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コラム

創業融資はブラックリストでも通るか【専門家が解説】

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創業融資はブラックリストでも通るか【専門家が解説】

「過去にクレジットカードの支払いを延滞してしまった」「消費者金融で借りたままになっている」――こうした事情で、創業融資の審査に通るかどうかを心配している起業直後の個人事業主や中小企業の経営者は少なくありません。

いわゆる「ブラックリスト」と呼ばれる状態は、創業融資の審査でも確認される要素のひとつです。とはいえ、状況や事情によって対応の幅は変わります。「もうあきらめるしかない」と判断する前に、まずは事実関係を整理することが大切です。

この記事では、ブラックリストの正体、創業融資審査での影響、相談前にできる準備、代替策まで、起業直後の方向けにわかりやすく解説します。

そもそも「ブラックリスト」とは何か

世間で「ブラックリスト」と呼ばれているものは、正式な名簿として存在するわけではありません。実際には、信用情報機関に登録されている延滞・債務整理などの記録のことを、一般にそう呼んでいます。

信用情報機関には、クレジットカードの利用履歴、ローン、消費者金融からの借入、返済の状況などが記録されています。延滞や債務整理などの履歴がある場合、それを根拠に金融機関が慎重に判断するため、「ブラックリストに載っている」と言われがちです。

信用情報に登録される主な内容

登録される内容 概要
借入の契約状況 カードローン、消費者金融、住宅ローンなどの契約情報
返済状況 毎月の返済が遅れていないか、延滞が続いていないか
債務整理の履歴 任意整理、個人再生、自己破産などの記録
クレジットカードの利用履歴 支払いの遅れ、利用状況

登録された情報は、一定期間が経つと削除されますが、期間は内容によって異なります。

信用情報が審査に与える影響

創業融資の審査では、事業計画書、自己資金、資金使途、返済原資、経営者の経験などが総合的に確認されます。そのなかで、信用情報も重要な判断材料の一つです。

金融機関は、過去の返済履歴を通じて「お金との付き合い方」を確認しています。創業期は決算書がなく、事業の実績がほとんどないため、経営者個人の信用情報が見られやすくなります。

慎重に見られやすい状況

  • 過去に長期間の延滞があった
  • 債務整理や自己破産の履歴がある
  • 多額の借入が現在も残っている
  • 毎月の返済が苦しい状況にある
  • クレジットカードの支払い遅延が直近で続いている

これらの状況があると、「事業を始めたあと、返済を続けられるのか」という点を、より厳しく確認されることがあります。

ブラックリスト状態でも創業融資の相談はできるのか

結論からいうと、いわゆるブラックリスト状態だからといって、創業融資の相談自体ができないわけではありません。ただし、通常以上に丁寧な準備が必要になります。

事情の整理と説明が重要になる

過去の延滞や債務整理の背景には、何らかの事情があることが多いです。家族の医療費、勤務先の倒産、想定外の支出などです。そうした事情と、現在の状況、今後の事業計画をセットで説明できると、金融機関も判断材料を整えやすくなります。

現時点の返済能力が見られる

過去の履歴があっても、現在は安定して返済できる状況にあるか、毎月の収入と支出が整理されているか、生活と事業の資金が混ざっていないかなど、現時点の状態が重視されます。

事業計画と返済原資の説明が前提

「過去の延滞を取り戻すために事業を立ち上げる」というような計画では、説明として弱くなります。あくまで、事業として成立する計画と、それに基づく返済原資の説明がなければ、信用情報の問題だけで判断するものではありません。

信用情報を確認する方法

自分の信用情報がどうなっているかは、信用情報機関に開示請求することで確認できます。日本国内ではいくつかの信用情報機関があり、それぞれが扱う情報の種類が異なります。

主な信用情報機関 主な扱い
CIC クレジットカード、信販、携帯電話分割など
JICC 消費者金融、信販など
全国銀行個人信用情報センター(KSC) 銀行、信用金庫などの借入

申し込み前に自分の情報を確認しておくと、「想定外の登録がないか」「過去の整理が反映されているか」を把握できます。事前に状況を整理しておくことで、面談でも落ち着いて対応しやすくなります。

【無料相談のご案内】

弊社では、元日本政策金融公庫支店長の多胡や元信用金庫の法人営業の小峰を中心とした所属専門家チームが一丸となって、幅広い起業支援・経営支援を行っております。
起業の手続きって何から始めればいいの?といった疑問に対して適切なアドバイスを無料にて行っております。
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信用情報に不安がある場合の準備

信用情報に何らかの不安がある場合、相談前にやっておきたい準備があります。

現在の借入をすべて把握する

現在残っている借入を、貸付元、残高、毎月の返済額、返済方法などまで含めて、紙やExcelに整理しましょう。整理して見える化すると、毎月の返済負担と、新たな借入の影響をイメージしやすくなります。

収入と支出を可視化する

毎月の収入、生活費、固定費、既存の返済額をすべて書き出します。創業融資の返済を新たに加えても、生活と事業が回るかをシミュレーションしましょう。

滞納している税金や社会保険料を確認する

創業融資では、税金や社会保険料の納付状況が確認されることがあります。未納がある場合は、計画的に納付しながら状況を整理することが大切です。事業者ごとの状況によって対応は異なるため、必要に応じて専門家に相談しながら進めましょう。

事業計画書を丁寧に作る

信用情報に不安がある状態では、事業計画書の中身がより重要になります。売上の根拠、資金使途の具体性、返済計画の現実性などを、できる限り丁寧に整理しましょう。

代替の資金調達策

創業融資が難しい場合でも、検討できる選択肢はいくつかあります。

自己資金をさらに準備する

信用情報の影響が大きい場合、借入額そのものを抑えるためにも、自己資金を増やすことが選択肢になります。開業時期を少し後ろにずらして、自己資金の積み立てを優先するケースも見られます。

身近な支援や家族からの援助

家族・親族からの援助や、共同事業者を見つけて出資を受ける方法もあります。返済を前提としない資金は、信用情報に影響しない代わりに、相手との関係性に配慮した整理が必要です。

補助金や助成金の活用

事業内容によっては、補助金や助成金の対象になる場合があります。返済を前提としない制度ですが、申請には事業計画書が必要で、採択されるまでに時間がかかります。資金繰りの中で計画的に位置づけましょう。

段階的な事業立ち上げ

初期投資を抑えた小さなスタートに切り替え、まず実績を作ってから本格的な事業展開に進むという考え方もあります。借入額が小さくなれば、信用情報の影響を受けにくい場合もあります。

FAQ

Q1. 自己破産の履歴があっても創業融資の相談はできますか?

相談自体はできますが、登録されている期間中は審査で慎重に見られやすくなります。事情、現状、事業計画、返済の考え方をきちんと整理して相談することが大切です。

Q2. 過去の延滞は何年で消えますか?

信用情報機関や情報の種類によって異なります。一般的には5年から長くて10年程度が目安と言われていますが、正確な期間は各信用情報機関に確認しましょう。

Q3. 配偶者の信用情報が悪いと、自分の創業融資にも影響しますか?

原則として、創業融資の審査では申込者本人の信用情報が見られます。配偶者の情報が直接影響するわけではありませんが、生活費の見込みなど、世帯全体の収支は確認されることがあります。

まとめ|事実関係を整理してから動く

創業融資はブラックリストでも通るかという質問に対して、「絶対に通る」「絶対に通らない」という答えはありません。信用情報は審査の判断材料の一つであり、事業計画、自己資金、資金使途、返済原資など、他の要素とあわせて総合的に確認されます。

まずは、自分の信用情報を確認し、現在の借入や生活費、税金などを整理することから始めましょう。事業計画と返済の見通しを丁寧に組み立てることで、相談の幅を広げられる可能性があります。

難しい場合は、創業融資や資金調達に詳しい支援機関や専門家に相談しながら、現実的な進め方を検討していきましょう。

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小峰

この記事を書いた人

小峰精公/Kiyotaka Komine

元朝日信用金庫 法人営業
資金繰り解決コンサルタント
V-Spirits総合研究所株式会社 常務取締役
大学卒業後、朝日信用金庫に入庫。朝日信用金庫での経験が原点となり、「銀行融資取引」や「資金繰り」の本質を企業へ伝えていくことがミッションだと確信する。
日本の99%は中小零細企業で成り立っている現状を痛感し、1社でも多くの企業の「資金繰り」の課題を解決していくことに専念する。
クライアント様がより良い商品やサービスを提供することができる環境づくりの一助となれるよう全身全霊を尽くす。

この記事を監修した人

多胡藤夫/Fujio Tago

元日本政策金融公庫支店長、社会生産性本部認定経営コンサルタント、ファイナンシャルプランナーCFP(R)、V-Spirits総合研究所株式会社 取締役
同志社大学法学部卒業後、日本政策金融公庫(旧国民金融公庫)に入行。 約63,000社の中小企業や起業家への融資業務に従事し審査に精通する。
支店長時代にはベンチャー企業支援審査会委員長、企業再生協議会委員など数々の要職を歴任したあと、定年退職。
日本の起業家、中小企業を支援すべく独立し、その後、V-Spiritsグループに合流。
長年融資をする側の立場にいた経験、ノウハウをフル活用し、融資を受けるためのコツを本音で伝えている。

中野裕哲紹介画像

この記事を監修した人

中野裕哲

中野裕哲/Nakano Hiroaki

税理士法人V-Spiritsグループ代表/税理士/行政書士/特定社会保険労務士/採用定着士/ファイナンシャルプランナー/起業コンサルタント/経営コンサルタント/大正大学招聘教授

税理士法人V-Spiritsグループ代表の中野裕哲は、中小企業経営者のために、税務・会計だけでなく、採用、人事、資金繰り、融資、補助金、助成金、営業、Webマーケティング、売上導線設計まで横断的に支援する実戦型経営税理士です。

経営の悩みは、突き詰めると「人・金・売上」に集約されます。中野裕哲は、大企業人事部、人材紹介会社の採用エージェント、中小企業の財務責任者、大手不動産会社での営業、出版・Web制作による集客導線構築など、幅広い実務経験をもとに、経営者の意思決定を支援します。

【対応領域】
税理士顧問、社労士顧問、補助金支援、助成金支援、資金調達支援、採用力診断、売上導線診断、経営参謀顧問。税務・会計・決算・節税に加えて、経営分析、労務管理、社会保険、助成金、採用体制づくり、融資、補助金、事業計画、営業戦略、Webマーケティング、出版、メディア活用まで一体的に相談できます。

中野裕哲は、家業の倒産危機からの壮絶な貧乏体験を原点に、お金で苦しむ経営者をひとりにしないことを掲げています。資金繰り、採用、売上づくりの壁に対して、経営者目線で伴走します。

【主な実績】

  • 起業支援・経営支援の豊富な実績
  • 起業相談件数3,000件以上
  • 資金調達支援1000件以上
  • 大企業Webサイト多数監修
  • 商業出版著書監修約32冊(累計30万部超)

V-Spiritsグループでは、融資・補助金・金融機関対応に詳しい社内役員チームも伴走します。元経済産業省系補助金審査員・事務局員、元日本政策金融公庫支店長、元信用金庫融資担当営業などの専門家が、補助金申請、事業計画、資金繰り、金融機関対応を実務面から支援します。

税理士顧問、社労士顧問、融資、補助金、助成金、採用、営業、マーケティングまで、経営者が本当に悩む領域をワンストップで相談できます。V-Spiritsグループは、起業支援・会社設立・創業融資・補助金助成金・税務会計・人事労務・許認可・経営顧問をワンストップで支援する、起業家・中小企業向けの専門家グループです。

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