
銀行は決算書のここを見ている
今回のテーマは、ズバリ「銀行は決算書のどこをチェックしているのか?」です。
決算書は、企業の“通信簿”とも言われる大切な資料です。
銀行は融資を検討する際、決算書をじっくり読み込んで「この会社にお金を貸しても大丈夫かどうか?」を判断します。
でも、「どこを見られているかよくわからない…」という声も多いんですよね。
そこで今回は、特に銀行が必ずチェックする3つの基本ポイントについて、実務の現場から丁寧に解説していきます。
1. 負債が純資産を上回っていないか(貸借対照表)
まず、決算書の中で真っ先に見られるのが貸借対照表(バランスシート)です。
ここで金融機関が注目するのが、負債が純資産を上回っていないか?という点。
この状態を「債務超過」といいますが、簡単に言えば「借金が会社の資産を上回っている」状態です。
債務超過にある会社に対しては、「この先、返済していけるのかな?」という不安が生まれてしまいます。
さらに細かく見ていくと、「流動比率」という数字にも注目されます。
これは、すぐに現金化できる資産(流動資産)が、短期の支払い義務(流動負債)に対してどれくらいあるかを示すものです。
ポイント!
流動比率が100%を切っていると、「短期的にお金が足りなくなるリスクがある」と判断されがちです。
理想は200%以上。最低でも120%前後あれば比較的安心とされます。
このように、貸借対照表は会社の「体力」を示す資料。
赤字でも、自己資本が厚く、資産が安定していれば前向きな評価になることも多いですよ!
2. 前年比で売上が落ちていないか(損益計算書)
次に見られるのは損益計算書(P/L)です。
こちらでは、売上や利益がどれくらいあるかをチェックされます。
特に注目されるのが、「前年と比べて売上がどう変わっているか?」です。
売上が減っているということは、事業の縮小や競争力の低下を意味することが多く、銀行としては慎重にならざるを得ません。
さらに、営業利益や経常利益も当然見られます。
ただ、利益がギリギリでも、次のような説明があれば評価は変わってきます。
新規事業の立ち上げによる一時的な赤字
投資先行型の支出で、翌期以降に回収見込みがある
固定費を見直して黒字転換に向かっている
つまり、「今は赤字でも、改善の兆しや戦略が見えるか?」が大切なのです。
売上が下がっていても、改善に向けた計画や実績があれば、それはプラス評価に変わりますよ!
3. 返済のキャッシュがきちんと回っているか(キャッシュフロー計算書)
最後に注目されるのがキャッシュフロー計算書です。
ただし、中小企業では「キャッシュフロー計算書を作っていない」というケースも多いですよね。
そのため、実務では「資金繰り表」や「資金計画書」「事業計画書」などの提出が求められることがよくあります。
銀行が見たいのは、「この会社は、借りたお金をきちんと返せるキャッシュフローを持っているのか?」という点です。
毎月の返済に必要な資金が確保できているか
売上と入金のタイミング、仕入れや支払いのタイミングにズレがないか
予定外の支出があっても持ちこたえられる余裕があるか
こうした資金の流れを可視化して説明できるかどうかで、銀行の見方は大きく変わります。
実際、融資審査において、「現時点のキャッシュフローの余裕+今後の資金計画」まで説明できる企業は、高く評価されやすい傾向にあります。
まとめ:3つの書類ときちんと向き合おう
以上、銀行が決算書で必ず見る基本的な3つのポイントをご紹介しました。
貸借対照表(B/S):会社の体力(財務健全性)をチェック
損益計算書(P/L):売上や利益の推移と改善状況をチェック
キャッシュフロー計画:返済余力や資金繰りの安定性をチェック
「うちはそんなに立派な決算じゃないから…」と尻込みせず、きちんと説明できるかどうかが何より大切です。
むしろ、説明資料や資金繰り表を丁寧に準備している会社ほど、「しっかりしてるな」「誠実な経営をしているな」と評価されることも多いです。
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この記事を書いた人
小峰精公/Kiyotaka Komine
元朝日信用金庫 融資担当営業
資金繰り解決コンサルタント
V-Spirits総合研究所株式会社 常務取締役
大学卒業後、朝日信用金庫に入庫。成績ばかりを追い、取引先を理解できず苦戦するが、企業の本質を知ることの重要性に気づく。以後、信頼関係を築き、資金繰りや融資支援に注力。経営難の企業に融資の基本を伝え、3ヶ月で1.5億円の資金調達を実現。この経験を原点に、中小企業の資金繰り支援を使命とし、日本の企業成長に全力を尽くす。

この記事を監修した人
多胡藤夫/Fujio Tago
元日本政策金融公庫支店長、社会生産性本部認定経営コンサルタント、ファイナンシャルプランナーCFP(R)、V-Spirits総合研究所株式会社 取締役
同志社大学法学部卒業後、日本政策金融公庫(旧国民金融公庫)に入行。 約63,000社の中小企業や起業家への融資業務に従事し審査に精通する。
支店長時代にはベンチャー企業支援審査会委員長、企業再生協議会委員など数々の要職を歴任したあと、定年退職。
日本の起業家、中小企業を支援すべく独立し、その後、V-Spiritsグループに合流。
長年融資をする側の立場にいた経験、ノウハウをフル活用し、融資を受けるためのコツを本音で伝えている。


























