
CIC記号の読み方とは?起業前に知っておくべき信用情報の基礎知識
こんにちは。起業コンサルタント(R)、税理士・行政書士・社労士・FPの中野裕哲です。
「CICって聞いたことあるけど、どんな情報が載ってるんですか?」「“A”マークがついてたらまずいんですよね?」
創業融資を検討する方から、こんな質問をよくいただきます。
ズバリ言います。起業前に、CIC(信用情報機関)の記録は必ずチェックしておきましょう!
なぜなら、あなたの信用情報が「融資の可否」に直結するからです。
今回は、CICで使われる記号の意味から、信用情報の整え方、注意点までやさしく解説していきますね。
そもそも「CIC」とは?
CIC(株式会社シー・アイ・シー)は、日本で主要な信用情報機関のひとつ。クレジットカードやローン、携帯電話の分割払いなどの契約情報が登録されています。
銀行や日本政策金融公庫も、創業融資の審査時にはこのCICの情報等を確認します。
つまり、どんなに立派な事業計画書を作っても、信用情報にキズがあると審査通過は難しくなるのです。
CICの「記号」とは何か?
CICの開示報告書には、「入金状況」として毎月の支払い実績が記号で表示されています。主な記号の意味は以下のとおりです。
| 記号 | 意味 |
|---|---|
| $ | 請求どおりに入金された(優良) |
| P | 一部入金、もしくは入金額が不明 |
| A~C | 未入金(延滞)
A:お客様の事情で未入金 B:お客様の事情とは無関係の理由で入金がなかった C:未入金だが、原因がわからない |
| 空欄 | 情報なし(報告なし) |
| – | 未請求、もしくは契約終了 |
特に注意が必要なのは「A~C」です。これが複数月続いていると、審査に大きく影響します。
「A~C」の記号がついているとどうなる?
「A~C」は、延滞や未入金を示す要注意記号です。
- 携帯料金の未払い
- クレジットカードの支払遅延
- ローン返済の滞納
これらがあると、たとえ少額であっても「信用リスクあり」と判断され、融資が通りにくくなります。
そして、この情報は最大5年間残ります。
審査に通るにはどうしたらいい?
- まずは信用情報の開示請求 → CICの公式サイトで、スマホや郵送で自分の情報を確認できます(手数料500円程度)。
- 延滞がある場合はすぐに清算 → 完済しても情報は残りますが、「現在は正常に返済中」となれば印象が改善します。
- 新規で延滞を起こさない → スマホ代やサブスクの支払いも滞納しないように。
- 信用を積み重ねる → 数年単位で遅延なく支払えば、クレヒス(クレジットヒストリー)は改善します。
起業前にしておくべき3つのこと
- 信用情報の開示チェック → 思わぬ記号がついていないかを確認。
- ローンの整理 → 消費者金融などの借入がある場合は整理するのがベター。
- カード支払いの自動引落化 → 支払い忘れを防ぐために、すべて引き落とし設定を。
FAQ:CIC記号に関するよくある質問
Q. 未入金が1回だけでも影響ありますか?
A. 1回だけなら軽微な影響で済む場合もあります。ただし頻発していると要注意です。
Q. 何年でCICの情報は消える?
A. 延滞情報は完済から5年以内に削除されます。破産などはさらに長く残るケースもあります。
Q. CICに「異議申立て」はできますか?
A. はい、事実と異なる情報がある場合は、訂正依頼を出すことができます。
Q. スマホの分割払いもCICに登録されてるの?
A. はい。スマホ端末の分割は「割賦販売契約」としてCICに登録されています。
最後に:信用は“見えない資産”です
創業融資では、事業計画や自己資金と並んで、「個人の信用情報」が見られます。
だからこそ、CIC記号は単なる記号ではなく、未来のあなたの起業の成否を左右するもの。
信用は一朝一夕には築けませんが、日々の誠実な支払いと生活の中で少しずつ積み上げることができます。
どうか今日から、「信用をつくる行動」を意識してみてくださいね!
「自分の信用情報が不安……」そんなときは、ぜひお気軽に私たちにご相談ください。一緒に安心して創業準備を進めていきましょう。
【無料相談のご案内】
起業の手続きって何から始めればいいの?といった疑問に対して適切なアドバイスを無料にて行っております。
無料相談も行っているので、ぜひ一度、ご相談ください。お問い合わせお待ちしております!
この記事を書いた人
中野裕哲/Nakano Hiroaki
起業コンサルタント(R)、経営コンサルタント、税理士、特定社会保険労務士、行政書士、サーティファイドファイナンシャルプランナー・CFP(R)、1 級FP技能士。大正大学招聘教授(起業論、ゼミ等)
V-Spiritsグループ創業者。税理士法人V-Spiritsグループ代表。東京池袋を本拠に全国の起業家・経営者さんを応援!「ベストセラー起業本」の著者。著書20冊、累計25万部超。経済産業省後援「DREAMGATE」で12年連続相談件数日本一。
【まるごと起業支援(R)・経営支援】
起業コンサル(事業計画+融資+補助金+会社設立支援)+起業後の総合サポート(経理 税務 事業計画書 融資 補助金 助成金 人事 給与計算 社会保険 法務 許認可 公庫連携 認定支援機関)など
【略歴】
経営者である父の元に生まれ、幼き頃より経営者になることを目標として過ごす。バブル崩壊の影響を受け経営が悪化。一家離散に近い貧困状況を経験し、「経営者の支援」をライフワークとしたいと決意。それに役立ちそうな各種資格を学生時代を中心に取得。同じく経営者であるメンターの伯父より、単に書類や手続を追求する専門家としてではなく、視野を広げ「ビジネス」の現場での経験を元に経営者の「経営そのもの」を支援できるような専門家を目指すようアドバイスを受け、社会人生活をスタート。大手、中小、ベンチャー企業、会計事務所等で営業、経理、財務、人事、総務、管理職、経営陣等、ビジネスの「現場」での充実した修行の日々を送ったあと、2007年に独立。ほかにはない支援スタイルが起業家・経営者に受け入れられ、経済産業省「DREAM GATE」にて、面談相談12年連続日本一。補助金・助成金支援実績600件超。ベストセラー含む起業・経営本20冊を出版。累計25万部超。無料相談件数は全国から累計3000件を超す。

この記事を監修した人
多胡藤夫/Fujio Tago
元日本政策金融公庫支店長、社会生産性本部認定経営コンサルタント、ファイナンシャルプランナーCFP(R)、V-Spirits総合研究所株式会社 取締役
同志社大学法学部卒業後、日本政策金融公庫(旧国民金融公庫)に入行。 約63,000社の中小企業や起業家への融資業務に従事し審査に精通する。
支店長時代にはベンチャー企業支援審査会委員長、企業再生協議会委員など数々の要職を歴任したあと、定年退職。
日本の起業家、中小企業を支援すべく独立し、その後、V-Spiritsグループに合流。
長年融資をする側の立場にいた経験、ノウハウをフル活用し、融資を受けるためのコツを本音で伝えている。


























