
創業融資のご相談を受けていると、
よくこんなご質問をいただきます。
■「実は住宅ローンが残っているんですが、公庫の審査でマイナス評価になりますか?」
ズバリお答えします。
住宅ローンがある=即アウト、というわけではありません。
むしろ、「住宅ローンがある人の方が信用力が高く見られる」ことすらあるのです。
「えっ?どういうこと?」と思われた方、ご安心ください。このあと、わかりやすく丁寧に解説していきますね。
公庫の“信用審査”はこう見られている
日本政策金融公庫の創業融資では、
「返済能力があるか」「誠実な人物か」を総合的に判断されます。
その中で、住宅ローンは「個人の債務」の一つとして、以下のような観点で見られます。
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毎月の住宅ローン返済額が、家計にどの程度影響しているか
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滞納・延滞なく、期日どおりに返済しているか
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他に無理な借り入れ(カードローンや消費者金融等)がないか
つまり、住宅ローンを返済中でも、
「家計全体で見て無理のない範囲」であれば、大きな問題にならないのです。
むしろ“住宅ローン完済歴”はプラス評価に?
実は、過去に住宅ローンをきちんと完済していたり、
現在も延滞なく長年返済を続けている場合、
公庫の担当者からは「計画性のある人」「信頼できる人」という好印象を
持たれることもあります。
そもそも、都市銀行や地方銀行などの金融機関が
あなたという人物や能力や仕事ぶりを評価して
お金を貸したという「プラスの評価」のあしあとなのです。
いわば「信用情報の履歴書」として、
あなたの「信用」や「お金の付き合い方」
を間接的に示す材料にもなるのです。
では、住宅ローンが“本当に不利になる”ケースは?
ただし、以下のような場合は、やや不利になる可能性があります。
1. 毎月の返済額が多すぎて、家計が圧迫されている場合
例えば、住宅ローンだけで手取りの50%近くを返済しているような状況だと、
「創業後の返済が苦しくなるのでは?」と判断される可能性があります。
2. 他の借入(カードローン・リボ・消費者金融など)が複数ある場合
住宅ローンに加えて、複数のローンを抱えていると、
さすがに印象は良くありません。
とくに、借入先が金融機関ではなく、
消費者金融やリボ払いの場合は注意です。
3. クレジットやローンで“延滞”したことがある場合
もっとも注意が必要なのは、
「過去に支払いの延滞があったかどうか」。
これは信用情報に記録され、公庫の審査で確認される可能性があります。
ここに問題があると、住宅ローンの有無にかかわらず不利になることがあります。
審査を通すための“具体的な対策”とは?
では、住宅ローンがある状態で創業融資を通すためには、
どうすれば良いのでしょうか?
ポイントは以下の3点です。
① 生活費と返済額をリアルに把握して、無理のない事業計画を立てる
公庫は、あなたの生活全体を見て、
「この人は融資しても返せるか」を見ています。
住宅ローンの返済額を含め、家計が回ることを証明しましょう。
② クレジット履歴・信用情報を一度チェックしておく
CICやJICCなどの信用情報機関で、
自分の情報を取り寄せて確認できます
。過去に延滞がある方は、その内容によっては「今は健全に回っている」
ことを資料で説明することも有効です。
③ 税理士や専門家に相談し、計画の整合性をチェックする
創業支援に強い税理士であれば、
「この返済計画は公庫にどう見られるか?」
を客観的に見てくれます。
ご自身では気づけない弱点を事前に補っておくことが、
成功の近道です。
「住宅ローンあり」はむしろ“普通”のこと。気にしすぎないでOK!
実際のところ、起業を目指す多くの方が住宅ローンを抱えています。
特に30代後半〜50代での起業を考える方にとって、
「家を買っている」というのはむしろ自然なライフイベントの一つ。
公庫の担当者もそのあたりは当然理解していますし、
「住宅ローンがある=返済能力がない」というような短絡的な見方はしません。
むしろ、家族を守りながら夢に挑戦する、その姿勢自体がプラスに評価されることもあります。
ですので、必要以上にナーバスになる必要はありません
。「住宅ローンがあるからダメかも…」と不安に思う方は、
その不安をぜひ専門家にぶつけてください。
事業計画と家計のバランスを冷静に見直しながら、
一緒に最適な融資戦略を考えていきましょう。
おわりに:住宅ローンがあっても、夢は叶えられる
住宅ローンがあるからといって、創業融資を諦める必要はありません。
むしろ、これまで堅実に支払いを続けてきた“実績”こそ、信頼の証。
大切なのは、家計の全体像をしっかりと整理し、現実的な事業計画を立てることです。
公庫は「挑戦する人を応援したい」というスタンスを持った金融機関です。
必要なのは“無理のない計画”と“誠実な姿勢”。
それを伝えることができれば、住宅ローンの存在は決して不利ではありません。
どうぞ、自信を持って一歩を踏み出してください。
あなたの夢は、住宅ローンがあっても叶います。
しっかり準備すれば、公庫の創業融資は必ずあなたの味方になります
。ぜひ一度、相談からスタートしてみてくださいね。
起業という夢の実現を、私たち専門家も全力でお手伝いさせていただきます。
お気軽にご相談くださいね。