
VCとクラウドファンディング、新規事業の資金集めにはどっち?
💬 新規事業の立ち上げ担当の方からのご相談
新しい事業の資金を、ベンチャーキャピタルやクラウドファンディングで集めたいと考えています。それぞれの進め方や、向いている事業の形、計画書に求められる違いについて具体的に相談したいです。

この記事を書いた人
三浦高/Takashi Miura
元創業補助金(経済産業省系補助金)審査員・事務局員
中小企業診断士、起業コンサルタント®、
1級販売士、宅地建物取引主任者、
融資・資金調達コンサルタント
行政書士法人V-Spirits 補助者
産業能率大学 兼任教員
2024年現在、各種補助金の累計支援件数は300件を超える。
融資申請のノウハウも蓄積し、さらに磨きを掛けるべく日々事業計画書に向き合っている。
執筆者の三浦からの回答
VCとクラウドファンディングは、資金を集める相手も、事業計画書で求められる内容も異なります。どちらが向いているかは、事業の成長スピードや、資金提供者との関係をどう考えるかによって大きく変わってきます。
ベンチャーキャピタルの特徴
ベンチャーキャピタルは、将来的に大きく成長する可能性がある事業に出資し、株式の価値が上がることで利益を得る仕組みです。そのため、短期間での急成長が見込める事業や、大きな市場を狙う事業と相性が良い傾向があります。出資を受けると、経営方針についてベンチャーキャピタル側の意見も関わってくるため、どこまで裁量を残したいかも考えておく必要があります。
ベンチャーキャピタルは出資先の経営に積極的に関わることが多く、事業の相談相手としての役割も担うことがあります。資金だけでなく、経営面での支援も受けたいと考えている場合は、この点も選ぶ際の判断材料になります。
クラウドファンディングの特徴
購入型のクラウドファンディングは、商品やサービスを先行販売する形で資金を集める仕組みです。実際に購入してくれる人がどれだけいるかを、資金調達の段階で確かめられるという利点があります。急成長を目指す事業よりも、特定の顧客層に向けた商品やサービス、新しいアイデアの検証に向いている傾向があります。
支援を集めるには、プロジェクトの魅力を分かりやすく伝える文章や画像の準備が欠かせません。資金調達の仕組みであると同時に、発信力や広報の工夫が結果に大きく影響する手段でもあります。
事業計画書に求められる違い
ベンチャーキャピタルに向けた事業計画書では、将来の成長性や市場規模、どのように利益を拡大していくかという見通しを、具体的な根拠とともに示すことが重視されます。一方、クラウドファンディングでは、支援者に対して商品やサービスの魅力、プロジェクトの背景やストーリーをどう伝えるかが重要になります。同じ事業でも、伝える相手によって資料の作り方を変える必要があります。
ベンチャーキャピタル向けの資料は数字と論理を中心に組み立て、クラウドファンディング向けの資料は読み手の気持ちに訴える要素を中心に組み立てる、という違いを意識すると、作成の方向性が定まりやすくなります。
どちらを選ぶか迷ったときの考え方
急成長を目指し、株式を手放すことに抵抗が無い事業であればベンチャーキャピタル、まずは需要を確かめながら資金を集めたい事業であればクラウドファンディングが、それぞれ向いている傾向にあります。両方を組み合わせる進め方も考えられ、例えばクラウドファンディングで需要を確認した後に、その実績を持ってベンチャーキャピタルに出資を相談するという流れも可能です。
どちらか一方に決め切れない場合は、まずクラウドファンディングで市場の反応を見てから、本格的な資金調達の方法を検討するという段階的な進め方も選択肢の一つです。
契約や法規制については専門家に相談する
ベンチャーキャピタルからの出資における株式の条件や、クラウドファンディングの実施にあたって守るべき法規制については、専門的な判断が必要になります。ここでは全体像と向き不向きに絞ってお伝えしていますが、実際に進める際は、契約条件や法規制について専門家に確認しながら進めることをおすすめします。
特にクラウドファンディングでは、集めた資金の使途や、支援者への対応について守るべきルールがプラットフォームごとに定められていることもあります。利用するプラットフォームの規約内容も、事前に細かく確認しておく必要があります。
まとめ
ベンチャーキャピタルとクラウドファンディングは、それぞれ特徴が大きく異なり、資金提供者も事業計画書で求められる内容も異なります。事業の成長スピードや資金提供者との関係を踏まえて、自分の事業に合う方法を選んでみてください。
資金調達方法の選び方や事業計画書の作り方、契約条件の確認で迷う場合は、専門家に相談しながら一つずつ進めていくと安心です。
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この記事を書いた人
小峰精公/Kiyotaka Komine
元朝日信用金庫 法人営業
資金繰り解決コンサルタント
V-Spirits総合研究所株式会社 常務取締役
大学卒業後、朝日信用金庫に入庫。朝日信用金庫での経験が原点となり、「銀行融資取引」や「資金繰り」の本質を企業へ伝えていくことがミッションだと確信する。
日本の99%は中小零細企業で成り立っている現状を痛感し、1社でも多くの企業の「資金繰り」の課題を解決していくことに専念する。
クライアント様がより良い商品やサービスを提供することができる環境づくりの一助となれるよう全身全霊を尽くす。

この記事を監修した人
多胡藤夫/Fujio Tago
元日本政策金融公庫支店長、社会生産性本部認定経営コンサルタント、ファイナンシャルプランナーCFP(R)、V-Spirits総合研究所株式会社 取締役
同志社大学法学部卒業後、日本政策金融公庫(旧国民金融公庫)に入行。約63,000社の中小企業や起業家への融資業務に従事し審査に精通する。
支店長時代にはベンチャー企業支援審査会委員長、企業再生協議会委員など数々の要職を歴任したあと、定年退職。
日本の起業家、中小企業を支援すべく独立し、その後、V-Spiritsグループに合流。
長年融資をする側の立場にいた経験、ノウハウをフル活用し、融資を受けるためのコツを本音で伝えている。


この記事を監修した人
中野裕哲/Nakano Hiroaki
税理士法人V-Spiritsグループ代表/税理士/行政書士/特定社会保険労務士/採用定着士/ファイナンシャルプランナー/起業コンサルタント/経営コンサルタント/大正大学招聘教授
税理士法人V-Spiritsグループ代表の中野裕哲は、中小企業経営者のために、税務・会計だけでなく、採用、人事、資金繰り、融資、補助金、助成金、営業、Webマーケティング、売上導線設計まで横断的に支援する実戦型経営税理士です。
経営の悩みは、突き詰めると「人・金・売上」に集約されます。中野裕哲は、大企業人事部、人材紹介会社の採用エージェント、中小企業の財務責任者、大手不動産会社での営業、出版・Web制作による集客導線構築など、幅広い実務経験をもとに、経営者の意思決定を支援します。
【対応領域】
税理士顧問、社労士顧問、補助金支援、助成金支援、資金調達支援、採用力診断、売上導線診断、経営参謀顧問。税務・会計・決算・節税に加えて、経営分析、労務管理、社会保険、助成金、採用体制づくり、融資、補助金、事業計画、営業戦略、Webマーケティング、出版、メディア活用まで一体的に相談できます。
中野裕哲は、家業の倒産危機からの壮絶な貧乏体験を原点に、お金で苦しむ経営者をひとりにしないことを掲げています。資金繰り、採用、売上づくりの壁に対して、経営者目線で伴走します。
【主な実績】
- 起業支援・経営支援の豊富な実績
- 起業相談件数3,000件以上
- 資金調達支援1,000件以上
- 大企業Webサイト多数監修
- 商業出版著書監修約32冊(累計30万部超)
V-Spiritsグループでは、融資・補助金・金融機関対応に詳しい社内役員チームも伴走します。元経済産業省系補助金審査員・事務局員、元日本政策金融公庫支店長、元信用金庫融資担当営業などの専門家が、補助金申請、事業計画、資金繰り、金融機関対応を実務面から支援します。
税理士顧問、社労士顧問、融資、補助金、助成金、採用、営業、マーケティングまで、経営者が本当に悩む領域をワンストップで相談できます。V-Spiritsグループは、起業支援・会社設立・創業融資・補助金助成金・税務会計・人事労務・許認可・経営顧問をワンストップで支援する、起業家・中小企業向けの専門家グループです。
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