
経営者なら知っておきたい!いまさら聞けない「ストーリーブランディング」って?
「この商品には、こんな背景があったんだ!」
お客様がそう感じた瞬間、商品やサービスは単なるモノではなく、心に残る存在になります。
それを実現する手法がストーリーブランディングです。
1. ストーリーブランディングとは?
ズバリ言います。
ストーリーブランディングとは、企業や商品の背景にある物語を活用して、ブランド価値や顧客の共感を高めるマーケティング手法です。
機能や価格だけでは差別化が難しい時代に、「共感」と「感情移入」を生み出し、長期的なブランドロイヤルティを構築するための有力なアプローチです。
2. なぜ今、経営者に必要か?
消費者は、情報過多の時代を生きています。
似たような商品やサービスがあふれる中で、選ばれる理由は単なる性能比較だけではなくなっています。
経営者がストーリーブランディングを意識することで、
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価格競争からの脱却
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ブランドのファンづくり
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広告効果の持続
といった効果が期待できます。
3. ストーリーブランディングの要素
成功するストーリーブランディングには、次の要素が必要です。
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主人公(ヒーロー)
創業者、開発者、あるいはお客様自身が物語の主役になります。 -
課題や困難
なぜその商品やサービスが必要になったのか、背景にある問題や挑戦。 -
解決のプロセス
試行錯誤や開発の道のり、思い入れ。 -
成果と未来
商品がもたらした変化や、これから実現したいビジョン。
4. 実践ステップ
私が経営者に提案するストーリーブランディングの進め方は、次の通りです。
① ブランドの核を明確にする
自社が大切にしている価値観や理念を整理します。
② 主人公と物語を設定する
創業ストーリー、開発秘話、お客様事例など、共感を得やすい題材を選びます。
③ エモーショナルに伝える
数字や機能だけでなく、感情や情景を描写して伝えます。
④ 一貫して発信する
Webサイト、SNS、広告、営業トークなど、あらゆる接点で物語を共有します。
5. ビジネスでの活用例
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食品メーカー
地元農家と二人三脚で開発した商品の背景を紹介し、地域愛と安心感を訴求。 -
IT企業
創業者が学生時代に感じた不便を解消するために開発したアプリの物語を発信。 -
工務店
家族の理想の家を実現するまでの顧客インタビュー動画を公開。
6. よくある失敗パターン
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物語が長すぎて冗長
顧客の関心が続かない。 -
作り話や過度な美化
事実と異なると判明した途端、信頼を失う。 -
ブランドとの関連性が薄い
感動的でも、商品やサービスと結びつかないと効果がない。
7. 成功事例
ある化粧品ブランドは、開発者の「アトピーで悩む娘のために作った」というストーリーを動画で発信。SNSで拡散され、広告費をかけずに売上が急増しました。
また、アウトドア用品メーカーは、自社製品を使って世界一周した夫婦の体験談を公式サイトに掲載。商品カタログ以上に顧客の購買意欲を刺激し、リピート率が向上しました。
8. 今日からできる実務チェックリスト
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自社の物語は明確になっているか?
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物語の主人公は顧客が共感できる人物か?
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そのストーリーは商品やサービスと直結しているか?
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あらゆる発信媒体で一貫して伝えているか?
まとめ
ストーリーブランディングは、単なる広告手法ではありません。
それは、企業の存在意義や価値観を顧客と共有し、長期的な関係を築くための戦略です。
経営者としては、「自社の物語」を見つけ、それを感動的かつ一貫して伝える力が求められます。
価格や機能では真似できない“心の差別化”を実現するために、ぜひ今日から取り入れてみてください。
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この記事を書いた人
中野裕哲/Nakano Hiroaki
起業コンサルタント(R)、経営コンサルタント、税理士、特定社会保険労務士、行政書士、サーティファイドファイナンシャルプランナー・CFP(R)、1 級FP技能士。大正大学招聘教授(起業論、ゼミ等)
V-Spiritsグループ創業者。税理士法人V-Spiritsグループ代表。東京池袋を本拠に全国の起業家・経営者さんを応援!「ベストセラー起業本」の著者。著書20冊、累計25万部超。経済産業省後援「DREAMGATE」で12年連続相談件数日本一。
【まるごと起業支援(R)・経営支援】
起業コンサル(事業計画+融資+補助金+会社設立支援)+起業後の総合サポート(経理 税務 事業計画書 融資 補助金 助成金 人事 給与計算 社会保険 法務 許認可 公庫連携 認定支援機関)など
【略歴】
経営者である父の元に生まれ、幼き頃より経営者になることを目標として過ごす。バブル崩壊の影響を受け経営が悪化。一家離散に近い貧困状況を経験し、「経営者の支援」をライフワークとしたいと決意。それに役立ちそうな各種資格を学生時代を中心に取得。同じく経営者であるメンターの伯父より、単に書類や手続を追求する専門家としてではなく、視野を広げ「ビジネス」の現場での経験を元に経営者の「経営そのもの」を支援できるような専門家を目指すようアドバイスを受け、社会人生活をスタート。大手、中小、ベンチャー企業、会計事務所等で営業、経理、財務、人事、総務、管理職、経営陣等、ビジネスの「現場」での充実した修行の日々を送ったあと、2007年に独立。ほかにはない支援スタイルが起業家・経営者に受け入れられ、経済産業省「DREAM GATE」にて、面談相談12年連続日本一。補助金・助成金支援実績600件超。ベストセラー含む起業・経営本20冊を出版。累計25万部超。無料相談件数は全国から累計3000件を超す。
この記事を監修した人
多胡藤夫/Fujio Tago
元日本政策金融公庫支店長、社会生産性本部認定経営コンサルタント、ファイナンシャルプランナーCFP(R)、V-Spirits総合研究所株式会社 取締役
同志社大学法学部卒業後、日本政策金融公庫(旧国民金融公庫)に入行。 約63,000社の中小企業や起業家への融資業務に従事し審査に精通する。
支店長時代にはベンチャー企業支援審査会委員長、企業再生協議会委員など数々の要職を歴任したあと、定年退職。
日本の起業家、中小企業を支援すべく独立し、その後、V-Spiritsグループに合流。
長年融資をする側の立場にいた経験、ノウハウをフル活用し、融資を受けるためのコツを本音で伝えている。