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コラム

店舗改装・看板・チラシの持続化補助金|広報費30万円と申請条件

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持続化補助金は店舗改装・看板・チラシに使える?経費区分ごとの可否と上限の線引き

「店内を改装して、あわせて看板を新しくし、チラシも配りたい。この費用は小規模事業者持続化補助金でまかなえるのだろうか」——店舗を構えて数年たった小規模事業者の方から、こうしたご相談をよくいただきます。

結論から申し上げると、店舗改装費・看板代・チラシ代は、いずれも小規模事業者持続化補助金の対象になり得ます。ただし、この3つはそれぞれ別の経費区分に入り、区分ごとに上限や条件が違います。「全部まとめて上限50万円まで使える」という理解のまま計画を組むと、申請の段階で組み直しになることがあります。

この記事では、第20回公募(公募要領 第7版・2026年5月27日公開時点)の内容をもとに、3つの費用がどの経費区分に入るのか、どこで対象外に振れるのかを、申請前に自分でチェックできる形に整理します。数字や要件は執筆時点のものですので、申請時は必ず最新の公募要領をご確認ください。

まず結論:3つは「別の経費区分」に入る

小規模事業者持続化補助金の対象経費は、公募要領で8つの区分に分かれています。店舗改装・看板・チラシは、次のように振り分けられます。

やりたいこと 入る経費区分 区分ごとの上限
店舗の改装工事・バリアフリー化工事 委託・外注費 区分単独の上限なし
看板の製作・設置、チラシの制作・配布、新聞広告、DM発送、デジタルサイネージ広告 広報費 補助金交付申請額で30万円(税込)まで
ホームページ・ECサイトの制作、ネット広告、バナー、SEO、商品画像・動画制作 ウェブサイト関連費 補助金交付申請額で30万円(税込)まで

店舗改装は「機械装置等費」ではなく委託・外注費に入る点が、最初につまずきやすいところです。店舗備品の購入は機械装置等費、工事の外注は委託・外注費、という切り分けになります。

そしてもう一つ、看板やチラシを考えている方に関わるのが、次の項目で説明する広報費の上限です。

看板・チラシ(広報費)には「30万円」の上限がある

第20回公募では、広報費とウェブサイト関連費に、それぞれ次の制限が明確に置かれています。

  • 広報費:補助金交付申請額の上限は30万円(税込)。広報費のみの申請は不可
  • ウェブサイト関連費:補助金交付申請額の上限は30万円(税込)。ウェブサイト関連費のみの申請は不可

ここで押さえたいのは、上限が「支出額」ではなく補助金の交付申請額にかかっている点です。補助率が2/3ですので、広報費として補助金を30万円受け取るには、45万円(税込)程度の広報費支出が必要になる計算です。これを超えて看板やチラシにお金をかけても、広報費として受け取れる補助金は30万円で頭打ちになります。

また「広報費のみの申請は不可」という条件もあります。つまり看板とチラシだけで申請を組み立てることはできません。看板・チラシを軸にしたい場合は、店舗改装(委託・外注費)や備品(機械装置等費)など、別区分の取り組みとセットで計画を組む形になります。

なお、ウェブサイト関連費の上限は、以前の「交付申請額の1/4・最大50万円」から、定額30万円(税込)に変更されています。数年前に申請を検討したときの資料や、更新されていない解説記事の数字をそのまま使うと、計画額がずれることがあります。

三浦高

💬 執筆者の三浦から一言

審査する側にいたころの感覚で言うと、経費が対象区分に入っているかと同じくらい、その支出が販路開拓につながる筋書きになっているかを見ています。持続化補助金は販路開拓が主題の制度で、通常の営業活動と受け取られる支出は対象外に振れやすい設計です。同じ看板でも、誰に何を届けるために掲げるのかが計画に書かれているかどうかで、見え方が変わります。

店舗改装はどこまで対象になるのか

店舗改装は委託・外注費として対象経費に含まれており、公募要領でも「店舗改装・バリアフリー化工事等」が例示されています。一方で、工事の内容によっては対象外に振れます。

対象外に振れやすい工事

  • 建物の増築・増床:「不動産の取得」にあたる工事は対象外になりやすい区分です。判定は、外気分断性・土地への定着性・用途性の3要件で行われます
  • 販路開拓と結びつかない改修:持続化補助金は販路開拓が主題の制度です。老朽化した設備を元に戻すだけの工事は、通常の営業活動の範囲と受け取られやすくなります
  • 車両:自動車・フォークリフト・キッチンカー等の車両は原則として対象外です

説明の組み立て方

同じ「トイレの改修」でも、単に古くなったから直すのか、子ども連れや高齢のお客さまが使いやすい形にして新しい客層を取りに行くのかで、計画上の位置づけが変わります。工事の内容そのものより、その工事で誰に来てもらえるようになるのかを書けるかどうかが、計画書の書き分けになります。

💬 無料相談のご案内

補助金専門行政書士法人は、V-Spirits元補助金審査員の三浦を中心とした専門家チームが補助金支援を行っております。「このケースは補助金の対象になるのか?」といった疑問にも、無料でお答えしております。お気軽にご相談ください。

補助率と補助上限:基本は50万円、特例で最大250万円

金額の枠組みは次のとおりです(第20回公募時点)。

  • 補助率:2/3(賃金引上げ特例のうち赤字事業者は3/4)
  • 補助上限(基本):50万円
  • インボイス特例:+50万円(最大100万円)※要件を満たす場合のみ
  • 賃金引上げ特例:+150万円(最大200万円)※要件を満たす場合のみ
  • 両特例の併用:+200万円(最大250万円)※両方の要件を満たす場合のみ

基本の50万円だけで組む場合、広報費の30万円上限は枠全体のかなりの割合を占めます。看板とチラシで30万円分の補助金を使うと、残りは20万円です。改装まで含めたい場合は、特例の要件を満たせるかどうかを先に確認したうえで、総額を決める順番になります。

なお、特例の上乗せ部分だけでなく、通常枠・特例の要件を1つでも満たさない場合は全体が交付対象外になる扱いです。上乗せを狙って要件を無理に合わせにいく前に、基本の枠で成立する計画かどうかを見ておくと、後戻りが減ります。

対象になる事業者の範囲を先に確認する

金額より前に、そもそも申請できる事業者かどうかの確認が必要です。従業員数の上限は業種で分かれています。

業種 常時使用する従業員数
商業・サービス業(宿泊業・娯楽業を除く) 5人以下
サービス業のうち宿泊業・娯楽業 20人以下
製造業その他 20人以下

会社役員・個人事業主本人・同居の親族従業員・日雇い等はカウントしません。また、医師・歯科医師・助産師、医療法人、学校法人、社会福祉法人、一般社団・財団法人などは対象外になりやすい形態として挙げられています。

保険診療を行っている事業者の方は、あわせてご注意ください。公募要領では「国が助成するほかの制度を利用している事業と重複する経費」が補助対象外とされ、その例として保険適用診療にかかる経費が明記されています。薬局・整骨院・鍼灸院等で保険診療に使う機械や、保険診療の宣伝も兼ねるチラシは、経費区分にかかわらず対象外という考え方です。

申請前チェックリスト

改装・看板・チラシを組み合わせて申請する場合、実務で確認しておきたい項目を並べます。

  1. GビズIDプライムを取得しているか:電子申請のみで、郵送は受け付けられません
  2. 商工会・商工会議所の事業支援計画書(様式4)の段取りができているか:発行依頼には受付締切があります
  3. 交付決定日より前に発注・契約・支払をしていないか:交付決定前の発注・契約・支払は対象外です。採択通知だけでは事業を開始できません
  4. 相見積が必要な発注を把握しているか:単価50万円(税抜)超の機械装置等、50万円(税込)超の発注は2者以上の相見積が必要です
  5. 支払方法が銀行振込になっているか:支払は銀行振込が原則で、1取引10万円超(税抜)の現金払いは認められません
  6. 広報費が30万円(税込)以内に収まっているか:交付申請額ベースで判定します
  7. 広報費・ウェブサイト関連費だけの構成になっていないか:どちらも単独申請ができません
  8. <創業型>に申請中・採択済みでないか:<創業型>との重複申請はできません

特に3番目は、改装工事で崩れやすい項目です。工事は職人の手配や資材の関係で日程が先に決まりやすく、「採択されたから」と交付決定前に発注してしまうと、その工事費は対象から外れます。

第20回公募のスケジュール(逆算して動く)

項目 期日
公募要領公開 2026年5月27日
申請受付開始 2026年11月5日(木)
事業支援計画書(様式4)発行の受付締切 2026年12月4日(金)
申請受付締切 2026年12月15日(火)17:00
採択発表 2027年3月頃(予定)
見積書等の提出期限 2028年2月29日(火)
事業実施期限 2028年3月31日(金)
実績報告書 提出期限 2028年4月10日(月)

実質的な締切は、申請受付締切の12月15日ではなく、様式4の発行受付締切である12月4日です。この締切以降の発行依頼は、いかなる理由でも受け付けられない扱いになっています。補助対象者の要件を満たさないと判断された場合も発行されませんので、商工会・商工会議所の窓口には日程に余裕を持って相談する流れになります。

よくあるご質問

Q. 看板とチラシだけで申請できますか

広報費のみの申請はできません。店舗改装(委託・外注費)や店舗備品(機械装置等費)など、別の経費区分の取り組みと組み合わせる形になります。

Q. 店舗改装で100万円かかりました。補助金はいくら受け取れますか

補助率は2/3ですので、100万円の改装費に対する補助金は約66万円です。基本の上限50万円で申請している場合は50万円が上限になり、特例の要件を満たしていればその範囲で上乗せされます。

Q. 増築して席数を増やしたいのですが対象になりますか

建物の増築・増床は「不動産の取得」にあたるかどうかで判定され、対象外に振れやすい工事です。外気分断性・土地への定着性・用途性の3要件で見られますので、工事の設計段階で商工会・商工会議所や専門家に確認しておく流れが安全です。

Q. 交付決定の前に見積だけ取っておくのは問題ありますか

見積の取得自体は発注・契約にはあたりません。対象外になるのは交付決定日前の発注・契約・支払です。ただし取り扱いは公募回ごとに細かく定められていますので、判断に迷う場合は事務局に確認してください。

まとめ

店舗改装・看板・チラシは、いずれも小規模事業者持続化補助金の対象になり得る費用です。ただし店舗改装は委託・外注費、看板とチラシは広報費に入り、広報費には交付申請額ベースで30万円(税込)の上限と、単独申請不可という条件が付きます。

計画を組むときは、金額を先に決めるのではなく、①どの経費区分に何を入れるか、②広報費が30万円に収まるか、③交付決定前に発注しない日程が組めるか、の順に確認していくと、申請段階での組み直しが減ります。そのうえで、様式4の発行受付締切から逆算して商工会・商工会議所に相談する日程を押さえる流れになります。

本記事の数字・要件は第20回公募(公募要領 第7版・2026年5月27日公開)時点の情報です。公募回によって上限や条件は変わりますので、申請時は必ず最新の公募要領をご確認ください。

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弊社では、補助金専門行政書士法人V-Spiritsが補助金支援を行っております。元補助金審査員の三浦を中心とした各種専門家チームが全面的にサポートいたします。このケースは補助金の対象になるのか?といった疑問に対して適切なアドバイスを無料にて行っております。無料相談も行っているので、ぜひいちどご相談ください。お問い合わせお待ちしております!

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三浦高

この記事を書いた人

三浦高/Takashi Miura

元創業補助金(経済産業省系補助金)審査員・事務局員
中小企業診断士、起業コンサルタント®、
1級販売士、宅地建物取引主任者、
融資・資金調達コンサルタント
行政書士法人V-Spirits 補助者

産業能率大学 兼任教員
2024年現在、各種補助金の累計支援件数は300件を超える。

融資申請のノウハウも蓄積し、さらに磨きを掛けるべく日々事業計画書に向き合っている。

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中野裕哲

この記事を監修した人

中野裕哲/Nakano Hiroaki

税理士法人V-Spiritsグループ代表/税理士/行政書士/特定社会保険労務士/採用定着士/ファイナンシャルプランナー/起業コンサルタント/経営コンサルタント/大正大学招聘教授

税理士法人V-Spiritsグループ代表の中野裕哲は、中小企業経営者のために、税務・会計だけでなく、採用、人事、資金繰り、融資、補助金、助成金、営業、Webマーケティング、売上導線設計まで横断的に支援する実戦型経営税理士です。

経営の悩みは、突き詰めると「人・金・売上」に集約されます。中野裕哲は、大企業人事部、人材紹介会社の採用エージェント、中小企業の財務責任者、大手不動産会社での営業、出版・Web制作による集客導線構築など、幅広い実務経験をもとに、経営者の意思決定を支援します。

【対応領域】

税理士顧問、社労士顧問、補助金支援、助成金支援、資金調達支援、採用力診断、売上導線診断、経営参謀顧問。税務・会計・決算・節税に加えて、経営分析、労務管理、社会保険、助成金、採用体制づくり、融資、補助金、事業計画、営業戦略、Webマーケティング、出版、メディア活用まで一体的に相談できます。

中野裕哲は、家業の倒産危機からの壮絶な貧乏体験を原点に、お金で苦しむ経営者をひとりにしないことを掲げています。資金繰り、採用、売上づくりの壁に対して、経営者目線で伴走します。

【主な実績】

  • 起業支援・経営支援の豊富な実績
  • 起業相談件数3,000件以上
  • 資金調達支援1,000件以上
  • 大企業Webサイト多数監修
  • 商業出版著書監修約32冊(累計30万部超)

V-Spiritsグループでは、融資・補助金・金融機関対応に詳しい社内役員チームも伴走します。元経済産業省系補助金審査員・事務局員、元日本政策金融公庫支店長、元信用金庫融資担当営業などの専門家が、補助金申請、事業計画、資金繰り、金融機関対応を実務面から支援します。

税理士顧問、社労士顧問、融資、補助金、助成金、採用、営業、マーケティングまで、経営者が本当に悩む領域をワンストップで相談できます。V-Spiritsグループは、起業支援・会社設立・創業融資・補助金助成金・税務会計・人事労務・許認可・経営顧問をワンストップで支援する、起業家・中小企業向けの専門家グループです。

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