中小企業診断士とは？起業直後の30代実業家が“本気で頼れる国家資格”を知る
はじめに
ズバリ言います。あなたの事業に今、足りないのは「頼れる参謀」ではありませんか？
経営のアイデアはたくさんある、情熱もある、行動力もある——それでも「なんとなくうまくいかない」「方向性に自信が持てない」と感じているなら、それは“経営全体を俯瞰する力”が不足しているのかもしれません。
今回は、そんなあなたの強い味方になってくれる「中小企業診断士」について、起業支援の現場に立ち続けてきた私の視点から、やさしく、実務的に解説します。
中小企業診断士とは？
「中小企業診断士」とは、経済産業省が認定する国家資格で、いわば“中小企業のドクター”です。企業の経営課題を診断し、改善策を提案する専門家として、戦略立案から資金調達、人事労務、販売促進、IT導入支援まで、幅広い知識と実務経験を持っています。
どうして起業家に必要なの？
起業初期にありがちな“つまずき”
起業直後によくある悩みを挙げてみましょう。
- 売上が伸びない
- 資金繰りが苦しい
- 顧客がリピートしてくれない
- 従業員のモチベーションが低い
- 戦略がブレてしまう
これらの悩みのほとんどは、「部分最適」に目を奪われて「全体最適」ができていないことが原因です。そこで登場するのが中小企業診断士です。
経営全体を見渡す視点を持っている
診断士は「経営」という巨大なパズルを、全体像から見て整理するのが得意。単なるアドバイスだけではなく、「どこから着手するべきか？」「この一手にどういう意味があるか？」という視点で戦略的に導いてくれます。
中小企業診断士は何をしてくれるの？
ここでは、実際の業務内容を具体的に見てみましょう。
1. 経営診断・経営改善計画の策定
会社の現状を診断し、課題と改善案をわかりやすく整理してくれます。
2. 事業計画書の作成支援
創業融資や補助金を狙うなら、説得力のある事業計画書が必須。診断士の力が大きくモノを言います。
3. 補助金・助成金の申請サポート
多くの診断士は、各種補助金（ものづくり補助金、事業再構築補助金など）の申請支援実績を持っています。
4. 売上拡大・販路開拓支援
マーケティングのプロとして、売れる仕組みづくりを一緒に考えてくれます。
5. IT導入支援
IT導入補助金などの活用も視野に、業務効率化の支援を行います。
中小企業診断士を選ぶときのポイント
実は診断士の数は全国に約3万人以上。では、どうやって“本当に頼れる人”を見つけるのか？
1. 実務経験が豊富かどうか
国家資格を持っていても、机上の理論だけでは意味がありません。実際に経営の現場で泥臭く動いてきた経験があるか、要チェックです。
2. 補助金や融資の支援実績があるか
起業家にとって資金調達は最重要テーマ。実績の有無を確認しましょう。
3. 相性が合うかどうか
これはとても大事なポイント。「話しやすい」「一緒にいて前向きになれる」診断士を選びましょう。
どうやって探せばいいの？
- 商工会議所や商工会に問い合わせる
- 中小企業基盤整備機構（ミラサポなど）を活用する
- インターネット検索で「中小企業診断士＋地域名」で調べる
- 知り合いの経営者から紹介してもらう
診断士との付き合い方のコツ
- 単発の相談だけでなく、継続的に関係を持つ
- 経営課題を包み隠さず話す
- 相談前に「自社の目的」や「困っていること」を整理しておく
よくある質問（FAQ）
Q1. 中小企業診断士ってどこまで相談できるの？
A1. 経営に関することなら何でもOK。税務や法律に関することは、税理士や弁護士との連携で対応します。
Q2. 報酬はどれくらい？
A2. 案件によって様々ですが、初回相談無料の人も多く、月額数万円〜数十万円が一般的。補助金が使えるケースもあります。
Q3. 税理士と何が違うの？
A3. 税理士は“過去”の数字（会計・税務）を整理する専門家。診断士は“未来”を見据えた経営戦略を一緒に描く専門家です。
おわりに
いかがでしたか？
「中小企業診断士」と聞くと、どこか堅いイメージを持たれがちですが、実は“起業したての社長こそ、最初に相談すべき相手”なんです。
事業がスタートしてからは、スピード勝負。 立ち止まって考える時間も、悩んでいる余裕もないかもしれません。
だからこそ、経営のプロである中小企業診断士の力を借りて、最初から“正しい道”を一緒に進んでいきましょう。
あなたの情熱と行動力に、診断士の知見が加われば、鬼に金棒です。
お気軽に、信頼できる診断士に相談してみてくださいね。
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この記事を書いた人
中野裕哲／Nakano Hiroaki
起業コンサルタント(R)、経営コンサルタント、税理士、特定社会保険労務士、行政書士、サーティファイドファイナンシャルプランナー・CFP(R)、1 級FP技能士。大正大学招聘教授（起業論、ゼミ等）
V-Spiritsグループ創業者。税理士法人V-Spiritsグループ代表。東京池袋を本拠に全国の起業家・経営者さんを応援！「ベストセラー起業本」の著者。著書20冊、累計25万部超。経済産業省後援「DREAMGATE」で12年連続相談件数日本一。
【まるごと起業支援(R)・経営支援】
起業コンサル（事業計画＋融資＋補助金＋会社設立支援）＋起業後の総合サポート（経理 税務 事業計画書 融資 補助金 助成金 人事 給与計算 社会保険 法務 許認可 公庫連携 認定支援機関）など
【略歴】
経営者である父の元に生まれ、幼き頃より経営者になることを目標として過ごす。バブル崩壊の影響を受け経営が悪化。一家離散に近い貧困状況を経験し、「経営者の支援」をライフワークとしたいと決意。それに役立ちそうな各種資格を学生時代を中心に取得。同じく経営者であるメンターの伯父より、単に書類や手続を追求する専門家としてではなく、視野を広げ「ビジネス」の現場での経験を元に経営者の「経営そのもの」を支援できるような専門家を目指すようアドバイスを受け、社会人生活をスタート。大手、中小、ベンチャー企業、会計事務所等で営業、経理、財務、人事、総務、管理職、経営陣等、ビジネスの「現場」での充実した修行の日々を送ったあと、2007年に独立。ほかにはない支援スタイルが起業家・経営者に受け入れられ、経済産業省「DREAM GATE」にて、面談相談12年連続日本一。補助金・助成金支援実績600件超。ベストセラー含む起業・経営本20冊を出版。累計25万部超。無料相談件数は全国から累計3000件を超す。
この記事を監修した人
多胡藤夫／Fujio Tago
元日本政策金融公庫支店長、社会生産性本部認定経営コンサルタント、ファイナンシャルプランナーCFP(R)、V-Spirits総合研究所株式会社 取締役
同志社大学法学部卒業後、日本政策金融公庫（旧国民金融公庫）に入行。 約63,000社の中小企業や起業家への融資業務に従事し審査に精通する。
支店長時代にはベンチャー企業支援審査会委員長、企業再生協議会委員など数々の要職を歴任したあと、定年退職。
日本の起業家、中小企業を支援すべく独立し、その後、V-Spiritsグループに合流。
長年融資をする側の立場にいた経験、ノウハウをフル活用し、融資を受けるためのコツを本音で伝えている。
