
自己資金ゼロでも起業できる?日本政策金融公庫の創業融資を活用する方法
こんにちは、起業コンサルタントの中野裕哲です。
起業を目指す方々からよくいただく質問のひとつがこちら。
「貯金がないのですが、融資は受けられるのでしょうか?」
ズバリ申し上げますと……
自己資金ゼロは不利。しかし、完全NGではない
結論から言えば、自己資金がゼロでも創業融資を受けられる可能性はあります。
ただし、決して簡単な道ではないことも事実。なぜなら、日本政策金融公庫は「自己資金の蓄積」を起業準備の一環としてとても重視しているからです。
それでは、なぜ自己資金が重要視されるのでしょうか?そして、自己資金ゼロでも審査に通る可能性はどうやって上げられるのでしょうか?詳しく見ていきましょう。
1. 自己資金とは?そして、その意義とは?
自己資金とは、自分で貯めた起業準備用の資金のこと。
親からの借金や、一時的に誰かから預かったお金は自己資金としては認められません。なぜなら、公庫側から見ると「起業家の本気度」を測る大事な材料だからです。
公庫が自己資金をチェックする理由は主に2つ。
- 本当に起業のために計画的に準備してきたか?
- 金銭管理能力に問題はないか?
通帳の履歴(入出金)を1年分ほどチェックされることが多く、定期的にコツコツと積立ててきた痕跡があると評価が高くなります。
2. 自己資金ゼロのままだと何が問題なのか?
審査でマイナスになるのは、次のようなケースです:
- 直前に親族からまとめて振り込まれた(=借入と見なされる)
- 一括で貯金を移しただけで蓄積の過程が見えない
- 収支が雑で、浪費傾向がある
つまり、ただ「残高がある」だけでは自己資金とは言えないのです。
3. 自己資金ゼロでも審査に通る可能性を上げる3つのポイント
(1)経験とスキルでカバーする
公庫は自己資金だけでなく、「そのビジネスで成功できる見込みがあるか」を見ています。
あなたがその業界での実務経験が豊富だったり、技術・ノウハウを持っている場合、自己資金の不足を補える評価につながることがあります。
(2)支援者・協力体制をアピールする
例えば、同業者の支援、家族の協力、技術パートナーの存在など。
「この人なら本気で事業を成功させる体制がある」と面談官に伝われば、信用度が上がります。
(3)出資・贈与という形で資金を準備する
親族からの支援を「出資(贈与)」という形にすれば、自己資金として認められる場合があります。
ただし、その場合は贈与税の範囲や資金の出所が明確であることが条件になりますので、専門家への相談をおすすめします。
4. 面談で伝えるべきこと
自己資金が乏しい場合、面談での受け答えが特に重要になります。
- なぜ自己資金が少ないのか?
- 今後どのように資金管理していくか?
- 創業後のキャッシュフローはどう見ているか?
ここで「正直でありながらも、前向きな姿勢」がポイントです。
「失敗しても再起できるよう、無駄な支出を減らして事業に集中します」といった現実的なビジョンを伝えましょう。
5. 自己資金ゼロでも使える融資制度はあるのか?
「新規開業・スタートアップ支援資金」では、自己資金が“1/3以上”あることが基準と言われています。
しかし、以下のような例外があります:
- 無担保・無保証人の「特別利率」ではない枠で申請する
- 地域や事業内容によって別制度に該当する
- 自治体の制度融資を併用する
これらを活用することで、自己資金ゼロからの起業が現実になることも。
6. 今すぐやるべきこと
(1)少額でもいいので毎月積立を開始する
今から1年かけて積立を始めれば、「準備していた姿勢」が評価されます。
毎月3万円×12ヶ月=36万円。これでも「ゼロ」と「ある」では雲泥の差です。
(2)支出を見直して“見せ金”にならないよう管理する
不要な出費を抑え、通帳にコツコツ残高を積むことが何よりのアピールになります。
(3)専門家に一度相談してみる
融資に強い起業コンサルタントや税理士に相談すれば、自分に合った制度や改善点が見えてきます。自己資金ゼロだからこそ、客観的な目が重要です。
FAQ(よくある質問)
Q1:友人から借りたお金は自己資金になりますか? A:原則NGです。借入と見なされます。
Q2:家族からの贈与は自己資金になりますか? A:贈与であればOK。ただし、税務上の問題に注意してください。
Q3:1円も貯金がない場合、どんな制度が使えますか? A:「特定地域向け」や「連携保証」など、一部例外制度の可能性あり。詳細は金融機関に要確認です。
Q4:自己資金ゼロで通った人はいますか? A:います。ただし、圧倒的な経験や信頼、計画力など、他の要素でカバーしているケースがほとんどです。
まとめ:自己資金ゼロでも“可能性”はある!
確かに、自己資金ゼロはハンデです。
でも、事業内容・経歴・支援体制・計画の緻密さでカバーすることで、融資を受けられた方はたくさんいます。
重要なのは、今から行動を起こすこと。
準備の“量”より“姿勢”が見られていることを忘れないでください。
起業は、情熱と行動力と、少しの工夫で道が開けるものです。
ぜひ不安に感じず、一歩を踏み出してください。
応援しています!お気軽にご相談くださいね。
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この記事を書いた人
中野裕哲/Nakano Hiroaki
起業コンサルタント(R)、経営コンサルタント、税理士、特定社会保険労務士、行政書士、サーティファイドファイナンシャルプランナー・CFP(R)、1 級FP技能士。大正大学招聘教授(起業論、ゼミ等)
V-Spiritsグループ創業者。税理士法人V-Spiritsグループ代表。東京池袋を本拠に全国の起業家・経営者さんを応援!「ベストセラー起業本」の著者。著書20冊、累計25万部超。経済産業省後援「DREAMGATE」で12年連続相談件数日本一。
【まるごと起業支援(R)・経営支援】
起業コンサル(事業計画+融資+補助金+会社設立支援)+起業後の総合サポート(経理 税務 事業計画書 融資 補助金 助成金 人事 給与計算 社会保険 法務 許認可 公庫連携 認定支援機関)など
【略歴】
経営者である父の元に生まれ、幼き頃より経営者になることを目標として過ごす。バブル崩壊の影響を受け経営が悪化。一家離散に近い貧困状況を経験し、「経営者の支援」をライフワークとしたいと決意。それに役立ちそうな各種資格を学生時代を中心に取得。同じく経営者であるメンターの伯父より、単に書類や手続を追求する専門家としてではなく、視野を広げ「ビジネス」の現場での経験を元に経営者の「経営そのもの」を支援できるような専門家を目指すようアドバイスを受け、社会人生活をスタート。大手、中小、ベンチャー企業、会計事務所等で営業、経理、財務、人事、総務、管理職、経営陣等、ビジネスの「現場」での充実した修行の日々を送ったあと、2007年に独立。ほかにはない支援スタイルが起業家・経営者に受け入れられ、経済産業省「DREAM GATE」にて、面談相談12年連続日本一。補助金・助成金支援実績600件超。ベストセラー含む起業・経営本20冊を出版。累計25万部超。無料相談件数は全国から累計3000件を超す。

この記事を監修した人
多胡藤夫/Fujio Tago
元日本政策金融公庫支店長、社会生産性本部認定経営コンサルタント、ファイナンシャルプランナーCFP(R)、V-Spirits総合研究所株式会社 取締役
同志社大学法学部卒業後、日本政策金融公庫(旧国民金融公庫)に入行。 約63,000社の中小企業や起業家への融資業務に従事し審査に精通する。
支店長時代にはベンチャー企業支援審査会委員長、企業再生協議会委員など数々の要職を歴任したあと、定年退職。
日本の起業家、中小企業を支援すべく独立し、その後、V-Spiritsグループに合流。
長年融資をする側の立場にいた経験、ノウハウをフル活用し、融資を受けるためのコツを本音で伝えている。



























