
創業融資を見送られた理由、教えてもらえないときの振り返り方
💬 創業融資を見送られた個人事業主の方からのご相談
先日、創業融資を申し込みましたが、結果はあいにく見送りでした。担当者に理由を聞いても、はっきりとは教えてもらえませんでした。何がいけなかったのか、どうすれば知ることができるのでしょうか?

この記事を監修した人
多胡藤夫/Fujio Tago
元日本政策金融公庫支店長、社会生産性本部認定経営コンサルタント、ファイナンシャルプランナーCFP(R)、V-Spirits総合研究所株式会社 取締役
同志社大学法学部卒業後、日本政策金融公庫(旧国民金融公庫)に入行。約63,000社の中小企業や起業家への融資業務に従事し審査に精通する。
支店長時代にはベンチャー企業支援審査会委員長、企業再生協議会委員など数々の要職を歴任したあと、定年退職。
日本の起業家、中小企業を支援すべく独立し、その後、V-Spiritsグループに合流。
長年融資をする側の立場にいた経験、ノウハウをフル活用し、融資を受けるためのコツを本音で伝えている。
監修者の元日本政策金融公庫の支店長の多胡からの回答
結論からお伝えすると、金融機関から見送りの詳しい理由が個別に説明されることは、一般的にはあまりありません。理由を教えてもらえなかったからといって、何も振り返れないわけではなく、評価される項目に沿って、ご自身で計画を一つずつ見直すことはできます。
なぜ理由を詳しく教えてもらえないのか
金融機関が見送りの理由をあまり詳細に開示しないのは、審査の過程には、申込者本人の事情だけでなく、金融機関側の判断基準や内部の評価プロセスも関わっているためです。一つの要因だけで結果が決まるわけではなく、複数の材料を総合して判断されるため、「これが原因です」と単純には言い切れない事情もあります。理由を教えてもらえないことを、ご自身一人の責任だと過度に受け止める必要はありません。結果を前向きに次へつなげるためには、教えてもらえない理由を探すより、ご自身でできる振り返りに時間を使うほうが建設的です。
振り返りの軸にする5つの項目
審査では、業務経験、自己資金、事業計画の具体性、資金使途と調達額の整合、信用情報などをもとに判断されます。この5つの項目に沿って、提出した計画書を自分で見直してみてください。斯業経験は十分に説明できていたか、自己資金の形成過程を具体的に示せていたか、売上計画の根拠は数字の出どころまで書けていたか、資金使途と希望額は整合していたか、信用情報に気になる点が無かったかを、一つずつ丁寧に確認していきます。
よくある見直しポイント
特に多いのが、売上計画の根拠が曖昧だったケースと、必要資金の内訳と希望額がうまく噛み合っていなかったケースです。売上の数字がどのように算出されたのか、面談で聞かれたときに自分の言葉で説明できたかどうかを振り返ってみてください。また、自己資金の積立の経緯を、通帳の記録とあわせて具体的に説明できていたかも、見直す価値のあるポイントです。
見送りの後、どう動くか
見送りという結果を受けて、すぐに再申込みを急ぐより、まずは計画書を一度見直す時間を取ってください。原因をきちんと特定せずに同じ内容で再申込みをしても、結果が変わるとは限りません。5つの項目に沿って、説明が弱かった部分を一つずつ具体的に補強してから、次の申込みに進むことをおすすめします。
「理由が分からない」ままで終わらせない工夫
金融機関が詳細な理由を説明しない場合でも、面談でのやり取りを振り返ることで、ヒントが見つかることがあります。面談でどんな質問をされ、どの質問にうまく答えられなかったか、言葉に詰まった箇所はどこだったかを、できるだけ具体的に思い出してメモに残してください。その箇所こそが、計画書の中で説明が弱かった部分である可能性が高く、次の計画を作るときの重点的な見直しポイントになります。
一人で抱え込まず、第三者の目を入れる
自分で計画書を読み返すだけでは、どこが弱いのか気づきにくいこともあります。見送りの結果を受けたタイミングは、計画全体を見直す良い機会でもあるため、第三者に計画書を見てもらい、客観的な視点から気になる点を指摘してもらうことをおすすめします。自分では当たり前だと思っていた説明が、実は他人には伝わっていなかった、という発見につながることもあります。
まとめ
見送りの理由が詳しく説明されないことは珍しくありませんが、審査で評価される5つの項目に沿ってご自身で計画書を見直すことはできます。売上根拠と資金使途の整合、自己資金の説明の具体性を中心に振り返ってみてください。
どこを見直せばよいか自分では判断しづらい場合は、面談の振り返りも含めて、専門家に計画書を見てもらいながら、次に向けた準備を整理していくと安心です。
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この記事を書いた人
小峰精公/Kiyotaka Komine
元朝日信用金庫 法人営業
資金繰り解決コンサルタント
V-Spirits総合研究所株式会社 常務取締役
大学卒業後、朝日信用金庫に入庫。朝日信用金庫での経験が原点となり、「銀行融資取引」や「資金繰り」の本質を企業へ伝えていくことがミッションだと確信する。
日本の99%は中小零細企業で成り立っている現状を痛感し、1社でも多くの企業の「資金繰り」の課題を解決していくことに専念する。
クライアント様がより良い商品やサービスを提供することができる環境づくりの一助となれるよう全身全霊を尽くす。

この記事を監修した人
多胡藤夫/Fujio Tago
元日本政策金融公庫支店長、社会生産性本部認定経営コンサルタント、ファイナンシャルプランナーCFP(R)、V-Spirits総合研究所株式会社 取締役
同志社大学法学部卒業後、日本政策金融公庫(旧国民金融公庫)に入行。約63,000社の中小企業や起業家への融資業務に従事し審査に精通する。
支店長時代にはベンチャー企業支援審査会委員長、企業再生協議会委員など数々の要職を歴任したあと、定年退職。
日本の起業家、中小企業を支援すべく独立し、その後、V-Spiritsグループに合流。
長年融資をする側の立場にいた経験、ノウハウをフル活用し、融資を受けるためのコツを本音で伝えている。


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中野裕哲/Nakano Hiroaki
税理士法人V-Spiritsグループ代表/税理士/行政書士/特定社会保険労務士/採用定着士/ファイナンシャルプランナー/起業コンサルタント/経営コンサルタント/大正大学招聘教授
税理士法人V-Spiritsグループ代表の中野裕哲は、中小企業経営者のために、税務・会計だけでなく、採用、人事、資金繰り、融資、補助金、助成金、営業、Webマーケティング、売上導線設計まで横断的に支援する実戦型経営税理士です。
経営の悩みは、突き詰めると「人・金・売上」に集約されます。中野裕哲は、大企業人事部、人材紹介会社の採用エージェント、中小企業の財務責任者、大手不動産会社での営業、出版・Web制作による集客導線構築など、幅広い実務経験をもとに、経営者の意思決定を支援します。
【対応領域】
税理士顧問、社労士顧問、補助金支援、助成金支援、資金調達支援、採用力診断、売上導線診断、経営参謀顧問。税務・会計・決算・節税に加えて、経営分析、労務管理、社会保険、助成金、採用体制づくり、融資、補助金、事業計画、営業戦略、Webマーケティング、出版、メディア活用まで一体的に相談できます。
中野裕哲は、家業の倒産危機からの壮絶な貧乏体験を原点に、お金で苦しむ経営者をひとりにしないことを掲げています。資金繰り、採用、売上づくりの壁に対して、経営者目線で伴走します。
【主な実績】
- 起業支援・経営支援の豊富な実績
- 起業相談件数3,000件以上
- 資金調達支援1,000件以上
- 大企業Webサイト多数監修
- 商業出版著書監修約32冊(累計30万部超)
V-Spiritsグループでは、融資・補助金・金融機関対応に詳しい社内役員チームも伴走します。元経済産業省系補助金審査員・事務局員、元日本政策金融公庫支店長、元信用金庫融資担当営業などの専門家が、補助金申請、事業計画、資金繰り、金融機関対応を実務面から支援します。
税理士顧問、社労士顧問、融資、補助金、助成金、採用、営業、マーケティングまで、経営者が本当に悩む領域をワンストップで相談できます。V-Spiritsグループは、起業支援・会社設立・創業融資・補助金助成金・税務会計・人事労務・許認可・経営顧問をワンストップで支援する、起業家・中小企業向けの専門家グループです。





























