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コラム

赤外線ドローン導入の補助金|撮影条件と判読体制を決めてから見積を組む4手順

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赤外線ドローンの補助金は「年間何棟撮れるか」から逆算する|建設会社の準備手順

外壁や屋根の調査に赤外線カメラを積んだドローンを入れたい、その費用に補助金を充てられないか。建設会社からこうしたご相談をいただく機会が増えています。機体と赤外線カメラ、解析用のソフトをそろえると数百万円規模の投資になるため、自己負担をどこまで下げられるかは資金繰りに直結します。

ただ、制度の名前を並べても答えは出ません。赤外線調査は機材を買えばその日から売上が立つ設備ではなく、撮影できる気象条件と、撮った熱画像を判定に落とす体制の両方がそろって初めて仕事になります。そして補助金の審査で見られるのは、機体の性能ではなく、その仕事が年間でどれだけ回るかという数字です。この記事では、見積を作る前に決める順番を4段階で整理します。

赤外線ドローンの補助金で審査されるのは、投資後に増える付加価値の数字

建設会社が使える可能性のある制度は、投資の性格によって分かれます。既存の調査業務の人手を減らす投資なら中小企業省力化投資補助金(一般型)、これまで提供していなかった調査サービスを新しく開発する投資なら新事業進出・ものづくり商業サービス補助金 革新的新製品・サービス枠、解析や報告書作成のソフト側が主役ならデジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金)が候補になります。

どの制度でも、事業計画に書くのは導入後の数字です。省力化投資補助金(一般型)は3〜5年の事業計画で労働生産性を年平均+4.0%以上伸ばす計画を求めます。革新的新製品・サービス枠は付加価値額が年平均+4.0%以上、一人当たり給与支給総額が年平均+3.5%以上という基本要件を置いています(いずれも2026年度の公募要領時点)。

この数字は、赤外線ドローンを何台持っているかでは動きません。動かすのは、その機材で年間に何棟・何件を処理できたかです。だから準備の順番は、機種選定からではなく、撮れる条件と回せる体制を確定させるところから始まります。

手順1:赤外線調査が成立する条件を先に洗い出す

赤外線による外壁調査は、対象面とその内部に温度差が生じている状態でなければ像が読めません。日射の当たり方、外気温の変化、撮影する時間帯、建物の向き、周囲の建物による影の落ち方が、そのまま撮影できる日と撮影できない日を分けます。同じ機材でも、北面が多い建物と南面が開けた建物では作業の組み方が変わります。

ここで洗い出すのは、次の3点です。

  • 自社が請け負っている建物の向き・階数・外壁材の傾向
  • 1棟あたり、どの時間帯に何分の飛行が要るか
  • 飛行そのものが制限される立地(人口集中地区、空港周辺、第三者の上空など)がどの程度あるか

あわせて、法令面の位置づけも確認しておきます。建築物の定期報告制度で赤外線調査を打診に代わる方法として用いる場合、国が定める要件や自治体ごとの運用があります。要件は改定されるため、着手前に所管の窓口で最新の内容を確認してください。ここを曖昧にしたまま機材だけ入れると、撮影はできても報告書として受け取ってもらえない場面が出てきます。

手順2:熱画像を判定に落とす体制を決める

赤外線カメラが出力するのは温度分布の画像であって、剥離の有無という結論ではありません。画像から浮きや剥離を読み取り、その根拠を報告書の形にするところまでを誰が担うのかを決めます。

選択肢は、社内の技術者が判読まで行う形と、撮影は自社で行い判読と報告書作成を外部に委託する形の2つです。前者は教育の時間と費用が先に出ますが、1棟あたりの外注費が消えます。後者は立ち上がりが早い代わりに、受注が増えるほど外注費が積み上がります。

補助金の計画では、この違いが数字に直接出ます。判読を外注する前提なら、売上が伸びても付加価値額の伸びは外注費に食われます。省力化投資補助金(一般型)の労働生産性、革新的新製品・サービス枠の付加価値額は、どちらも外注費を引いた後の値で見る設計です。撮影だけを内製化して判読を外に出す計画は、投資額の割に数字が伸びず、計画そのものが薄く見えます。

三浦高

💬 執筆者の三浦から一言

記事や広告で見かける上限3,500万円という数字は、最大の従業員規模で大幅賃上げ特例を適用した場合の最大値です。革新的新製品・サービス枠の上限は従業員規模により異なり、6〜20人の会社であれば1,000万円、5人以下なら750万円という並びになります(2026年度公募要領時点)。自社の規模で見える金額に置き換えてから投資額を考えると、話が早く進みます。

手順3:年間の稼働可能量を自社の実績から数える

ここまでで、撮れる条件と回せる体制が決まりました。次に、年間で処理できる件数を自社の数字から出します。外から拾った平均値ではなく、自社が過去に受けた調査案件の実績を使います。

数えるのは次の4つです。

  1. 過去1年に受注した外壁・屋根の調査案件の件数
  2. 1件あたりに要した日数(足場の設置と解体を含む場合はその日数も)
  3. 手順1で洗い出した、赤外線での撮影が成立する日がおおよそ年間どれくらいあるか
  4. 判読と報告書作成に、1件あたり何時間かかる想定か

この4つがそろうと、「赤外線に置き換えられる案件が年間何件で、そのうち何件を自社の体制で処理できるか」が出ます。増える受注ではなく、置き換えられる工数と、空いた時間で受けられる件数を分けて書くと、計画の中で数字の出どころが明確になります。

この数え方には、もう一つ利点があります。稼働可能な日数が思ったより少なければ、そもそも投資の回収年数が伸びるという事実が申請前に分かります。補助金が採択されても、賃上げ要件や労働生産性の要件を満たせなければ返還が生じうる制度もあるため、入口で見えたほうが安全です。

💬 無料相談のご案内

補助金専門行政書士法人は、V-Spirits元補助金審査員の三浦を中心とした専門家チームが補助金支援を行っております。「このケースは補助金の対象になるのか?」といった疑問にも、無料でお答えしております。お気軽にご相談ください。

手順4:数えた稼働量に合う制度を選ぶ

手順3の数字が出てから、制度を当てはめます。

中小企業省力化投資補助金(一般型)は、既存業務の省力化が主題の制度です。対象になるのはオーダーメイド性のある設備で、汎用設備を単体で導入するだけの事業は対象外とされています。機体・赤外線カメラ・解析システムを組み合わせ、自社の調査工程に合わせて構成を変える形であれば、その説明が立ちます。設備投資は単価50万円(税抜)以上の機械装置等を最低1つ入れることが要件です。

新事業進出・ものづくり商業サービス補助金 革新的新製品・サービス枠は、新しい調査サービスの開発として組む場合の候補です。ただし単なる設備導入や、同業ですでに相当程度普及している開発は対象外とされています。赤外線調査そのものは各地で行われているため、自社の地域や対象建物でどう新しいのかを説明できるかどうかが分かれ目になります。補助下限は100万円で、機械装置・システム構築費は単価10万円(税抜)以上が対象です。

デジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金)は、判読支援や報告書作成のソフト側が主役になる場合です。事務局に登録されたITツールを、登録された支援事業者の支援を受けて導入する前提の制度で、クラウド利用料は最大2年分が対象経費に含まれます。機体そのものを主役に据える使い方には向きません。

どの制度でも、交付決定前の発注・契約・購入は対象外という扱いが基本です。機体の納期が読めないからと先に発注すると、その分は補助の対象から外れます。

申請前に確認しておくこと

  • 撮影が成立する条件と、年間の撮影可能日数の見立てを書き出したか
  • 判読と報告書作成を社内で行うか外注するかを決めたか
  • 定期報告制度で使う場合の要件を、所管の窓口で確認したか
  • 年間の処理可能件数を、自社の過去実績から数えたか
  • 制度ごとの補助下限・単価要件に、自社の投資額が届いているか
  • 交付決定の前に発注する予定になっていないか

まとめ

赤外線ドローンの投資は、機材の話に見えて、実際は撮影条件と判読体制という運用の話です。この2つが決まると年間の稼働可能量が出て、その数字がそのまま補助金の事業計画の骨格になります。制度を先に選んでから数字を当てはめると計画が薄くなりますが、逆の順番で進めれば、どの制度が自社に合うかは数字のほうから見えてきます。

なお、本記事の制度の内容・金額は2026年度の公募要領時点のものです。要件や回次は変わるため、申請前に最新の公募要領で確認してください。自社の投資がどの制度の土俵に乗るのか判断がつかない場合は、見積を作る前の段階でご相談ください。

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弊社では、補助金専門行政書士法人V-Spiritsが補助金支援を行っております。元補助金審査員の三浦を中心とした各種専門家チームが全面的にサポートいたします。このケースは補助金の対象になるのか?といった疑問に対して適切なアドバイスを無料にて行っております。無料相談も行っているので、ぜひいちどご相談ください。お問い合わせお待ちしております!

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三浦高

この記事を書いた人

三浦高/Takashi Miura

元創業補助金(経済産業省系補助金)審査員・事務局員
中小企業診断士、起業コンサルタント®、
1級販売士、宅地建物取引主任者、
融資・資金調達コンサルタント
行政書士法人V-Spirits 補助者

産業能率大学 兼任教員
2024年現在、各種補助金の累計支援件数は300件を超える。

融資申請のノウハウも蓄積し、さらに磨きを掛けるべく日々事業計画書に向き合っている。

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中野裕哲

この記事を監修した人

中野裕哲/Nakano Hiroaki

税理士法人V-Spiritsグループ代表/税理士/行政書士/特定社会保険労務士/採用定着士/ファイナンシャルプランナー/起業コンサルタント/経営コンサルタント/大正大学招聘教授

税理士法人V-Spiritsグループ代表の中野裕哲は、中小企業経営者のために、税務・会計だけでなく、採用、人事、資金繰り、融資、補助金、助成金、営業、Webマーケティング、売上導線設計まで横断的に支援する実戦型経営税理士です。

経営の悩みは、突き詰めると「人・金・売上」に集約されます。中野裕哲は、大企業人事部、人材紹介会社の採用エージェント、中小企業の財務責任者、大手不動産会社での営業、出版・Web制作による集客導線構築など、幅広い実務経験をもとに、経営者の意思決定を支援します。

【対応領域】

税理士顧問、社労士顧問、補助金支援、助成金支援、資金調達支援、採用力診断、売上導線診断、経営参謀顧問。税務・会計・決算・節税に加えて、経営分析、労務管理、社会保険、助成金、採用体制づくり、融資、補助金、事業計画、営業戦略、Webマーケティング、出版、メディア活用まで一体的に相談できます。

中野裕哲は、家業の倒産危機からの壮絶な貧乏体験を原点に、お金で苦しむ経営者をひとりにしないことを掲げています。資金繰り、採用、売上づくりの壁に対して、経営者目線で伴走します。

【主な実績】

  • 起業支援・経営支援の豊富な実績
  • 起業相談件数3,000件以上
  • 資金調達支援1,000件以上
  • 大企業Webサイト多数監修
  • 商業出版著書監修約32冊(累計30万部超)

V-Spiritsグループでは、融資・補助金・金融機関対応に詳しい社内役員チームも伴走します。元経済産業省系補助金審査員・事務局員、元日本政策金融公庫支店長、元信用金庫融資担当営業などの専門家が、補助金申請、事業計画、資金繰り、金融機関対応を実務面から支援します。

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