いまさら聞けない「飲食店の競合調査」では何を見ればいいの？──成功の鍵は“見るべき視点”にあり

飲食店を成功させるために「競合調査」は欠かせません。ただ店を訪れるだけでなく、見るべきポイントをしっかり整理して調査することで、自店の戦略は格段に磨かれます。今回は、調査の目的、見るべき項目、分析方法までをわかりやすく整理しました。

① なぜ競合調査が重要なの？

• 顧客層と地域のニーズを理解できる
  　近くで流行っている店を調べることで、どんなお客さんが来ているか、どんな価格帯・メニューが好まれているかがわかります。

• 自店の強み・弱みを客観視できる
  　他店と比較することで、自分の店の良いところと改善点が見えてきます 。

• 売上アップに直結するヒントになる
  　どの時間帯に混んでいるか、何が人気か、どんな演出をしているかなど、実践的な示唆が得られます。

② 調査前に決めておくべきこと

• 自店の課題を洗い出す
  　売上を上げたいのか、客単価を上げたいのか、来店頻度を増やしたいのか。何に集中すべきかを明確にしましょう。

• 対象とする競合店を絞る
  　同じ業態や価格帯だけでなく、同じ客層を狙う店、コンビニや弁当屋も競合に含まれます。間接競合といいます。例えば、ランチで食べるのは毎日「ラーメン」ってわけじゃないですよね？

③ 調査すべき主なポイント

1. 店舗外観・立地

看板の見やすさ、外観イメージ、駅からの距離など、第一印象が集客に直結します。

2. 内装・客席配置・清潔感

客が感じる居心地、席の間隔、清掃状態などが評価に影響します。

3. メニューと価格

主力商品、料理の質、価格帯、コスパ感。ランチとディナーでの違いや、セット・割引の有無も注目しましょう。客単価がいくらかも当てましょう。

4. 接客とサービス

従業員の挨拶、言葉遣い、対応スピード、客席への気配りなど、印象に残る体験が重要です。

5. 客層と混雑状況

来店層（年齢・性別・グループ構成）、混雑時間帯などをメモ・分類します。

6. プロモーション・口コミ

SNS投稿、ウェブサイト、チラシ、口コミ評判なども合わせてチェック。宣伝のやり方で得られるヒントが多いです。

④ 調査の方法と進め方

1. 視察リストを作成：対象店舗とチェック項目を事前にまとめる。
2. 実地調査：訪問日時を分けて複数回見るのがベター。
3. 口コミとSNSも活用：実際の利用者の声や投稿から客目線を補足
4. 情報を整理して分析：3C分析やSWOT分析で見える化し、自店の戦略に繋げます

⑤ 書き出すべき分析レポート例

• 調査概要：調査対象、日時、目的

• 他店の基本情報と特徴

• 強み・弱みの整理（例：人気メニュー、接客の質、価格設定など）

• 自店との違いと改善点

• 自店でできる差別化、工夫できるポイント

• 次に取るアクション（メニュー改良、接客訓練、チラシ戦略など）

⑥ 定期的に繰り返すことの重要性

• トレンドや客の嗜好は変わります。一度調査したら終わりではありません。定期的な競合調査で自店との差を把握する習慣が必要です。

• 漠然と見ただけでは意味が薄く、目的を持ち、分析に活かすことが最も重要です。

まとめ：競合調査は“改善への設計図”

ただ「おいしかった」「良かった」と感想を挙げるだけではなく、見るべきポイントを整理して統一し、そして分析し、改善に結びつけることが競合調査の本質です。
調査結果を自店に落とし込み、「何をどう改善するか」をプラン化して実行する。その積み重ねで、繁盛店への道が開けます。