
立地とは?一年後に起業を目指す30代会社員が成功するための場所選び
はじめに:なぜ「立地」がこれほど重要なのか?
これから1年後に起業を検討している30代会社員の方にとって、最も悩むテーマの一つが「どこで事業を始めるか」ではないでしょうか。
どんなに商品やサービスが優れていても、立地を誤ると顧客が集まらず、苦しい経営を強いられることがあります。
ズバリ言います。
「立地は起業成功を左右する最大の要素の一つ」 です。
この記事では、立地の基本的な考え方から業種別の選び方、資金計画との関係、そして失敗しないための実践的なポイントを徹底的に解説します。
第1章:立地とは?
立地とは、事業を営む場所、つまり店舗やオフィスの所在地のことです。
単なる住所ではなく、「顧客が来やすいか」「仕入れ先とのアクセスは良いか」「競合状況はどうか」といった経営に直結する要素を含みます。
立地を誤れば、いくら広告を打ってもお客様が来ず、逆に立地が良ければ宣伝が少なくても自然に集客できる場合もあります。
第2章:立地の基本的な考え方
1. 顧客動線を読む
ターゲットとする顧客が「どこを通り、どこで時間を過ごしているか」を把握する。
2. 競合状況を把握
同じ業態の店舗が多い場所は競争が激しい一方、需要が高い証拠でもある。
3. アクセスの良さ
交通機関、駐車場の有無は来店の大きな要素。
4. コストとのバランス
一等地は集客しやすいが家賃が高い。利益とのバランスを見極める必要がある。
第3章:業種別に見る立地のポイント
1. 飲食店
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人通りの多い駅前や繁華街が有利
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ただし家賃負担が大きいので、ランチ需要・夜の需要を見極める
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テイクアウト需要があれば住宅街も有効
2. 小売業
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ターゲット層の生活動線上にあるかがカギ
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競合店が近くにあるかを調査
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ネット通販との両立も検討
3. サービス業(美容院、クリニックなど)
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信頼性と利便性が重要
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駐車場の有無が来店率を左右
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地域住民との距離感を大切に
4. BtoB(法人向け)
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顧客企業の集まるエリアに拠点を置く
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移動の利便性を優先
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賃料を抑えるならシェアオフィスやサテライトオフィスも選択肢
第4章:立地選びで失敗しやすいパターン
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家賃の安さだけで決める
→ 集客できず結局赤字になるケースが多い。 -
自分の住まいに近い場所を優先
→ 顧客目線で考えないと失敗する。 -
一時的な流行エリアに飛びつく
→ 長期的な需要を見極めることが大切。
第5章:立地と資金計画の関係
立地は資金計画に直結します。
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一等地 → 家賃高いが集客しやすい
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郊外 → 家賃安いが集客に広告費がかかる
つまり、どちらを選んでもコストはかかるのです。
資金計画では、家賃だけでなく「集客コスト」も含めて比較することが必要です。
第6章:立地調査の実務ステップ
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候補地をリストアップ
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平日・休日・昼・夜で人通りを観察
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競合店の客入りをチェック
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不動産会社や地元住民から情報収集
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家賃と売上予測をシミュレーション
第7章:立地選びのケーススタディ
ケース1:駅前に出したカフェ
家賃は高かったが人通りが多く、安定的に集客できた。
ケース2:住宅街のパン屋
人通りは少なかったが、地域住民に密着し口コミで広がった。
ケース3:安さだけで選んだ事務所
顧客が訪問しにくく、結局移転。移転コストで資金が圧迫された。
FAQ:よくある質問
Q1. 起業直後は一等地を狙うべきですか?
A. 必ずしもそうではありません。資金力や業種によって適切な立地は異なります。
Q2. 不動産会社に任せておけば大丈夫ですか?
A. 不動産会社は条件を揃えてくれますが、顧客動線や競合状況は自分で調べる必要があります。
Q3. 自宅開業でも成功できますか?
A. IT業や士業など来店が不要な業種なら可能です。ただし信用面で課題が残ることもあります。
Q4. 立地調査はどのくらい時間をかけるべきですか?
A. 最低でも数週間〜1か月は現地調査をしてください。短期間の判断はリスクが高いです。
Q5. 起業後に立地が失敗だと気づいたら?
A. 早めの撤退・移転も選択肢です。固定費が経営を圧迫する前に見直しましょう。
おわりに:立地は「戦略」そのもの
立地は単なる場所選びではなく、経営戦略そのものです。
顧客目線で徹底的に考え、資金計画と照らし合わせながら最適な選択をしてください。
ズバリ言います。
「立地を制する者は起業を制する」 のです。
これから1年後に起業を考えているあなたも、立地を戦略的に選び、成功の第一歩を踏み出してください。
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この記事を書いた人
中野裕哲/Nakano Hiroaki
起業コンサルタント(R)、経営コンサルタント、税理士、特定社会保険労務士、行政書士、サーティファイドファイナンシャルプランナー・CFP(R)、1 級FP技能士。大正大学招聘教授(起業論、ゼミ等)
V-Spiritsグループ創業者。税理士法人V-Spiritsグループ代表。東京池袋を本拠に全国の起業家・経営者さんを応援!「ベストセラー起業本」の著者。著書20冊、累計25万部超。経済産業省後援「DREAMGATE」で12年連続相談件数日本一。
【まるごと起業支援(R)・経営支援】
起業コンサル(事業計画+融資+補助金+会社設立支援)+起業後の総合サポート(経理 税務 事業計画書 融資 補助金 助成金 人事 給与計算 社会保険 法務 許認可 公庫連携 認定支援機関)など
【略歴】
経営者である父の元に生まれ、幼き頃より経営者になることを目標として過ごす。バブル崩壊の影響を受け経営が悪化。一家離散に近い貧困状況を経験し、「経営者の支援」をライフワークとしたいと決意。それに役立ちそうな各種資格を学生時代を中心に取得。同じく経営者であるメンターの伯父より、単に書類や手続を追求する専門家としてではなく、視野を広げ「ビジネス」の現場での経験を元に経営者の「経営そのもの」を支援できるような専門家を目指すようアドバイスを受け、社会人生活をスタート。大手、中小、ベンチャー企業、会計事務所等で営業、経理、財務、人事、総務、管理職、経営陣等、ビジネスの「現場」での充実した修行の日々を送ったあと、2007年に独立。ほかにはない支援スタイルが起業家・経営者に受け入れられ、経済産業省「DREAM GATE」にて、面談相談12年連続日本一。補助金・助成金支援実績600件超。ベストセラー含む起業・経営本20冊を出版。累計25万部超。無料相談件数は全国から累計3000件を超す。
この記事を監修した人
多胡藤夫/Fujio Tago
元日本政策金融公庫支店長、社会生産性本部認定経営コンサルタント、ファイナンシャルプランナーCFP(R)、V-Spirits総合研究所株式会社 取締役
同志社大学法学部卒業後、日本政策金融公庫(旧国民金融公庫)に入行。 約63,000社の中小企業や起業家への融資業務に従事し審査に精通する。
支店長時代にはベンチャー企業支援審査会委員長、企業再生協議会委員など数々の要職を歴任したあと、定年退職。
日本の起業家、中小企業を支援すべく独立し、その後、V-Spiritsグループに合流。
長年融資をする側の立場にいた経験、ノウハウをフル活用し、融資を受けるためのコツを本音で伝えている。