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経営者なら知っておきたい!いまさら聞けない「決定回避の法則」ってなに?

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経営者なら知っておきたい!いまさら聞けない「決定回避の法則」ってなに?

〜行動経済学から学ぶ、“迷い”が経営を止める理由と処方箋〜

「選択肢が多すぎて、結局何も決められない…」
「どれも正解に思えて、判断を先延ばしにしてしまう…」

経営の現場で、こうした“決断の迷い”を経験された方も多いのではないでしょうか。

ズバリ言います。
それはあなたの意思が弱いのではなく、人間に備わった“心理のクセ”=行動経済学的な現象が原因かもしれません。

今回は、「決定回避の法則」をテーマに、行動経済学の視点から経営者が陥りやすい“決断のワナ”とその乗り越え方を、やさしく丁寧に解説していきます。


「決定回避の法則」とは?

「決定回避の法則」とは、選択肢が複雑だったり、結果に対する不安が大きいときに、人が“決断を避けてしまう”心理的傾向を指します。

これは、行動経済学で言うところの「現状維持バイアス」「選択回避のパラドックス」などとも深く関係しています。

簡単に言えば、「失敗するくらいなら、今は決めないほうがいい」と脳が判断し、“現状をキープする”という選択を無意識に選んでしまうのです。


なぜ人は決断を避けるのか?(行動経済学的解説)

人間の意思決定には、以下のような“心理のクセ”が働いています。

① 【現状維持バイアス】

「今の状態を変えたくない」「変化が怖い」と感じる本能的な心理。これにより、本来なら“改善できる選択肢”すら見送ってしまうことがあります。

② 【選択過多のパラドックス】

選択肢が多すぎると、かえって選べなくなる現象。これはスーパーマーケットの「ジャムの実験」でも有名ですね。選択肢が6個のときよりも、24個あるときのほうが“購入率が下がった”という結果がありました。

③ 【損失回避性】

利益を得る喜びよりも、損失を避ける痛みのほうが強く働く傾向。結果、「失敗したらどうしよう…」という恐れが先立ち、決断できなくなります。

④ 【後悔回避バイアス】

「決めたあとに後悔したくない」という思いから、判断を引き延ばしてしまう心理です。人は、選ばなかったことよりも“選んで失敗したこと”に後悔を強く感じます。


決定回避が経営にもたらす影響

経営の現場で「決定回避」が起きると、次のような問題が生じます。

  • ビジネスチャンスの見逃し:新商品、新サービスの投入タイミングを逃す

  • 意思決定の遅延:業務が前に進まず、社内の士気も低下

  • 他者依存が進む:「誰かが決めてくれるまで動かない」という空気が生まれる

これでは、成長どころか“じり貧経営”に陥ってしまう危険すらあります。


決定回避を乗り越えるための処方箋

ここからは、行動経済学の視点を踏まえた“実践的な打ち手”をご紹介します。


① 「デフォルト(初期設定)」を活用する

人は、初期設定された選択肢をそのまま選びやすい性質があります。経営判断でも「今期はA案を基本方針にする」と仮決定を置くだけで、そこからの意思決定が進みやすくなります。


② 「選択肢を減らす」ことで判断を楽にする

経営会議や商品開発の場では、あえて選択肢を3つ以内に絞ってから議論するだけで、判断スピードが格段に上がります。


③ 「あらかじめ失敗を織り込む」

すべての判断に100点を求めると、どんどん決断が重くなります。「成功確率が60%ならOK」といった“割り切り基準”を決めておくことで、ブレーキを緩めることができます。


④ 「後悔」ではなく「学び」に注目する習慣

失敗しても「なぜそうなったか」「次はどうするか」と、前向きな学びを得られる思考習慣があれば、決断のハードルはグッと下がります。


⑤ 「人と比較しない」選択軸を持つ

「他社がこうしているから…」という視点は、不安をあおり決断を鈍らせます。自社の“理念・目的・リソース”に照らして、自分軸で判断することが、迷わない選択につながります。


最後に:経営者の“決断力”は後天的に鍛えられる

人は本来、失敗を恐れ、現状に留まりたい生き物です。だからこそ、経営者という立場になった今、「決断する責任」をどう背負うかが問われます。

でも大丈夫。
決断力は、センスではなく「トレーニングで育てることができる力」です。

最初は小さな判断からでOK。「迷っても一歩踏み出す」「完璧を求めず、学びを重ねる」ことで、あなたの経営判断は確実に磨かれていきます。

「決めること」から、未来は動き出します。
ぜひあなたらしい判断力を、今日から少しずつ育てていきましょう!


【無料相談のご案内】

弊社では、中野裕哲を中心とした所属専門家チーム(起業コンサルタント(R)、経営コンサルタント、税理士、社会保険労務士、行政書士、司法書士、中小企業診断士、FP、元日本政策金融公庫支店長、元経済産業省系補助金審査員など)が一丸となって、幅広い起業支援・経営支援を行っております。
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この記事を書いた人

中野裕哲/Nakano Hiroaki

起業コンサルタント(R)、経営コンサルタント、税理士、特定社会保険労務士、行政書士、サーティファイドファイナンシャルプランナー・CFP(R)、1 級FP技能士。大正大学招聘教授(起業論、ゼミ等)

V-Spiritsグループ創業者。税理士法人V-Spiritsグループ代表。東京池袋を本拠に全国の起業家・経営者さんを応援!「ベストセラー起業本」の著者。著書20冊、累計25万部超。経済産業省後援「DREAMGATE」で12年連続相談件数日本一。

【まるごと起業支援(R)・経営支援】
起業コンサル(事業計画+融資+補助金+会社設立支援)+起業後の総合サポート(経理 税務 事業計画書 融資 補助金 助成金 人事 給与計算 社会保険 法務 許認可 公庫連携 認定支援機関)など
【略歴】
経営者である父の元に生まれ、幼き頃より経営者になることを目標として過ごす。バブル崩壊の影響を受け経営が悪化。一家離散に近い貧困状況を経験し、「経営者の支援」をライフワークとしたいと決意。それに役立ちそうな各種資格を学生時代を中心に取得。同じく経営者であるメンターの伯父より、単に書類や手続を追求する専門家としてではなく、視野を広げ「ビジネス」の現場での経験を元に経営者の「経営そのもの」を支援できるような専門家を目指すようアドバイスを受け、社会人生活をスタート。大手、中小、ベンチャー企業、会計事務所等で営業、経理、財務、人事、総務、管理職、経営陣等、ビジネスの「現場」での充実した修行の日々を送ったあと、2007年に独立。ほかにはない支援スタイルが起業家・経営者に受け入れられ、経済産業省「DREAM GATE」にて、面談相談12年連続日本一。補助金・助成金支援実績600件超。ベストセラー含む起業・経営本20冊を出版。累計25万部超。無料相談件数は全国から累計3000件を超す。

この記事を監修した人

多胡藤夫/Fujio Tago

元日本政策金融公庫支店長、社会生産性本部認定経営コンサルタント、ファイナンシャルプランナーCFP(R)、V-Spirits総合研究所株式会社 取締役
同志社大学法学部卒業後、日本政策金融公庫(旧国民金融公庫)に入行。 約63,000社の中小企業や起業家への融資業務に従事し審査に精通する。
支店長時代にはベンチャー企業支援審査会委員長、企業再生協議会委員など数々の要職を歴任したあと、定年退職。
日本の起業家、中小企業を支援すべく独立し、その後、V-Spiritsグループに合流。
長年融資をする側の立場にいた経験、ノウハウをフル活用し、融資を受けるためのコツを本音で伝えている。

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