
介護事業の開業資金Q&A|創業融資と補助金は同時に使えるか
介護事業の開業、創業融資と補助金は同時に使える?よくある疑問を整理
介護事業・デイサービスの開業を控え、「創業融資と補助金は同時に使えるのか」「両方使うと何に注意すればいいのか」と気になる方は多いのではないでしょうか。この記事では、介護事業の開業資金について、融資と補助金の関係をQ&A形式で整理します。
Q. 創業融資と補助金は同時に検討できますか
A. はい、制度上は同時に検討することができます。融資と補助金は資金の性質が異なり、融資は金融機関から借り入れる返済義務のある資金、補助金は国や自治体が交付する返済不要の資金です。介護事業の開業資金は、日本政策金融公庫の「新規開業・スタートアップ支援資金」でまかなうのが代表的な選択肢で、融資限度額は最大7,200万円(うち運転資金4,800万円)、原則として無担保・無保証人での借り入れが可能です。数字は執筆時点の情報であり、最新の条件は日本政策金融公庫の公式情報でご確認ください。
Q. 補助金を使えば融資審査が有利になりますか
A. 補助金の交付が決定していることは、事業計画の説得力を補強する材料にはなり得ますが、必ず有利になるとは限りません。審査では、事業として創業した実績がなくても、事業計画書と自己資金などをもとに総合的に判断されます。「補助金を使うから必ず融資が通る」といった断定はできません。
Q. 補助金は先に入金されますか、後払いですか
A. 多くの補助金は「後払い(事後精算)」方式です。対象経費を先に自分で支払い、事業終了後に実績報告・審査を経てから入金されるのが一般的な流れです。介護事業は物件の改修工事や送迎車両、機能訓練機器など初期投資の項目が多岐にわたるため、対象経費の支払いから補助金入金までの「つなぎ資金」をどう確保するかが重要な論点になります。この期間の資金は、自己資金や融資で先に用意しておく必要があります。
Q. 介護事業で検討できる補助金にはどのようなものがありますか
A. 小規模事業者のように事業規模が一定範囲の場合、小規模事業者持続化補助金(販路開拓費用の一部を補助、補助上限250万円、2026年7月時点)が選択肢のひとつになり得ます。ただし対象になる経費・要件は公募回や事業内容によって異なります。また、自治体によっては独自の創業支援制度が用意されている場合もあるため、開業予定地の自治体窓口や専門家に確認することをおすすめします。固有名だけで判断せず、事業計画に合わせて個別に確認することが重要です。
Q. 自己資金はどのくらい必要ですか
A. 制度上、自己資金の額や割合の要件は決まっていません。ただし、自己資金の額は審査の重要な判断材料になり、多いほど有利になりやすい傾向があります。介護事業は初期投資額が大きくなりやすいため、みなし自己資金として評価され得る支出(開業前に取得した資格・設備投資・テストマーケティング費用など)も含めて、早い段階から自己資金の状況を整理しておくことをおすすめします。
Q. 融資と補助金、どちらから相談すればいいですか
A. どちらか一方を優先するというより、開業に必要な資金の全体像(内装・設備・車両・当面の運転資金)を洗い出したうえで、補助金で対象になり得る経費があるか、補助金の入金タイミングまでのつなぎ資金を融資でどこまでカバーするかを、同時並行で整理していくのが実務的な進め方です。指定申請のスケジュールとも合わせて、早い段階で全体の計画を組み立てることをおすすめします。
まとめ
介護事業の開業では、創業融資と補助金を同時に検討することができますが、補助金は後払いが基本であるという点を理解しておくことが欠かせません。対象経費の支払いから補助金入金までのタイミングのズレを踏まえて、融資でどこまでカバーするかを早い段階で整理しておくことが、資金繰りでつまずかないためのポイントです。
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この記事を書いた人
小峰精公/Kiyotaka Komine
元朝日信用金庫 法人営業
資金繰り解決コンサルタント
V-Spirits総合研究所株式会社 常務取締役
大学卒業後、朝日信用金庫に入庫。朝日信用金庫での経験が原点となり、「銀行融資取引」や「資金繰り」の本質を企業へ伝えていくことがミッションだと確信する。
日本の99%は中小零細企業で成り立っている現状を痛感し、1社でも多くの企業の「資金繰り」の課題を解決していくことに専念する。
クライアント様がより良い商品やサービスを提供することができる環境づくりの一助となれるよう全身全霊を尽くす。

この記事を監修した人
多胡藤夫/Fujio Tago
元日本政策金融公庫支店長、社会生産性本部認定経営コンサルタント、ファイナンシャルプランナーCFP(R)、V-Spirits総合研究所株式会社 取締役
同志社大学法学部卒業後、日本政策金融公庫(旧国民金融公庫)に入行。 約63,000社の中小企業や起業家への融資業務に従事し審査に精通する。
支店長時代にはベンチャー企業支援審査会委員長、企業再生協議会委員など数々の要職を歴任したあと、定年退職。
日本の起業家、中小企業を支援すべく独立し、その後、V-Spiritsグループに合流。
長年融資をする側の立場にいた経験、ノウハウをフル活用し、融資を受けるためのコツを本音で伝えている。

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中野裕哲/Nakano Hiroaki
税理士法人V-Spiritsグループ代表/税理士/行政書士/特定社会保険労務士/採用定着士/ファイナンシャルプランナー/起業コンサルタント/経営コンサルタント/大正大学招聘教授
税理士法人V-Spiritsグループ代表の中野裕哲は、中小企業経営者のために、税務・会計だけでなく、採用、人事、資金繰り、融資、補助金、助成金、営業、Webマーケティング、売上導線設計まで横断的に支援する実戦型経営税理士です。
経営の悩みは、突き詰めると「人・金・売上」に集約されます。中野裕哲は、大企業人事部、人材紹介会社の採用エージェント、中小企業の財務責任者、大手不動産会社での営業、出版・Web制作による集客導線構築など、幅広い実務経験をもとに、経営者の意思決定を支援します。
【対応領域】
税理士顧問、社労士顧問、補助金支援、助成金支援、資金調達支援、採用力診断、売上導線診断、経営参謀顧問。税務・会計・決算・節税に加えて、経営分析、労務管理、社会保険、助成金、採用体制づくり、融資、補助金、事業計画、営業戦略、Webマーケティング、出版、メディア活用まで一体的に相談できます。
中野裕哲は、家業の倒産危機からの壮絶な貧乏体験を原点に、お金で苦しむ経営者をひとりにしないことを掲げています。資金繰り、採用、売上づくりの壁に対して、経営者目線で伴走します。
【主な実績】
- 起業支援・経営支援の豊富な実績
- 起業相談件数3,000件以上
- 資金調達支援1000件以上
- 大企業Webサイト多数監修
- 商業出版著書監修約32冊(累計30万部超)
V-Spiritsグループでは、融資・補助金・金融機関対応に詳しい社内役員チームも伴走します。元経済産業省系補助金審査員・事務局員、元日本政策金融公庫支店長、元信用金庫融資担当営業などの専門家が、補助金申請、事業計画、資金繰り、金融機関対応を実務面から支援します。
税理士顧問、社労士顧問、融資、補助金、助成金、採用、営業、マーケティングまで、経営者が本当に悩む領域をワンストップで相談できます。V-Spiritsグループは、起業支援・会社設立・創業融資・補助金助成金・税務会計・人事労務・許認可・経営顧問をワンストップで支援する、起業家・中小企業向けの専門家グループです。





























