
経営者なら知っておきたい!いまさら聞けない「パッケージセル戦略」って何?
「もっと客単価を上げたい」「お客様に選ばれやすい商品構成にしたい」
そんなときに力を発揮するのがパッケージセル戦略です。単品をただ並べるのではなく、価値の組み合わせを設計して売る方法で、業種・業態を問わず使える売上向上の王道戦略です。
1. パッケージセル戦略とは?
ズバリ言います。
パッケージセルとは、複数の商品やサービスを一つのパッケージとしてまとめ、単品よりも魅力的かつお得に見せて販売する戦略です。
ポイントは、
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組み合わせによる価値アップ
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セットにすることでの割安感
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購入判断の簡略化
お客様に「これを選べば間違いない」と思ってもらうことが狙いです。
2. なぜ経営者が知っておくべきか?
単品販売だけでは、顧客が必要最低限しか購入しないケースが多いものです。
パッケージにすれば、
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単価アップ(複数商品を一度に販売)
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購買率アップ(選びやすくなる)
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在庫回転率の改善(売れ残り商品も一緒に販売できる)
というメリットが期待できます。
3. ビジネスでの活用例
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飲食業:ハンバーガー+ポテト+ドリンクのセットメニュー
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美容業:カット+カラー+トリートメントのコース
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旅行業:宿泊+食事+アクティビティ込みのパッケージプラン
このように、単品だと別々に考える必要があるものを、「最適な組み合わせ」として提示することで購買がスムーズになります。
4. 実践ステップ
私が経営者に提案するパッケージセル戦略の設計は、次の流れです。
① 主力商品を決める
パッケージの中心となる人気商品やサービスを選びます。
② 補完商品を組み合わせる
主力商品をより便利・快適・効果的にする関連商品を選びます。
③ 単品合計よりお得な価格設定
お客様に「セットの方が断然お得」と感じてもらうため、割安感を出します。
④ 視覚的に分かりやすく
写真や図、比較表を使ってパッケージ内容を一目で理解できるようにします。
5. よくある失敗パターン
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関連性の低い商品を組み合わせる
「なぜこれがセットに?」と思われると、逆に売れません。 -
割安感がない
単品合計とほぼ同じ価格では魅力が薄れます。 -
お客様に選択肢を与えすぎる
パッケージ数が多いと迷わせてしまい、購入率が下がります。
6. 成功事例
あるフィットネスクラブでは、「入会金+3カ月分会費+パーソナルトレーニング3回」のパッケージを販売。通常より1万円お得な価格に設定したところ、入会率が40%アップしました。
また、地方の印刷会社では、「名刺印刷+封筒印刷+会社案内制作」をまとめた起業パッケージを提供。起業家層に刺さり、単価が約2倍になっただけでなく、長期的なリピート顧客も増えました。
7. 今日からできる実践チェックリスト
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自社の主力商品は何か?
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その価値を高める補完商品は何か?
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単品合計より魅力的な価格設定になっているか?
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パッケージ内容が一目でわかる資料やページを用意しているか?
まとめ
パッケージセル戦略は、お客様にとって「選びやすく、お得で、満足度が高い」買い方を提供しながら、自社の売上と利益を伸ばす強力な手段です。
経営者としては、単品販売に頼らず、「組み合わせの価値」を設計する視点が重要です。
大切なのは、お客様の立場に立って「これなら全部そろって安心」と思える提案をすること。
ぜひ、自社の商品やサービスを見直し、魅力的なパッケージを作ってみてください。きっと数字が変わります。
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この記事を書いた人
中野裕哲/Nakano Hiroaki
起業コンサルタント(R)、経営コンサルタント、税理士、特定社会保険労務士、行政書士、サーティファイドファイナンシャルプランナー・CFP(R)、1 級FP技能士。大正大学招聘教授(起業論、ゼミ等)
V-Spiritsグループ創業者。税理士法人V-Spiritsグループ代表。東京池袋を本拠に全国の起業家・経営者さんを応援!「ベストセラー起業本」の著者。著書20冊、累計25万部超。経済産業省後援「DREAMGATE」で12年連続相談件数日本一。
【まるごと起業支援(R)・経営支援】
起業コンサル(事業計画+融資+補助金+会社設立支援)+起業後の総合サポート(経理 税務 事業計画書 融資 補助金 助成金 人事 給与計算 社会保険 法務 許認可 公庫連携 認定支援機関)など
【略歴】
経営者である父の元に生まれ、幼き頃より経営者になることを目標として過ごす。バブル崩壊の影響を受け経営が悪化。一家離散に近い貧困状況を経験し、「経営者の支援」をライフワークとしたいと決意。それに役立ちそうな各種資格を学生時代を中心に取得。同じく経営者であるメンターの伯父より、単に書類や手続を追求する専門家としてではなく、視野を広げ「ビジネス」の現場での経験を元に経営者の「経営そのもの」を支援できるような専門家を目指すようアドバイスを受け、社会人生活をスタート。大手、中小、ベンチャー企業、会計事務所等で営業、経理、財務、人事、総務、管理職、経営陣等、ビジネスの「現場」での充実した修行の日々を送ったあと、2007年に独立。ほかにはない支援スタイルが起業家・経営者に受け入れられ、経済産業省「DREAM GATE」にて、面談相談12年連続日本一。補助金・助成金支援実績600件超。ベストセラー含む起業・経営本20冊を出版。累計25万部超。無料相談件数は全国から累計3000件を超す。
この記事を監修した人
多胡藤夫/Fujio Tago
元日本政策金融公庫支店長、社会生産性本部認定経営コンサルタント、ファイナンシャルプランナーCFP(R)、V-Spirits総合研究所株式会社 取締役
同志社大学法学部卒業後、日本政策金融公庫(旧国民金融公庫)に入行。 約63,000社の中小企業や起業家への融資業務に従事し審査に精通する。
支店長時代にはベンチャー企業支援審査会委員長、企業再生協議会委員など数々の要職を歴任したあと、定年退職。
日本の起業家、中小企業を支援すべく独立し、その後、V-Spiritsグループに合流。
長年融資をする側の立場にいた経験、ノウハウをフル活用し、融資を受けるためのコツを本音で伝えている。