
「イノベーションの7つの種」──ドラッカー流「起業」のヒント”集
ピーター・ドラッカーは、イノベーションを起こすためには「地道に変化を見つけること」が大切だと説きました。その兆しを捉えるために、7つの“種(チャンスの芽)”を示しています。これは「大発明」よりも、日常の中にある“小さな変化”を事業の種にすることで、着実な成果につながる方法です。1~7までありますが、1から7に数字が増えるごとに難易度が上がっていくイメージです。
🔹1.予期せぬもの
最も確実性が高い種が「予期せぬ成功や失敗」。誰でも一番取り組みやすいアイデア創出法です。
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実績以上に売れた商品
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逆に売れず意外だった対策
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急に問い合わせが増えた要因
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たまたまテレビで見かけたこと
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歩いていたら目に入った看板
などに着目することで、“潜在ニーズ”が見えてきます。ネスレの「キットカット=受験お守り」化などがまさにそうですね 。
🔹2.ギャップ(差)
実際の提供と、顧客の望む状態とのズレ(認識・価値・プロセスなど)を指します。
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ドミノピザが「冷めたピザ問題」を30分返金保証で一挙解決したのは、まさにギャップを埋めるイノベーションです 。
🔹3.ニーズ(顕在・潜在)
まだ表に出ていない「求められるけどまだ提供されていない価値」。
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ユーザー体験に徹底的に入り込み、欠けているものを純粋に意識することで掘り起こせます 。
🔹4.産業構造の変化
IT、DX、リモート化など、産業全体が急速に変わるとき、新しいチャンスが訪れます。
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コロナ禍でブレイクしたZoomや在宅関連サービスもこの波に乗った例です 。
🔹5.人口構造の変化
高齢化、少子化、都市集中などの社会変化は継続的なビジネス機会に。
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高齢者に優しい商品・サービス、子育て支援などはまさにこの種から芽生えています。
🔹6.認識の変化
“当たり前”や“価値観”が変わる瞬間に注目。
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「健康じゃないと安心できない」という意識の高まりから健康食品市場が急成長したように、人々の捉え方が変わると新ビジネスが生まれます 。
🔹7.新発明・発見
科学技術や知識の進化によって生まれる種。これが一番難しいと言われています。
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最もリスクも高く、リードタイムが長いが、成功すれば大きな波になるハイリスク・ハイリターンの種です。
実務でこの7つを活かすために
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日常から変化に気づく習慣を持つ
営業、サポート、会議で出た“意外な声”を記録する体制をつくる -
ギャップ・ニーズの探索を意識する
アンケート・インタビューを定期的に行い、「こんなはずじゃなかった」を拾う -
戦略会議に7つの種を定点チェック項目に
月1回程度、「予期せぬ成功」などを整理する場を設ける -
低リスクで試す→評価→改善を細かく回す
ドラッカー流は「小さく始める」こと。まずはプロトタイプ、モニター、スモール施策が有効
✅まとめ:イノベーションは“変化から種を育てるワーク”
イノベーション=奇抜な発明ではなく、日常の小さな変化やズレを気づき、磨き育てていく作業というドラッカーの視点。特に「予期せぬもの」から始めれば、ローリスクで確実に始められます。
「最近、意外にこれが売れている…」「問い合わせが多かった理由を深掘りしたい」など、いまの現象がどの種に該当するか考えるだけでも、次の一手が見えてきます。
もし「アイデアを整理したい」「モニター設計の相談がしたい」などありましたら、いつでもお気軽にご連絡ください。あなたの“変化をチャンスにする支援”を全力でサポートいたします!
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この記事を書いた人
中野裕哲/Nakano Hiroaki
起業コンサルタント(R)、経営コンサルタント、税理士、特定社会保険労務士、行政書士、サーティファイドファイナンシャルプランナー・CFP(R)、1 級FP技能士。大正大学招聘教授(起業論、ゼミ等)
V-Spiritsグループ創業者。税理士法人V-Spiritsグループ代表。東京池袋を本拠に全国の起業家・経営者さんを応援!「ベストセラー起業本」の著者。著書20冊、累計25万部超。経済産業省後援「DREAMGATE」で12年連続相談件数日本一。
【まるごと起業支援(R)・経営支援】
起業コンサル(事業計画+融資+補助金+会社設立支援)+起業後の総合サポート(経理 税務 事業計画書 融資 補助金 助成金 人事 給与計算 社会保険 法務 許認可 公庫連携 認定支援機関)など
【略歴】
経営者である父の元に生まれ、幼き頃より経営者になることを目標として過ごす。バブル崩壊の影響を受け経営が悪化。一家離散に近い貧困状況を経験し、「経営者の支援」をライフワークとしたいと決意。それに役立ちそうな各種資格を学生時代を中心に取得。同じく経営者であるメンターの伯父より、単に書類や手続を追求する専門家としてではなく、視野を広げ「ビジネス」の現場での経験を元に経営者の「経営そのもの」を支援できるような専門家を目指すようアドバイスを受け、社会人生活をスタート。大手、中小、ベンチャー企業、会計事務所等で営業、経理、財務、人事、総務、管理職、経営陣等、ビジネスの「現場」での充実した修行の日々を送ったあと、2007年に独立。ほかにはない支援スタイルが起業家・経営者に受け入れられ、経済産業省「DREAM GATE」にて、面談相談12年連続日本一。補助金・助成金支援実績600件超。ベストセラー含む起業・経営本20冊を出版。累計25万部超。無料相談件数は全国から累計3000件を超す。
この記事を監修した人
多胡藤夫/Fujio Tago
元日本政策金融公庫支店長、社会生産性本部認定経営コンサルタント、ファイナンシャルプランナーCFP(R)、V-Spirits総合研究所株式会社 取締役
同志社大学法学部卒業後、日本政策金融公庫(旧国民金融公庫)に入行。 約63,000社の中小企業や起業家への融資業務に従事し審査に精通する。
支店長時代にはベンチャー企業支援審査会委員長、企業再生協議会委員など数々の要職を歴任したあと、定年退職。
日本の起業家、中小企業を支援すべく独立し、その後、V-Spiritsグループに合流。
長年融資をする側の立場にいた経験、ノウハウをフル活用し、融資を受けるためのコツを本音で伝えている。