
創業計画書、どこから手をつければ審査担当者に伝わる書類になるか
💬 創業計画書を作成中の会社員の方からのご相談
創業計画書のひな形を埋めようとしていますが、どこに力を入れて書けばいいのか分かりません。審査をする人は、計画書のどこを一番見ているのでしょうか?

この記事を書いた人
小峰精公/Kiyotaka Komine
元朝日信用金庫 法人営業
資金繰り解決コンサルタント
V-Spirits総合研究所株式会社 常務取締役
大学卒業後、朝日信用金庫に入庫。朝日信用金庫での経験が原点となり、「銀行融資取引」や「資金繰り」の本質を企業へ伝えていくことがミッションだと確信する。
日本の99%は中小零細企業で成り立っている現状を痛感し、1社でも多くの企業の「資金繰り」の課題を解決していくことに専念する。
クライアント様がより良い商品やサービスを提供することができる環境づくりの一助となれるよう全身全霊を尽くす。
小峰からの回答
結論からお伝えすると、審査では、斯業経験、自己資金、事業計画の具体性、資金使途と調達額の整合、信用情報などをもとに判断されます。これらのうち、特に見られているのは「斯業経験」「資金計画」「売上根拠」の3つが、矛盾なく1本の筋としてつながっているかどうかです。項目を個別に埋めるのではなく、この3つのつながりを意識して書くと、計画書全体の説得力が高まります。
なぜ「つながり」が重視されるのか
創業前は実績で裏づけられる部分が少ないため、審査する側は、経験・計画・数字がバラバラに並んでいないかを見ています。たとえば、経験の無い業種にもかかわらず自信に満ちた売上計画が書かれていたり、資金使途と調達額が食い違っていたりすると、計画全体の信頼性が揺らぎます。逆に、経験に裏打ちされた売上根拠があり、それに見合った資金計画が組まれていれば、読み手にとって自然に伝わる計画書になります。
書く順番① 経験を具体的に書く
まずは、同じ業種での勤務経験・勤務年数・役職を、できるだけ具体的に書き出してください。担当していた業務内容、扱っていた商品やサービス、身につけたスキルなど、数字や固有名詞を交えて書くと、経験の中身が伝わりやすくなります。この経験の具体性が、後に書く売上根拠の裏づけになります。
書く順番② 売上根拠を経験とつなげる
売上計画は、席数×回転数×客単価のような計算式だけでなく、その数字をなぜその水準に設定したのかを、経験と結びつけて説明してください。前職で扱っていた客層や、見てきた繁忙期の傾向など、経験に基づいた根拠があると、数字に説得力が出ます。経験の無い部分は、市場調査や競合の状況など、別の根拠で補ってください。
書く順番③ 資金計画を売上根拠に合わせる
最後に、設備資金・運転資金の内訳が、ここまでに書いた売上根拠と整合しているかを確認します。売上の立ち上がりが緩やかな見込みなのに、運転資金を少なめに見積もっていると、計画全体に矛盾が生じます。経験・売上根拠・資金計画の3つを、同じストーリーの中で説明できる状態に仕上げてください。
項目ごとに埋めるだけでは伝わらない理由
ひな形の各項目を単体で丁寧に埋めても、項目同士のつながりが見えなければ、読み手には「それぞれ正しそうだが、全体として筋が通っているか分からない」という印象を与えてしまいます。書き終えたら、経験・売上根拠・資金計画の3つを通して読み返し、話のつながりに違和感がないかを確認する工程を、必ず入れてください。
「経験が薄い」と感じる場合の書き方
同じ業種での勤務経験が短い、あるいは完全に未経験という場合もあると思います。その場合は、経験の長さをごまかそうとするのではなく、事業計画の具体性と自己資金の形成過程で説明を厚くする方向に力を入れてください。売上・原価・人件費をどの根拠で見積もったのか、返済の原資をどこから確保するのかを、数字の出どころまで具体的に書き切ることが、経験の薄さを補う現実的な方法です。外部の力を借りる場合も、「専門家に相談しながら進めます」とだけ書くのではなく、誰にどの範囲の業務を任せ、費用がいくらかかるのかまで書いて、初めて計画の一部として説明できる形になります。
審査担当者の立場から見た「分かりやすい計画書」
審査する立場から見ると、1つの項目に長文を書き込むよりも、経験・売上根拠・資金計画の因果関係が短い言葉で追える計画書のほうが、短時間で内容を理解しやすくなります。難しい表現や専門用語を使う必要はありません。ご自身の言葉で、なぜその経験があるからこの売上が見込めるのか、なぜこの売上だからこの資金計画になるのか、という因果関係を素直に書くことを意識してください。
まとめ
創業計画書で特に見られているのは、業務経験・資金計画・売上根拠の3つがつながっているかどうかです。項目を順不同に埋めるのではなく、経験→売上根拠→資金計画の順で、一つのストーリーとして組み立てることを意識してください。
3つのつながりに矛盾が無いかの確認や、計画書全体の仕上げ方に迷う場合は、専門家に見てもらいながら整理していくと安心です。
【無料相談のご案内】
融資を受けるには何から始めればいいの?といった疑問に対して適切なアドバイスを無料にて行っております。
無料相談も行っているので、ぜひ一度、ご相談ください。お問い合わせお待ちしております!

この記事を書いた人
小峰精公/Kiyotaka Komine
元朝日信用金庫 法人営業
資金繰り解決コンサルタント
V-Spirits総合研究所株式会社 常務取締役
大学卒業後、朝日信用金庫に入庫。朝日信用金庫での経験が原点となり、「銀行融資取引」や「資金繰り」の本質を企業へ伝えていくことがミッションだと確信する。
日本の99%は中小零細企業で成り立っている現状を痛感し、1社でも多くの企業の「資金繰り」の課題を解決していくことに専念する。
クライアント様がより良い商品やサービスを提供することができる環境づくりの一助となれるよう全身全霊を尽くす。

この記事を監修した人
多胡藤夫/Fujio Tago
元日本政策金融公庫支店長、社会生産性本部認定経営コンサルタント、ファイナンシャルプランナーCFP(R)、V-Spirits総合研究所株式会社 取締役
同志社大学法学部卒業後、日本政策金融公庫(旧国民金融公庫)に入行。約63,000社の中小企業や起業家への融資業務に従事し審査に精通する。
支店長時代にはベンチャー企業支援審査会委員長、企業再生協議会委員など数々の要職を歴任したあと、定年退職。
日本の起業家、中小企業を支援すべく独立し、その後、V-Spiritsグループに合流。
長年融資をする側の立場にいた経験、ノウハウをフル活用し、融資を受けるためのコツを本音で伝えている。


この記事を監修した人
中野裕哲/Nakano Hiroaki
税理士法人V-Spiritsグループ代表/税理士/行政書士/特定社会保険労務士/採用定着士/ファイナンシャルプランナー/起業コンサルタント/経営コンサルタント/大正大学招聘教授
税理士法人V-Spiritsグループ代表の中野裕哲は、中小企業経営者のために、税務・会計だけでなく、採用、人事、資金繰り、融資、補助金、助成金、営業、Webマーケティング、売上導線設計まで横断的に支援する実戦型経営税理士です。
経営の悩みは、突き詰めると「人・金・売上」に集約されます。中野裕哲は、大企業人事部、人材紹介会社の採用エージェント、中小企業の財務責任者、大手不動産会社での営業、出版・Web制作による集客導線構築など、幅広い実務経験をもとに、経営者の意思決定を支援します。
【対応領域】
税理士顧問、社労士顧問、補助金支援、助成金支援、資金調達支援、採用力診断、売上導線診断、経営参謀顧問。税務・会計・決算・節税に加えて、経営分析、労務管理、社会保険、助成金、採用体制づくり、融資、補助金、事業計画、営業戦略、Webマーケティング、出版、メディア活用まで一体的に相談できます。
中野裕哲は、家業の倒産危機からの壮絶な貧乏体験を原点に、お金で苦しむ経営者をひとりにしないことを掲げています。資金繰り、採用、売上づくりの壁に対して、経営者目線で伴走します。
【主な実績】
- 起業支援・経営支援の豊富な実績
- 起業相談件数3,000件以上
- 資金調達支援1,000件以上
- 大企業Webサイト多数監修
- 商業出版著書監修約32冊(累計30万部超)
V-Spiritsグループでは、融資・補助金・金融機関対応に詳しい社内役員チームも伴走します。元経済産業省系補助金審査員・事務局員、元日本政策金融公庫支店長、元信用金庫融資担当営業などの専門家が、補助金申請、事業計画、資金繰り、金融機関対応を実務面から支援します。
税理士顧問、社労士顧問、融資、補助金、助成金、採用、営業、マーケティングまで、経営者が本当に悩む領域をワンストップで相談できます。V-Spiritsグループは、起業支援・会社設立・創業融資・補助金助成金・税務会計・人事労務・許認可・経営顧問をワンストップで支援する、起業家・中小企業向けの専門家グループです。





























