
6次産業化 補助金 併用の考え方|同じ事業での二重受給に注意
自治体の6次化補助金と国の補助金は併用できる?同じ事業での二重受給に注意
6次産業化に取り組む農業者や漁業者の方が、自治体の補助金を調べていると、国の補助金と併用できるのかという疑問にぶつかることがあります。ここでは、併用の考え方と申請前に確認しておきたい点を、Q&Aの形で整理します。
結論:同じ事業の同じ経費を二重に受け取ることはできません
同じ事業に対して、複数の補助金から重ねて受け取ることは、二重受給として扱われます。公募要領では、同一の事業を複数の補助金に同時期に申請して採択された場合、交付を受ける補助金は1つだけ選ぶ必要があるとされています。1つを選ばないまま複数の補助金で交付決定を受け、補助金を受け取っていたことが分かると、後から交付決定を取り消され、返還を求められます。
また、申請の時点で、これまでに交付を受けた補助金や、今申請している補助金の実績を書く必要があります。書かなかった場合は、申請に関する虚偽として不採択になることがあります。他の制度の実績は、思い出しながら一つずつ確認しておくと安心です。
「経費を分ければ併用できる」と考える方もいます。ただ、経費の分け方だけで併用の可否が決まるわけではありません。事業の内容や計画全体で判断される場合もあるため、この段階で併用できると断定することはできません。併用を考えるときは、申請の前に事務局や自治体の担当課に確認してください。
自治体の6次化関連補助金でよくある使いみち
自治体の6次化関連補助金は、地域によって名称も内容も異なります。ただ、一般的には次のような取り組みに使われることが多いです。
- 施設整備:加工場や直売所、保管庫などの建設や改修
- 商品開発:試作、パッケージやラベルの作成
- 販路開拓:展示会への出展準備、販売の仕組みづくり
どの取り組みが対象になるかは、制度ごとの募集要項で決まっています。自治体の枠で行う取り組みと、国の補助金の枠で行う取り組みを分けたい場合も、まずは募集要項の対象経費を確認することから始めてください。
国の補助金と役割を分けて考えるときの見方
自治体の補助金と国の補助金は、取り組みの内容によって向いている場合があります。たとえば、施設の整備は一方の補助金で、販路を広げる取り組みは他方の補助金で、と分けて考える例があります。
ただし、役割を分けたつもりでも、同じ経費や同じ事業に当てはまると二重受給になります。どの経費をどちらに計上するのかは、計画を立てる段階で整理し、事務局に確認しておくと後で手戻りが少なくなります。
国の補助金の対象になるかどうかは、事業者の業種や規模によっても変わります。農業者や漁業者の方が対象になるかは、制度ごとに募集要項で確かめてください。
💬 執筆者の三浦から一言
自治体と国の補助金を並べて検討するときは、経費の一覧を先に書き出し、どの項目をどの制度に出す予定かを一枚にまとめておくと話が早く進みます。その一枚を持って事務局や自治体の担当課に行けば、確認したい点も絞れます。順番に整理していけば、申請前の迷いはかなり減らせます。
申請前に確認したい2つの条件
申請の時点で従業員が1人以上必要です
国の補助金の公募要領では、応募申請の時点で従業員数が0名の場合は、対象となる給与が存在しないため応募できないとされています。自治体の補助金の条件とあわせて、申請の時点で従業員がいるかどうかを確認しておきましょう。
補助金は後から支払われます
国の補助金は、原則として事業が終わり、実績報告を提出して補助金額が確定した後に支払われる精算払いです。先に経費を支払う必要があるため、資金計画には、補助金が入るまでのつなぎの資金を組み込んでおく必要があります。自治体の補助金も支払いの流れが異なる場合があるので、募集要項で確認してください。
よくある質問
Q.同じ機械の費用を、自治体の補助金と国の補助金の両方で計上できますか?
A.できません。同じ経費を両方の補助金で計上すると、二重受給として扱われます。どちらに計上するのかを事前に決めて、事務局に確認してください。
Q.経費を分ければ、両方の補助金から受け取れますか?
A.経費を分けただけで併用できるとは言えません。事業の内容や計画全体で判断されることもあるため、申請の前に事務局や窓口に確認してください。
Q.申請書に、他の補助金の実績を書く必要はありますか?
A.はい。これまでに受けた補助金や、今申請している補助金の実績は、申請時に必ず入力します。記載されていない場合は、虚偽として不採択になることがあります。
Q.補助金はいつ受け取れますか?
A.原則として、事業が終わって実績報告を出し、補助金額が確定した後に精算払いで受け取ります。支払いまでの資金を、事前に資金計画に入れておきましょう。
Q.相談はどこにすればいいですか?
A.自治体の6次化関連補助金については、担当課に相談するのが基本です。国の補助金については、募集要項に書かれた事務局に確認してください。判断が難しい場合は、補助金の制度に詳しい専門家に相談するのも一つの方法です。
まとめ
自治体の6次化関連補助金と国の補助金は、同じ事業や同じ経費を二重に受け取ることはできません。併用を考えるなら、経費の分け方だけで判断せず、申請の前に事務局や自治体の担当課に確認しておくと安心です。
【無料相談のご案内】
弊社では、補助金専門行政書士法人V-Spiritsが補助金支援を行っております。元補助金審査員の三浦を中心とした各種専門家チームが全面的にサポートいたします。このケースは補助金の対象になるのか?といった疑問に対して適切なアドバイスを無料にて行っております。無料相談も行っているので、ぜひいちどご相談ください。お問い合わせお待ちしております!

この記事を書いた人
三浦高/Takashi Miura
元創業補助金(経済産業省系補助金)審査員・事務局員
中小企業診断士、起業コンサルタント®、
1級販売士、宅地建物取引主任者、
融資・資金調達コンサルタント
行政書士法人V-Spirits 補助者
産業能率大学 兼任教員
2024年現在、各種補助金の累計支援件数は300件を超える。
融資申請のノウハウも蓄積し、さらに磨きを掛けるべく日々事業計画書に向き合っている。


この記事を監修した人
中野裕哲/Nakano Hiroaki
税理士法人V-Spiritsグループ代表/税理士/行政書士/特定社会保険労務士/採用定着士/ファイナンシャルプランナー/起業コンサルタント/経営コンサルタント/大正大学招聘教授
税理士法人V-Spiritsグループ代表の中野裕哲は、中小企業経営者のために、税務・会計だけでなく、採用、人事、資金繰り、融資、補助金、助成金、営業、Webマーケティング、売上導線設計まで横断的に支援する実戦型経営税理士です。
経営の悩みは、突き詰めると「人・金・売上」に集約されます。中野裕哲は、大企業人事部、人材紹介会社の採用エージェント、中小企業の財務責任者、大手不動産会社での営業、出版・Web制作による集客導線構築など、幅広い実務経験をもとに、経営者の意思決定を支援します。
【対応領域】
税理士顧問、社労士顧問、補助金支援、助成金支援、資金調達支援、採用力診断、売上導線診断、経営参謀顧問。税務・会計・決算・節税に加えて、経営分析、労務管理、社会保険、助成金、採用体制づくり、融資、補助金、事業計画、営業戦略、Webマーケティング、出版、メディア活用まで一体的に相談できます。
中野裕哲は、家業の倒産危機からの壮絶な貧乏体験を原点に、お金で苦しむ経営者をひとりにしないことを掲げています。資金繰り、採用、売上づくりの壁に対して、経営者目線で伴走します。
【主な実績】
- 起業支援・経営支援の豊富な実績
- 起業相談件数3,000件以上
- 資金調達支援1,000件以上
- 大企業Webサイト多数監修
- 商業出版著書監修約32冊(累計30万部超)
V-Spiritsグループでは、融資・補助金・金融機関対応に詳しい社内役員チームも伴走します。元経済産業省系補助金審査員・事務局員、元日本政策金融公庫支店長、元信用金庫融資担当営業などの専門家が、補助金申請、事業計画、資金繰り、金融機関対応を実務面から支援します。
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