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コラム

いまさら聞けない「価格の決め方」にはどんな方法がある?

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いまさら聞けない「価格の決め方」にはどんな方法がある?――これだけ知れば、自信を持って設定できる

商品やサービスを提供する際、「いくらで売るか」は売上に直結する重要な意思決定です。特に起業や小規模事業者にとっては、一歩間違えると利益が取れず、場合によっては赤字になってしまうことも。本記事では代表的な価格づけの方法を、生活や実務に即してシンプルに整理しました。


① 原価+利益方式(コストプラス価格)

これは、必要なコストに一定の利益を乗せて価格を決める方式です。製品を作る材料費、人件費、諸経費を合計し、「20%の利益を乗せる」などすれば、計算は簡単です。
○利点:シンプルでミスが少ない、最低ラインが明確。
×注意点:競合の価格や顧客の「価値」を反映しにくく、価格が高すぎたり安すぎたりすることがあります。


② 競合に合わせる方式(市場価格ベース)

他の会社がその商品をいくらで販売しているかを参考にし、自社もその価格に合わせる方法です。
○利点:顧客目線で比較しやすく、競争力を保ちやすい。
×注意点:競合と同じ価格だと利益を確保できないケースも。価格競争に巻き込まれるリスクもあります。


③ 顧客が感じる価値で決める方式(価値ベース価格)

商品やサービスの価値を「お客様がどれだけ感じるか」によって価格を決める方法です。たとえば「この機能があるから、他社より高くても買ってもらえる」という考え方です。
○利点:高い利益が得られやすく、ブランディングにも有効。
×注意点:顧客が価値をどれくらい感じているかの裏付けが必要で、調査コストがかかります。


④ 新製品・新展開向きの価格戦略

・価格スキミング(高め設定で始め、徐々に下げる方式)

最初に高価格でスタートし、需要が落ち着いたら価格を徐々に下げる方式です。新製品や限定商品で効果が高く、「早く買いたい人」から先に売れるように設計できます。

・市場浸透価格(導入時は安く、のちに上げる方式)

逆に、最初は低価格にして市場を取り、後から価格を上げていく方式です。口コミや量を狙う業態に適していますが、利益を出すまで時間がかかるリスクもあります。


⑤ 固定的・変動的に価格を変える方式

・ダイナミックプライシング(需要や時間で価格を調整)

需要や購入時の状況によって価格を変動させる方式です。Uberや航空券、電力料金などで使われ、ピーク時は高め、閑散期は安めという設定が可能です。最適に価格を調整できれば、利益を最大化しやすくなります。

・地域別価格設定(地理的要因で価格を変える)

たとえば「関東は5,000円、沖縄は送料高いから6,000円」にするように、地域差を考慮して価格を決める方法です。特に配送商品やサービスで使われます。


⑥ その他の工夫型価格(心理・複数設定)

・心理価格(98円・499円など)

人は「100円」より「99円」をより安いと感じる傾向があります。この心理を使って端数価格(例:9のつく縁)にすることで、購買意欲を刺激できます。

・バンドル価格(まとめ買いやセット売り)

単品価格よりお得感を出すため、セットで販売する方式です。まとめ買いや商品群を使って客単価を上げる工夫として使われます。


⑦ どの方法を選ぶべきか?

価格設定方法の選び方の判断軸は以下の通りです:

  • 目指すイメージ:低価格で売るのか、あえて高くして高級感を訴求するのか。

  • コストと利益の構造:最低限必要な原価は確保できるか。

  • 競合状況:市場に強い似た商品があるのかないのか。

  • 顧客が感じる価値:価格に対する納得感が得られるか。

  • 価格弾力性:価格が変わったら売れ行きがどう変化するか。

  • 組み合わせの使い分け:導入期は低価格、軌道に乗ったら価値型に移行するなど。


まとめ:価格設定は「戦略」として計画的に

価格を決めるのはただの作業ではなく、市場での立ち位置や利益、ブランドイメージを左右する戦略的な判断です。単に原価をベースにするだけではなく、顧客の価値観や競合、市場環境を踏まえて選ぶことが重要です。

まずは最低限守るべきコストラインを確認しつつ、顧客がどこに価値を見出しているか、自分たちの強みはどこかを意識して、価格戦略を設計しましょう。


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弊社では、中野裕哲を中心とした所属専門家チーム(起業コンサルタント(R)、経営コンサルタント、税理士、社会保険労務士、行政書士、司法書士、中小企業診断士、FP、元日本政策金融公庫支店長、元経済産業省系補助金審査員など)が一丸となって、幅広い起業支援・経営支援を行っております。
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この記事を書いた人

中野裕哲/Nakano Hiroaki

起業コンサルタント(R)、経営コンサルタント、税理士、特定社会保険労務士、行政書士、サーティファイドファイナンシャルプランナー・CFP(R)、1 級FP技能士。大正大学招聘教授(起業論、ゼミ等)

V-Spiritsグループ創業者。税理士法人V-Spiritsグループ代表。東京池袋を本拠に全国の起業家・経営者さんを応援!「ベストセラー起業本」の著者。著書20冊、累計25万部超。経済産業省後援「DREAMGATE」で12年連続相談件数日本一。

【まるごと起業支援(R)・経営支援】
起業コンサル(事業計画+融資+補助金+会社設立支援)+起業後の総合サポート(経理 税務 事業計画書 融資 補助金 助成金 人事 給与計算 社会保険 法務 許認可 公庫連携 認定支援機関)など
【略歴】
経営者である父の元に生まれ、幼き頃より経営者になることを目標として過ごす。バブル崩壊の影響を受け経営が悪化。一家離散に近い貧困状況を経験し、「経営者の支援」をライフワークとしたいと決意。それに役立ちそうな各種資格を学生時代を中心に取得。同じく経営者であるメンターの伯父より、単に書類や手続を追求する専門家としてではなく、視野を広げ「ビジネス」の現場での経験を元に経営者の「経営そのもの」を支援できるような専門家を目指すようアドバイスを受け、社会人生活をスタート。大手、中小、ベンチャー企業、会計事務所等で営業、経理、財務、人事、総務、管理職、経営陣等、ビジネスの「現場」での充実した修行の日々を送ったあと、2007年に独立。ほかにはない支援スタイルが起業家・経営者に受け入れられ、経済産業省「DREAM GATE」にて、面談相談12年連続日本一。補助金・助成金支援実績600件超。ベストセラー含む起業・経営本20冊を出版。累計25万部超。無料相談件数は全国から累計3000件を超す。

この記事を監修した人

多胡藤夫/Fujio Tago

元日本政策金融公庫支店長、社会生産性本部認定経営コンサルタント、ファイナンシャルプランナーCFP(R)、V-Spirits総合研究所株式会社 取締役
同志社大学法学部卒業後、日本政策金融公庫(旧国民金融公庫)に入行。 約63,000社の中小企業や起業家への融資業務に従事し審査に精通する。
支店長時代にはベンチャー企業支援審査会委員長、企業再生協議会委員など数々の要職を歴任したあと、定年退職。
日本の起業家、中小企業を支援すべく独立し、その後、V-Spiritsグループに合流。
長年融資をする側の立場にいた経験、ノウハウをフル活用し、融資を受けるためのコツを本音で伝えている。

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