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コラム

学習塾の創業融資が通りやすくなる開業前の準備と自己資金の積み方

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学習塾の創業融資を通すために|開業前にやるべき準備と自己資金の積み方

「学習塾を開業したいが、開業資金を創業融資でまかなえるのか不安」「自己資金はいくら用意すればいいのか」——これから塾を開こうとしている方から、こうした相談をよくいただきます。学習塾は内装・備品・賃料など初期費用がかかる一方、生徒が集まるまでに時間がかかるため、資金計画の立て方が開業の成否を大きく左右します。この記事では、学習塾の創業融資が通りやすくなる開業前の準備と、自己資金の積み方のポイントを、起業がはじめての方にもわかりやすく解説します。なお融資制度や金利は変わりやすいため、本記事は執筆時点の情報であり、最終的な条件は日本政策金融公庫など公式情報でご確認ください。

結論:学習塾の創業融資は「自己資金」と「事業計画書」で決まる

創業融資は事業の実績がなくても申し込めますが、その分「自己資金をどれだけ計画的に準備してきたか」と「事業計画書にどれだけ説得力があるか」が審査の中心になります。学習塾の場合は、生徒数と月謝の見通し、開業から黒字化までの運転資金の備えを具体的に示せるかどうかが鍵です。開業直前にあわてて準備するのではなく、できれば半年〜1年前から自己資金と計画づくりを進めておくと、融資は通りやすくなります。

学習塾の創業融資とは(日本政策金融公庫の制度)

個人事業主・中小企業の創業時の代表的な選択肢は、日本政策金融公庫の「新規開業・スタートアップ支援資金」です。2024年3月に「新創業融資制度」が廃止され、現在の主制度となりました。融資限度額は7,200万円(うち運転資金4,800万円)と、学習塾の開業に必要な資金規模は十分にカバーできる設計になっています。

2026年3月時点の基準利率は年3.25〜4.65%です。創業期の方が利用する場合は、原則として0.65%(雇用拡大を図る場合は0.9%)の引下げが適用される可能性があります。元金返済の据置期間は5年以内で設定でき、据置期間中は利息のみの支払いとなるため、生徒が集まるまでの開業初期のキャッシュフローに余裕を持たせることができます。金利や引下げ幅は改定されることがあるため、申請前に最新の数字を確認してください。

なお、無担保・無保証人での借り入れが原則として可能で、事業の実績がなくても事業計画書と自己資金をもとに審査が行われます。

開業前にやっておきたい3つの準備

1. 自己資金を計画的に積む

自己資金は、申請時点で口座に確認できる形にしておくのが基本です(原則として全額入金)。毎月コツコツ積み立ててきた履歴は「計画的にお金を準備できる人」という評価につながります。逆に、申請直前に親族からまとまった額を一括で入金した場合などは、その出所を説明できるようにしておく必要があります。

2. みなし自己資金になる支出を整理する

創業前に自費で取得した資格・設備や備品の購入・テストマーケティング費用などは、「みなし自己資金」として一定範囲で評価されることがあります。学習塾なら、開業前に購入した教材・パソコン・タブレット、体験授業の告知にかけた広告費などが該当し得ます。領収書を必ず保管しておきましょう。

3. 事業計画書の土台を作る

事業の実績がない創業時は、事業計画書の説得力がそのまま審査結果に直結します。商圏の生徒数、競合塾の月謝相場、自塾の指導方針と強みなどを、開業前のリサーチ段階から書きためておくと、計画書の精度が上がります。

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V-Spiritsでは年間1,000件以上の融資などの資金調達支援や起業・経営支援を行っております。専門チームが伴走支援を行います。

自己資金の積み方のポイント

「自己資金は開業資金の何割必要か」と気にされる方は多いですが、明確な基準が公表されているわけではありません。重要なのは割合よりも、計画的に準備してきた過程を示せることです。次の点を意識しておきましょう。

  • 複数口座に分散している場合は、申請用のメイン口座に集約し、通帳ですぐ説明できる状態にしておく
  • 毎月の積立履歴が分かるように、給与振込口座などから定期的に貯めてきた流れを残しておく
  • 一時的に借りて見せ金にするのは厳禁。出所が説明できない資金はかえって評価を下げる

学習塾ならではの事業計画書の書き方

学習塾の事業計画書では、売上の根拠となる「生徒数 × 月謝」をどう設定するかが最大のポイントです。開業初月から定員が埋まる前提ではなく、月ごとに生徒が増えていく現実的な推移で組み立てましょう。チラシ・SNS・紹介など、生徒を集める具体的な手段とセットで示すと説得力が増します。

また、生徒が集まるまでの数か月は赤字になりやすいため、その間の家賃・人件費・光熱費をまかなう運転資金を計画に織り込むことが重要です。「黒字化まで何か月かかり、その間いくら必要か」を数字で示せると、審査担当者の安心材料になります。

資金使途の組み立てにも注意が必要です。教室として借りる物件の敷金・礼金・仲介手数料は資金使途に含めません。保証会社費用も同様です。ビジネスにおいて敷金・礼金は一般的に資金使途として扱わないためです。内装工事費、机・椅子・ホワイトボードなどの備品費、ICT機器費、当面の運転資金といった形で整理しましょう。

融資実行までのスケジュール

申請から融資実行までは、書類提出後おおむね3週間〜1か月程度が目安です。創業計画書・自己資金エビデンス・見積書などの書類を整える時間を含めると、申請準備に1か月、審査・実行に1か月、合計2か月程度を見ておくと安全です。学習塾は新学期や長期休みの講習に合わせて開業したいケースが多いため、開きたい時期から逆算して、少なくとも2〜3か月前には動き出すことをおすすめします。

よくある質問(FAQ)

Q. 自己資金は申請時点で全額入金しておくべきですか

はい、原則として申請時点で口座に確認できる形にしておきます。複数口座に分かれている場合は、申請用のメイン口座に集約し、通帳ですぐ説明できる状態にしておくと、審査がスムーズになります。

Q. 自宅の一室で開く小規模な塾でも融資は受けられますか

規模が小さくても、事業計画書と自己資金がしっかりしていれば申し込めます。賃料が抑えられる分、必要な融資額も小さくなるため、無理のない返済計画を立てやすいという面もあります。

Q. フランチャイズの学習塾でも創業融資は使えますか

加盟金や研修費なども含めて、事業に必要な資金として計画に位置づけられれば対象になり得ます。本部のサポート内容や収支モデルを踏まえて、自分の言葉で事業計画を説明できるようにしておきましょう。

まとめ

学習塾の創業融資を通すために最も大切なのは、開業前からの準備です。自己資金を計画的に積み、みなし自己資金になる支出の領収書を残し、生徒数・月謝・運転資金を現実的に見積もった事業計画書を用意しておけば、審査担当者に「この人なら任せられる」と感じてもらいやすくなります。なお「必ず借りられる」と断言できるものではなく、金利や制度も変わりやすいため、最新情報の確認と早めの準備を心がけてください。資金計画や事業計画書の作り込みに不安がある場合は、融資支援の専門家に早めに相談することで、開業スケジュールに余裕を持って進められます。

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小峰

この記事を書いた人

小峰精公/Kiyotaka Komine

元朝日信用金庫 法人営業
資金繰り解決コンサルタント
V-Spirits総合研究所株式会社 常務取締役
大学卒業後、朝日信用金庫に入庫。朝日信用金庫での経験が原点となり、「銀行融資取引」や「資金繰り」の本質を企業へ伝えていくことがミッションだと確信する。
日本の99%は中小零細企業で成り立っている現状を痛感し、1社でも多くの企業の「資金繰り」の課題を解決していくことに専念する。
クライアント様がより良い商品やサービスを提供することができる環境づくりの一助となれるよう全身全霊を尽くす。

この記事を監修した人

多胡藤夫/Fujio Tago

元日本政策金融公庫支店長、社会生産性本部認定経営コンサルタント、ファイナンシャルプランナーCFP(R)、V-Spirits総合研究所株式会社 取締役
同志社大学法学部卒業後、日本政策金融公庫(旧国民金融公庫)に入行。 約63,000社の中小企業や起業家への融資業務に従事し審査に精通する。
支店長時代にはベンチャー企業支援審査会委員長、企業再生協議会委員など数々の要職を歴任したあと、定年退職。
日本の起業家、中小企業を支援すべく独立し、その後、V-Spiritsグループに合流。
長年融資をする側の立場にいた経験、ノウハウをフル活用し、融資を受けるためのコツを本音で伝えている。

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中野裕哲

中野裕哲/Nakano Hiroaki

税理士法人V-Spiritsグループ代表/税理士/行政書士/特定社会保険労務士/採用定着士/ファイナンシャルプランナー/起業コンサルタント/経営コンサルタント/大正大学招聘教授

税理士法人V-Spiritsグループ代表の中野裕哲は、中小企業経営者のために、税務・会計だけでなく、採用、人事、資金繰り、融資、補助金、助成金、営業、Webマーケティング、売上導線設計まで横断的に支援する実戦型経営税理士です。

経営の悩みは、突き詰めると「人・金・売上」に集約されます。中野裕哲は、大企業人事部、人材紹介会社の採用エージェント、中小企業の財務責任者、大手不動産会社での営業、出版・Web制作による集客導線構築など、幅広い実務経験をもとに、経営者の意思決定を支援します。

【対応領域】
税理士顧問、社労士顧問、補助金支援、助成金支援、資金調達支援、採用力診断、売上導線診断、経営参謀顧問。税務・会計・決算・節税に加えて、経営分析、労務管理、社会保険、助成金、採用体制づくり、融資、補助金、事業計画、営業戦略、Webマーケティング、出版、メディア活用まで一体的に相談できます。

中野裕哲は、家業の倒産危機からの壮絶な貧乏体験を原点に、お金で苦しむ経営者をひとりにしないことを掲げています。資金繰り、採用、売上づくりの壁に対して、経営者目線で伴走します。

【主な実績】

  • 起業支援・経営支援の豊富な実績
  • 起業相談件数3,000件以上
  • 資金調達支援1000件以上
  • 大企業Webサイト多数監修
  • 商業出版著書監修約32冊(累計30万部超)

V-Spiritsグループでは、融資・補助金・金融機関対応に詳しい社内役員チームも伴走します。元経済産業省系補助金審査員・事務局員、元日本政策金融公庫支店長、元信用金庫融資担当営業などの専門家が、補助金申請、事業計画、資金繰り、金融機関対応を実務面から支援します。

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