
採用できない中小企業が外部支援を活用して採用を立て直す方法【Q&A】
採用できない中小企業の悩みは「自社だけで解決しよう」を見直すところから
「求人を出しても応募が来ない」「面接まで進んでも辞退される」「採れても数か月で辞めてしまう」——中小企業の経営者・人事担当者からよく寄せられる相談の代表例です。求人媒体や条件を多少いじっても改善しない場合、社内のリソースとノウハウだけで解決しようとしている構造そのものに原因があるケースが多いといえます。
この記事では、採用できない中小企業がどの段階でどんな外部支援を活用すれば採用を立て直せるのか、Q&A形式でわかりやすく整理します。本記事の内容は2026年5月時点の一般的な情報であり、実際の制度・サービス内容は提供事業者によって異なります。
そもそも、なぜ中小企業は採用できなくなっているのか
大手・成長企業との競合激化
有効求人倍率は依然として高水準で推移しており、求職者にとっては「選べる」マーケットです。給与・福利厚生・働き方の柔軟性で他社と比較される前提のため、何となく求人票を出しただけでは、検索結果の中で埋もれてしまいます。
採用ノウハウと担当者のリソース不足
中小企業では、経営者か総務担当者が、本業の合間に採用業務を兼務しているケースがほとんどです。求人原稿の改善、応募初動、面接設計、内定後のフォロー、入社後オンボーディングまで、本来は専門領域です。片手間で全工程を担うと、応募対応が遅れて辞退され、面接の質が安定せずミスマッチが起きる、という負の循環が定着します。
「採用できれば終わり」になっていない仕組みの欠如
採用は入社がゴールではなく、定着までを含めた一連の流れです。入社後3か月以内の離職が続いている場合、採用基準と現場との認識ずれ、または受け入れ体制側に課題があります。採用工数を増やしても、定着率が上がらない限り、人手不足は解消しません。
採用の外部支援には大きく3タイプある
(1) 採用代行(RPO):実務を外注する
採用代行(Recruitment Process Outsourcing)は、求人原稿作成・スカウト送信・応募者対応・日程調整・面接同席・内定フォローなど、採用実務の一部または全部を外部委託するサービスです。社内に採用担当者を新たに雇うよりも、必要な工程だけ依頼できる柔軟性が魅力です。
(2) 採用コンサルティング:戦略・診断を依頼する
「何をすればいいかが分からない」段階の中小企業に向くのが採用コンサルティングです。現状診断・採用ペルソナ設計・媒体選定・面接フロー設計などを伴走で行います。実務は社内で回し、設計と判断を外部の知見で補強したい場合に適しています。
(3) 採用定着支援:採用と定着を一体で設計する
採用定着支援は、採用代行・採用コンサルに加えて、入社後のオンボーディング・評価制度・1on1運用・離職予兆検知まで含めて、採用から定着までを一気通貫で設計する支援領域です。「採れても辞める」課題を抱える中小企業に向きます。V-Spiritsの採用定着支援は、このタイプに該当します。
外部支援を入れる前に整理しておきたい3つの論点
(1) 採用できない原因はどの工程にあるか
応募が来ないのか、応募はあるが面接に進まないのか、内定後の辞退が多いのか、入社後の離職が早いのか。詰まっている工程が違えば、効果的な打ち手も異なります。外部支援を選ぶ前に、母集団形成・選考・内定・定着のどの段階でロスが出ているかを、過去1〜2年の数字で言語化しておくと、ミスマッチが減ります。
(2) 採用に投下できる年間予算
採用代行の月額費用は10万円台〜数十万円が中心レンジで、対象範囲が広がるほど高くなります。「人を1人採用するために、媒体費・成功報酬・外部支援費を合計でどこまで使えるか」を年間ベースで決めておくと、見積比較がぶれません。
(3) 社内の意思決定スピードと採用基準
応募者対応のスピードや、面接通過判断の基準が曖昧だと、せっかく外部支援を入れても効果が半減します。「24時間以内に一次返信」「3営業日以内に合否連絡」など、最低限のSLAを社内で握ったうえで支援開始するとスムーズです。
Q&A:採用できない中小企業が外部支援を活用するときの疑問
Q1:自社で採用してきたが限界を感じています。最初の相談先はどこがよいですか
「採用できない原因がどこにあるか」が言語化できていない段階であれば、いきなり採用代行を発注するよりも、現状診断ができる採用定着支援士や採用コンサルへの無料相談から入るのが効率的です。媒体選定や求人原稿だけ変えても改善しないケースが多く、最初の現状分析の精度がその後の打ち手の効果を決めます。
Q2:採用代行の費用相場はどのくらいですか
採用代行の料金は、依頼する工程の数と母集団形成の手段で大きく変わります。スカウト送信代行など部分委託で月10万円台、面接設計から内定フォローまでの広範な支援で月数十万円というレンジが一般的です。「採用1人あたりトータルコスト(媒体費+成功報酬+外部支援費)」を試算して、社内採用と外部支援の損益分岐を比較すると判断しやすくなります。
Q3:採用支援と定着支援は別々に頼んだほうがいいですか
採用と定着は連続した一連の流れなので、できれば一体で見てくれる支援先のほうが、効果も改善スピードも上がりやすいです。採用基準と現場の受け入れ基準がずれているために定着しないケースが多く、「採用のときに何を見て採ったか」が定着支援のスタート地点になります。一気通貫で見られる外部支援先を選ぶと、責任の押し付け合いが起きにくくなります。
採用と定着の支援を、戦略診断から仕組みづくりまで一体で依頼したい場合は、採用定着士による伴走型支援を検討する選択肢があります。専門家ネットワークと中小企業支援の実績がある支援先のほうが、自社の業種・規模感に合った設計を一緒に組み立てやすくなります。
採用課題の整理から定着の仕組みづくりまで、専門家がご支援します
「業績は好調なのに採用ができない・定着しない」という悩みは、採用市場の構造的な変化が背景にあるため、現状分析と施策の優先順位付けから始めるのが近道です。V-Spiritsの採用定着支援士は、一般社団法人採用定着支援協会と連携した全国500以上の専門家ネットワーク、累計2,000社超の支援実績をもとに、労務・財務まで含めた総合的な視点で伴走します。
Q4:採用代行に頼ると社内に採用ノウハウが残らないのでは
これは外部支援を選ぶ際によく出る懸念ですが、支援先の設計次第で対応できます。完全外注ではなく、「設計と判断は社内、実務の一部だけ代行」という分担にしたり、毎月のミーティングで判断基準と歩留まりを共有してもらう契約にすれば、社内側にもノウハウが蓄積されます。契約前に「内製化を見据えた支援設計をしているか」を確認しておくと安心です。
Q5:失敗しない外部支援先の選び方は
選ぶ際に確認したい点は次の5つです。
- 自社と同じ業種・規模の支援実績があるか
- 採用だけでなく定着までスコープに入れているか
- 診断・現状分析を最初に丁寧に行う設計か
- 月次のレポーティング項目と判断基準を明示できるか
- 労務・人事制度・補助金まで横断で相談できるネットワークがあるか
「応募数を増やします」とだけ伝えてくる支援先より、「どこで詰まっているかを一緒に診ます」と言ってくれる支援先のほうが、結果的に費用対効果は高い傾向があります。
採用を立て直す3ステップの基本フロー
ステップ1:現状診断と課題の言語化
過去の応募〜入社〜定着までの数字を整理し、母集団・選考・内定・定着のどこに詰まりがあるかを明確にします。経営者の感覚値ではなく、応募経路別の応募数・面接通過率・内定承諾率・3か月定着率などの実数で語れる状態に持っていきます。
ステップ2:求人原稿・選考プロセスの再設計
競合企業の給与・条件・働き方を比較したうえで、自社の求人原稿のターゲットを絞り直し、応募後の初動対応・面接フローを再設計します。応募から1次返信までを24時間以内にする、面接で聞く質問を5カテゴリに整理するなど、地道な改善が応募〜内定承諾率を引き上げます。
ステップ3:オンボーディングと定着の仕組み化
入社後30日・60日・90日でのフォロー面談、評価基準の共有、定期1on1の設計など、入社後の離脱を防ぐ仕組みを整えます。採用工程の改善と定着工程の整備をセットで進めることで、はじめて「採用が回る会社」に近づきます。
まとめ:採用できないと感じたら、原因の特定から始める
採用できない中小企業の多くは、「もっと求人を出そう」「もっと媒体を増やそう」というアクションに走りがちですが、母集団・選考・定着のどこで詰まっているかを言語化しないままだと、外部支援を入れても効果が出ません。
外部支援を活用するときは、まず現状診断と課題の言語化から入り、自社の状況に合わせて採用代行・採用コンサル・採用定着支援を組み合わせて使うのが現実的です。「採れない」「辞める」が同時に起きている場合は、採用と定着を一気通貫で見られる採用定着支援を軸に、補助金・助成金・労務まで横断で相談できる支援先を選ぶと、立て直しのスピードが上がります。
判断に迷う段階であれば、まずは無料相談で現状を整理してもらい、自社に合う支援タイプを見極めるところから始めるのが安全です。本記事の内容は2026年5月時点の一般的な情報であり、各支援サービスの具体的な内容・料金は提供事業者に直接ご確認ください。

この記事を監修した人

中野裕哲/Nakano Hiroaki
起業コンサルタント(R)、経営コンサルタント、税理士、特定社会保険労務士、行政書士、サーティファイドファイナンシャルプランナー・CFP(R)、1 級FP技能士。大正大学招聘教授(起業論、ゼミ等)
V-Spiritsグループ創業者。税理士法人V-Spiritsグループ代表。東京池袋を本拠に全国の起業家・経営者さんを応援!「ベストセラー起業本」の著者。著書20冊、累計25万部超。経済産業省後援「DREAMGATE」で12年連続相談件数日本一。
【まるごと起業支援(R)・経営支援】
起業コンサル(事業計画+融資+補助金+会社設立支援)+起業後の総合サポート(経理 税務 事業計画書 融資 補助金 助成金 人事 給与計算 社会保険 法務 許認可 公庫連携 認定支援機関)など
【略歴】
経営者である父の元に生まれ、幼き頃より経営者になることを目標として過ごす。バブル崩壊の影響を受け経営が悪化。一家離散に近い貧婚状況を経験し、「経営者の支援」をライフワークとしたいと決意。それに役立ちそうな各種資格を学生時代を中心に取得。
同じく経営者であるメンターの伯父より、単に書類や手続を追求する専門家としてではなく、視野を広げ「ビジネス」の現場での経験を元に経営者の「経営そのもの」を支援できるような専門家を目指すようアドバイスを受け、社会人生活をスタート。
大手、中小、ベンチャー企業、会計事務所等で営業、経理、財務、人事、総務、管理職、経営陣等、ビジネスの「現場」での充実した修行の日々を送ったあと、2007年に独立。
ほかにはない支援スタイルが起業家・経営者に受け入れられ、数々の実績を残しています。V-Spiritsグループは、起業支援・会社設立・創業融資・補助金助成金・税務会計・人事労務・許認可・経営顧問をワンストップで支援する、起業家・中小企業向けの専門家グループです。
- 経済産業省「DREAM GATE」にて、面談相談12年連続日本一
- 補助金・助成金支援実績600件超
- ベストセラー含む起業・経営本20冊を出版(累計25万部超)
- 無料相談件数は全国から累計3,000件超
この記事を書いた人
坂井 優介(Yusuke Sakai)
起業コンサルタント® / 採用定着士 / 行政書士法人V-Spirits 補助者
1988年東京都生まれ。転勤族の父の影響で幼少期を愛知・長野・岩手・埼玉で過ごす。転入するたびに方言や文化の違いをからかわれつつも、1週間もあれば現地に溶け込む適応力を身につける。
大学在学中に公認会計士試験にチャレンジするも挫折し、アルバイト先だった埼玉の大手学習塾に就職。塾業界特有の過酷な労働環境の中でも10年間勤務を続けるが、成果を上げても給与が変わらない状況に限界を感じ、在職中に会計士試験に再挑戦。再び挫折するも、学んだ会計知識を活かせる職場を求めて転職活動を開始。2021年にV-Spiritsグループに参画し、2022年よりV-Spirits総合研究所の常務取締役に就任。
現在は、中小企業の経営者向けに補助金・助成金の支援から採用定着の仕組みづくりまで幅広く担当。「制度を使いこなす中小企業を増やす」をテーマに、現場に寄り添ったサポートを行っている。
役職:V-Spirits総合研究所株式会社 常務取締役 / 税理士法人V-Spirits 業務部長 / 社会保険労務士法人V-Spirits 業務部長
担当業務:経済産業省系補助金支援・厚生労働省系助成金支援・マーケティング・人事労務・採用定着支援




























