
銀行ローンの審査に通らない!?──その理由と、今できる対策とは
こんにちは。起業コンサルタント(R)、税理士・社労士・行政書士・FPの中野裕哲です。
今回は、「銀行ローン審査に通らない理由」についてのお話です。ズバリ言いますが、これ、起業準備中の会社員の方からとても多くいただくご相談のひとつなんです。
「開業資金を借りようとしたけど、審査で落ちてしまった……」そんなとき、落ち込む気持ちはとてもよくわかります。でも、安心してください。審査に落ちたのは「あなたの人格」ではなく、単なる「条件の不一致」なんです。
この記事では、銀行の審査担当者がどこを見ているのか、よくあるNG理由、そして、今からできる具体的な改善策について、わかりやすく解説していきます。
銀行はどこを見ているのか?審査の基本を知ろう
まず押さえておきたいのが、「銀行は未来ではなく、過去と現在の実績で判断する」ということ。
主な審査ポイント:
- 信用情報(個人信用情報機関に登録された履歴)
- 年収と返済比率
- 雇用形態(正社員、契約社員、パートなど)
- 勤続年数
- 他の借入額
- 提出書類の正確性
特に、「信用情報」と「書類の完成度」は、見落とされがちなポイントです。住宅ローンや自動車ローン、リボ払いの残高なども審査に大きく影響します。
審査に通らない主な理由と対策
① クレジットカードやローンの延滞履歴がある
→ 信用情報機関に「事故情報」として登録されていると、ほぼ確実に審査に影響します。
対策:
- CICやJICCで自身の信用情報を開示して確認しましょう。
- 延滞があった場合は、今後は期日を守るよう心がけましょう。
② 収入に対して借入希望額が大きすぎる
→ 一般に「年間返済額÷年収」が30%を超えるとリスクとみなされます。
対策:
- 借入額を調整するか、自己資金を増やすことを検討しましょう。
- 副業収入や配偶者の収入がある場合は、それも加味されることがあります。
③ 勤続年数が短い
→ 勤続1年未満だと、安定性がないと判断されがちです。
対策:
- 転職直後の申請は避け、最低1年は勤務継続を目指しましょう。
- 定職に就いていることを証明するための在職証明書が有効です。
④ 提出書類に不備・不正確な情報がある
→ 書類の不備や整合性がない内容は、信用を大きく損ないます。
対策:
- 専門家のチェックを受けるのが安心です。
- 特に事業計画書の整合性や、売上・利益予測に裏付けがあるかは重要です。
⑤ 他の借入が多い・カードローン常用
→ 複数の借入があると、「返済余力がない」と判断されがちです。
対策:
- 可能であれば、借入を整理・完済してから申し込みましょう。
- ローン残高を圧縮することで、審査上有利になります。
起業予定者ならではの注意点
起業を予定している方は、「将来の計画」より「現在の安定性」が問われます。
つまり、
- 副業収入の証明があるか?
- 起業までのスケジュールが明確か?
- 起業後の収支予測があるか?
といった情報が、融資担当者にとっての判断材料になります。事業計画書には、マーケティング戦略や収支見込み、想定リスクとその対策なども含めると、説得力が高まります。
銀行以外の選択肢も考えてみよう
銀行の審査に通らなくても、道はあります。
- 日本政策金融公庫(創業融資)
- 信用保証協会付き融資(自治体・商工会議所経由)
- クラウドファンディングや民間ファイナンス
それぞれに特徴がありますが、特に創業融資については、しっかりした事業計画書と面談対応で、サラリーマンからの転身組でも十分可能性があります。さらに、認定支援機関からのサポートを受けると、審査上も有利になるケースがあります。
よくある質問(FAQ)
Q1. 銀行ローン審査に落ちたら、しばらく申請できませんか?
→ 落ちた直後でも再申請は可能ですが、審査記録は残りますので、理由の改善が見込めない場合は時期をずらすのが無難です。
Q2. 信用情報の履歴はどのくらい残りますか?
→ 延滞情報は概ね5年間残ります。
Q3. 審査に強くなるために、今からできることは?
→ 借入を減らす、収入を安定させる、正確な書類を整える、の3点を意識しましょう。
Q4. 公庫や自治体の融資の方が通りやすいですか?
→ 銀行よりは柔軟な審査が多いですが、事業計画と誠実な面談対応がカギです。
Q5. 審査に落ちたら他の銀行には申し込めない?
→ 他行に申し込むことは可能ですが、短期間に複数申請すると信用情報に影響が出ることがあります。
まとめ──ローン審査で落ち込む前に「原因」と「対策」を!
銀行ローンの審査に通らないと、起業への意欲も削がれてしまうかもしれません。でも、原因をしっかり分析し、対策を講じることで道は開けます。
ローンが通らなかったという結果に一喜一憂するよりも、「今、何ができるか?」に目を向けていきましょう。
あなたの夢を実現するために、今できることに一歩踏み出していきましょう。
わからないことがあれば、お気軽にご相談くださいね。一緒に、未来への一歩を踏み出しましょう!
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起業の手続きって何から始めればいいの?といった疑問に対して適切なアドバイスを無料にて行っております。
無料相談も行っているので、ぜひ一度、ご相談ください。お問い合わせお待ちしております!
この記事を書いた人
中野裕哲/Nakano Hiroaki
起業コンサルタント(R)、経営コンサルタント、税理士、特定社会保険労務士、行政書士、サーティファイドファイナンシャルプランナー・CFP(R)、1 級FP技能士。大正大学招聘教授(起業論、ゼミ等)
V-Spiritsグループ創業者。税理士法人V-Spiritsグループ代表。東京池袋を本拠に全国の起業家・経営者さんを応援!「ベストセラー起業本」の著者。著書20冊、累計25万部超。経済産業省後援「DREAMGATE」で12年連続相談件数日本一。
【まるごと起業支援(R)・経営支援】
起業コンサル(事業計画+融資+補助金+会社設立支援)+起業後の総合サポート(経理 税務 事業計画書 融資 補助金 助成金 人事 給与計算 社会保険 法務 許認可 公庫連携 認定支援機関)など
【略歴】
経営者である父の元に生まれ、幼き頃より経営者になることを目標として過ごす。バブル崩壊の影響を受け経営が悪化。一家離散に近い貧困状況を経験し、「経営者の支援」をライフワークとしたいと決意。それに役立ちそうな各種資格を学生時代を中心に取得。同じく経営者であるメンターの伯父より、単に書類や手続を追求する専門家としてではなく、視野を広げ「ビジネス」の現場での経験を元に経営者の「経営そのもの」を支援できるような専門家を目指すようアドバイスを受け、社会人生活をスタート。大手、中小、ベンチャー企業、会計事務所等で営業、経理、財務、人事、総務、管理職、経営陣等、ビジネスの「現場」での充実した修行の日々を送ったあと、2007年に独立。ほかにはない支援スタイルが起業家・経営者に受け入れられ、経済産業省「DREAM GATE」にて、面談相談12年連続日本一。補助金・助成金支援実績600件超。ベストセラー含む起業・経営本20冊を出版。累計25万部超。無料相談件数は全国から累計3000件を超す。

この記事を監修した人
多胡藤夫/Fujio Tago
元日本政策金融公庫支店長、社会生産性本部認定経営コンサルタント、ファイナンシャルプランナーCFP(R)、V-Spirits総合研究所株式会社 取締役
同志社大学法学部卒業後、日本政策金融公庫(旧国民金融公庫)に入行。 約63,000社の中小企業や起業家への融資業務に従事し審査に精通する。
支店長時代にはベンチャー企業支援審査会委員長、企業再生協議会委員など数々の要職を歴任したあと、定年退職。
日本の起業家、中小企業を支援すべく独立し、その後、V-Spiritsグループに合流。
長年融資をする側の立場にいた経験、ノウハウをフル活用し、融資を受けるためのコツを本音で伝えている。


























