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コラム

鉄骨加工の補助金、切断機・溶接ロボットの設備更新で対象になる枠の考え方

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鉄骨加工の設備投資、乗る補助金は「目的」で変わります

切断機や開先加工機、穴あけ機、溶接ロボットといった鉄骨加工設備の更新を検討するとき、「補助金」で調べても情報が入り乱れて分かりにくい、という声をよく聞きます。同じキーワードで検索しても、記事によって紹介されている制度がバラバラで、統合前の古い制度名のまま解説されているものも少なくありません。この記事では、従業員十数名から数十名規模の鉄骨加工業者・鉄骨ファブリケーターの経営者を対象に、自社の設備投資が「①既存工程の能力増強」「②受注できる工事の幅が変わる能力獲得」「③人手の置き換え(省力化)」のどれに当たるかで、乗せるべき補助金の枠が変わるという考え方を整理します。

「鉄骨加工の補助金」を調べても情報が古いままなのはなぜか

経済産業省系の補助金は制度改編が頻繁で、いわゆる「ものづくり補助金」と呼ばれてきた制度も、2026年度からは名称と枠組みが変わっています。既存の技術力を活かした新製品・新サービスの開発を支援する枠と、既存事業とは異なる新しい市場への進出を支援する枠がひとつの制度にまとまり、現在は「新事業進出・ものづくり商業サービス補助金」という名称で運用されています。統合前の古い制度名や、別々の制度として紹介された採択事例をそのまま参考にすると、実際の申請要件とズレてしまうため注意が必要です。

また、鉄骨加工業のように機械設備への投資が中心の業種では、「省力化」という言葉だけで語られる制度も複数あり、どんな設備が対象になるかの条件が制度ごとに異なります。補助金の名前から探すのではなく、まず自社が予定している設備投資がどんな性質のものかを整理するところから始めるほうが、結果的に近道になります。

三浦高

💬 執筆者の三浦から一言

「ものづくり補助金」という呼び方は今もよく耳にしますが、2026年度からは新事業進出・ものづくり商業サービス補助金という制度に変わり、既存製品を磨く枠と新しい市場に進む枠に分かれています。古い呼び方のまま調べていると、実際の要件とズレてしまうのでご注意ください。

投資の中身を3つに仕分けると、乗る枠が見えてきます

鉄骨加工の設備投資は、大きく次の3つのどれに当たるかによって、検討すべき補助金が変わってきます。

  • ①既存工程の能力増強:切断機や穴あけ機を高速・高精度なものに入れ替え、今できている加工の処理量や精度を底上げする投資
  • ②受注できる工事の幅が変わる能力獲得:開先加工機など新しい種類の設備を導入し、これまで対応できなかった部材形状や工事案件を受注できるようにする投資
  • ③人手の置き換え(省力化):溶接ロボットや自動搬送の仕組みを導入し、限られた人数で現場を回せるようにする投資

同じ「切断機を入れ替える」という投資でも、今の加工能力を底上げするだけなのか、これまで受けられなかった案件を取れるようにするための投資なのかで、狙う制度は変わります。次の章から、それぞれに対応する補助金の考え方を見ていきましょう。

💬 無料相談のご案内

補助金専門行政書士法人は、V-Spirits元補助金審査員の三浦を中心とした専門家チームが補助金支援を行っております。「このケースは補助金の対象になるのか?」といった疑問にも、無料でお答えしております。お気軽にご相談ください。

①既存工程の能力増強なら—中小企業省力化投資補助金

切断・開先加工・穴あけといった既存工程の処理能力や精度を底上げする投資は、中小企業省力化投資補助金(一般型/カタログ注文型)の対象になり得ます。ただし、どちらの型が合うかは設備の性質によって分かれます。

一般型は、単価50万円(税抜)以上の機械装置等を1つ導入するだけでは対象になりません。省力化に資する汎用設備を複数組み合わせる、または導入環境に応じて周辺機器や搭載する機能の構成が変わる、といった「オーダーメイド性」を示す事業計画が必要です。たとえば切断機だけを1台入れ替える計画は弱く、切断から搬送までを一体で構成し直すような計画であれば対象になり得ます。補助上限は1億円で、労働生産性を年平均4.0%以上伸ばす計画が求められ、賃上げ目標の未達は返還につながることがあります。一方、公的に登録されたカタログ掲載製品をそのまま導入する場合はカタログ注文型が制度設計として合います。中小企業側が販売事業者と共同で申請する必要があり、単独での申請は原則できません。労働生産性を年平均3.0%以上伸ばす計画が必要で、賃上げ目標の未達は減額につながります。カタログに登録された製品に限られるため、鉄骨加工に合わせたオーダーメイドの構成にしたい場合は一般型を検討することになります。

②受注できる工事の幅が変わる能力獲得なら—新事業進出・ものづくり商業サービス補助金

これまで対応できなかった部材形状や案件を受注できるようにする投資は、新事業進出・ものづくり商業サービス補助金の対象になり得ます。この制度には複数の枠があり、投資の性質でどちらが自然かが変わります。

自社の技術力を活かして新しい部材・構造物を作れるようにする投資であれば、革新的新製品・サービス枠が候補になります。ただし、単なる設備・システムの導入や、既存製品・サービスの生産プロセス改善だけでは対象外で、同業他社ですでに広く普及している開発も対象外です。機械装置・システム構築費は単価10万円(税抜)以上が必須かつ主軸になります。一方、既存事業とはまったく異なる新しい市場への進出が主軸であれば新事業進出枠が候補です。既存事業と同一の市場での増産や、単なる製法変更、商圏が違うだけといった投資は「新事業進出」に該当せず対象外になり、創業から1年に満たない事業者も対象外です。

いずれの枠も、補助上限として3,500万円・9,000万円という数字が紹介されることがありますが、これは従業員規模が最大で、なおかつ大幅な賃上げを行った場合の上限額です。実際の上限は従業員規模によって変わるため、「最大」「規模により異なる」という前提を踏まえて確認する必要があります。また、交付決定より前に発注・契約してしまった経費は、いずれの枠でも対象外になる点にも注意が必要です。

三浦高

💬 執筆者の三浦から一言

以前、経済産業省系の補助金の審査員・事務局員として計画書を読む立場にいましたが、最初に確認していたのは、その設備投資が今の工程を底上げする話なのか、新しい受注を生む話なのかという一点でした。目的があいまいなまま数字だけ並べた計画は、評価が付きにくい印象があります。

③人手の置き換え(省力化)を狙うなら—カタログ注文型と一般型の使い分け

溶接ロボットや自動搬送の仕組みを導入して人手を置き換える投資も、基本的には中小企業省力化投資補助金の枠内で検討することになります。判断基準は①で触れたオーダーメイド性の考え方と同じです。ロボットや搬送機器を単体で導入するだけでなく、周辺の搬送・検査工程まで含めて構成を組み替えるような計画であれば一般型の対象になりやすく、カタログに登録された汎用ロボットや省力化機器をそのまま導入するのであればカタログ注文型が制度設計として合います。

どちらの型を選ぶ場合も、同じ設備投資について複数の補助金に重ねて申請することはできません。①②③のどれに当たる投資かを先に整理し、そのうえで一般型かカタログ注文型かを絞り込む、という順番で検討すると迷いにくくなります。

鉄骨加工設備の更新は投資額が大きくなりやすく、どの制度が自社の計画に合うかで補助される金額も条件も変わってきます。まずは自社の投資を①②③のどれに当てはまるかで仕分けたうえで、該当しそうな制度の最新の公募要領を確認することから始めてみてください。

【無料相談のご案内】

弊社では、補助金専門行政書士法人V-Spiritsが補助金支援を行っております。元補助金審査員の三浦を中心とした各種専門家チームが全面的にサポートいたします。このケースは補助金の対象になるのか?といった疑問に対して適切なアドバイスを無料にて行っております。無料相談も行っているので、ぜひいちどご相談ください。お問い合わせお待ちしております!

フリーダイヤル 0120-335-523
お問い合わせフォーム https://v-spirits.com/contacts

三浦高

この記事を書いた人

三浦高/Takashi Miura

元創業補助金(経済産業省系補助金)審査員・事務局員
中小企業診断士、起業コンサルタント®、
1級販売士、宅地建物取引主任者、
融資・資金調達コンサルタント
行政書士法人V-Spirits 補助者

産業能率大学 兼任教員
2024年現在、各種補助金の累計支援件数は300件を超える。

融資申請のノウハウも蓄積し、さらに磨きを掛けるべく日々事業計画書に向き合っている。

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中野裕哲

この記事を監修した人

中野裕哲/Nakano Hiroaki

税理士法人V-Spiritsグループ代表/税理士/行政書士/特定社会保険労務士/採用定着士/ファイナンシャルプランナー/起業コンサルタント/経営コンサルタント/大正大学招聘教授

税理士法人V-Spiritsグループ代表の中野裕哲は、中小企業経営者のために、税務・会計だけでなく、採用、人事、資金繰り、融資、補助金、助成金、営業、Webマーケティング、売上導線設計まで横断的に支援する実戦型経営税理士です。

経営の悩みは、突き詰めると「人・金・売上」に集約されます。中野裕哲は、大企業人事部、人材紹介会社の採用エージェント、中小企業の財務責任者、大手不動産会社での営業、出版・Web制作による集客導線構築など、幅広い実務経験をもとに、経営者の意思決定を支援します。

【対応領域】

税理士顧問、社労士顧問、補助金支援、助成金支援、資金調達支援、採用力診断、売上導線診断、経営参謀顧問。税務・会計・決算・節税に加えて、経営分析、労務管理、社会保険、助成金、採用体制づくり、融資、補助金、事業計画、営業戦略、Webマーケティング、出版、メディア活用まで一体的に相談できます。

中野裕哲は、家業の倒産危機からの壮絶な貧乏体験を原点に、お金で苦しむ経営者をひとりにしないことを掲げています。資金繰り、採用、売上づくりの壁に対して、経営者目線で伴走します。

【主な実績】

  • 起業支援・経営支援の豊富な実績
  • 起業相談件数3,000件以上
  • 資金調達支援1,000件以上
  • 大企業Webサイト多数監修
  • 商業出版著書監修約32冊(累計30万部超)

V-Spiritsグループでは、融資・補助金・金融機関対応に詳しい社内役員チームも伴走します。元経済産業省系補助金審査員・事務局員、元日本政策金融公庫支店長、元信用金庫融資担当営業などの専門家が、補助金申請、事業計画、資金繰り、金融機関対応を実務面から支援します。

税理士顧問、社労士顧問、融資、補助金、助成金、採用、営業、マーケティングまで、経営者が本当に悩む領域をワンストップで相談できます。V-Spiritsグループは、起業支援・会社設立・創業融資・補助金助成金・税務会計・人事労務・許認可・経営顧問をワンストップで支援する、起業家・中小企業向けの専門家グループです。

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