
【一年後に起業したい皆様へ】日本政策金融公庫の創業融資、実はこんなところを見られています
日本政策金融公庫の創業融資を検討している、これから起業する方へ。
これまでの起業支援経験から、日本政策金融公庫の融資審査で見られるポイントを重要なところだけ切り取って解説します。
はじめに
「創業融資を申請したいのですが、日本政策金融公庫の審査って、一体なにを見られるんですか。」
これは、起業相談の現場で本当によくいただく質問です。
ズバリ言いますと、日本政策金融公庫は
「その事業を本気でやる覚悟があり、現実的に実現可能かどうか」
この一点を、さまざまな角度から確認していると考えると分かりやすいでしょう。
見られるポイント
日本政策金融公庫は、主に次のようなポイントを総合的に見ています。
1. 自己資金の有無
最も大切なポイントは、何といっても「自己資金があるかどうか」です。
ここでいう自己資金とは、これまでにコツコツと貯めてきた貯金などを指します。
審査の際には、直近の通帳コピーなどの提出を求められるのが一般的です。
「人のふんどしで事業をやります」と言っている人が、
「自分ではほとんど貯金をしていません」
という状態では、どうしても評価は下がってしまいますよね。
2. 経験や技術
どんな事業を始めるにしても、その分野に関する経験は非常に重要です。
たとえば、
カフェを開業したいのであれば飲食業界での実務経験、
ITサービスであれば開発や運営に関わった経験、
といった具合です。
審査では、「これまでどんな仕事をしてきたのか」「専門性のある経験があるか」といった点も、しっかり確認されます。
3. 事業計画書のレベル
事業計画書は、起業家自身の“答え合わせテスト”のようなものです。
ここが一番不安という方も多いのですが、実はこの事業計画書、
ただの「書類」ではありません。
売上や経費の計算、マーケティング方針、今後のスケジュール、
そして「何を、誰に、どのように提供したいのか」が、
分かりやすく整理されているかどうか。
その一つ一つが、審査通過の重要なカギになります。
事業計画書の書き方については、別ページで詳しく解説していますので、よければあわせてご覧ください。
FAQ - よくある質問
Q. 自己資金はいくらあればいいの?
A. ひとつの目安としては、創業に必要な資金全体を洗い出したうえで、
その3分の1程度は自己資金として用意しておきたいところです。
Q. 事業計画書はテンプレートを使ってもいい?
A. 基本的な型はありますが、最も大切なのは「自分の言葉で書くこと」です。
テンプレートは参考程度にして、自分の事業に合わせて必ず書き直しましょう。
おわりに
創業融資の審査は、数字や書類といったテクニカルな部分だけでなく、
「人を見ている」側面も大きいのが特徴です。
しっかりと計画を立て、コツコツと自己資金を貯め、
そのビジョンに沿った経験を少しずつ積み上げていく。
そうした準備を重ねていけば、はじめての創業融資も、決して怖いものではありません。
さあ、一歩踏み出しましょう。
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この記事を書いた人
中野裕哲/Nakano Hiroaki
起業コンサルタント(R)、経営コンサルタント、税理士、特定社会保険労務士、行政書士、サーティファイドファイナンシャルプランナー・CFP(R)、1 級FP技能士。大正大学招聘教授(起業論、ゼミ等)
V-Spiritsグループ創業者。税理士法人V-Spiritsグループ代表。東京池袋を本拠に全国の起業家・経営者さんを応援!「ベストセラー起業本」の著者。著書20冊、累計25万部超。経済産業省後援「DREAMGATE」で12年連続相談件数日本一。
【まるごと起業支援(R)・経営支援】
起業コンサル(事業計画+融資+補助金+会社設立支援)+起業後の総合サポート(経理 税務 事業計画書 融資 補助金 助成金 人事 給与計算 社会保険 法務 許認可 公庫連携 認定支援機関)など
【略歴】
経営者である父の元に生まれ、幼き頃より経営者になることを目標として過ごす。バブル崩壊の影響を受け経営が悪化。一家離散に近い貧困状況を経験し、「経営者の支援」をライフワークとしたいと決意。それに役立ちそうな各種資格を学生時代を中心に取得。同じく経営者であるメンターの伯父より、単に書類や手続を追求する専門家としてではなく、視野を広げ「ビジネス」の現場での経験を元に経営者の「経営そのもの」を支援できるような専門家を目指すようアドバイスを受け、社会人生活をスタート。大手、中小、ベンチャー企業、会計事務所等で営業、経理、財務、人事、総務、管理職、経営陣等、ビジネスの「現場」での充実した修行の日々を送ったあと、2007年に独立。ほかにはない支援スタイルが起業家・経営者に受け入れられ、経済産業省「DREAM GATE」にて、面談相談12年連続日本一。補助金・助成金支援実績600件超。ベストセラー含む起業・経営本20冊を出版。累計25万部超。無料相談件数は全国から累計3000件を超す。

この記事を監修した人
多胡藤夫/Fujio Tago
元日本政策金融公庫支店長、社会生産性本部認定経営コンサルタント、ファイナンシャルプランナーCFP(R)、V-Spirits総合研究所株式会社 取締役
同志社大学法学部卒業後、日本政策金融公庫(旧国民金融公庫)に入行。 約63,000社の中小企業や起業家への融資業務に従事し審査に精通する。
支店長時代にはベンチャー企業支援審査会委員長、企業再生協議会委員など数々の要職を歴任したあと、定年退職。
日本の起業家、中小企業を支援すべく独立し、その後、V-Spiritsグループに合流。
長年融資をする側の立場にいた経験、ノウハウをフル活用し、融資を受けるためのコツを本音で伝えている。



























