
銀行ローン審査に通らない理由とは?起業準備中のあなたに贈る改善ポイント
はじめに
「事業資金の融資を申し込んだけど、審査に落ちてしまった…」
起業を志す方から、こんな声をよくお聞きします。せっかく事業アイデアも準備も進めてきたのに、資金調達でつまずいてしまうのは、本当につらいことですよね。
でも、安心してください。銀行ローンの審査に通らないのには、必ず理由があります。
今回は、「銀行ローン審査通らない理由」について、原因と改善策を実務ベースでわかりやすくお伝えします。一年後に起業を控える会社員のあなたに、特に役立つ内容になっています。
銀行ローン審査に通らない主な5つの理由
理由① 信用情報にキズがある(延滞・ブラックリスト)
ズバリ、最も多い理由がこれです。過去に以下のような履歴があると、審査では非常に厳しい判断をされます。
- クレジットカードの長期延滞
- 携帯料金の未払い
- 自己破産や債務整理
これらはCICやJICCといった信用情報機関で管理されており、銀行もチェックしています。
改善策:
- まずはCICなどで自分の信用情報を開示して確認
- 支払い遅延があれば、少額でも完済しておく
- 情報訂正や異議申し立ても可能(誤情報があれば)
理由② 自己資金が少なすぎる
創業融資では、「自分でもリスクを負っているか?」が問われます。自己資金が少ないと、「この人は本気じゃないのかな」と見られてしまうのです。
改善策:
- 毎月少しずつでも起業準備金を積み立てておく
- 理想は必要資金の3割以上を自己資金でカバー
- 通帳で“貯めてきた実績”を見せると効果的
理由③ 事業計画書の完成度が低い
「売上目標だけ書いてある」「根拠のない数字ばかり」…そんな事業計画では、審査担当者に信用されません。
改善策:
- 商品・サービスの強みを具体的に説明
- ターゲットや競合分析も盛り込む
- 損益計画・資金繰り計画の数字に一貫性を持たせる
事業計画は、融資担当者への“ラブレター”だと思ってください。
理由④ 返済能力に不安がある
特に、収入が不安定な方や既存の借入が多い方は、返済能力を不安視されやすいです。
改善策:
- 他のローン(車、教育、カードローンなど)は極力減らす
- 起業後の収入見込みを説明できるよう準備
- 副業などで売上実績を作っておくのも効果的
理由⑤ 担当者とのコミュニケーションがうまくいっていない
面談時の印象も重要な審査ポイントです。「やる気がなさそう」「何を聞いても答えられない」という印象を持たれると、審査は厳しくなります。
改善策:
- 服装やマナーを整える(第一印象は大切)
- 事業内容を簡潔に説明できるよう練習する
- 「なぜ今、あなたがこの事業をやるのか」を熱意を持って伝える
一度落ちたら、もう無理?再チャレンジは可能!
ご安心ください。たとえ一度審査に落ちても、再チャレンジは可能です。
ただし、「なぜ落ちたのか?」を自己分析し、改善してから再申請することが大切です。
また、銀行だけでなく、以下のような選択肢もあります。
- 日本政策金融公庫の創業融資(比較的通りやすい)
- 信用保証協会付きの自治体制度融資
- 民間のノンバンクやビジネスローン(慎重に検討)
さらに、補助金や助成金(返済不要)の活用も検討しましょう。
よくある質問(FAQ)
Q. 銀行の審査って、何を見られるんですか?
A. 主に「信用情報」「自己資金」「事業計画」「返済能力」「本人の人柄」の5点が見られます。
Q. 起業前に他のローンがあると不利ですか?
A. はい。特にリボ払いやカードローンがあるとマイナス評価です。できる限り完済または残高を減らしましょう。
Q. 銀行ではなく、日本政策金融公庫の方が通りやすいと聞きましたが?
A. 明確にどちらがということではありませんが、創業者向けに制度が整っており最初の融資にはおすすめです。
Q. 連帯保証人は必要ですか?
A. 基本的には代表者個人が保証人として徴求されることがあります。
まとめ:落ち込まず、改善して、再挑戦を!
銀行ローンの審査に通らなかったのは、あなたの「価値」ではなく、書類や情報に「改善点」があったというだけ。
審査で落ちた理由を正しく理解し、少しずつでも着実に改善していけば、次はきっと前向きな返答がもらえるはずです。
起業は、準備とタイミングがすべて。焦らず、でも諦めず、あなたの夢を実現させましょう!
わからないこと、不安なことがあれば、どうぞお気軽にご相談くださいね。
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起業の手続きって何から始めればいいの?といった疑問に対して適切なアドバイスを無料にて行っております。
無料相談も行っているので、ぜひ一度、ご相談ください。お問い合わせお待ちしております!
この記事を書いた人
中野裕哲/Nakano Hiroaki
起業コンサルタント(R)、経営コンサルタント、税理士、特定社会保険労務士、行政書士、サーティファイドファイナンシャルプランナー・CFP(R)、1 級FP技能士。大正大学招聘教授(起業論、ゼミ等)
V-Spiritsグループ創業者。税理士法人V-Spiritsグループ代表。東京池袋を本拠に全国の起業家・経営者さんを応援!「ベストセラー起業本」の著者。著書20冊、累計25万部超。経済産業省後援「DREAMGATE」で12年連続相談件数日本一。
【まるごと起業支援(R)・経営支援】
起業コンサル(事業計画+融資+補助金+会社設立支援)+起業後の総合サポート(経理 税務 事業計画書 融資 補助金 助成金 人事 給与計算 社会保険 法務 許認可 公庫連携 認定支援機関)など
【略歴】
経営者である父の元に生まれ、幼き頃より経営者になることを目標として過ごす。バブル崩壊の影響を受け経営が悪化。一家離散に近い貧困状況を経験し、「経営者の支援」をライフワークとしたいと決意。それに役立ちそうな各種資格を学生時代を中心に取得。同じく経営者であるメンターの伯父より、単に書類や手続を追求する専門家としてではなく、視野を広げ「ビジネス」の現場での経験を元に経営者の「経営そのもの」を支援できるような専門家を目指すようアドバイスを受け、社会人生活をスタート。大手、中小、ベンチャー企業、会計事務所等で営業、経理、財務、人事、総務、管理職、経営陣等、ビジネスの「現場」での充実した修行の日々を送ったあと、2007年に独立。ほかにはない支援スタイルが起業家・経営者に受け入れられ、経済産業省「DREAM GATE」にて、面談相談12年連続日本一。補助金・助成金支援実績600件超。ベストセラー含む起業・経営本20冊を出版。累計25万部超。無料相談件数は全国から累計3000件を超す。

この記事を監修した人
多胡藤夫/Fujio Tago
元日本政策金融公庫支店長、社会生産性本部認定経営コンサルタント、ファイナンシャルプランナーCFP(R)、V-Spirits総合研究所株式会社 取締役
同志社大学法学部卒業後、日本政策金融公庫(旧国民金融公庫)に入行。 約63,000社の中小企業や起業家への融資業務に従事し審査に精通する。
支店長時代にはベンチャー企業支援審査会委員長、企業再生協議会委員など数々の要職を歴任したあと、定年退職。
日本の起業家、中小企業を支援すべく独立し、その後、V-Spiritsグループに合流。
長年融資をする側の立場にいた経験、ノウハウをフル活用し、融資を受けるためのコツを本音で伝えている。



























