
「カードローンを使っていると、日本政策金融公庫の創業融資は落ちるって本当ですか?」
起業相談でよくいただくご質問のひとつです。
とても不安になりますよね。
ズバリ申し上げます。
カードローンがあるだけで即不採択になるとは限りません。
ただし、内容や使い方によっては注意が必要です。
今回は、創業融資を希望する方が知っておくべき
「カードローンと信用審査の関係」について、
専門家の視点でやさしく丁寧に解説します。
公庫が重視するのは「返済能力」と「信用」
日本政策金融公庫は、「これから事業を始める方」を支援するための金融機関です。
融資審査では「人物評価」も重視されます。
その中で、カードローンはあなたの「信用履歴の一部」としてチェックされます。
つまり、公庫が見ているのは、
単に「カードローンがあるかどうか」ではなく、以下のような観点です。
-
返済は遅れずに行っているか(延滞の有無)
-
利用額は収入に対して適切か(多重債務になっていないか)
-
計画性のある使い方をしているか
- なぜそのお金が必要になったのか(無駄や浪費、贅沢ではないかなど)
これらを総合的に判断して、
「この人にお金を貸して大丈夫か」を見極めているのです。
要注意!カードローンが“不利”になる3つのパターン
カードローンがあっても問題ないケースもありますが、
以下のような状況に該当する場合は、注意が必要です。
① 過去に延滞がある
カードローンの返済を何度も遅延していた場合、
「信用情報」に傷がついています。
公庫はCICやJICCといった信用情報機関で履歴を確認するため、
過去の延滞も審査に影響する可能性があります。
② 借入額が多く、返済負担が重すぎる
例えば年収300万円で、
カードローンの借入が150万円あるようなケースでは、
「返済能力に不安がある」と見なされる可能性が高くなります。
③ 複数のローンを同時に利用している(多重債務)
カードローンに加えて、リボ払い、消費者金融、
キャッシングなど複数の借入がある場合、
「資金管理が甘い」「浪費傾向がある」と判断されることがあります。
公庫の面談で“必ず聞かれる”質問とは?
カードローンがある場合、公庫の面談で次のような質問をされることがあります。
-
「借入金の使い道は何ですか?」
-
「毎月の返済額はいくらですか?」
-
「これまでに支払いの遅延はありましたか?」
ここで曖昧な答え方をすると、かえって印象が悪くなってしまいます。
面談では、正直に・具体的に答えることが大切です。
たとえ借入があっても、「しっかり返済中で、返済能力に問題がない」
と説明できれば、大きなマイナスにはなりません。
それでも不安な方へ──カードローンと上手に向き合うコツ
「できれば創業融資の前に、カードローンを整理しておきたい」
という方も多いはずです。
そこで、以下のようなステップをおすすめします。
① 信用情報を取り寄せて、現在の状況を把握する
CICやJICCから自分の信用情報を確認できます。
延滞があるかどうか、他に借入があるかどうかを明確にしましょう。
② 可能であれば、完済または残高を減らす
借入残高が減ることで、信用リスクは軽減されます。
少額でも「完済済み」の記録があると、印象は良くなります。
③ 毎月の家計収支と返済スケジュールを説明できるようにする
融資担当者にとって重要なのは「この人は計画的に返済できるか」です。
家計簿をつける、生活費と返済額のバランスを示す、などの工夫が有効です。
“過去”より“これから”を見せるのがカギ
公庫の創業融資において最も大切なのは、
「この人は、これから事業を立て直していけるか」という未来への信用です。
たとえ過去にカードローンを使っていたとしても、
「今は生活を見直し、借入も整理し、事業で収益を上げる準備が整っている」
と説明できれば、十分に評価される余地があります。
だからこそ、創業前の今がチャンス。
事業計画だけでなく、家計の見直し、信用情報のチェック、
返済スケジュールの整備といった“地道な準備”が、あなたの信用を底上げします。
そして何より、夢を諦めない心が最も重要です。
「カードローンがあるから…」と悩んでいるあなたも、
一歩踏み出して相談してみてください。
未来は、今のあなたの行動で変えられるのです。
税理士に相談すれば、計画に“説得力”が加わる
カードローンがある方ほど、
「数字に説得力のある事業計画」が重要になります。
創業支援に強い税理士と一緒に計画を練れば、
融資担当者が納得するようなストーリー設計が可能になります。
たとえば、
-
売上や利益の見通し
-
借入金の返済に無理がない資金繰り計画
-
自己資金や設備投資の内訳
こうした要素が具体的になれば、
「多少の個人債務があっても、この人は返済できる」
と評価される可能性が高まります。
おわりに:カードローンがあっても、あきらめないで!
カードローンがあるだけで、
「どうせ融資は無理だろう」とあきらめてしまう方がいます。
でも、それは非常にもったいないことです。
大切なのは、正しく現状を把握し、
きちんと説明できること。信用情報に多少の不安があっても、
改善の意思と実績があれば、公庫はきちんと評価してくれます。
あなたの起業への思いと計画がしっかりしていれば
、創業融資はきっと現実のものになります。
「こんなこと相談していいのかな?」と思うようなことも、
どうぞ気軽にご相談くださいね。
起業のスタートラインに立つあなたを、私たちは全力でサポートします!