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コラム

飲食店のものづくり補助金|採択される事業計画の作り方と2枠の選び方【2026年度】

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飲食店がものづくり補助金で採択される事業計画の作り方|2026年度の枠選びと審査項目を攻略する

「ものづくり補助金で厨房設備を新しくしたい」「新メニューや新業態に挑戦したいので補助金を使いたい」——そう考える飲食店オーナーは少なくありません。しかし、飲食店の申請は「単なる設備の入れ替え」と見なされて不採択になりやすいのも事実です。この記事では、2026年度の制度内容を踏まえて、飲食店が採択されるための枠選び・審査項目の押さえ方・事業計画書の書き方を、実務目線で整理します。(本記事は執筆時点の公募要領1.0版をもとにしています。申請前に必ず最新の公式情報をご確認ください。)

2026年度は「ものづくり補助金」の名称と枠組みが変わりました

まず押さえたいのが制度名の変更です。従来「ものづくり補助金」と呼ばれていた制度は、2026年度(令和8年度)に「新事業進出補助金」と統合され、正式名称が新事業進出・ものづくり商業サービス補助金になりました。通称として「ものづくり補助金」と検索されることが多いですが、申請書類や公募要領上はこの正式名称で運用されています。

飲食店が主に検討することになるのは、次の2つの枠です。どちらを選ぶかで、補助額も審査で見られるポイントも変わります。枠の選び違いは不採択の大きな原因になるため、最初に自社の取り組みがどちらに当てはまるかを見極めることが出発点になります。

飲食店が対象になる2つの枠と補助額

革新的新製品・サービス枠

自社の技術やノウハウを活かして、新しい製品・サービスを開発する取り組みを支援する枠です。補助上限は従業員規模別に、1〜5人で750万円、6〜20人で1,000万円、21〜50人で1,500万円、51人以上で2,500万円(大幅賃上げ特例の適用時は最大3,500万円)、補助下限は100万円です。補助率は中小企業者で2分の1、小規模企業者などは3分の2です。設備投資が必須で、機械装置・システム構築費は単価10万円(税抜)以上が対象になります。

飲食店であれば、たとえば急速冷凍機を導入して自店の看板料理を冷凍商品として新開発する、専用設備を入れて店舗では提供していなかった加工食品を商品化する、といった「新しい製品・サービスの開発」を伴う取り組みが想定されます。単に既存の厨房機器を新品に入れ替えるだけでは対象外になる点に注意が必要です。

新事業進出枠

既存事業とは異なる新市場・高付加価値事業への進出を支援する枠です。補助上限は1〜20人で2,500万円、21〜50人で4,000万円、51〜100人で5,500万円、101人以上で7,000万円(大幅賃上げ特例の適用時は最大9,000万円)、補助下限は750万円です。補助率は中小企業者で2分の1です。この枠だけは建物費も対象経費になりますが、建物の単純購入や賃貸は対象外です。

店内飲食が中心だった飲食店が、冷凍食品の製造販売やEC通販事業、菓子・惣菜製造業への進出など、自社にとって新規性のある市場へ踏み出すケースが典型例です。ただし設立・創業から1年未満の事業者は対象外(最低1期分の決算書が必要)で、単なるメニュー追加や商圏違いだけの出店は「新事業進出」に該当しないと判断されやすい点は要注意です。

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採択される事業計画書に必要な3つの基本要件

どちらの枠でも、事業計画には共通の数値要件を満たす見通しを織り込む必要があります。飲食店の計画に落とし込むと、次の3点です。

  • 付加価値額:事業計画期間(3〜5年)で年平均成長率+4.0%以上。売上から外部購入費用を引いた付加価値を、どの新商品・新サービスでどれだけ伸ばすかを数字で示します。
  • 給与支給総額:従業員一人当たりの給与支給総額を年平均+3.5%以上。交付申請時までに従業員へ表明する必要があり、未達の場合は返還の対象になります。
  • 事業場内最低賃金:毎年、地域別最低賃金+30円以上の水準を維持します。こちらも未達は返還対象です。

これらは「達成できたらよい目標」ではなく、未達だと補助金の返還につながる要件です。飲食店は人件費比率が高く客数変動も大きいため、無理のない範囲で根拠のある数値計画を組むことが、審査でも実行段階でも重要になります。

飲食店が陥りやすい不採択の落とし穴

飲食店の申請でつまずきやすいポイントは、ある程度パターンが決まっています。

  • 単なる設備更新に見えてしまう:老朽化した厨房機器の買い替えや、業務効率化だけの導入は「新製品・新サービスの開発」に当たらず、革新的新製品・サービス枠では対象外です。
  • 「メニューを増やすだけ」になっている:新事業進出枠では、単なるメニュー追加や既存商圏内での類似出店は新規性が弱いと判断されがちです。
  • 事業計画を外部に丸投げする:事業計画は申請者自身が作成することが前提で、丸投げは不採択や採択取消の対象になります。専門家の伴走支援を受ける場合も、事業の中身を語れるのは経営者自身です。
  • 交付決定前に発注してしまう:交付決定前の契約・発注・購入は対象外です。段取りを急ぐあまり先に設備を発注すると補助対象から外れます。

採択率を上げる事業計画書の書き方

審査で評価されやすい計画書にするには、次の観点を言語化しておくことをおすすめします。

革新的新製品・サービス枠なら、「その製品・サービスがなぜ新しいのか」「同業ですでに普及していないか」を、自店の技術やこだわり、地域の需要と結びつけて具体的に説明します。新事業進出枠なら、「新市場性(社会的にまだ普及・認知度が低い)」または「高付加価値性(同分野で高水準の価値・価格を実現する)」のどちらで勝負するかを明確にし、相場との比較や価値の源泉を示すことが要になります。

加えて、投資額に対する収支計画の実現可能性、集客・販路の見通し、賃上げの原資をどう確保するかまで一貫したストーリーで描けているかが、採択を左右します。飲食店は数字の根拠が弱くなりがちなので、既存店の実績データを土台に説明すると説得力が増します。

2026年度・第1回公募のスケジュールと準備

2026年度第1回公募は、2026年6月29日に公募が始まり、申請受付は8月31日から、締切は10月30日18:00、採択発表は2027年1月頃の予定です。申請は電子申請で、GビズIDプライムの取得が必須になります。GビズIDの発行には時間がかかることがあるため、申請を検討する段階で早めに準備しておくと安心です。

準備の大枠は、自社の取り組みがどちらの枠に当てはまるかの見極め、数値要件を満たす事業計画の作成、見積取得と資金計画、GビズID等の電子申請準備、という流れになります。締切間際は書類作成が集中して質が下がりやすいため、逆算したスケジュール管理が採択への近道です。

よくある質問

Q. 居抜き物件の内装工事だけでも申請できますか?

内装工事や設備の単純な入れ替えだけでは、新製品・新サービスの開発や新市場進出という制度の趣旨に合わず、対象外と判断されやすいです。何を新しく生み出す取り組みなのかを軸に計画を組む必要があります。

Q. 補助金はいつ受け取れますか?

補助金は原則として後払い(精算払い)です。採択後に交付決定を受け、事業を実施し、経費を支払ってから補助金が振り込まれます。実施期間中の資金は自己資金や融資でまかなう前提になるため、資金繰りの計画もあわせて考えておきましょう。

Q. 補助金の税務処理はどうなりますか?

補助金の会計・税務上の取り扱いは事業者ごとの状況によって異なります。個別の判断は税理士など専門家にご相談ください。

まとめ

飲食店がものづくり補助金(正式名称:新事業進出・ものづくり商業サービス補助金)で採択されるには、まず自社の取り組みに合う枠を正しく選び、「単なる設備更新・メニュー追加」ではない新規性を数字と根拠で語ることが欠かせません。付加価値額+4.0%・給与+3.5%といった要件を無理なく満たす事業計画を、経営者自身の言葉で描き切ることが採択の分かれ目です。制度は年度ごとに変わるため、申請前には最新の公募要領を確認し、迷ったら早めに専門家へ相談することをおすすめします。

【無料相談のご案内】

弊社では、補助金専門行政書士法人V-Spiritsが補助金支援を行っております。元補助金審査員の三浦を中心とした各種専門家チームが全面的にサポートいたします。このケースは補助金の対象になるのか?といった疑問に対して適切なアドバイスを無料にて行っております。無料相談も行っているので、ぜひいちどご相談ください。お問い合わせお待ちしております!

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三浦高

この記事を書いた人

三浦高/Takashi Miura

元創業補助金(経済産業省系補助金)審査員・事務局員
中小企業診断士、起業コンサルタント®、
1級販売士、宅地建物取引主任者、
融資・資金調達コンサルタント
行政書士法人V-Spirits 補助者

産業能率大学 兼任教員
2024年現在、各種補助金の累計支援件数は300件を超える。

融資申請のノウハウも蓄積し、さらに磨きを掛けるべく日々事業計画書に向き合っている。

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この記事を監修した人


中野裕哲

中野裕哲/Nakano Hiroaki

税理士法人V-Spiritsグループ代表/税理士/行政書士/特定社会保険労務士/採用定着士/ファイナンシャルプランナー/起業コンサルタント/経営コンサルタント/大正大学招聘教授

税理士法人V-Spiritsグループ代表の中野裕哲は、中小企業経営者のために、税務・会計だけでなく、採用、人事、資金繰り、融資、補助金、助成金、営業、Webマーケティング、売上導線設計まで横断的に支援する実戦型経営税理士です。

経営の悩みは、突き詰めると「人・金・売上」に集約されます。中野裕哲は、大企業人事部、人材紹介会社の採用エージェント、中小企業の財務責任者、大手不動産会社での営業、出版・Web制作による集客導線構築など、幅広い実務経験をもとに、経営者の意思決定を支援します。

【対応領域】
税理士顧問、社労士顧問、補助金支援、助成金支援、資金調達支援、採用力診断、売上導線診断、経営参謀顧問。税務・会計・決算・節税に加えて、経営分析、労務管理、社会保険、助成金、採用体制づくり、融資、補助金、事業計画、営業戦略、Webマーケティング、出版、メディア活用まで一体的に相談できます。

中野裕哲は、家業の倒産危機からの壮絶な貧乏体験を原点に、お金で苦しむ経営者をひとりにしないことを掲げています。資金繰り、採用、売上づくりの壁に対して、経営者目線で伴走します。

【主な実績】

  • 起業支援・経営支援の豊富な実績
  • 起業相談件数3,000件以上
  • 資金調達支援1000件以上
  • 大企業Webサイト多数監修
  • 商業出版著書監修約32冊(累計30万部超)

V-Spiritsグループでは、融資・補助金・金融機関対応に詳しい社内役員チームも伴走します。元経済産業省系補助金審査員・事務局員、元日本政策金融公庫支店長、元信用金庫融資担当営業などの専門家が、補助金申請、事業計画、資金繰り、金融機関対応を実務面から支援します。

税理士顧問、社労士顧問、融資、補助金、助成金、採用、営業、マーケティングまで、経営者が本当に悩む領域をワンストップで相談できます。V-Spiritsグループは、起業支援・会社設立・創業融資・補助金助成金・税務会計・人事労務・許認可・経営顧問をワンストップで支援する、起業家・中小企業向けの専門家グループです。

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