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日本政策金融公庫は信用情報を見ないのか?そのウワサを検証!

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日本政策金融公庫は信用情報を見ないのか?そのウワサを検証!

「起業したいけど、昔クレジットカードを滞納したことがあって…」
「自己破産の経歴があっても公庫から借りられますか?」

こういった相談は、起業準備中の方から日々いただきます。インターネット上には「公庫は信用情報を見ない」という情報も流れていますが、これは本当でしょうか?

本記事では、元日本政策金融公庫支店長・多胡藤夫の実体験をもとに、公庫が「何をどう見ているのか」を段階別に解説します。単純な白黒論ではなく、「この状態なら可能性がある」「これは厳しい」という実務レベルの温度感まで踏み込みます。

結論:公庫は信用情報を「見る」。ただし、民間銀行とは見方が違う

最初に結論をお伝えします。

日本政策金融公庫は、信用情報をチェックします。

ただし、民間銀行のように「スコアが基準を下回ったら即アウト」という機械的な審査とは異なります。公庫の審査は、信用情報の結果よりも「今この人に貸して大丈夫か」という総合的な人物評価に重きを置いています。

そのため、過去に信用情報に傷がついていても融資を受けられたケースがある一方で、信用情報に問題がなくても別の理由で否決されるケースもあります。

動画の中で多胡はこう語っています。

「個人情報に、いわゆる”ブラック”と言われるようなものがあったらダメですよね。延滞情報——ローンの支払いが遅れたりとか。反社に関わる情報があったら、もう全然ダメです。これは、法人設立する時の役員に入っていてもダメですね」

ここで重要なのは、多胡が「程度によって判断が変わる」ことを含意している点です。「ブラック」と言われるような重大な事故情報は即アウトですが、それ以外のケースには審査の余地があります。次のセクションで段階別に整理します。

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弊社では、元日本政策金融公庫支店長の多胡や元信用金庫法人営業の小峰を中心とした専門家チームが、幅広い起業支援・経営支援を行っております。「何から始めればいいかわからない」という段階でもお気軽にご相談ください。

信用情報の「状態」別 審査への影響度

信用情報の状態によって、公庫の審査への影響は大きく異なります。以下の表を参考に、自分の状況を確認してみてください。

信用情報の状態 審査への影響 対応のポイント
延滞なし・クリーン 問題なし 事業計画・自己資金の準備に集中
軽微な延滞(1〜2回)・5年以上前 可能性あり 事情を正直に説明。今の安定を通帳で示す
延滞複数回・直近2〜3年以内 厳しい 返済完了・時間経過を待ちつつ自己資金を積む
長期延滞(3ヶ月以上)・直近5年以内 厳しい 記録が消えるまで待つか、専門家に相談
任意整理・個人再生 厳しい 完済から5年以上経過後が目安。事情説明必須
自己破産 非常に厳しい 免責から10年以上が実質的な目安。専門家要相談
携帯・公共料金の遅延(数回程度) 要注意 「債務観念」の問題として見られる。説明準備を
反社会的勢力との関係 即アウト 役員・関係者にいるだけで審査不可

※上記はあくまで目安です。実際の審査は事業計画・自己資金・面談内容などを総合して判断されます。

信用情報より深く見られる「債務観念」とは何か

公庫の審査で多くの申込者が見落としているのが、「債務観念」という概念です。

信用情報は過去の記録ですが、債務観念は「今この人は、お金の管理をきちんとしているか」を判断するための現在進行形の評価軸です。公庫の担当者は申込者の通帳の中身を確認することで、この「今の生活ぶり」を直接見ています。

「個人の預金通帳を見せてもらうから、その”生活ぶり”ですね。派手でないか、きちっと引き落としはできているか。これは”債務観念”と言って、期日に引き落としをするとか。日常生活が派手でないかということで見させてもらいます」
——元日本政策金融公庫支店長 多胡藤夫

つまり、信用情報がクリーンでも、通帳に問題があれば否決されるのです。逆に言えば、過去に信用情報で傷があっても、今の通帳が「誠実にお金を管理している人」を示していれば、プラス評価になります。

通帳を見られたとき「マイナス」になること

  • 公共料金・家賃の引き落とし漏れが繰り返されている
  • 月末に残高がほぼゼロになるパターンが続いている
  • 高額の不規則な出金が多い(ギャンブル・遊興費を疑われる)
  • 突然まとまったお金が入金されている(見せ金を疑われる)

通帳を見られたとき「プラス」になること

  • 毎月コツコツと積み立てている跡がある
  • 引き落としが安定して処理されている
  • 給与・収入の流れが規則的である
  • 自己資金の出所が説明できる入出金履歴がある

面談での「見た目・態度」も審査に影響する

もう一つ、多くの申込者が意識していない審査のポイントがあります。それが、面談時の担当者による「人物印象」の記録です。

公庫の審査担当者は、面談後に上司へ提出するレポートを作成します。このレポートには「人物印象」の欄があり、面談での振る舞いや外見が記載されることがあります。

「あまりにキラキラした派手なネックレスをしていたり、虚飾が強すぎると、”派手な生活をしているのかな”と、意外なところで審査に影響することがあります。報告書には”人物印象”という欄もあり、お金遣いが派手そうだといった印象も書かれることがある」
——元日本政策金融公庫支店長 多胡藤夫

特に信用情報に不安がある方は、「今は誠実にやっています」という印象を面談全体で伝えることが重要です。

面談での NG 行動3つ

  1. 借入や入出金の理由を聞かれてぼかす……「まあ色々あって」という曖昧な回答は不信感を生みます。「住宅ローンがいくらあります」と具体的に答えましょう
  2. 清潔感・TPOに欠ける服装……「お金遣いが派手な人」と思われると担当者のレポートに影響します
  3. 資料の提示を拒む……「見せられません」という態度はそれだけでレポートがネガティブな内容になります

面談での振る舞いや事業計画書の質が審査に与える影響については、元公庫支店長が明かす|創業融資で否決される人・減額される人の共通NG行動で詳しく解説しています。

信用情報が不安な人が申込前にすべきこと・チェックリスト

信用情報に不安がある方は、申込前に以下を確認・準備してください。

チェック項目 なぜ重要か
□ CIC・JICCの信用情報を自分で取り寄せた 自分の状態を把握せずに申込むのはNG。事前に確認を(各1,000円程度)
□ 過去の延滞・事故の理由を説明できる言葉を準備した 隠すよりも正直に経緯を話す方が信頼につながる
□ 直近6ヶ月以上、引き落とし漏れがない 今の「債務観念」を通帳で証明するため
□ 毎月コツコツと積み立てた形跡が通帳にある 自己資金の「貯め方」は資金の額と同じくらい重要
□ 突然入金されたお金の出所を説明できる書類がある 見せ金と判断されると自己資金として認められない
□ 法人設立する場合、役員全員の信用情報を確認した 共同創業者にブラック情報があっても審査落ちの原因になる
□ 面談の服装・話し方を整えた 人物印象はレポートに直接記録される

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よくある質問(FAQ)

Q. 信用情報に延滞があると、公庫融資は絶対に無理ですか?

A. 一概には言えません。多胡によれば、「ブラック」と呼ばれるような重大な事故情報は厳しいですが、軽微な延滞であれば計画書の内容や今の生活ぶり次第で審査が通るケースもあります。大切なのは隠すことではなく、事情を正直に説明できる状態にしておくことです。

Q. 公庫の審査担当者に信用情報の話を切り出した方がよいですか?

A. 聞かれたら正直に答えるのが基本姿勢です。自分から切り出す必要は必ずしもありませんが、「他に借入はありますか?」といった質問に対して曖昧に濁すのは逆効果です。「住宅ローンがいくらあります」のように具体的に答えることが、担当者のレポートにポジティブな印象を与えます。

Q. 自己資金があれば信用情報の悪さはカバーできますか?

A. ある程度カバーできます。特に「毎月コツコツ貯めた」という通帳の記録は、返済能力の証明として高く評価されます。ただし、自己資金が多くても信用情報に重大な問題がある場合は融資が難しくなります。

Q. 延滞履歴は何年で消えますか?

A. CIC・JICCでは通常5年程度です(最後の支払日や契約終了日からのカウント)。全国銀行個人信用情報センター(全銀協)では10年程度保持されることがあります。自己破産は官報に掲載されるため、実質的に10年以上の影響が続く場合があります。

Q. 一度否決された場合、再申込みはできますか?

A. できます。多胡は「断られたらずっと借りられないということはない。2〜3ヶ月経ってから、計画を練り直して申し込みされても問題ない」と語っています。否決の理由を把握し、自己資金の積み増しや計画の見直しを経て再チャレンジした方が通過するケースは多くあります。

まとめ:信用情報が不安でも、あきらめないでください

日本政策金融公庫は、信用情報をチェックします。ただし、その見方は民間銀行とは異なり、「過去の記録」だけで判断するのではなく、「今この人はどうか」を総合的に評価します。

信用情報に不安がある方でも、次の3つが揃っていれば十分にチャンスがあります。

  1. 今現在、誠実にお金の管理をしていること(通帳で証明できる)
  2. 起業に向けてコツコツと準備してきたこと(自己資金・経験の蓄積)
  3. 過去の事情を正直に・具体的に説明できること(隠さない姿勢)

「どうせムリだ」とあきらめる前に、まずは自分の信用情報を取り寄せ、現状を把握することから始めてください。状況によっては、今すぐ申込める可能性もあります。

信用情報以外の否決・減額の原因(事業計画書の問題、自己資金の貯め方、面談の印象など)については、創業融資で落ちる・減額される理由5選|元公庫支店長が教えるNG行動と通過のコツで網羅的に解説しています。申込前にあわせてご確認ください。

不安な点がある方は、元公庫支店長が在籍する弊社へお気軽にご相談ください。

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小峰

この記事を書いた人

小峰精公/Kiyotaka Komine

元朝日信用金庫 法人営業
資金繰り解決コンサルタント
V-Spirits総合研究所株式会社 常務取締役
大学卒業後、朝日信用金庫に入庫。朝日信用金庫での経験が原点となり、「銀行融資取引」や「資金繰り」の本質を企業へ伝えていくことがミッションだと確信する。
日本の99%は中小零細企業で成り立っている現状を痛感し、1社でも多くの企業の「資金繰り」の課題を解決していくことに専念する。
クライアント様がより良い商品やサービスを提供することができる環境づくりの一助となれるよう全身全霊を尽くす。

この記事を監修した人

多胡藤夫/Fujio Tago

元日本政策金融公庫支店長、社会生産性本部認定経営コンサルタント、ファイナンシャルプランナーCFP(R)、V-Spirits総合研究所株式会社 取締役
同志社大学法学部卒業後、日本政策金融公庫(旧国民金融公庫)に入行。 約63,000社の中小企業や起業家への融資業務に従事し審査に精通する。
支店長時代にはベンチャー企業支援審査会委員長、企業再生協議会委員など数々の要職を歴任したあと、定年退職。
日本の起業家、中小企業を支援すべく独立し、その後、V-Spiritsグループに合流。
長年融資をする側の立場にいた経験、ノウハウをフル活用し、融資を受けるためのコツを本音で伝えている。

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この記事を監修した人


中野裕哲

中野裕哲/Nakano Hiroaki

税理士法人V-Spiritsグループ代表/税理士/行政書士/特定社会保険労務士/採用定着士/ファイナンシャルプランナー/起業コンサルタント/経営コンサルタント/大正大学招聘教授

税理士法人V-Spiritsグループ代表の中野裕哲は、中小企業経営者のために、税務・会計だけでなく、採用、人事、資金繰り、融資、補助金、助成金、営業、Webマーケティング、売上導線設計まで横断的に支援する実戦型経営税理士です。

経営の悩みは、突き詰めると「人・金・売上」に集約されます。中野裕哲は、大企業人事部、人材紹介会社の採用エージェント、中小企業の財務責任者、大手不動産会社での営業、出版・Web制作による集客導線構築など、幅広い実務経験をもとに、経営者の意思決定を支援します。

【対応領域】
税理士顧問、社労士顧問、補助金支援、助成金支援、資金調達支援、採用力診断、売上導線診断、経営参謀顧問。税務・会計・決算・節税に加えて、経営分析、労務管理、社会保険、助成金、採用体制づくり、融資、補助金、事業計画、営業戦略、Webマーケティング、出版、メディア活用まで一体的に相談できます。

中野裕哲は、家業の倒産危機からの壮絶な貧乏体験を原点に、お金で苦しむ経営者をひとりにしないことを掲げています。資金繰り、採用、売上づくりの壁に対して、経営者目線で伴走します。

【主な実績】

  • 起業支援・経営支援の豊富な実績
  • 起業相談件数3,000件以上
  • 資金調達支援1000件以上
  • 大企業Webサイト多数監修
  • 商業出版著書監修約32冊(累計30万部超)

V-Spiritsグループでは、融資・補助金・金融機関対応に詳しい社内役員チームも伴走します。元経済産業省系補助金審査員・事務局員、元日本政策金融公庫支店長、元信用金庫融資担当営業などの専門家が、補助金申請、事業計画、資金繰り、金融機関対応を実務面から支援します。

税理士顧問、社労士顧問、融資、補助金、助成金、採用、営業、マーケティングまで、経営者が本当に悩む領域をワンストップで相談できます。V-Spiritsグループは、起業支援・会社設立・創業融資・補助金助成金・税務会計・人事労務・許認可・経営顧問をワンストップで支援する、起業家・中小企業向けの専門家グループです。

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