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コラム

3Dレーザースキャナー導入に使える補助金4制度|費目別の対象判定と1台購入の壁

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3Dレーザースキャナー導入費は補助金でどこまで賄えるか

3Dレーザースキャナーの導入を検討し始めると、販売店から出てくる見積書は機器本体だけでは終わりません。点群処理ソフト、処理に耐えるパソコン、データを置くクラウド、操作研修、年間保守。合計すると当初想定していた金額の1.5倍近くになることもあり、そこで「補助金でどこまで賄えるのか」という疑問にぶつかります。

ところが補助金の側は、「3Dレーザースキャナーは対象です」という単位では判定されません。判定されるのは制度ごとの経費区分であり、同じ見積書でも制度が変われば対象になる行と外れる行が入れ替わります。この記事では、測量や土木施工を手がける中小企業の経営者の方に向けて、見積書の費目ごとに対象判定がどう変わるのかを整理し、そのうえで候補になる4つの制度と、外れやすい条件を解説します。数字と制度名は2026年8月時点の公募要領・社内資料に基づくもので、申請時は必ず最新の公募要領をご確認ください。

見積書に並ぶ6つの費目を先に分解する

制度選びの前に、手元の見積書を費目に分けておくと判断が早くなります。3D計測の内製化では、おおむね次の6種類が並びます。

  • スキャナー本体・付属品:本体、三脚、バッテリー、キャリングケースなど
  • 点群処理ソフト:点群の合成・ノイズ除去・出来形帳票の作成などを行うソフトウェア
  • 連携ソフト:設計データや図面と点群を突き合わせるための解析・変換ソフト
  • 処理用パソコン:大容量の点群を扱うための高性能パソコンやモニター
  • クラウドサービス:点群データの保管、現場と事務所でのデータ共有サービスの利用料
  • 導入支援・保守:初期設定、操作研修、年間の保守サポート契約

このうち、どの制度でも比較的乗せやすいのは本体とソフトです。判断が割れるのはパソコン、クラウド、保守の3つで、ここを見積書の中で分けないまま申請の相談に入ると、後から補助対象額が想定より小さくなって資金計画が崩れます。まずは販売店に、費目ごとに金額が分かれた見積書を出してもらうところから始めてください。

費目別に見た対象判定の考え方

本体・付属品:金額の下限に届いているかを先に見る

スキャナー本体は機械装置にあたるため、設備投資を前提とする制度であれば経費区分としては乗ります。ただし制度ごとに金額の下限が設定されています。新事業進出・ものづくり商業サービス補助金の革新的新製品・サービス枠では機械装置・システム構築費の単価が10万円(税抜)以上、中小企業省力化投資補助金(一般型)では単価50万円(税抜)以上の機械装置等を最低1つ入れることが求められます。

さらに補助金全体の下限もあります。革新的新製品・サービス枠は補助金額の下限が100万円、新事業進出枠は750万円です。補助率が中小企業者で2分の1であることを踏まえると、革新的新製品・サービス枠に乗せるには補助対象経費でおおむね200万円以上、新事業進出枠では1,500万円以上の投資規模が前提になります。スキャナー1台の導入だけでは、後者の枠には金額が届かないという結論になりやすいところです。

処理用パソコン:汎用品は原則として外れる

点群処理には高性能なパソコンが要りますが、ここが最も外れやすい費目です。革新的新製品・サービス枠では、汎用のパソコン・スマートフォン・車両・家賃・建物の単なる購入等が補助対象外と明記されています。デジタル化・AI導入補助金でも、パソコンやタブレットのハード単体購入は対象外で、対象ソフトとセットになる類型で一部が対象になる扱いです。

「スキャナーとセットで買うのだから当然入る」と考えて資金計画を組むと、この行がまるごと自己負担に回ります。パソコンは自己資金や借入で手当てする前提に置き、補助金で賄う部分から先に外しておくほうが、計画は崩れにくくなります。

点群処理ソフト・連携ソフト:制度によって主役にも脇役にもなる

ソフトウェアは、デジタル化・AI導入補助金では中心的な対象経費です。ただしこの制度は、事務局に登録されたIT導入支援事業者の支援を受けて申請し、登録されたツールを導入することが前提になっています。導入予定の点群処理ソフトが登録ツールに含まれているかどうかが、事実上の入口になります。

一方、省力化投資補助金(一般型)や革新的新製品・サービス枠では、専用ソフト・情報システムが機械装置・システム構築費の中に位置づけられます。ソフト単独ではなく、機器と一体の投資として計画に組み込む形です。

クラウド・研修・保守:期間の上限と「一体性」で判断が分かれる

クラウドサービス利用料は、デジタル化・AI導入補助金では最大2年分が対象です。3年目以降の利用料は自社負担になるため、ランニングコストとして収支計画に織り込んでおく必要があります。省力化投資補助金(一般型)でもクラウドサービス利用費が対象経費に挙がっていますが、補助事業専用の利用であることが前提とされています。全社共通で使っているストレージの契約をそのまま乗せる、という組み方は成り立ちにくいところです。

設定・研修・マニュアル作成・保守サポートは、デジタル化・AI導入補助金では導入関連費として整理されています。設備側の制度では、導入と一体の軽微な据付・改良等が対象に含まれるという書き方になっており、年間保守契約のような継続的な費用とは扱いが異なります。

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補助金専門行政書士法人は、V-Spirits元補助金審査員の三浦を中心とした専門家チームが補助金支援を行っております。「このケースは補助金の対象になるのか?」といった疑問にも、無料でお答えしております。お気軽にご相談ください。

候補になる4つの制度と、外れやすい条件

中小企業省力化投資補助金(一般型):1台の単体購入では通らない

外注していた3D計測を内製化し、測量や出来形管理の工数を減らすという文脈であれば、まず候補に挙がる制度です。補助上限は1億円で、既存事業の省力化・生産性向上が主題になります。

ただしこの制度には、対象設備にオーダーメイド性が求められるという要件があります。省力化に資する汎用設備を複数組み合わせてより高い省力化効果を生む場合、あるいは導入環境に応じて周辺機器や構成する機器の数、搭載する機能等が変わる場合は、汎用設備でもオーダーメイド設備とみなされます。逆に、単に汎用設備を単体で導入する事業は対象外です。単価50万円以上という要件を満たしていても、それだけでは足りません。

スキャナーを1台買って終わり、という計画はこの要件に正面からぶつかります。現場側の計測機器、事務所側の処理環境、既存の施工管理システムとの連携までを一つの省力化の仕組みとして設計し、なぜこの構成になったのかを事業計画で説明できる形にしておく必要があります。事業計画では労働生産性を年平均4.0%以上伸ばす計画が求められ、賃上げ目標が未達の場合は返還が発生しうる制度でもあります。

デジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金):ソフト中心の投資なら

点群処理ソフトやデータ共有基盤の整備が投資の中心で、機器は最小限という組み立てであれば、この制度が合います。補助上限は通常枠で450万円、インボイス枠で350万円、複数者連携デジタル化・AI導入枠で3,000万円です。3,000万円という数字だけが独り歩きしがちですが、これは複数社が連携して共通基盤を導入する枠の金額であり、1社単独の導入では通常枠の450万円が上限になります。

革新的新製品・サービス枠:「すでに相当程度普及している」の壁

新事業進出・ものづくり商業サービス補助金の革新的新製品・サービス枠は、自社の技術力等を活かして顧客等に新たな価値を提供する新製品・新サービスを開発する取組が対象です。ここで気をつけたいのが、単なる設備・システム導入、既存製品・サービスの生産プロセス改善、同業で既に相当程度普及している開発は対象外とされている点です。

3Dレーザースキャナーによる計測そのものは、測量・建設業界ではすでに広がっている手法です。「スキャナーを導入して3D計測ができるようになる」という書き方では、この3つの対象外要件すべてに触れかねません。この枠を狙うのであれば、点群を使って何を新しく提供するのか、それが同業でまだ広がっていないと言えるのはなぜかを、計画の主語に据える必要があります。

新事業進出枠:計測サービスの外販を考えるなら

点群計測を新しい収益源として外部に販売する、という構想であれば新事業進出枠が視野に入ります。建物費が対象になる唯一の枠でもあります。ただし補助下限が750万円と高く、新規設立・創業後1年に満たない事業者は対象外です。

判定でつまずきやすいのは新規性の考え方です。既存事業と同一市場、既存製品の増産・再製造、単なる製法変更、単に商圏が違うだけといった内容は「新事業進出」に該当せず対象外とされています。これまで自社の工事のために行っていた計測を、そのまま他社にも売るという説明では、同一市場と読まれる可能性があります。

なお、小規模事業者持続化補助金は販路開拓が主題の制度で、建設業は「製造業その他」として常時使用する従業員20人以下が対象範囲です。計測サービスを新しく打ち出すための広報やウェブサイト整備には使えますが、スキャナー本体の購入を主役に据えるには制度の目的と合いにくいところがあります。中小企業省力化投資補助金(カタログ注文型)は、カタログに登録された省力化製品を販売事業者と共同で申請する制度なので、該当する製品カテゴリがカタログにあるかどうかが入口になります。

三浦高

💬 執筆者の三浦から一言

事務局で申請書を見ていた立場から言うと、計測機器は現場でのデモや試用から話が始まるので、どの時点が発注や契約にあたるのかが曖昧なまま進みがちです。交付決定の前に発注・契約・購入をすると対象外になりますので、貸出機の扱いと発注日を販売店と書面で確認してから動くと、順番で崩れずに済みます。

時間の順番で崩れないための3点

制度を選び終えたあとに待っているのが、日程の調整です。次の3点は、機器の納期や現場の繁忙期とぶつかりやすいところです。

交付決定前の発注は対象外です。採択の通知が届いた段階ではまだ事業を始められません。交付決定を受ける前に発注・契約・購入をした経費は対象外になります。受注してから機材を手配する建設業の購買のリズムとは噛み合わない場面が出てきます。

実施期間には上限があります。革新的新製品・サービス枠は交付決定日から10か月以内、新事業進出枠は交付決定日から14か月以内が補助事業の実施期間です。納期の長い機器を選ぶ場合は、この期間内に導入と支払いまで終わるかを先に確認してください。

公募日程から逆算します。新事業進出・ものづくり商業サービス補助金の第1回公募は2026年6月29日に開始し、締切は2026年9月30日18時、採択発表は2026年12月頃とされています。小規模事業者持続化補助金の第20回は申請受付が2026年11月5日から、締切が2026年12月15日17時ですが、商工会・商工会議所が発行する事業支援計画書(様式4)の受付締切が2026年12月4日と手前に設定されています。いずれも電子申請で、事前にGビズIDプライムのアカウントが必要です。

まとめ

3Dレーザースキャナーの導入で補助金を検討するときは、「この機器は対象か」ではなく「この見積書のどの行が、どの制度で対象になるか」という問いに立て直すと判断が進みます。整理すると次のようになります。

  • 見積書を本体・ソフト・パソコン・クラウド・導入支援・保守に分けてもらう
  • 汎用パソコンは補助対象から外れる前提で、自己資金や借入に振り分ける
  • 既存業務の省力化が主題なら省力化投資補助金(一般型)を軸に、単体購入にならない構成を設計する
  • ソフト中心ならデジタル化・AI導入補助金、計測サービスの外販なら新事業進出枠と、投資の中身で制度を選ぶ
  • 交付決定前の発注と実施期間の上限を、機器の納期と突き合わせておく

制度の要件や金額は公募回ごとに改定されます。ここで挙げた数字は2026年8月時点の公募要領および社内資料に基づくものですので、実際の申請にあたっては最新の公募要領で確認し、判断に迷う部分は専門家にご相談ください。

【無料相談のご案内】

弊社では、補助金専門行政書士法人V-Spiritsが補助金支援を行っております。元補助金審査員の三浦を中心とした各種専門家チームが全面的にサポートいたします。このケースは補助金の対象になるのか?といった疑問に対して適切なアドバイスを無料にて行っております。無料相談も行っているので、ぜひいちどご相談ください。お問い合わせお待ちしております!

フリーダイヤル 0120-335-523
お問い合わせフォーム https://v-spirits.com/contacts

三浦高

この記事を書いた人

三浦高/Takashi Miura

元創業補助金(経済産業省系補助金)審査員・事務局員
中小企業診断士、起業コンサルタント®、
1級販売士、宅地建物取引主任者、
融資・資金調達コンサルタント
行政書士法人V-Spirits 補助者

産業能率大学 兼任教員
2024年現在、各種補助金の累計支援件数は300件を超える。

融資申請のノウハウも蓄積し、さらに磨きを掛けるべく日々事業計画書に向き合っている。

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中野裕哲

この記事を監修した人

中野裕哲/Nakano Hiroaki

税理士法人V-Spiritsグループ代表/税理士/行政書士/特定社会保険労務士/採用定着士/ファイナンシャルプランナー/起業コンサルタント/経営コンサルタント/大正大学招聘教授

税理士法人V-Spiritsグループ代表の中野裕哲は、中小企業経営者のために、税務・会計だけでなく、採用、人事、資金繰り、融資、補助金、助成金、営業、Webマーケティング、売上導線設計まで横断的に支援する実戦型経営税理士です。

経営の悩みは、突き詰めると「人・金・売上」に集約されます。中野裕哲は、大企業人事部、人材紹介会社の採用エージェント、中小企業の財務責任者、大手不動産会社での営業、出版・Web制作による集客導線構築など、幅広い実務経験をもとに、経営者の意思決定を支援します。

【対応領域】

税理士顧問、社労士顧問、補助金支援、助成金支援、資金調達支援、採用力診断、売上導線診断、経営参謀顧問。税務・会計・決算・節税に加えて、経営分析、労務管理、社会保険、助成金、採用体制づくり、融資、補助金、事業計画、営業戦略、Webマーケティング、出版、メディア活用まで一体的に相談できます。

中野裕哲は、家業の倒産危機からの壮絶な貧乏体験を原点に、お金で苦しむ経営者をひとりにしないことを掲げています。資金繰り、採用、売上づくりの壁に対して、経営者目線で伴走します。

【主な実績】

  • 起業支援・経営支援の豊富な実績
  • 起業相談件数3,000件以上
  • 資金調達支援1,000件以上
  • 大企業Webサイト多数監修
  • 商業出版著書監修約32冊(累計30万部超)

V-Spiritsグループでは、融資・補助金・金融機関対応に詳しい社内役員チームも伴走します。元経済産業省系補助金審査員・事務局員、元日本政策金融公庫支店長、元信用金庫融資担当営業などの専門家が、補助金申請、事業計画、資金繰り、金融機関対応を実務面から支援します。

税理士顧問、社労士顧問、融資、補助金、助成金、採用、営業、マーケティングまで、経営者が本当に悩む領域をワンストップで相談できます。V-Spiritsグループは、起業支援・会社設立・創業融資・補助金助成金・税務会計・人事労務・許認可・経営顧問をワンストップで支援する、起業家・中小企業向けの専門家グループです。

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