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コラム

動物病院のDR装置に補助金は使える?発注前に決まる2つの期限と対象になる費用

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動物病院がDR装置を入れ替えるとき、補助金と獣医療法の届出はこの順番で動きます

フィルムや読み取り板を使う従来の撮影から、直接デジタル化するDR装置への切り替えを検討し始めると、最初に届くのは機械の見積です。ところが実際に手が止まるのは、機械の性能ではなく段取りのほうです。補助金には交付決定を待つ期限があり、エックス線装置の入れ替えには獣医療法にもとづく届出があります。この記事では、開業から数年がたった動物病院の院長に向けて、その2つの期限がどう重なるのかを整理します。

DR装置の導入は機械を1台選ぶ話ではありません

DR装置と呼ばれるものは、単体の機械ではなく複数の要素の組み合わせです。エックス線を出す発生装置と高電圧発生装置、画像を受け取る検出器(フラットパネル)、撮影条件を設定して画像を処理する端末、撮った画像を保存して診察室で開くための仕組み。見積書ではこれらが1行にまとまっていることもあれば、細かく分かれていることもあります。

この分かれ方が後で効いてきます。補助金は制度ごとに対象になる経費の区分が決まっているため、見積が1行のままだと、どの部分が対象でどの部分が対象外なのかを自分で説明できません。装置本体、付随する機器、ソフトウェア、据付作業を分けた形で出してもらうところから始まります。

期限その1:交付決定の前に発注すると対象から外れます

新事業進出・ものづくり商業サービス補助金では、交付決定前の発注・契約・購入は補助の対象外と定められています。採択の連絡が来ても、その後の交付決定を待たずに発注してしまうと、そこまでの準備が実を結ばなくなります。

2026年度の第1回公募は、公募開始が2026年6月29日、締切が2026年9月30日18時、採択発表は2026年12月頃とされています(公募要領1.0版・令和8年6月)。補助事業の実施期間は交付決定日から10か月以内、採択発表日からは12か月以内です。撮影装置は納期が読みにくい機材ですので、いつ発注できるのかを先に置いてから、工事や休診日の調整を組み立てることになります。

期限その2:装置を替えると届け出た内容が変わります

獣医療法第三条は、診療施設を開設した者は開設の日から10日以内に、施設の所在地を管轄する都道府県知事へ農林水産省令で定める事項を届け出なければならないと定めています。そして「届け出た事項を変更したときも、同様とする」と続きます。

その届出事項のなかに、エックス線装置に関する項目があります。獣医療法施行規則第1条第6号は、定格管電圧が10キロボルト以上でエネルギーが1メガ電子ボルト未満のエックス線発生装置を備えた診療施設について、エックス線装置の製作者名・型式・台数、エックス線高電圧発生装置の定格出力、エックス線装置およびエックス線診療室の放射線障害の防止に関する構造設備と予防措置の概要、エックス線診療に従事する獣医師の氏名と経歴を挙げています。

装置を入れ替えれば、製作者名も型式も定格出力も変わります。DR装置への切り替えは、機械の購入であると同時に、届け出た内容の変更にあたる行為だとみておくほうが安全です。

あわせて同規則第6条は、エックス線診療室の構造設備の基準として、人が常時立ち入る場所における実効線量が1週間につき1ミリシーベルト以下になるようにしゃへい物を設けること、エックス線診療室である旨を示す標識を付すことを定めています。装置の出力や設置位置が変われば、この基準を満たしているかの確認も改めて生じます。いずれも2026年8月時点の条文です。

届出の要否や書式、提出先とのやり取りは行政手続の専門領域ですので、行政書士など有資格の専門家に確認してください。この記事で扱うのは手続きのやり方ではなく、その手続きが補助金のスケジュールと同じ時期に走るという事実のほうです。

三浦高

💬 執筆者の三浦から一言

審査する側にいた立場から言うと、この件は最初に土俵を確かめたいところです。保険診療にかかる経費が原則として対象外になるのは公的医療保険との重複があるためで、例外は中小企業省力化投資補助金(一般型)とデジタル化・AI導入補助金の2つです。動物病院の診療はその公的医療保険の枠組みには入りませんので、人の医療機関向けの解説をそのまま当てはめずに読んでください。

2つの期限は同じ時間軸に並びます

補助金の側は交付決定より前に発注しないこと、法令の側は変更が生じたら定められた期間内に届け出ること。この2つは別々の窓口の話ですが、動くのは同じ1台の装置です。発注日、搬入日、しゃへいの確認、届出。この順番を先に書き出しておくと、ベンダーに納期を伝えるときの前提が固まります。

💬 無料相談のご案内

補助金専門行政書士法人は、V-Spirits元補助金審査員の三浦を中心とした専門家チームが補助金支援を行っております。「このケースは補助金の対象になるのか?」といった疑問にも、無料でお答えしております。お気軽にご相談ください。

DR装置の投資で入口になりうる制度

新事業進出・ものづくり商業サービス補助金 革新的新製品・サービス枠

新製品・新サービスの開発を伴う設備投資を支援する枠です。補助下限は100万円、補助率は中小企業者が2分の1、小規模企業・小規模事業者は3分の2。機械装置・システム構築費は単価10万円(税抜)以上が条件で、補助上限は従業員規模別に1〜5人で750万円、6〜20人で1,000万円と決まっています。大幅賃上げ特例を適用するとそれぞれ850万円、1,250万円です。ただし単なる設備の導入は対象外とされているため、DR装置を入れて何ができるようになるのかを診療メニューの側から書けるかどうかで結論が変わります。

中小企業省力化投資補助金(一般型)

人手不足や工程のムダを減らす投資を支援する制度で、補助上限は1億円です。対象になるのはオーダーメイド性のある設備で、汎用設備を複数組み合わせてより高い省力化効果を生む場合や、導入環境に応じて周辺機器・機器の数・搭載機能が変わる場合が該当します。設備投資は単価50万円(税抜)以上の機械装置等を最低1つ含む必要があります。労働生産性を年平均4.0パーセント以上伸ばす計画と賃上げ目標が要件で、未達の場合は返還が生じうる制度です。

デジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金)

登録されたITツールの導入を支援する制度で、通常枠の補助上限は450万円です。画像を保存して診察室で開くための仕組みや電子カルテとの連携といったソフトウェア側の投資はこちらに寄りやすい一方、診療機器そのものは対象になりにくいとされています。IT導入支援事業者の支援を受けて申請する前提の制度ですので、ベンダーが登録事業者かどうかを見積の段階で確かめておくと話が早く進みます。

見積のうち制度の外に出やすい費用

革新的新製品・サービス枠では、汎用のパソコンやスマートフォン、車両、家賃、建物の単なる購入は対象外とされています。DR装置の見積に画像を見るための一般的なパソコンが含まれている場合、その扱いは制度側の判断になります。建物・基礎工事も対象外とされているため、しゃへいに関わる工事費をどこまで見込めるかは制度と区分によって変わります。金額の大きい行ほど、対象になるかどうかを事前に確かめておく価値があります。

申請の前に決めておきたい3つのこと

1つ目は、この投資の主題を新しい診療をできるようにすることに置くのか、今ある業務の手数を減らすことに置くのか。ここで制度の入口が分かれます。2つ目は、見積を装置・周辺機器・ソフトウェア・据付に分けた形で受け取ること。3つ目は、届出と工事の確認をいつ行うかを、発注できる日から逆算して決めておくことです。

まとめ

DR装置への入れ替えは機械の性能を比べる作業から始まりますが、決め手になるのは日付のほうです。交付決定を待つ期限と、届け出た事項の変更という期限。この2つを同じ表に並べたうえで見積を分けて受け取れば、どの制度に載せるかの判断は絞り込まれていきます。制度の要件も法令も改正がありますので、申請の前に最新の公募要領と条文を確認してください。

【無料相談のご案内】

弊社では、補助金専門行政書士法人V-Spiritsが補助金支援を行っております。元補助金審査員の三浦を中心とした各種専門家チームが全面的にサポートいたします。このケースは補助金の対象になるのか?といった疑問に対して適切なアドバイスを無料にて行っております。無料相談も行っているので、ぜひいちどご相談ください。お問い合わせお待ちしております!

フリーダイヤル 0120-335-523
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三浦高

この記事を書いた人

三浦高/Takashi Miura

元創業補助金(経済産業省系補助金)審査員・事務局員
中小企業診断士、起業コンサルタント®、
1級販売士、宅地建物取引主任者、
融資・資金調達コンサルタント
行政書士法人V-Spirits 補助者

産業能率大学 兼任教員
2024年現在、各種補助金の累計支援件数は300件を超える。

融資申請のノウハウも蓄積し、さらに磨きを掛けるべく日々事業計画書に向き合っている。

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中野裕哲

この記事を監修した人

中野裕哲/Nakano Hiroaki

税理士法人V-Spiritsグループ代表/税理士/行政書士/特定社会保険労務士/採用定着士/ファイナンシャルプランナー/起業コンサルタント/経営コンサルタント/大正大学招聘教授

税理士法人V-Spiritsグループ代表の中野裕哲は、中小企業経営者のために、税務・会計だけでなく、採用、人事、資金繰り、融資、補助金、助成金、営業、Webマーケティング、売上導線設計まで横断的に支援する実戦型経営税理士です。

経営の悩みは、突き詰めると「人・金・売上」に集約されます。中野裕哲は、大企業人事部、人材紹介会社の採用エージェント、中小企業の財務責任者、大手不動産会社での営業、出版・Web制作による集客導線構築など、幅広い実務経験をもとに、経営者の意思決定を支援します。

【対応領域】

税理士顧問、社労士顧問、補助金支援、助成金支援、資金調達支援、採用力診断、売上導線診断、経営参謀顧問。税務・会計・決算・節税に加えて、経営分析、労務管理、社会保険、助成金、採用体制づくり、融資、補助金、事業計画、営業戦略、Webマーケティング、出版、メディア活用まで一体的に相談できます。

中野裕哲は、家業の倒産危機からの壮絶な貧乏体験を原点に、お金で苦しむ経営者をひとりにしないことを掲げています。資金繰り、採用、売上づくりの壁に対して、経営者目線で伴走します。

【主な実績】

  • 起業支援・経営支援の豊富な実績
  • 起業相談件数3,000件以上
  • 資金調達支援1,000件以上
  • 大企業Webサイト多数監修
  • 商業出版著書監修約32冊(累計30万部超)

V-Spiritsグループでは、融資・補助金・金融機関対応に詳しい社内役員チームも伴走します。元経済産業省系補助金審査員・事務局員、元日本政策金融公庫支店長、元信用金庫融資担当営業などの専門家が、補助金申請、事業計画、資金繰り、金融機関対応を実務面から支援します。

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