
起業したいけどビジネスアイデアがない人へ──“思い込み”から解放される一歩
「起業したい!」と思っても、「じゃあ何やろう?」と考え始めるとアイデアが浮かばない…。そんなジレンマは、多くのこれからの起業家が直面する悩み。実は、アイデアがないこと自体には問題がありません。むしろ、今だからこそ、本質的に大切な“探し方”や“視点”を整えるタイミングだと捉えましょう。以下に、実務に根ざした具体的ステップを整理しました。
① 自分の“体験・困りごと”から逆算してみる
アイデアは、難しく考えるほど棚上げされがちです。まずは、「自分が経験したこと」「人から聞いた困りごと」を書き出してみましょう。
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たとえば「子育て中に〇〇がめんどうだった」「親が老後に□□で困っていた」など
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「元職場で××が非効率だった」「お客様から△△の相談をよく受けた」など
こうした過去の体験は、本質的なニーズの素になります。
② 小さい“刺さり”から仮説を立てる
困りごとからヒントを得て、小さく解決する仮説を立ててみましょう。
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例:子育てママ向けに、〇〇がサッとできる商材
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例:高齢者向けの□□サービスを自分でやってみる
この時点では「仮説」段階OK。仲間や家族に聞いてみれば「いいね」とか「…どうしよう」とか、反応が返ってきます。そこにこそアイデアの芽があるものです。
③ 市場を見る:他社の“すき間”を探す
仮説を持ったら、似たサービスを検索してみてください。
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SNS、ホームページ、ECサイト、アプリなどをチェック
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「〇〇しているけど、△△がないな」「□□まではカバーしているのに、そこだけ抜けてる」などのすき間が見つかるはず
そこに、自分版の“サービス設計”の角度が見えてきます。
④ 小さく試してフィードバックを得る(≒トライアル)
ネット広告やポスティング、友人知人への案内でミニお試し・モニター実施。
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テスト販売や体験会を小規模で実施し、「どうだった?」を聞く機会をつくる
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アンケート・口頭インタビューなどで感想を集め、PDCAを回します
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改善の鋭さこそ、アイデアを強くします
⑤ 小さく始めるための準備
最初から大がかりに始めない工夫が重要です。
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法人にしなくても個人事業主でOK
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ツールはクラウド型、経理はクラウド会計で簡便に
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契約書・見積書もテンプレートから始めて整える
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ネットで必要許可を確認し、不要なら先に進む
“小さく始める”と心が楽になり、一歩が出やすくなります。
⑥ アイデアが出ないときの“脳の癖”との付き合い方
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完璧主義バイアス:最初から完ぺきなアイデアを作ろうとすると止まります。70点でOK。
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思考の空回り:「アイデアが出ない」→「自分はダメだ」となりがち。紙に書き出すと気持ちが落ち着き、本質が見えてきます。
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周囲の期待重荷:「何か見つけなきゃ」というプレッシャーは不要です。ゆっくり探していい。むしろそうすると「出会い」が来やすくなります。
⑦ 継続力のスイッチをつくる
アイデアが芽吹かない時、継続できる体制をつくっておくことで動けるようになります。
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月1回の自分会議(zoomでも可)で進捗を書き出す
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仲間同士でアイデア共有会を設ける
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ビジネススクールやコミュニティに入って刺激を得る
ひとりで進めるより、一緒に歩む場を用意することで前に進みやすくなります。
✅まとめ:アイデアは“つくる”ものではなく“育てる”もの
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自分の経験や悩みから“小さな気づき”を書き出す
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市場のすき間と照らし合わせて、仮説を立てる
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小規模に試して実際に反応を得て、改良し続ける
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完璧を求めず、まずは動く
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継続できるための仕組みを自分にもたらす
こうしたプロセスを経て、初めて「ビジネスアイデアがない状態」から脱却し、「自分の強さに基づくアイデア」を育てていくことができます。
もし「どう書き出せばいいの?」「トライアルをどう企画する?」といったご相談があれば、いつでもお気軽にお声がけください。全力でサポートいたします。
【無料相談のご案内】
起業の手続きって何から始めればいいの?といった疑問に対して適切なアドバイスを無料にて行っております。
無料相談も行っているので、ぜひ一度、ご相談ください。お問い合わせお待ちしております!
この記事を書いた人
中野裕哲/Nakano Hiroaki
起業コンサルタント(R)、経営コンサルタント、税理士、特定社会保険労務士、行政書士、サーティファイドファイナンシャルプランナー・CFP(R)、1 級FP技能士。大正大学招聘教授(起業論、ゼミ等)
V-Spiritsグループ創業者。税理士法人V-Spiritsグループ代表。東京池袋を本拠に全国の起業家・経営者さんを応援!「ベストセラー起業本」の著者。著書20冊、累計25万部超。経済産業省後援「DREAMGATE」で12年連続相談件数日本一。
【まるごと起業支援(R)・経営支援】
起業コンサル(事業計画+融資+補助金+会社設立支援)+起業後の総合サポート(経理 税務 事業計画書 融資 補助金 助成金 人事 給与計算 社会保険 法務 許認可 公庫連携 認定支援機関)など
【略歴】
経営者である父の元に生まれ、幼き頃より経営者になることを目標として過ごす。バブル崩壊の影響を受け経営が悪化。一家離散に近い貧困状況を経験し、「経営者の支援」をライフワークとしたいと決意。それに役立ちそうな各種資格を学生時代を中心に取得。同じく経営者であるメンターの伯父より、単に書類や手続を追求する専門家としてではなく、視野を広げ「ビジネス」の現場での経験を元に経営者の「経営そのもの」を支援できるような専門家を目指すようアドバイスを受け、社会人生活をスタート。大手、中小、ベンチャー企業、会計事務所等で営業、経理、財務、人事、総務、管理職、経営陣等、ビジネスの「現場」での充実した修行の日々を送ったあと、2007年に独立。ほかにはない支援スタイルが起業家・経営者に受け入れられ、経済産業省「DREAM GATE」にて、面談相談12年連続日本一。補助金・助成金支援実績600件超。ベストセラー含む起業・経営本20冊を出版。累計25万部超。無料相談件数は全国から累計3000件を超す。
この記事を監修した人
多胡藤夫/Fujio Tago
元日本政策金融公庫支店長、社会生産性本部認定経営コンサルタント、ファイナンシャルプランナーCFP(R)、V-Spirits総合研究所株式会社 取締役
同志社大学法学部卒業後、日本政策金融公庫(旧国民金融公庫)に入行。 約63,000社の中小企業や起業家への融資業務に従事し審査に精通する。
支店長時代にはベンチャー企業支援審査会委員長、企業再生協議会委員など数々の要職を歴任したあと、定年退職。
日本の起業家、中小企業を支援すべく独立し、その後、V-Spiritsグループに合流。
長年融資をする側の立場にいた経験、ノウハウをフル活用し、融資を受けるためのコツを本音で伝えている。