
創業計画書 フォーマット|無料テンプレートと記入のポイント
これから創業融資を申し込む方にとって、創業計画書のフォーマットをどこから入手し、どう記入すればよいかは最初の悩みどころです。実は、もっとも一般的に使われている創業計画書のフォーマットは、日本政策金融公庫が無料で公開しているテンプレートです。本記事では、創業計画書フォーマットの入手方法、選び方の考え方、各項目の記入ポイント、ファイル形式別の使い分けまでを、起業直後の個人事業主・中小企業の方向けに整理しました。
創業計画書のフォーマットとは
創業計画書のフォーマットとは、創業時の事業内容や資金計画を整理するための定型書式を指します。創業融資の申し込みで提出を求められることが多く、もっともよく使われるのが日本政策金融公庫が公式に提供しているテンプレートです。
公庫のフォーマットはA4・1枚の構成で、創業の動機・経営者の略歴・取扱商品サービス・取引関係・従業員・借入状況・必要資金と調達方法・事業の見通しという8項目に分かれています。シンプルな様式ながら、起業の準備度合いや事業の将来性が伝わるように設計されています。
事業計画書との違い
創業計画書は「創業前〜創業直後の事業者向け」のフォーマットです。一方、事業計画書は特定の様式がなく、新規事業立ち上げ・経営改善・補助金申請など幅広い場面で使われる、より自由度の高い書類です。創業融資の申込時は、まず公庫の創業計画書を作成し、補強したい内容があれば事業計画書を別途添付するという使い分けが基本になります。
公庫の創業計画書フォーマットを入手する方法
公庫の創業計画書フォーマットは、日本政策金融公庫の公式ウェブサイトから無料でダウンロードできます。利用申込や登録は必要ありません。
公式サイトでは、次のような形式で配布されています。
- PDF形式(記入見本付き)
- Excel形式(直接入力可能)
- 記入例(業種別)
記入例は、飲食店・美容室・士業・建設業・小売業・サービス業など、業種別に用意されています。自分の業種に近い記入例を見ながら作成すると、表現の粒度や数字感覚を掴みやすくなります。
フォーマットを選ぶときの考え方
創業計画書のフォーマットは、公庫の様式以外にも、各地の信用保証協会や自治体の制度融資で独自のものが用意されている場合があります。ただし、いきなり自治体フォーマットを使うのではなく、まずは公庫フォーマットで内容を作り込んでから、必要に応じて他様式へ展開するのが効率的です。公庫フォーマットで論理が固まっていれば、他の様式への転用は比較的容易です。
創業計画書フォーマットの構成と記入のポイント
公庫の創業計画書フォーマットは、次の8項目で構成されています。それぞれの記入ポイントを順番に見ていきましょう。
1. 創業の動機
「なぜこの事業を始めるのか」を記載する欄です。思いつきや勢いではなく、十分な準備期間を経て計画的に進めていることが伝わるように書きます。前職での経験、業界知見の積み上げ、自己資金の蓄積過程、具体的な準備行動などを盛り込むと説得力が高まります。
2. 経営者の略歴等
学歴・職歴・保有資格・過去の事業経験を記載します。これから始める事業との関連性が重視されます。同業種での勤務経験が長いほど、事業継続の可能性が高いと評価されやすい項目です。担当業務や役職、在籍年数も具体的に書きましょう。
3. 取扱商品・サービス
販売する商品やサービスの内容、セールスポイント、販売戦略を記載します。「他社と何が違うのか」「誰に・何を・どうやって売るのか」を明確にすることがポイントです。
4. 取引先・取引関係等
主な販売先・仕入先・人件費の支払条件を記載します。創業前から取引予定先が決まっていると、売上見込みの確実性が高まります。法人取引中心の業種では特に重要な項目です。
5. 従業員
雇用予定人数を、家族従業員と一般従業員に分けて記載します。一人で開業する場合は0人で問題ありません。
6. お借入の状況
経営者個人の借入状況(住宅ローン、自動車ローン、カードローンなど)を正直に記載します。信用情報で確認されるため、虚偽記載は避けましょう。
7. 必要な資金と調達方法
設備資金・運転資金それぞれの内訳と、自己資金・借入金(公庫融資)の調達割合を記載します。「必要資金の合計」と「調達方法の合計」が一致しないと書類不備となるため、必ず検算してください。
8. 事業の見通し(月平均)
創業当初と軌道に乗った後の売上・売上原価・経費・利益を記載します。客単価×客数、稼働率×単価など、根拠を別紙で添付できると安心です。
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フォーマットの形式別の使い分け
公庫の創業計画書フォーマットは、PDF形式とExcel形式の2種類で配布されています。それぞれの特徴を理解して使い分けましょう。
PDF形式
記入見本付きで配布されているため、書き方を確認しながら手書きで作成するのに向いています。記入欄の枠線がしっかりしており、提出時の見栄えがよい一方、修正が多い場合は書き直しが必要になります。
Excel形式
パソコンで直接入力できるため、修正がしやすいのが利点です。数値の計算式を埋め込んでおけば、必要資金と調達方法の合計チェックも自動化できます。提出はカラー印刷でもモノクロ印刷でも問題ありません。
初めて創業計画書を作成する方には、Excel形式での作成をおすすめします。何度も書き直しながら内容を磨いていける点が大きなメリットです。
フォーマットを活かして書くときの3つのコツ
コツ1:A4・1枚に収まる情報量で簡潔に書く
公庫のフォーマットは1枚です。情報を詰め込みすぎると読みにくくなります。要点を簡潔にまとめ、補足したい内容は別紙で用意するのが基本です。
コツ2:数字には必ず根拠を添える
「月商100万円」と書くなら、「客単価3,000円 × 1日10人 × 25営業日」のように分解できる根拠が必要です。根拠なき数字は審査担当者から不安視されます。
コツ3:第三者にチェックしてもらう
家族や知人ではなく、起業支援の経験がある専門家に見てもらうのが理想です。融資審査の視点で添削を受けると、書類の説得力が大きく変わります。
よくある質問(FAQ)
Q. 公庫以外の創業計画書フォーマットは使えますか?
A. 自治体の制度融資や信用保証協会では独自フォーマットが用意されている場合があります。ただし、公庫融資を申し込む際は公庫指定のフォーマットを使う必要があるため、まずは公庫フォーマットで作成するのが基本です。
Q. フォーマットを自作してもよいですか?
A. 公庫融資の申込時には、公庫の指定様式を使うのが原則です。自作の事業計画書は補足資料として別途添付できます。
Q. 手書きとパソコン入力ではどちらが評価されますか?
A. 評価そのものに大きな差はありません。ただし、修正や見直しのしやすさからExcel形式が便利です。
まとめ
創業計画書のフォーマットは、日本政策金融公庫の公式ウェブサイトから無料でダウンロードできます。PDFとExcelの2種類があり、初めて作成する方にはExcel形式がおすすめです。8つの記入項目それぞれに意図があるため、フォーマットを埋めることが目的ではなく、事業の準備度合いと将来性を伝えることを意識して作成してください。記入に迷う場合や客観的なチェックを受けたい場合は、起業支援の経験がある専門家への相談を検討するとよいでしょう。
監修執筆者プロフィール
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この記事を書いた人
小峰精公/Kiyotaka Komine
元朝日信用金庫 法人営業
資金繰り解決コンサルタント
V-Spirits総合研究所株式会社 常務取締役
大学卒業後、朝日信用金庫に入庫。朝日信用金庫での経験が原点となり、「銀行融資取引」や「資金繰り」の本質を企業へ伝えていくことがミッションだと確信する。
日本の99%は中小零細企業で成り立っている現状を痛感し、1社でも多くの企業の「資金繰り」の課題を解決していくことに専念する。
クライアント様がより良い商品やサービスを提供することができる環境づくりの一助となれるよう全身全霊を尽くす。

この記事を監修した人
多胡藤夫/Fujio Tago
元日本政策金融公庫支店長、社会生産性本部認定経営コンサルタント、ファイナンシャルプランナーCFP(R)、V-Spirits総合研究所株式会社 取締役
同志社大学法学部卒業後、日本政策金融公庫(旧国民金融公庫)に入行。 約63,000社の中小企業や起業家への融資業務に従事し審査に精通する。
支店長時代にはベンチャー企業支援審査会委員長、企業再生協議会委員など数々の要職を歴任したあと、定年退職。
日本の起業家、中小企業を支援すべく独立し、その後、V-Spiritsグループに合流。
長年融資をする側の立場にいた経験、ノウハウをフル活用し、融資を受けるためのコツを本音で伝えている。

この記事を監修した人

中野裕哲/Nakano Hiroaki
税理士法人V-Spiritsグループ代表/税理士/行政書士/特定社会保険労務士/採用定着士/ファイナンシャルプランナー/起業コンサルタント/経営コンサルタント/大正大学招聘教授
税理士法人V-Spiritsグループ代表の中野裕哲は、中小企業経営者のために、税務・会計だけでなく、採用、人事、資金繰り、融資、補助金、助成金、営業、Webマーケティング、売上導線設計まで横断的に支援する実戦型経営税理士です。
経営の悩みは、突き詰めると「人・金・売上」に集約されます。中野裕哲は、大企業人事部、人材紹介会社の採用エージェント、中小企業の財務責任者、大手不動産会社での営業、出版・Web制作による集客導線構築など、幅広い実務経験をもとに、経営者の意思決定を支援します。
【対応領域】
税理士顧問、社労士顧問、補助金支援、助成金支援、資金調達支援、採用力診断、売上導線診断、経営参謀顧問。税務・会計・決算・節税に加えて、経営分析、労務管理、社会保険、助成金、採用体制づくり、融資、補助金、事業計画、営業戦略、Webマーケティング、出版、メディア活用まで一体的に相談できます。
中野裕哲は、家業の倒産危機からの壮絶な貧乏体験を原点に、お金で苦しむ経営者をひとりにしないことを掲げています。資金繰り、採用、売上づくりの壁に対して、経営者目線で伴走します。
【主な実績】
- 起業支援・経営支援の豊富な実績
- 起業相談件数3,000件以上
- 資金調達支援1000件以上
- 大企業Webサイト多数監修
- 商業出版著書監修約32冊(累計30万部超)
V-Spiritsグループでは、融資・補助金・金融機関対応に詳しい社内役員チームも伴走します。元経済産業省系補助金審査員・事務局員、元日本政策金融公庫支店長、元信用金庫融資担当営業などの専門家が、補助金申請、事業計画、資金繰り、金融機関対応を実務面から支援します。
税理士顧問、社労士顧問、融資、補助金、助成金、採用、営業、マーケティングまで、経営者が本当に悩む領域をワンストップで相談できます。V-Spiritsグループは、起業支援・会社設立・創業融資・補助金助成金・税務会計・人事労務・許認可・経営顧問をワンストップで支援する、起業家・中小企業向けの専門家グループです。




























