、信頼できる10人との関係が価値に直結します。 -
ただ会うだけでは意味が薄い
継続と相互価値の交換があって、人脈は命を吹き込まれます。 -
属人的な人脈だけでは不安定
ブリッジ人脈を増やし、ネットワークが偏らないようにしましょう。 - クレクレではなく、与える
もらうより与えること、貢献することに意識を向けよう!
■まとめ:「人脈こそ“無形資産”」
人脈は、ただの知り合いではありません。“情報”“支援”“信頼”“機会”を流す無形資産です。起業家にとって、信頼のキャッシュフローを生む基盤であり、安心して飛び込める場とも言えます。
「一人では限界がある」「支援・仲間がほしい」と感じたら、今日からちょっと行動。小さな顔出し、ちょっとした助言——それが未来の大きな支援につながります。人脈は育てるもの、使うもの、そして循環させるものです。
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この記事を書いた人
中野裕哲/Nakano Hiroaki
起業コンサルタント(R)、経営コンサルタント、税理士、特定社会保険労務士、行政書士、サーティファイドファイナンシャルプランナー・CFP(R)、1 級FP技能士。大正大学招聘教授(起業論、ゼミ等)
V-Spiritsグループ創業者。税理士法人V-Spiritsグループ代表。東京池袋を本拠に全国の起業家・経営者さんを応援!「ベストセラー起業本」の著者。著書20冊、累計25万部超。経済産業省後援「DREAMGATE」で12年連続相談件数日本一。
【まるごと起業支援(R)・経営支援】
起業コンサル(事業計画+融資+補助金+会社設立支援)+起業後の総合サポート(経理 税務 事業計画書 融資 補助金 助成金 人事 給与計算 社会保険 法務 許認可 公庫連携 認定支援機関)など
【略歴】
経営者である父の元に生まれ、幼き頃より経営者になることを目標として過ごす。バブル崩壊の影響を受け経営が悪化。一家離散に近い貧困状況を経験し、「経営者の支援」をライフワークとしたいと決意。それに役立ちそうな各種資格を学生時代を中心に取得。同じく経営者であるメンターの伯父より、単に書類や手続を追求する専門家としてではなく、視野を広げ「ビジネス」の現場での経験を元に経営者の「経営そのもの」を支援できるような専門家を目指すようアドバイスを受け、社会人生活をスタート。大手、中小、ベンチャー企業、会計事務所等で営業、経理、財務、人事、総務、管理職、経営陣等、ビジネスの「現場」での充実した修行の日々を送ったあと、2007年に独立。ほかにはない支援スタイルが起業家・経営者に受け入れられ、経済産業省「DREAM GATE」にて、面談相談12年連続日本一。補助金・助成金支援実績600件超。ベストセラー含む起業・経営本20冊を出版。累計25万部超。無料相談件数は全国から累計3000件を超す。
この記事を監修した人
多胡藤夫/Fujio Tago
元日本政策金融公庫支店長、社会生産性本部認定経営コンサルタント、ファイナンシャルプランナーCFP(R)、V-Spirits総合研究所株式会社 取締役
同志社大学法学部卒業後、日本政策金融公庫(旧国民金融公庫)に入行。 約63,000社の中小企業や起業家への融資業務に従事し審査に精通する。
支店長時代にはベンチャー企業支援審査会委員長、企業再生協議会委員など数々の要職を歴任したあと、定年退職。
日本の起業家、中小企業を支援すべく独立し、その後、V-Spiritsグループに合流。
長年融資をする側の立場にいた経験、ノウハウをフル活用し、融資を受けるためのコツを本音で伝えている。