
CIC開示とクレジットカードがないあなたへ
こんにちは。起業コンサルタント®、税理士、行政書士、FPの中野裕哲です。
今回は「クレジットカードがない」「審査に落ちた」といった不安を持つ会社員の方に向けて、「CIC開示」を通じて自分の信用情報を確認し、起業に備えてできることを実務的に解説します。
なぜクレジットカードが作れないのか?まずはCIC開示で確認!
「CIC」とは、クレジットカード会社やローン会社が利用する信用情報機関の一つ。あなたの「お金の履歴書」とも言える存在です。
ズバリ言います。起業を目指す方こそ、自分のCIC情報を一度確認しておくべきです。なぜなら、起業時に必要な「創業融資」や「法人クレジットカードの審査」では、個人の信用情報がチェックされるからです。
CICで確認できる主な情報
- 現在の借入状況(ローンやリボ払い)
- 過去の返済履歴(延滞の有無など)
- クレジットカードや携帯料金の支払い情報
これらを確認することで、「なぜクレカが作れないのか?」の原因が見えてきます。
クレカがないと起業に不利?実は対策できます
「クレジットカードがない=信用がない」と判断されがちですが、あきらめるのはまだ早いです。以下のような対策が可能です。
1. CIC情報を開示して原因を特定しよう
延滞がある場合は、何件・何年分あるかをチェックしましょう。延滞情報は5年程度で消える場合が多いです。
2. スマホ料金・通信費などを滞納しない
実はスマホの端末代の分割払いも信用情報に登録されます。意外と見落としがちなので注意!
3. 家族カード・デビットカードを活用
本カードが作れなくても、家族カードなら使える場合も。デビットカードは信用情報に影響しませんが、起業時の経費精算に活用できます。
4. 少額の分割払いを丁寧に返済する
携帯端末代や通販サイトでの少額の分割払いで返済実績を積み重ねるのも一つの手です。
起業準備における「信用情報」の重要性
CIC情報が整っていない=創業融資の審査が通りにくくなる、というのは事実です。
起業時に活用できる「日本政策金融公庫」の創業融資では、代表者の信用情報がチェックされます。特に、次のような項目が重要です:
- 延滞の有無と件数
- 過去の自己破産や債務整理の有無
- クレジットヒストリー(支払実績)
信用情報に不安がある方は、「自己資金の積立」や「ビジネスパートナーとの共同代表」など、信用補完策を講じるのが賢明です。
FAQ:よくあるご質問
Q. CIC情報に延滞がありました。すぐに起業は難しいですか?
A. 一概にそうとは言えません。延滞件数や内容によりますが、「半年以上前の一時的な延滞」などであれば、創業融資の審査が通ることもあります。逆に「3か月以上の長期延滞」や「複数の延滞」がある場合は、信用回復に向けて少し時間をかけるべきです。
Q. CICはどこで確認できますか?
A. CIC公式サイト(https://www.cic.co.jp)からスマホでも開示可能です。費用は1回1,000円。郵送や窓口開示もありますが、スマホ開示が一番スムーズです。
Q. クレカがなくても法人設立はできますか?
A. はい、できます。ただし、口座開設や取引開始において信用情報が影響する場合もあるため、事前にできる対策は打っておくのがベターです。
まとめ|起業前に「信用力の棚卸し」をしよう
起業は、信用力を武器にする場面も多々あります。クレジットカードがないという状態は、単なる“現状”であって“未来”を決めるものではありません。
CIC開示で自分の信用情報を正しく把握し、必要な対策を一つずつ講じていくことで、起業への準備は着実に進みます。
ズバリ言います。あなたの信用情報は、変えられます。
少しずつ、でも着実に準備を進めて、1年後の理想の起業を一緒に目指していきましょう!
お困りの際は、お気軽にご相談くださいね。
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起業の手続きって何から始めればいいの?といった疑問に対して適切なアドバイスを無料にて行っております。
無料相談も行っているので、ぜひ一度、ご相談ください。お問い合わせお待ちしております!
この記事を書いた人
中野裕哲/Nakano Hiroaki
起業コンサルタント(R)、経営コンサルタント、税理士、特定社会保険労務士、行政書士、サーティファイドファイナンシャルプランナー・CFP(R)、1 級FP技能士。大正大学招聘教授(起業論、ゼミ等)
V-Spiritsグループ創業者。税理士法人V-Spiritsグループ代表。東京池袋を本拠に全国の起業家・経営者さんを応援!「ベストセラー起業本」の著者。著書20冊、累計25万部超。経済産業省後援「DREAMGATE」で12年連続相談件数日本一。
【まるごと起業支援(R)・経営支援】
起業コンサル(事業計画+融資+補助金+会社設立支援)+起業後の総合サポート(経理 税務 事業計画書 融資 補助金 助成金 人事 給与計算 社会保険 法務 許認可 公庫連携 認定支援機関)など
【略歴】
経営者である父の元に生まれ、幼き頃より経営者になることを目標として過ごす。バブル崩壊の影響を受け経営が悪化。一家離散に近い貧困状況を経験し、「経営者の支援」をライフワークとしたいと決意。それに役立ちそうな各種資格を学生時代を中心に取得。同じく経営者であるメンターの伯父より、単に書類や手続を追求する専門家としてではなく、視野を広げ「ビジネス」の現場での経験を元に経営者の「経営そのもの」を支援できるような専門家を目指すようアドバイスを受け、社会人生活をスタート。大手、中小、ベンチャー企業、会計事務所等で営業、経理、財務、人事、総務、管理職、経営陣等、ビジネスの「現場」での充実した修行の日々を送ったあと、2007年に独立。ほかにはない支援スタイルが起業家・経営者に受け入れられ、経済産業省「DREAM GATE」にて、面談相談12年連続日本一。補助金・助成金支援実績600件超。ベストセラー含む起業・経営本20冊を出版。累計25万部超。無料相談件数は全国から累計3000件を超す。
この記事を監修した人
多胡藤夫/Fujio Tago
元日本政策金融公庫支店長、社会生産性本部認定経営コンサルタント、ファイナンシャルプランナーCFP(R)、V-Spirits総合研究所株式会社 取締役
同志社大学法学部卒業後、日本政策金融公庫(旧国民金融公庫)に入行。 約63,000社の中小企業や起業家への融資業務に従事し審査に精通する。
支店長時代にはベンチャー企業支援審査会委員長、企業再生協議会委員など数々の要職を歴任したあと、定年退職。
日本の起業家、中小企業を支援すべく独立し、その後、V-Spiritsグループに合流。
長年融資をする側の立場にいた経験、ノウハウをフル活用し、融資を受けるためのコツを本音で伝えている。