
会社員から起業へ!創業計画書の書き方と記入例を徹底解説
「よし、来年こそ起業するぞ!」
そんな決意を胸に秘めて日々を過ごしている会社員のあなたへ。この記事では、起業準備の中でもとりわけ重要な「創業計画書」の作成について、わかりやすく丁寧に解説していきます。
ズバリ言います。
創業計画書は、単なる書類ではありません。あなたの夢と現実をつなぐ“設計図”なのです。
創業計画書とは?
創業計画書とは、主に「日本政策金融公庫」や「自治体の創業融資」「補助金」などを申し込む際に求められる重要書類のことです。
とはいえ、書類というと身構えてしまいますよね?でもご安心ください。専門用語を知らなくても、自分の言葉で書けばいいんです。なぜなら、事業の主人公はあなた自身なのですから。
実際に、創業計画書を書くことで「自分の事業構想がこんなにぼんやりしていたのか」と気づく方も多いんです。書く作業自体が、自分との対話でもあるんですね。
創業計画書の構成と書き方
以下は、日本政策金融公庫のフォーマットに基づいた創業計画書の一般的な構成です。
1. 創業の動機
「なぜ、今、起業したいのか?」を自分の言葉で語るパートです。
ポイント:
- 現職での経験とリンクさせる
- 社会課題やお客様の声を出発点にする
- 「食べていくため」だけで終わらせない
記入例: 「前職の営業職で多くの飲食店オーナー様と接する中で、SNS集客に課題を抱える方が多く、自ら飲食店に特化したWEBマーケティング支援を手掛けようと決意しました。」
あなたの「想い」が伝わる文章を心がけてください。融資担当者は、その想いに心を動かされることがよくあります。
2. 経営者の略歴等
創業しようとしている事業と、これまでの経験・スキルの関連性をアピールするパートです。
ポイント:
- 同業界での経験は強い武器
- 数字を入れる(例:10年で500件以上の案件に関与)
「この人ならうまくいくだろう」と思ってもらえるよう、地に足のついた実績を意識しましょう。
3. 取扱商品・サービス
あなたが提供する商品・サービスの具体的な内容を説明するパートです。
ポイント:
- 誰に(ターゲット)
- 何を(商品・サービス)
- どうやって(販路・販売方法)
記入例: 「個人経営の飲食店向けに、Instagramを活用した店舗集客サポート。初回無料相談、月額1.5万円からの運用代行サービスを提供予定。」
商品やサービスの独自性、競合との差別化ポイントなども盛り込みましょう。
4. 取引先・取引関係等
仕入先や販売先の見込み、契約状況などを記入します。
ポイント:
- 見込みの段階でもOK
- 信頼関係やこれまでの実績を簡潔に記載
これから新たに提携する予定の企業があれば、その社名や交渉状況も明記しておくと印象が良くなります。
5. 従業員
雇用予定がある場合に記入します。ひとりで始める場合は「なし」としてOK。
中長期的にはスタッフを増やしたい場合、その旨を書き添えても良いでしょう。
6. 借入の状況
既存の借入があれば記載します。住宅ローンなども含めて正直に。
ここを曖昧にしてしまうと、信用に関わります。正直さが信頼につながります。
7. 必要な資金と調達方法
初期費用の内訳と、自己資金・借入額などを具体的に記載します。
記入例:
- 設備資金(PC・プリンター):30万円
- 運転資金(3ヶ月分):60万円
- 自己資金:50万円
- 借入希望額:40万円
「なぜその金額が必要なのか」の根拠もしっかり書くと、審査に通りやすくなります。
8. 事業の見通し(売上・利益計画)
月ごとの売上予測、利益予測を記載します。あくまで現実的な数字で構いません。
ポイント:
- 根拠となるデータがあると説得力が増します
- ざっくりでも収支のバランスが合っているか確認
将来のビジョンや、「こうすれば利益が上がる」というシナリオがあると、計画性を評価されます。
よくある質問(FAQ)
Q. 創業計画書って手書きじゃないとダメですか?
いいえ、パソコンで作成しても問題ありません。むしろ見やすさを重視するならパソコン推奨です。
Q. 自己資金って、親からもらったお金も含めていいですか?
贈与であればOKですが、借りたお金(出世払い含む)は自己資金とみなされない可能性があります。
Q. 赤字になりそうなんですが、正直に書いていいですか?
基本的には現実的な計画が大事ですが、初月から赤字の場合は、どう挽回するかの説明を加えましょう。
「初月は広告費に注力するため赤字予定だが、2ヶ月目から売上が上がる設計」などの記述があると好印象です。
まとめ:創業計画書があなたの未来をつくる
創業計画書とは、融資のためだけに書くものではありません。
あなたの夢を現実に近づける、羅針盤のような存在です。
誰かに頼るのではなく、自分自身の言葉で。何度でも書き直してOKです。納得がいくまで向き合いましょう。
そして、書いてみて迷うことがあれば、お気軽に専門家にご相談くださいね。
あなたの起業が、実りあるものになるよう、心から応援しています!
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無料相談も行っているので、ぜひ一度、ご相談ください。お問い合わせお待ちしております!
この記事を書いた人
中野裕哲/Nakano Hiroaki
起業コンサルタント(R)、経営コンサルタント、税理士、特定社会保険労務士、行政書士、サーティファイドファイナンシャルプランナー・CFP(R)、1 級FP技能士。大正大学招聘教授(起業論、ゼミ等)
V-Spiritsグループ創業者。税理士法人V-Spiritsグループ代表。東京池袋を本拠に全国の起業家・経営者さんを応援!「ベストセラー起業本」の著者。著書20冊、累計25万部超。経済産業省後援「DREAMGATE」で12年連続相談件数日本一。
【まるごと起業支援(R)・経営支援】
起業コンサル(事業計画+融資+補助金+会社設立支援)+起業後の総合サポート(経理 税務 事業計画書 融資 補助金 助成金 人事 給与計算 社会保険 法務 許認可 公庫連携 認定支援機関)など
【略歴】
経営者である父の元に生まれ、幼き頃より経営者になることを目標として過ごす。バブル崩壊の影響を受け経営が悪化。一家離散に近い貧困状況を経験し、「経営者の支援」をライフワークとしたいと決意。それに役立ちそうな各種資格を学生時代を中心に取得。同じく経営者であるメンターの伯父より、単に書類や手続を追求する専門家としてではなく、視野を広げ「ビジネス」の現場での経験を元に経営者の「経営そのもの」を支援できるような専門家を目指すようアドバイスを受け、社会人生活をスタート。大手、中小、ベンチャー企業、会計事務所等で営業、経理、財務、人事、総務、管理職、経営陣等、ビジネスの「現場」での充実した修行の日々を送ったあと、2007年に独立。ほかにはない支援スタイルが起業家・経営者に受け入れられ、経済産業省「DREAM GATE」にて、面談相談12年連続日本一。補助金・助成金支援実績600件超。ベストセラー含む起業・経営本20冊を出版。累計25万部超。無料相談件数は全国から累計3000件を超す。

この記事を監修した人
多胡藤夫/Fujio Tago
元日本政策金融公庫支店長、社会生産性本部認定経営コンサルタント、ファイナンシャルプランナーCFP(R)、V-Spirits総合研究所株式会社 取締役
同志社大学法学部卒業後、日本政策金融公庫(旧国民金融公庫)に入行。 約63,000社の中小企業や起業家への融資業務に従事し審査に精通する。
支店長時代にはベンチャー企業支援審査会委員長、企業再生協議会委員など数々の要職を歴任したあと、定年退職。
日本の起業家、中小企業を支援すべく独立し、その後、V-Spiritsグループに合流。
長年融資をする側の立場にいた経験、ノウハウをフル活用し、融資を受けるためのコツを本音で伝えている。


























